04-10/Dec/2022  #WhatsHappeningInMyanmar

2022年12月4日から12月10日までの1週間にミャンマーで起きたことです

米国下院は、PDF や少数民族武装グループを含む、ミャンマーへの非武器援助として 4 億 7000 万ドルを承認。EUは、国連世界食糧計画 (WFP) を通じたミャンマー支援に650万ユーロの支出を決定。英国は、人権侵害と紛争関連の性的暴力の加害者である治安部隊のメンバーを対象として、ミャンマーの軍事政権に対する新たな制裁を発表。カナダは、人権侵害に加担しているミャンマー軍事政権の関連団体と個人に対する新たな制裁を発表。欧州議会は、国民統一政府 (NUG) をミャンマーの公式政府として宣言。
日本政府は、「自衛隊施設でミャンマー軍関係者10人を訓練中」との答弁書を閣議決定。

▼軍事政権はNLDのメンバー2人に、アウンサンスーチー氏に会ってミャンマー軍事政権の選挙計画を説明することを許可したが、アウンサンスーチー氏はこれを拒否した。軍事政権は、2023年8月「総選挙」を実施・圧勝することによって政権維持の正当性を確立しようとして、必死になっている。

▼ザガイン地方域の村々への軍事政権の焼き討ちが続いている。

▼全国各地で、軍事政権の支配に反対する住民たちの平和的な抗議デモが行われている。ザガイン地方域でも、連日、さまざまな村で平和的な反クーデター抗議活動がつづいている。

▼5日、ヤンゴン地方域の村のゴミ集積所に折り重なって遺棄された、年齢17歳〜30歳と推定されるロヒンギャ13人の遺体が発見された。詳細は不明で、NUGも真相究明の調査を決定した。また、ロヒンギャ160人を乗せたボートが救助されないまま6日間タイ沖合を漂流し、9日ベトナム船が154人を救助した。ラカイン州では、アラカン軍 (AA) と軍が11月29日に人道的一時停戦に合意したが、依然として医薬品の持ち込みが禁止されている。

目   次

国内情勢

◆ラカイン州ポンナーチュン郡内の地区・村落行政長約70人が、アラカン軍AAと軍の停戦合意前の時期に同郡内のスィンインジー村で住民が軍により集団虐殺された事件を受け、辞表を提出。住民はおろか自分の身さえも守ることができないというのが理由。4日に開かれた郡行政長会議にも治安上の理由で欠席。

◆ヤンゴン地域レーグー郡バーラー村落区ングエナンター村の路上で5日、年齢17歳〜30歳と推定されるロヒンギャ13人の遺体がゴミ集積所で発見された。身体には縫合や殴打痕が残っていた。ボランティア団体がヤンゴン総合病院に搬送したという。

◆国軍がNPOの団体登録を義務化する規則を発表したことに対して、国連人権高等弁務官事務所は人権に影響を与えると懸念。

◆6日、NUGが第77回政府会議を開催。大統領代行は「NUGはテロ評議会に不処罰を与えるつもりはない。軍が政治から完全に排除されることを保証できるまで、私たちは一生懸命働く」と発言。首相は「ダランと思われる女性が今週射殺されたタム市での事件に関して声明を発表」したと報告。PDFメンバーが関与しているか調査を指示(https://www.facebook.com/photo/?fbid=458445646458664&set=pcb.458445756458653)。

◆シャン州中国国境の街コーカン自治地域ラオカイ市のカジノや飲食店、ホテル等に全国各地から働きに来ていた移動労働者約千人が、軍とコーカン軍MNDAA間の戦闘発生を恐れ退避。コーカン軍は単なる噂だと否定したが中国から引かれている送電線の不具合で向こう1週間停電になることも退避に拍車をかけた。

◆エーヤーワディーではパスポート発給を受ける者が3倍近く増加。申請者はいままで1日70人だったのが200人に。若者が多いそうだ。早く取得するには、発給機関と結託したブローカーに高額の手数料を払わなければならない。

◆インセイン刑務所裁判所は 12 月 8 日、軍事政権が2021年8月に任命した 3 人の閣僚に汚職容疑で判決を下した。 Hla Soe は 15 年、Aung Than Oo は 20 年、Soe Soe Zaw は 6 年の有罪判決を受けた。

◆情報筋によると、NLDのメンバー2人がアウンサンスー・チー氏に会い、ミャンマー軍事政権の選挙計画を説明するようにお膳立てされた

経済ビジネス

◆軍司令は5日、露レシェトニコフ経済発展大臣率いる総勢80人の経済代表団との会談で、ロシア企業が直接投資を行う場合、特別優遇措置を適用する用意があると述べた。またこの会談で二国間を結ぶ直行便の運航、観光分野での協力、鉄鋼製製造や原子力エネルギー分野での協力についても協議が行われた。

人道問題

◆国際社会から強い非難を浴びた昨年12/24にカヤー州フルーソー郡モーソー村で起きた軍による住民大量虐殺(焼殺)事件に軍第66師団第108軽歩兵大隊が関与していたことをカヤー民族防衛隊KNDFが発表。今月3日に起きた戦闘でKNDFは、同大隊員4人を拘束。事情聴取により同大隊の犯行への関与が明らかに。

◆モン州内で負傷者の搬送等を行う民間人による救援団体が困難に直面している。先月21日にはチャイマヨー郡タウンガレー村を軍が空爆し、住民3人が死亡、10人が負傷。14日にはモーラミャイン市内での軍と市民防衛隊の交戦で負傷者が出たが救護活動は阻まれた。 夜間外出禁止令も活動上の大きな障害に。

◆アラカン軍AAと軍が先月29日に停戦に合意した後、戦闘の影響で軍が封鎖していたラカイン州内の道路は開通したものの、ラカイン州への医薬品の持ち込みは相変わらず禁じられたままだ。さらに州内での輸送も禁止されたという。ヤンゴン市から品物が入れられないため薬局の店頭から医薬品が消えつつある。

◆チン州ではクーデター以降、国軍による攻撃で355人死亡、9万人以上が国内およびインドのミゾラム州へ避難している。

◆ロヒンギャ160人を乗せたボートがタイ沖合を漂流しているのが発見されて6日が経つが、未だに救助されていない。マレーシアに向かう途中、エンジンが故障したものと見られる。少なくとも6人が餓死している模様。

◆ベトナム船がアンダマン海を漂流している船から 154 人のロヒンギャを救出し、ミャンマーの軍事政権に引き渡す。(Chindwin News Agency, 2022年12月9日 19:05)

軍事政権による恣意的な逮捕、殺害、暴力

◆11 月 30 日、ミャンマーの伝統的なダンサーPoe Chit、シンガー・ソングライターのShaun Tun、および他の 2 人のパフォーマーが拘留された。Poe Chitは、ヤンゴンのShwe Pyi Thar郡区にあるビルマ演劇コミュニティの集合住宅で逮捕された。Poe Chitは、クーデター直後の2021年2月5日にミャンマー演劇協会の会長を辞任し、反クーデターの抗議活動に参加した。軍事政権のメディアは、Phoe Chit が PDF支援の容疑で逮捕されたと報じている。

◆AAPP12月2 日更新(検証された数字):2,553 人の民主化活動家、その他の民間人が殺害された。1万3,040 人が拘留中、1,680人が服役中。 クーデター後の死刑囚は97 人。欠席判決は121人、うち42 人が死刑。 合計139 人が死刑を宣告されている。

◆カチン・バプテスト代表者会議議長のDr.カラムサムスンを軍が3日、マンダレー空港で拘束。同氏は5日に解放されたもののカチン州ミッチーナー空港に帰着した際に再び拘束された。病気治療のためタイに渡ろうとしていたが阻止されたため引き返したところ再拘束。理由は不明。

◆先週インセイン刑務所内の軍事法廷で死刑判決を言い渡されたダゴン大学の学生7人を含む若者10人の刑が7日に執行されるとの情報が拡散しているが、7日午後の時点で刑は執行されていないことがBBCの取材で分かった。

◆7日、軍事政権は元学生指導者で民主主義活動家のKo Lin Htet Naing(別名Ko James)に扇動罪で懲役3年の判決を言い渡した。彼はまた、テロの罪で起訴されており、最高で終身刑に処せられる。

◆11 月 1 日に逮捕されたラカイン州Maungdaw郡区の女子学生 (24 歳)とモーターサイクリスト (28 歳) が、不法結社法第 17 条(1)(2)に基づき起訴されたが、いつ裁判が始まるかはわからない。学生の家族は、彼女はどの政治団体とも関係がないと述べている。

軍事政権による国民・財産への攻撃

◆ザガイン地域サーリンジー郡イェーメイン村を5日、進行中の軍が焼き討ち。住宅数全200棟中52棟が焼失。

◆ザガイン地域シュエボー郡タポワティッター村を4日、兵力80人程度の軍部隊が侵攻。住民25人を拘束し、ムー川対岸のヨンター村に連行。武器を運ばせたという証言も。ほとんどが13歳〜20代の若者。避難中で、一時的に村の様子を確認しに戻ったところを拘束された。6日の時点でまだ解放されていない。

◆ザガイン地域ティージャイン郡の村への軍による集中攻撃が続いている。地元防衛組織ティージャイン・レボリューションによれば、軍は7日にもズィータウン東村と西村を焼き討ち。民家計80棟が焼失した。

◆西部チン州内で、クーデター発生後22ヶ月の間に軍の攻撃により死亡した住民の数は355人。うち186人が住民により結成された防衛隊のメンバー。24人が18歳未満の子ども。焼き討ちで焼失した民家の数は1505棟。デモ参加中に射殺されたケースや村に侵入した兵士に非武装の住民が殺されたケースを含む。

◆10日、軍は 1 日でザガイン地方域 Tabayin (ဒီပဲယင်း) 郡区の 8 つの村に火を放った。

平和的抗議・CDM

◆10日、ザガイン地方域Tabayin郡区の村で、軍事独裁に対するゲリラ形式の抗議デモが民主化支持者によって行われた。

◆タニンダーリ地方域のダウェイ地区、Launglon郡区で行われた反クーデターの革命的抗議デモ [ビデオ映像]。

武装抵抗・PDF・戦闘

◆11 月 26 日から 30 日にかけて、都市ゲリラ グループのメンバー 9 人がヤンゴンのBotahtaung郡区とNorth Okkalapa郡区で逮捕された。9 人はピストル、13 発の弾丸、および 2 つの手作りの爆発装置を持っていた。

◆ヤンゴン市内でデモの隊列に軍が車両で突っ込み参加していた若者らを死傷させる事件が起きてからちょうど1年が経つ5日、当時の事件現場にあたるチーミンダイン郡区パンビンジー通りで警備にあたっていた警官の近くで爆発が発生。都市ゲリラ組織のKMD 18、 UMCD 、YUYOが実行したという。

◆カレン民族同盟(KNU)中央の発表によれば、東部カレン州を中心とする7つのKNU支配地域で、昨年2/1のクーデター発生以降、軍とKNU指揮下の武装組織との間で起きた戦闘の回数は7,000回にのぼる。先月だけでも290回発生、民間人の犠牲者数は12人。軍側により多く死傷者が出ているとKNUが主張。

国際関係

◆政府が「自衛隊施設でミャンマー軍関係者10人を訓練中」との答弁書を閣議決定。「航空自衛隊の幹部候補生学校でも、空軍中尉1人を受け入れ、約9か月間の教育訓練を行っている」とも。

◆12月6日、米国下院で2023年国防権限法(NDAA)が可決され、PDF や少数民族武装グループを含む、ミャンマーへの非武器援助として 4 億 7000 万ドルを承認した。コミュニケーションーー指揮統制と協力を強化するための技術的および非兵器的支援の提供が含まれる。(We Support Heroes, 2022年12月8日 19:53)

◆EU、WFPミャンマー支援に650万ユーロ 。しかし、支援を最も必要としている北西部のチン州とザガイン地域、東部カヤ州、中部マグウェー地域への接触は制限されているとのこと。

◆英国は、人権侵害と紛争関連の性的暴力の加害者である治安部隊のメンバーを対象として、ミャンマーの軍事政権に対するさらなる制裁を発表。(UK in Myanmar, 2022年12月9日 18:13)

◆ドゥワラシーラNUG大統領代行「カナダが、人権侵害に加担しているミャンマー軍事政権の関連団体と個人に対する新たな制裁を発表して、人権と民主主義のために立ち上がってくれたことに感謝します。人権侵害を終わらせるために、犯罪軍への武器の流れを止めてください。」

◆欧州議会は、国民統一政府 (NUG) をミャンマーの公式政府として宣言した。欧州議会は、連邦人権大臣U Aung Myo Minが、欧州議会によって公式代表として認められたことを発表した。(We Support Heroes, 2022年12月10日 16:51)

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