06-19/JUN/2024 #WhatsHappeningInMyanmar

2024年6月6日から6月19日までの2週間にミャンマーで起きたことです。

ラカイン州の情勢とロヒンギャ】2日間にわたるミャンマー軍の空爆と砲撃で、サンドウェ―郡区の村人64人が殺害された。AAと軍との戦闘が激化してから7ヶ月間で空爆による死者は319人、負傷者は1146人。18日からマウンド―郡区で新たな戦闘がはじまり、ロヒンギャは戦闘に巻き込まれ、命を守るために逃げている。

子ども・国民の被害地雷による子どもの死傷が増加し、今年の3か月間で100人が死亡。ミャンマー軍の空爆・砲撃による死傷が増加。南シャン州では1月末から34人が死亡した。全国で88,373棟の民家がミャンマー軍に焼き払われた。

軍事政権の動き】兵力不足が深刻化する軍事政権は、予備役法による退役将校のネーピードーへの招集、女性の強制徴集を始めた。総司令官は「総選挙を来年に実施」と日程に初めて言及した。

経済低迷が深刻化】世銀は年成長率予想を2%から1%に引き下げた。ヤンゴンの生活日用品の物価はクーデター前と比べて今年5月は、ガソリン1.7倍、米4.4倍、食用油1.9倍、卵2.1倍。

フラワーストライキ】19日、アウンサンスーチー氏79歳の誕生日を祝うフラワーストライキが全国で行われた。軍事政権は参加した国民に対する取り締まりを継続。

北シャン州の情勢】KIO/KIAとTNLAが鉱業権益をめぐり、また、FPNCCの7つの民族武装集団は領土紛争や宗教対立をめぐり紛争が激化している。一方、軍事政権は停戦合意に違反してTNLD支配地区にドローンをふくむ攻撃を行い、またシャン州の軍事基地を増強しており、戦争への緊張が高まっている

少数民族軍の戦果カチン州でKIAはSadung町を制圧。軍事政権は、カチン州と北シャン州における国境貿易ルートすべての管理権を失った。KIAは州都ミッチーナに迫りつつある。チン州ではチン同胞団・AA合同の軍事作戦で南部の町Matupiを制圧し、ミャンマー軍軍事基地を完全に掌握した。

外国との関係タイ当局は、ミャンマー軍事政権への抵抗団体の捜査、活動停止命令など弾圧を行った。インド軍はネピドーに代表団を派遣し、両軍関係強化を話し合った。ロシアはミャンマーに「小規模原子力発電所」を建設する協定を承認した。日本のODA円借款による第3タンリン橋(新バゴー橋)が開通。軍事政権へ日本の資金が流れ、軍政の正当性のアピール材料に利用された。
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詳しい日誌、出典は、下記をご覧ください
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国内情勢

◆4日、軍事政権の副大臣ドクター・ゾーミンがバゴー管区タウングー市内の大学と教員養成カレッジ、基礎教育学校を視察調査。学校の就学登録期間中、タウングー郡では2023-2024教育年度登録者36,844名に対し今年度は41,068名、バゴー管区は昨年度738,685名に対し今年度は795,307名が登録。

◆ミャンマーの民主化を支え、今月亡くなったティンウー氏。5日の葬儀では、異例の光景が見られた。この日の葬儀には支持者だけでなく、胸に政党旗のバッジをつけ、党の正装の上着をまとった党関係者が何人も姿を現した。民主化運動が国軍の弾圧を受ける今のミャンマーでは、極めて異例の光景だ。墓石の花束には、「アウンサンスーチーより」という花束があった。

◆軍評議会は6月6日付で商用旅券から観光用旅券への切り替えを禁じた。5月初旬に海外での就労を禁じる措置を実行して以来、さらに海外渡航への制限が厳しくなったもの。この告示は正式に発表されておらず旅券事務所に貼り出されているのみ。

◆8日、日本政府のODA円借款による第3タンリン橋(新バゴー橋)が開通。開通式には、現在進行形で著しい人権侵害を犯しているミャンマー国軍のミンアウンフライン総司令官が出席。本事業はクーデター前のNLD政権と締結されたもの。軍政の正当性のアピール材料に利用された。「民主派勢力や人権団体は「日本のODAの資金が軍に流れ、人権侵害に事実上加担している」などと反発を強めています。」

◆予備役法によって退役将校をネーピードーへ招集し始めた。10日までに1400人以上の退役将校は予備役法の施行後、第1団として召集された。

◆ヤンゴン市北オウカラパ郡区のチャウイェードゥインゴン陸橋下の交通警官詰め所で11日午後8時5分、何者かによる爆発が起こり、警察官2人が負傷した。

◆マ12日午後2時頃、ンダレー市チャンエーターザン郡区のズェーテッ貴金属店にバイクに乗った2人組が手製の爆発物を投げ込み従業員5人が負傷。同店のオーナーは軍評議会により逮捕状が発布されている。 

◆先週からのVPN統制厳しくなってから、いまだMacで使えるVPNサービスにであえてなく、ソーシャルログインをFacebookに設定していたサービスにログインできない。 そもそもネットの接続もほんと悪い。

◆カチン独立機構/カチン独立軍(KIO/KIA)とタアン民族解放軍(TNLA)は、北シャン州Namtu郡区の鉱業権益をめぐり争っており、双方が互いに非難し合っている。

◆2015年の全国停戦協定 (NCA) に対抗して設立された連邦政治交渉諮問委員会 (FPNCC) は、中央政府との交渉に従事する7つのEAO=UWSA、AA、KIA、MNDAA、NDAA、SSPP/SSA、TNLAの連合体だが、領土紛争や民族間の紛争が激化している。

◆軍事政権はミャンマーのISPに、ソーシャルメディアや独立系メディアのサイトへのアクセス禁止を回避するVPNソフトをブロックしない限り、インターネットサービスを停止すると脅している。

◆ミャンマー軍総司令官、「総選挙を来年に実施」とクーデター後初めて言及。戦闘激化で実現するかは不透明。

◆ミャンマー政権を握った軍部が女性の強制徴集を始めた。 反軍攻勢の中、男性たちが徴集を避けて身を隠し、兵力不足が深刻化すると、「女性徴集」というカードを取り出したのだ。16日、ミャンマー・ナウやイラワディが伝えた。

◆15日、ミャンマー軍がラカイン州タウンコック郡区で市民100人以上を逮捕 高額な保釈金を要求。

◆北シャン州コーカンでは、村落区幹部の養成研修を行っている。かつてのようにMNDAAは統治体制を強化しているようだ。所詮「EAOによる軍政」でしかないが、彼らの意識は特区制度の回復。軍事的に制圧し(革命)、正義党による統治を目指す。UWSAのような高度な自治がモデル。

経済ビジネス

◆最近、ヤンゴンの中間層からも「生活が厳しい」という声を多く聞く。現地の日用品の物価推移を調べてみると、米を中心にかなり高騰していた。以下は2022年1月と2024年5月の比較(単位はチャット)。 ガソリン 1511→2553 /米 2063→9163 /食用油 6475→12483/ 卵  135→290。

◆ヤンゴンの中国系縫製工場での労使紛争が決着しない。スウェーデンの衣料品大手H&M向けなどの製品を生産している。

◆世界銀行は、ミャンマーの2024/25年度成長率予想を1%に下方修正した。昨年12月時点での2024/25年度成長率予想は2%だった。

◆従業員の給与増やした経営者を称賛するのではなく、反対に逮捕するって、とんでもない政策だ。ミャンマー軍政関係者によると、 為替変動や物価上昇を理由に従業員の給与を増やした少なくとも10人の民間起業家を逮捕したという。 起業家は従業員の賃上げが必要だと判断し、それをSNSで発表後に逮捕。逮捕理由は、そのような投稿は国家及び経済の安定を害する行為だから、らしい。

◆軍評議会は50人以上の送り出し実績のあるエージェントに対し、在外労働者が収入の25%を本国の家族宛てに国内の銀行経由で送金したことを証明する書類の提出を毎月5日までに行うよう指示した。これを怠った機関は営業許可の取り消し処分を受ける可能性も。昨年9月から今年の4月までが当面の対象期間。

◆海外出稼ぎ労働者が国の家族に送金している証明を出さないと送り出し機関のライセンスが停止になるかも?というニュース。 母国に送金するかしないかは個人的な話なので送り出し機関が決められることではなく、非常に難儀な話だ。 これ正確に証明するのは非常に面倒な話なので、どうするのかな。

人道問題戦争犯罪

◆4日から5日の2日間にわたり、ラカイン州サンドウェ―郡区Singaung村でミャンマー軍が空爆と砲撃を行い、民間人64人が殺害され、埋葬された。いまだ行方不明の者もおり、死亡したとみられる。住民によれば、女性や子供を含む民間人の死者は50人から100人と推定される。

◆ミャンマーでは地雷で死傷の子ども増加し、2024年1~3月は100人で、前年同期比61%増。正式な訓練も受けず安全装備もないなかで、地域の人々の命と手足を救うため、多大なリスクを冒して地雷撤去に取り組む人がいます。

◆国際労働機関 (ILO) は児童労働反対世界デーの12日、ミャンマーでの児童労働根絶を全ての関係者に訴える声明を発表し、人口の4割が貧困ライン以下で生活しているミャンマーで、治安情勢が悪化し、2月の徴兵制施行で危機はさらに深刻化したと指摘。300万人を超えた国内避難民の3分の1は子どもでだと。

軍事政権による恣意的な逮捕、殺害、暴力

◆アウンサンスーチー氏の次男で英国在住のキム・エアリスさん (46歳) が、オンラインで読売新聞のインタビューに応じ、「国軍が母を人間の盾にし攻撃をかわそうとしている。今年1月以来連絡途絶える」と答えた。NHKのインタビューにも応じ、母は「人権信じただけで投獄、傍観しないで」と国際社会に訴えた。

◆モン州チャイットー市コーサンナイン地区で13日、国民防衛隊PDFを支援したとしてコーサンナイン社会奉仕団体のメンバーの男女4人を軍が拘束。14日にも同市内で男性4人が拘束された。自宅にあった携帯電話等も没収された。8人はチャイットー警察署に拘留されているが家族の面会は認められていない。

◆Political Prisoners Network Myanmarによると、クーデター当局は6月15日、マンダレー中央刑務所(通称オボ刑務所)から70人以上の政治犯をマグウェ地方域の刑務所ととマンダレー地方域のミンジャン刑務所に移送した。

軍事政権による国民・財産への攻撃

◆シャン州南部で1月21日からミャンマー軍とパオ民族解放軍(PNLA)との戦闘が激化し、これまでに子ども11人含む77人が死亡。その内34人は、ミャンマー軍の空爆や重火器での砲撃による死亡だった。

◆マンダレー管区ミンチャン郡区で、15日から16日にかけて民家185棟が焼き払われる。2021年のクーデター以降、ミャンマー全国で88,373棟の民家がミャンマー軍に焼き払われた。

平和的抗議・CDM

◆カチン州、KIOの支配地域で200校以上の学校を増やして新学期開始。2024-2025教育年度は、基礎教育学校以外に、教員養成カレッジ(マイジャーヤン)、行政官養成学校、農業畜産ディプロマ学校、看護学校、士官学校等の高等教育学校が合計448校開設された。

◆ミャンマーの団体は、6月19日にフラワーストライキを行うことを呼びかけている。この日は、2021年2月1日の軍事クーデター中に軍事政権に捕えられ拘留されているアウンサンスーチー国家顧問の79回目の誕生日である。

◆6月18日、春の革命軍と人々は、ザガイン地方域Kani郡区の村でアウンサンスーチー氏の79歳の前誕生日を祝ってフラワー・ストライキを行い、横断幕を掲げ、軍事独裁の失敗をというスローガンを唱和した。

◆けっして屈しない鋼鉄のバラ #19June_flower_strike #6月19日_フラワーストライキ 我々国民はファシストに「ひれ伏して」釜の中の蛙のように死ぬわけにはいかない。我々は全力で「抵抗」するという粘り強さを持って、これからも団結して革命の旅を進めていく。

◆ヤンゴンでは19日、アウンサンスーチー氏79歳の誕生日を記念して、Ye Wa Bae (人民慈善青年組織) が「SUU」の文字を掲げて単独の抗議運動を行った。Octopusは組織全体で、アウンサンスーチー氏の略称「SUU」というシンボルおよび鉄のバラ(黄色)というシンボルを掲げる単独の抗議運動を行うと発表した

◆軍事政権は、アウンサンスーチー国家顧問の79歳の誕生日を祝うフラワーキャンペーンに参加した国民に対する取り締まりを各地で継続している。 マンダレー市チャンエーターザン郡区内の喫茶店等で、生花を髪に刺していた女性及び生花を販売していた市民少なくとも10人がフラワーデモに参加したとの嫌疑で拘束された。軍事政権の宣伝メディアは、3人の女性とカップルが市内の軍事政権の警察署と思われる場所で足枷につながれている映像を公開した。

武装抵抗・PDF・戦闘

◆8日、ザガイン管区レッパンダン村の寺院でPDFらが合同会議を開いているとき、ミャンマー軍が寺院を空爆、16人死亡。

◆カチン州Waingmaw郡区の国境貿易都市Kan Paik Tiへの道沿いで攻勢を開始したKIAは11日、Sadung町を制圧。軍事政権は、カチン州と北シャン州における国境貿易ルートすべての管理権を失った。3月7日の軍事作戦開始以来、カチン州全域の軍事政権の軍事基地数百か所を占領してきたKIAとその同盟PDFは、6月11日、Waingmaw郡区にある軍事政権の有名な軍事基地、Sadung戦略前哨基地を占領し、保管されていた膨大な数の武器と弾薬を押収することに成功した。武器押収の成功は、間違いなく軍事政権に対する抵抗の継続に貢献するだろう。

◆ネピドーの軍事筋によると、TNLA軍を含む北部姉妹軍がシャン州北部のラシオ市付近に到着したとの報道を受け、軍事評議会は北東軍司令部を含む大隊単位で軍事準備を進めているほか、中国に現状を正式に通報した。

◆シャン州ラシオにあるミャンマー軍北東部司令部は、兵員と大口径兵器だけでなく、 中国製、ロシア製のドローンによっても軍事力が増強されている。抵抗勢力内のもう一つの問題は、シャン州北部の領土主張をめぐる分裂であり、これは政権にとって非常に有利な状況を生み出している。

◆ミャンマー内戦カチン州:カチン独立軍が州都ミッチーナーに迫りつつあり、国軍はミッチーナー周辺の山道を破壊。この内戦では、橋を落とすというのはよく見ますが、道を壊すというのはちょっとめずらしい。

◆17日、チン同胞団とAAによる合同軍事作戦は2週間にわたる激しい戦闘の末、チン州南部の町Matupiを制圧し、ミャンマー軍第304軽歩兵大隊(LIB)の軍事基地を完全に掌握した。この勝利はチン州の抵抗勢力にとって重要なものであり、その地域の勢力均衡に大きな影響を与えることが予想される。

国際関係

◆ロシア政府は、ロシア国営原子力企業とミャンマー軍事政権との間で締結された、ミャンマーに「小規模」原子力発電所を建設する協定案を承認した。

◆タイ当局がメーソットで抵抗運動を支援するミャンマー人宅を訪問。土足で上がり込み、壁に掲げたスーチー氏の写真などの撤去を要求。蹴り上げる様子も。先週、東北部コーンケーンで入院中のミャンマー人がタイ人警官に射殺される事件が起きた。

◆タイにあるミャンマー難民支援団体の発表によると、タイ当局は10日、ミャンマー軍事政権の要請に応じてターク県メーソートにある同支援団体事務所を捜索し、活動停止を命じた。

◆12日、インドの軍事情報統合局長の少将はネピドーで軍事政権ナンバー3の将軍を表敬訪問した。双方は、人員交流を増やし、国境の安定、安全保障、法執行を緊密に協力、両軍関係強化について話し合った。世界最大の民主主義国インドは、ミャンマー軍への世界3番目の武器・装備品供給国である。

◆中国外務省の鄧錫軍アジア問題特使が18日、ミャンマー軍評議会のタンスウェ外相と会談。

◆福岡市動物園がミャンマー動物園から7月にゾウを譲り受けることに、在日ミャンマー人有志が反対声明をまとめ、福岡市に申し入れを行う予定 。「日本側が軍を支持したとの誤ったメッセージが発信される恐れ」があり、ミャンマー軍が政治利用することを懸念。

ラカイン州

◆中国はラカイン州での投資プロジェクト、とくにチャウピュー深海港および経済特区を守るためアラカン軍AAとの交渉を急いでいる。

◆ラカイン州パウットー郡チェインクェモー村を16日、軍が飛行機で空爆。70代の主僧及び住民3人(80代、10代を含む)が負傷。僧院と学校が破壊。同日にシットェー市内の軍基地から重火器砲撃も受けたという。アラカン軍と軍との戦闘が激化してから7ヶ月間で空爆による死者は319人、負傷者は1146人。

◆日本のために祈ってくれる世界一かわいそうな子どもたちのために…泉裕康氏は「想像力と思いやりを」と説く。2017年、ミャンマーで迫害されたロヒンギャの大規模な難民が発生したころ、バングラデシュの大使だった。ミャンマー政府との関係を悪化させたくない外務省内で「ロヒンギャという言葉は使わないように」とくぎを刺されたが、泉氏は「義憤に駆られ、人権の観点で決めた。『ロヒンギャ』と呼ばなければ彼らのアイデンティティーの否定になる」として、「ロヒンギャ」と呼び続けた。

◆アラカン軍 ( AA ) は、ラカイン州のマウンド―のダウンタウン(住民の大多数はロヒンギャ)で、16 日午後 9 時から直ちに市外へ退去するよう「通知」を発令した。マウンドーはラカイン州でブティダウンに次いで 2 番目に多いロヒンギャの人口を抱えている。

◆南ラカイン州タウングプ郡区で軍事政権の空爆により3日間に民間人6人が死亡、18日の最新の空爆ではPandin島の村で女性3人が死亡、数人が負傷した。

◆18日正午頃、ラカイン州マウンドー郡区のPan Taw Pyin村で、ミャンマー軍とAAとの戦闘が始まった。ミャンマー軍はNyaung Chaung村に、一方AAはPan Taw Pyin村に配備されている。ロヒンギャは戦闘に巻き込まれ、命を守るために逃げている。赤ん坊を抱きながら走っているロヒンギャも見える。

06-19/JUN/2024 #WhatsHappeningInMyanmar

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