10-16/July/2022

ミンアウンフラインは12日にロシアを「私的に」訪問し、ロシア国防省上層部と軍事関係強化で合意した。中国・重慶市にミャンマー総領事館が開設された。米国務長官は中国とASEANに、ミャンマーの民政復帰に向けて圧力をかけるよう求めた。
ヤンゴン市、マンダレー市で爆弾爆発や武装強盗などの犯罪が多発し、治安が悪化している。ザガイン地方域、マグウェ―地方域、カヤー州で激しい戦闘が続き、多数の避難民が出ている。

目   次

国内情勢

◆ザガイン管区で連絡が取れず行方不明になった教育従事者が約30人いる

◆モンユワ港で石油タンカーが炎上

◆11日昼、マンダレー市で銀行からお金を引き出した60歳の女性が射殺され、4,000万チャットを奪われた。ミャンマーの大都市で、犯罪や武装強盗が横行している(Chindwin News Agency, 7月11日)

◆ヤンゴン市ランマドー郡区所在の両替所2カ所で強盗事件が発生

◆11日夜、ヤンゴン地方域マヤンゴン、北オカラパ、南オカラパ、インセイン、北ダゴン、サウスダゴン、イーストダゴンで連続して爆弾が爆発(Khit Thit Media, 7月12日)

◆NLDは9日、軍が2020年総選挙の結果を無効にし総選挙の実施を強行しようとしているが、これは軍評議会の憲法に反する行為だ、と声明発表

◆11日、ヤカイン州シットェー市内で、イスラム教徒の若者とヤカイン民族市民団体との合同で、イスラム教の行事クルバニ祭が行われた

◆ザガイン地域4県12郡ではNUGの行政機関を設置され、市民による行政が動き始めた。NUG は、軍傘下の行政機関職員に対し、10日までに任地から離れるよう求めた

◆国民統一政府の第61回閣議が12日午前10時に開催、Man Win Khaing Than連邦首相は、軍事力を高めること、NUG予算の95%が国防省で費やされていて歳入を増やす努力を引き続き行うこと、Tamでの2人のインド人の殺害について体系的に調査することを指示(National Unity Government of Myanmar, 7月12日)

◆12日午後3時半、ヤンゴン市サンジャウン郡区のミェーニゴン陸橋下、ダゴンセンター近くの歩道上で爆弾が爆発し、2名死亡、9名負傷。実行者と動機は不明。

◆空爆と激しい軍事作戦が行われるなか、ザガイン地方域Wetlet郡区の村で1か月前から、何百人もの地元住民が古代の遺物や宝飾品を競って探し発掘している

経済ビジネス

◆7月13日、中央銀行は外債償還を繰り延べして組み直すよう地元の企業や銀行に命じた

◆軍事政権は外貨制限の免除を取り消し、ミャンマー経済の将来に対する深刻な懸念を生じさせた

軍事政権による恣意的な逮捕、殺害、暴力

◆2021年2月1日から2022年7月13日までに、軍事弾圧により民間人2,081人が殺害され、 現在1万1,547人が拘留中。受刑者は1,312人、うち74人は死刑を宣告されている。6月までに、少なくとも678の家屋・建物が押収された

◆バゴー市で学生蜂起60周年(7月7日記念)の7月7日に抗議活動を行ったthe Bagu City-based Civilian People’s Defense Force (CPDF) のリーダーを含む少なくとも9人が逮捕された。同市での抗議行動の減少は、すべての組織の人々が逮捕されているためだとも言われている

◆3日と4日にヤンゴン市南オウカラパとティンガンジュン郡区で逮捕された男女計7人は、軍の管轄下にある尋問所に送られた模様。PDF関与の疑いで逮捕されたが、まじめに働いていたのに集団で暮らしていたから疑われたとの証言

軍事政権による国民・財産への攻撃

◆8日KNU実効支配地域であるカレン州ニャウンレービン県チャウッチー市で、戦災避難民のための物資の購入に出かけた地元住民が何者かによって拘束され殺害された

◆ザガイン地方域Tabayin(ဒီပဲယင်း)軍区で、軍事評議会の攻撃から避難している地元民

◆バゴー地方域Kyaukkyi郡区では5月から軍事評議会軍とカレン民族同盟(KNU/KNLA)合同部隊が戦闘状態で、7月までに26か村の約4万人が、町、森、野原に逃げている。軍が重火器で砲撃しているので安全な場所はない

◆国軍がザガイン管区ディーペーイン郡の村で掃討作戦を開始

◆7月14日午後、軍はザガイン地方域Dipayin郡区を軍用ヘリコプター4機で空爆、部隊を増強し、15か村約4,000人の住民が避難

◆マグエー地域ミャイン郡内のザガイン地域との境界付近に位置する村に軍部隊が侵入し、住民が避難。翌日、民家に放火し、150軒中約100軒が焼失

◆10日、ザガイン地域パレー郡の村を100人規模の軍部隊が襲撃し、住民は全員避難。軍が引き上げたと思い込んで戻った住民4人が軍兵士に銃殺された

◆マグエー地域ミャイン郡とパウッ郡の境界線近くの村の住民男性計7人が軍部隊に拘束され、首にロープを巻かれたまま車両で引きずられて殺害された

◆15日ザガイン地域イェーザジョー地域の村に軍評議会が押し入りNLD支持の住民5人を拘束し、自宅の財産を強奪(同村の住民はNLD派と軍支持派に分かれ対立している)

◆カヤー州ディモーソー、プルーソー、ボーラケー郡で、7月第2週に軍とカレンニー民族合同軍(KA/KNDF)との間で戦闘が4回発生、ボーラケー郡では軍による重火器使用及び空爆も行われた。今も軍は村に駐留しており、いつでも戦闘が起こり得る状況。避難民も新たに発生。アクセスが困難で食料が不足

平和的抗議・CDM

◆7月7日から労働者の基本的権利を要求してストライキをしていたヤンゴン ミンガラドン郡区のADK縫製工場の労働者数千人は、圧力を受けて仕事に復帰

◆カチン州モーガウン郡の村で、民間学校オンライン授業で生徒を指導していたCDM女性教員が夜間、軍と警察の関係者に拘束された

◆教育省のCDMに参加し、民間機関Kaung For You Educationの創設メンバー3人がシャン州Kalaw郡区Aungban町で逮捕され、拘留された

武装抵抗・PDF・戦闘

◆今年2/1にカチン州プタオ郡の軍の基地をカチン独立軍(KIA)が制圧して以降、無戦地帯と呼ばれていた州北端のプタオ郡で戦闘が激化している。

◆10日夕方、軍が駐留するマンダレー外国語大学で、2回爆発があった。

◆ミャンマーの軍事政権は12日の激しい戦闘によって、カレン州でほぼすべての大隊重畳縦隊が排除され、新たな大打撃に直面している(Chindwin News Agency, 7月13日)

国際関係

◆10日、米国務長官は記者会見で、ミャンマーの民政復帰に向け圧力をかけるよう中国とASEANに求めた

◆ミャンマーのロシア大使館は、軍事政権リーダーのミンアウンフラインは宇宙および核機関の関係者と会うため、モスクワにいると明らかにした(Chindwin News Agency, 7月12日)

◆12日、ミャンマーが重慶に総領事館を開設

◆ロシア国防相高官とミンアウンフラインが会談、防衛協力強化で一致

◆在ロシアミャンマー大使館は、12日モスクワに到着した軍司令官の今回の訪問はプライベートだと説明

◆在ミャンマー英国大使館長Pete Vowles氏、「今日、軍事政権によって去ることを余儀なくされミャンマーでの私の時間が突然終わった」とツイート

◆露国防省、訪露中の軍司令官は11日露国防省上層部と面談し、軍事関係の強化で合意したと発表

◆13日、軍評議会は、経済的、政治的に危機的状況にあるスリランカに米1000トンを供与すると発表

◆15日、米国務省は議会報告書に、ミャンマー軍事政権の市民弾圧が「ジェノサイド(大量虐殺)」に当たると明記

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