11-17/Sept/2022 #WhatsHappeningInMyanmar

2022年9月11日から17日までの1週間にミャンマーで起きたことです。

▼国連世界食糧計画はミャンマーで 1,320万人が飢餓の危機に直面していると発表、また、ユニセフは今年の1月から6月に地雷などの爆発事故で民間人185人が死傷したと発表。深刻な人道問題が生じています。
▼カタールの通信大手、アイルランドのファスト・ファッションが、ミャンマー撤退を発表しました。
▼軍事政権は、CDMやPDFの支持者を追跡し、支援金の流れを止めるためにデジタル金融サービスへの監視をいっそう強化しています。また、都市部での抗議活動を徹底的に弾圧する体制を強めており、「民衆の歌」を歌いながらチョーモートゥン国連大使の留任を求めてデモ行進を行っていた若者15人を襲撃し、彼らの消息は不明です。
▼軍事政権はザガイン地方域、マグウェ地方域の村々を襲撃し、軍用ヘリでの銃撃、家屋の焼き討ちを繰り返し、地元民は避難を余儀なくされています。
第77回国連総会でチョーモートゥン国連大使を継続して信任するよう求める運動が、日本、米国など各地で行われています。

  ●詳しい日誌は、下記をご覧ください。

目   次

国内情勢

◆ヤンゴン Thanlyin郡区にあるTarwa Kwat Thit区では、 9 日に軍事政権の治安部隊が不法占拠者を立ち退かせ、非公式居住区を破壊した。

◆軍事政権が実施すると言っている2023年の総選挙で、選挙委員会(UEC)は拘束名簿式で比例代表制導入へ

◆軍事政権の代弁新聞は、プーチン大統領と会談し、東方経済フォーラムに出席したことで、世界中でミャンマーの威信を高めた人物として、ミンアウンフラインをとんでもなく称賛した。 また、彼が人々に「熱狂的に」歓迎されたと書いた。

◆13 日朝10時、国民統一政府の第67回閣議が開かれ、マンウィンカインタン連邦首相Mann Win Khaing Thanが演説を行った。U Lwin Kolat内務移民省大臣が、暫定地方行政開発中央委員会の年次報告について説明し議論した。

◆8 月に軍事評議会に逮捕された俳優Thinza Win Kyawは、逮捕から 1 か月以上が経過した 9 月 14 日に法廷に出廷した。Nang Mue Sanは来週出廷の予定だが、弁護士を呼ぶこともできない。2人は、SNS上でヌード写真やビデオを販売したとして、電子法第 33 条 (a) の罪で起訴された(BBC Burmese, 9月15日 17:37)

◆全土停戦協定(NCA)未署名7組織から成る連邦政治交渉協議委員会(FPNCC)の加盟組織がワ地域一堂に会した。 同委員会は、少数民族組織の中で最大の兵力を擁するワ州統一軍(UWSA)を盟主とし、カチン独立軍(KIA)、アラカン軍(AA)、タアン民族解放軍(TNLA)(いわゆる北部同盟)も加盟する。

◆CDM 兵士が語る。「軍がPDFに勝てるとは思えない。ミンアウンフラインのテロリスト軍には、もはや戦う意志がない。彼らの精神状態は、どれくらい悪いのだろう?」

経済ビジネス

◆カタール通信大手、ミャンマー携帯事業撤退へ 売却合意

◆ヤンゴンの Wave Money サービス代理店は、軍事政権の中央銀行によって課せられた厳しい規制により、業務を停止した。中銀は、すべてのデジタル金融サービス プロバイダーに、店舗に CCTV カメラを設置し、個人の取引を詳細に記録するよう指示した。

◆ミャンマー中央銀行(CBM )は 16 日、虚偽のデータで登録されたモバイル ウォレットを閉鎖し、また、モバイルバンキングアカウントの個人情報・電話番号を入国管理局・郵便通信局からのデータと照合すると発表。PDFは、この発表の目的は主に市民的不服従運動 (CDM) と PDF の支持者を追跡することだとしている。

◆アイルランドのファスト・ファッションPrimark は、ミャンマーで事業継続することは私たちの衣服や製品を作る人々の安全と権利を保護するために必要な基準の確保が困難であると判断し、ミャンマーからの調達を停止。

人道問題

◆500 人以上の村人がミャンマーの北部サガイン地域の Yelaygyun 郡区にある学校に避難しているため、地元の人々は新たに到着した IDP (国内避難民) を養うために懸命に働いている。

◆国連世界食糧計画は、ミャンマーで 1,320万人が飢餓の危機に直面していると発表。チン州、カチン州、ラカイン州、シャン州、カヤー州などの各州と、 ザガイン地方域、マグウェ地方域で深刻。

◆ユニセフによると、今年の1月から6月に、地雷や爆発性戦争残存物 (ERW) の爆発事故が101件発生。それによる死傷者185人のうち、3人に1人は子ども。

◆軍事評議会は、戦闘が激しいタニンダーリ地方域ダウェイ郡区東部の村々への、米を含む基本的な食料品の輸送を禁止した。

軍事政権による恣意的な逮捕、殺害、暴力

◆エーヤワディ地方域のPathein刑務所に収監されている政治犯の家族は、囚人の刑期を短縮する責任があると主張する軍事政権委員会から連絡を受け、刑期再評価のために500万~3,000万チャットを要求された。

◆ネーピードー刑務所に収監されているアウンサンスーチー国家顧問が蚊やダニなどの虫刺されに悩まされている。 日中40度前後に上るが刑務所内の特別棟にはエアコンの設置がないためドアを開け放した状態で過ごす他なく根本的対策はない。健康状態は比較的良好。

◆BBC Media Actionのテレビ番組のプレゼンターとしての経験を持つフリージャーナリストのテッテッカイン氏に懲役3年の刑が言い渡された。

軍事政権による国民・財産への攻撃

◆5 日から始まった マグウェ―地方域 Yesagyo郡区 Yaylalkyun 地域での軍事政権の攻撃により、 11 日に 500 人の地元民がザガイン地方域 Myaung郡区に逃げた。現在、約 100 人の軍事政権軍が 2 つの部隊に分割され、約 2 マイル離れた Myay Taw 村と Pha Yone Phu 村を襲撃している。

◆13日にザガイン地域パレー郡ムェドン村に軍の部隊が侵入し焼き討ち。 これで同村の焼き討ちは3回目。1回目に民家170棟、2回目には30棟が焼失。

◆マグェー地域ガンゴー郡ミンザー、ラーポ、ユワスィー、レーマ村を含む10村の民家187棟が軍の焼き討ちにより全焼。稲の貯蔵小屋や車両も焼かれ、食料や高価な品が持ち去られた。 住民男性13人が人間の盾として拘束されている。

◆シャン州各地の避難民キャンプが、閉鎖するよう軍から勧告を受けている。 ナムトゥー郡を含む北部やカヤー州からの避難民が多く暮らす南部でも軍が閉鎖の方向で動いている。 シャン州では、軍とKIA、TNLA、 MNDAA、 SSPP、RCSSとの間で戦闘が続いており約30カ所の避難所に3万人の避難民が生活する。

◆ザガイン地域ディペイン郡ティットン村とニャウンフラ村を軍が戦闘用ヘリMI35 2機、軍用ヘリMI17 2機で機銃掃射。 同村への攻撃はこれで10回目。

◆アラカン軍(AA)が17日付けの声明文で、軍の放った砲弾がバングラデシュ領土内に着弾し、17歳の市民1人が死亡、5人が重傷を負った事件について軍を強く非難。

平和的抗議・CDM

◆ヤンゴン市チーミンダイン郡区パンビンニー通りを「民衆の歌」を歌いながらチョーモートゥン国連大使の留任を求めてデモ行進を行っていた若者15人が、軍に拘束され消息を絶っている。私服の兵士が乗用車で現場に到来。銃を発砲しながら若者らを拘束。

◆マンダレーでの僧侶たちの抗議活動は続いている。 現在のミャンマー代表国連大使の信任継続を要求する。

マグウェ地方域でも。
https://twitter.com/AlexMyanmar13/status/1569336752451756033?s=20&t=oqGZtN4zxM3wOABkH-oFmg
ザガイン地方域でも。
https://twitter.com/Nandar85526889/status/1569614501271535616?s=20&t=oqGZtN4zxM3wOABkH-oFmg
カチン州でも

武装抵抗・PDF・戦闘

◆マグェー地域のパコックー刑務所に収監されていた政治囚5人が逃走(脱獄)。地元PDFが保護し、解放区に送り届けた。5人のうち2人がPDF隊員、3人が一般市民。

◆南シャン-カヤー州境の街モービェー市を兵力100人程度の軍戦闘部隊が襲撃。地元PDFと少数民族組織の連合部隊との間で戦闘が発生。軍は、ロシア製戦闘機YAK130や中国製のK8を使用して空爆し、重火器150発を撃ち込んだ。

◆11 日、私服の軍事政権兵士がカチン州Myitkyina郡区 Kyar Yar Padee 区のサッカー場近くで PDF の若者を逮捕し、9 月 12 日の朝に家宅捜索を行って車と携帯電話を押収した。

◆12日午前10時頃、カチン州パーカン郡のカチン独立軍(KIA)の2つの基地を民兵を伴う軍戦闘部隊が襲撃し、攻略。ジェット戦闘機で空からの射撃も。

◆ザガイン地域ブータリン郡で第33師団と地元市民合同部隊との間で戦闘が発生し、市民側5人が死亡。ほとんどが20代。 兵力80人ほどの軍部隊は、住民約20人を拘束。

◆ヤカイン州内でアラカン軍(AA)と軍との間でより大規模な戦闘が起こる可能性があるため監視を強化するとAAが警告。現在軍は、ヤカイン州内各所で陸海空路で兵員や武器弾薬の補充を行っており、AAが攻略した軍の40mile基地及び第352歩兵大隊基地を含むパレッワ一帯を空爆するなどして攻撃している。

国際関係

◆バングラデシュ首相は12日、バ・米が共同で開催したインド太平洋地域陸軍管理セミナー(IPAMS)の開会式でロヒンギャ難民問題に触れ、難民の存在は安全保障上及び経済、政治、社会的脅威であり帰還を目指すが、強制的に送還することはないと述べた。

◆Facebookは13日、ロヒンギャに対する犯罪に関する軍への法的措置に備えて証拠収集を行う国連機関、ミャンマーに関する独立調査メカニズム(IIMM)に対し、偽装が判明し閉鎖措置が取られたアカウントの情報、数百万点を開示。

◆インドのミゾラム州首相は、モディ首相と会談。ミャンマーの政治危機からの脱却と平和構築支援においてインド中央政府は中心的役割を果たすべきだと述べた。 これに対しモディ首相は、注力することを約束。 現在越境してインド側に逃れたミャンマー人避難民約3万人がミゾラム州で暮らしている。

◆マレーシア外相はSNSで、第77回国連総会でミャンマー問題に関し市民の側に立って発言をすると述べた。 マ政府は19日にミャンマー関連会合の開催を予定。NUG副外相、CRPH委員長、NUCC代表、チョーモートゥン国連大使が出席する。

その他

◆世界最大のファッションウイークNew York Fashion Week 2022で、「Free Burma, End Dictatorship」を訴える勇敢なミャンマーのモデルたち(https://www.facebook.com/photo/?fbid=5373172166108467&set=pcb.5373172759441741)

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