17-30/AUG/2024 #WhatsHappeningInMyanmar

2024年8月17日から8月30日までの2週間にミャンマーで起きたことです。

中国は、「ミャンマー和平」へ積極的にイニシアチブをとりはじめたようだ。TNLAへの圧力を強めている。中国外相、新任の在麺大使らが軍事政権首脳、国連ミャンマー特使らと会談、国境地帯で空陸から巡回を強化、軍事演習実施、国境通関所を閉鎖してTNLAへの武器流入を阻止などの活発な動きが見られる。

▼劣勢の軍事政権は突破口を2025年11月総選挙実施に置き、それに向けて失地回復作戦、民間人への空爆強化、兵員補充、民兵組織の動員計画などを実施に移している。

▼ザガイン、マンダレー地方域、カチン、ラカイン州で抵抗勢力が軍事政権軍事基地や拠点を占領した。

▼8月5日にラカイン州マウンドーで発生したロヒンギャ虐殺事件について報じるxポストのまとめ。真相の究明が求められており、対応によっては今後のNUG「民主」路線に影響を及ぼしそうだ。
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 #WhatsHappeningInMyanmar
●詳しい日誌、出典は、下記をご覧ください。
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目   次

国内情勢

◆ミャンマー民族民主同盟軍(MNDAA)は、8月6日から14日にかけて北シャン州ラシオで捕虜にした軍事政権軍兵士とその家族2,000人以上を解放した。

◆軍事政権は、シャン州北部で同胞同盟に奪われた地域の支配権を取り戻すための反撃計画「シンビュシン作戦(白い象作戦)」を発表した。4人の地域司令官、4人の空軍将軍、ドローン部隊を含む合計13人の軍関係者が準備に関与した。

◆【意見】軍事面では多くの改善が見られる一方、革命の政治的発展は思うように進んでいない。特に、革命に政治的指導力を提供するNUCCは、設立当初は大きな期待を抱かれたが、実際には機能しなかった。意味のある真の改革はできるだけ早く実施されるべきだ。

◆20日第23回閣議でNUG首相:国際社会は、革命勢力が国を統制できるかどうか憂慮しているようだ。長い歴史を持ち、多民族である私たちの国で、今や団結と強さをよく理解している全ての革命勢力は、良好な政治的調整と解決策で連邦民主連合を築くだろう。我々が目指すのは、国家の崩壊ではなく、民主主義、平等、完全な自己決定権が保証された連邦民主連合であり、それは多様な民族集団のアイデンティティを保護し、促進する。

◆21日、ミンアウンフラインは中国への批判をやめ、同国の投資と中国人職員の安全を守るために全力を尽くすと、中国の新大使に誓った。

◆ラショー市民に中国語を解する人は多い。しかし中国語(コーカン語)で行政管理を続けると必ず反発が起こる。MNDAAのキャパ不足であるが懸念するところ。

◆シャン州ラシオの現在を撮影したビデオ映像。

◆ミャンマー北部ワ州で国境を越えたオンライン詐欺 容疑者307人を、中国に引き渡し。すべての容疑者と証拠物品は雲南省孟連県の国境検問所を通じて中国側に引き渡された。

軍事評議会選挙委員会は各政党との会合で、選挙は2025年11月に実施されると発表した。

◆25日、ミンアウンフラインは全国の各居住地区と村に新たな民兵組織を結成するよう命じた。政権報道官はBBCビルマに対し、民兵組織には35歳から65歳の男性が徴募されると語った。

◆ミャンマーの一面:ミャンマーではクラブが大盛況でクラブのみならず音楽とダンスが広がってきている。

◆27日、NUG第24回閣議。ほとんど出口がなく、史上最悪の軍事的敗北に直面している軍部は、さまざまな方法で人民を抑圧し、国を自分たちと一緒に引きずり下ろそうとしている。2025年に実施する偽りの総選挙のためには手段を選ばないと考えられ、私たち革命勢力は特に注意深くこれを監視し、準備する必要がある。

◆軍事評議会は、北シャン州で失われた都市や国全体で失った地域を奪還するため、支援ルートの確立や国民を巻き込んだ防衛体制など、次の戦闘シーズンに大規模な戦略的攻撃を開始する準備を進めている。2025年に実施する総選挙前に、利用可能なすべての領土を奪還するための作戦計画が策定されている。

◆28日、中国のミャンマー特使は中国雲南省でKIA副議長と会談した。中国はUWSAとMNDAAの支配地域にあるシャン州北部の国境検問所を閉鎖した。情報筋によると、中国はUWSAに対し、その支配地域を経由したTNLAへの武器流入に警告した。中国はTNLA、KIA、MNDAA、AAと個別に会談する予定だと報じられている。

◆PV旅券所持者が空港からの出国時、帰国便の航空券、ホテルの予約証明、一定額以上の所持金の提示を求められ、出国を許可されないケースが多発。軍評議会内務省、警察情報部、警察人身売買撲滅組織、航空警察、労働省の合同チームが検査を実施。23歳-32歳の男性はPJ旅券での出国が禁じられている。

◆軍事評議会は兵役に必要な人員を集めるため、ヤンゴン地域の青年労働者のリストを8月30日までに送付するよう改めて要請している。

◆29日、TNLAは中国国家安全保障委員会から、戦闘を直ちに停止しなければさらなる手段を行使し、TNLAはその結果に責任を負うことになる、という脅迫の通告書を受け取った。通告書では、中国軍の訓練の終了と、TNLA側が直ちに戦闘を停止し中国と協力してミャンマー北部と中緬国境地域の平和と安定を維持することを望んでいる、としている。この手紙が別の双子同盟に送られたかどうかはまだわからない。

経済ビジネス

◆18日のシャン州タウンジーで、人びとは燃料を買うために長蛇の列に並ぶ。

◆ミャンマー投資委員会(MIC)の事務局「投資企業管理局(DICA)」によると、2023年1~12月の海外直接投資(FDI)純流入額は前年比26%減の約22億米ドル(約3,550億円)だった。

◆ミャンマー中央銀行(CBM)が14日発表した声明によると、9月1日から銀行預金の最低金利は5%から7%に、融資の最大金利は10%から15%に引き上げられる。

◆7月初旬から流動性不足に直面した銀行部門の崩壊を防ぐため、ミャンマー中央銀行は7月第3週に紙幣3兆チャットを印刷し、民間銀行に配布した。その数週間後、チャットの価値は急落し、1USDが7,000チャットの大台を突破した。チャットの価値が急落したため、輸入ガソリンやディーゼルの価格が高騰した。

◆23日、シンガポール系コングロマリットが操業するマンダレー地方域のミンジャン発電所を再開したと発表。ミャンマー軍とPDFの戦闘激化をうけて従業員を退避させていたが、「安全と判断」。

◆物価高騰、経済状況悪化、貧困が加速し、健康の危険、汚名や恥辱にさらされるミャンマーの多くの女性労働者。

人道問題(2024年8月5日、ラカイン州マウンドーでのロヒンギャ虐殺事件を含む)

◆【再録】5日、ラカイン州マウンドー地域で200人以上のロヒンギャが虐殺された。犠牲者の中には、海路でバングラデシュに逃げる船にたどり着けなかった多くの子供たちも含まれている。軍事政権軍またはAAによる重砲撃が、町から逃げようとしていたロヒンギャの集団に降り注いだ。

◆【再録】ラカイン州で起きたイスラム教徒ロヒンギャ民間人150人以上が死亡した可能性のある攻撃の生存者は、この攻撃はAAによって実行されたと疑っている。AAは、責任を否定した。

◆【Special Advisory Council for Myanmar】5日、ドローンからの爆弾、砲撃、銃撃で最大200人のロヒンギャが死亡した可能性がある。目撃者の報告から、AAが責任を問われている。SAC-Mは、これら残虐行為の責任者が誰かを特定できていないが、この地域を事実上統治しているAAに、すべての民間人を保護するために直ちに行動することを求める。

◆【BBCによるインタビュー証言】BBCはバングラデシュに逃れたロヒンギャ族の生存者10人以上への一連の独占インタビューと彼らが共有したビデオを通じて、8月5日の夜に何が起こったのかを描き出すことに成功した。

◆【AAの政治部門ULAの報告書】5日ラカイン州マウンドーで発生した事件に関する、AAの政治部門United League of Arakan (ULA)による17日付報告書 「Preliminary Fact-Checking and Incident Analysis Report on the Unidentified Attacks Near Maungdaw Town, Northern Arakan – August 5, 2024」

◆【背景状況】ラカイン族のAAは、ミャンマーとバングラデシュの国境にプロト国家を築きつつある。ミャンマー軍との戦闘は、ロヒンギャを含む民間人に多大な犠牲を強いている。

◆【人権団体Fortify Rights】5日から6日にかけて、ラカイン州北部のバングラデシュ国境に近いマウンドー郡区で起きた数百人のロヒンギャを狙った襲撃事件をICCに捜査するよう求めた。

◆【これまでの諸報道の整理:By Sebastian Strangio, The Diplomat】5日のロヒンギャ民間人虐殺にAAが関与した可能性は、ミャンマーの抵抗運動にとって厄介な問題を提起している。全国的な抵抗運動を統括するNUGは、ロヒンギャに対する虐待の証拠が山積していることについて、ほとんど沈黙を守っている。国軍こそが国の苦難の根本原因であり、ミャンマーの政治・経済生活から国軍を永久に排除することが抵抗勢力の最優先事項であると主張する人もいるだろう。同時に、ラカイン州での最近の出来事は、最終的に軍に代わる国家がどのようなものになるのかという疑問を提起している。

◆UNCHRによると、ミャンマー避難民数データ:国内避難民数は300万人を超えた。半数近くを占めるザガイン管区をはじめミャンマー全域に渡る。 国内避難民 301万0100人、国外避難民 6万8400人。

◆ミャンマーの人民解放軍(People’s Liberation Army;PLA)が、ミャンマー中部で数々の恐ろしい虐殺を行った悪名高いOgre部隊の指揮官を捕らえたと、Mizzimが報道している。 もし確認されれば、今年初めのMyinmuでの大量殺害や、民間人に対する無差別暴力で知られる、最も残忍で卑怯なSAC部隊の1つを阻止するための前向きな一歩となる。

◆バングラデシュに降ったモンスーン豪雨で大規模な洪水が発生し、30万人以上が緊急避難し、40人を超える死者が出た。ロヒンギャ難民百万人が居住するコックスバザールも大きな被害が出ている。

◆25日、ロヒンギャ武装勢力と軍の衝突から7年。

◆25日、ザガイン地方域インマーピン郡区でミャンマー軍・ピューソティーとPDFとの戦闘が激化、軍による空爆などで住民5000人以上が避難を余儀なくされた。

軍事政権による恣意的な逮捕、殺害、暴力

◆2022年5月18日カレンニー州ロイコーで逮捕され懲役3年の刑(不法結社法)を宣告されたドキュメンタリー映画監督Pe Maung Same氏(50歳)は、インセイン刑務所から釈放されてから3日後の19日、ヤンゴンの病院で亡くなった。彼は尋問センターで2日間ひどく殴打されて肋骨が折れ、体が動かなくなっていた。

◆21日、モン州チャイトー郡区でミャンマー軍がミャンマー人独立ジャーナリスト2人を射殺。2021年2月のクーデター以来、殺害されたメディア関係者は合計7名となった。

軍事政権による国民・財産への攻撃

◆シャン州北部ティーボー市で8月1日から24日の戦闘中、ミャンマー軍の攻撃で市民74人死傷。

◆27日、バゴー地方域ラッパタン郡区タウン・タン・ミャイン村で、ミャンマー軍とPDFの戦闘が発生。劣勢の軍は隣接する村々に侵入し、家屋に火を放った。

◆28日、シャン州北部ナウンチョー郡タウンカン村で軍とタアン民族解放軍TNLA間の戦闘が発生。同日軍が同村を含む地域を空爆。軍はY12で3回に渡り爆弾計100発を投下、ジェット戦闘機で4回に渡り6発を投下した。

平和的抗議・CDM

◆MNDAAはシャン州第1特別区で、約500人のCDM医療従事者とともに、国際基準の医療システムの導入を開始した。

武装抵抗・PDF・戦闘

◆16日、マンダレー地方域ミンジャン郡区の第1製鉄所がPDFの攻撃を受け、操業を停止した。2004年にMECが中国開発銀行の融資で立ち上げた同工場は兵器生産用の鉄鋼を生産しており、軍事政権軍兵士約200人が駐留していた。PDFは10日、ミンジャン占拠の特別作戦を開始した。

◆18日朝、革命軍がザガイン地方域Tabayin市内のミャンマー軍を攻撃し、市内の警察署、裁判所、軍が駐留していた場所をすべて占拠した。その後、軍は軍用ヘリコプターで攻撃を続け、Mi17ヘリコプターに支援された増援部隊がTabayin市に戻り革命軍と​​の戦闘が行われ、最終的に、革命軍は市内から撤退した。

◆ザガイン地方域Tabayin周辺での軍事政権軍による激しい砲撃と航空援軍を受けて、レジスタンス軍は19日Tabayin中心部から撤退した。しかし、この地域に再駐留する軍事政権軍は周辺をレジスタンス軍に囲まれ、事実上孤立することになると思われる。

◆NUG第23回閣議で、暫定大統領は、革命勢力がミャンマー全土の町や村を占領した場合、占領地域を管理地域に変え、維持できなければならないと(Tabayin占領―撤退に関連して)警告した。 「真剣に検討する必要があるのは、軍事的成果の後に行政手続きを詳細に行えるようにする必要があるということだ。」

◆19日、カチン州でカチン独立軍(KIA)とその同盟のPDFが1か月に及ぶ攻勢で、Momauk郡区にある12大隊を擁する軍事政権軍事基地を占拠した。この占拠は、カチン独立機構(KIO)の本部があるライザ周辺地域での政権の支配にとって大きな打撃となる。

◆カチン独立軍(KIA)がミャンマー北部カチン州バモー町に非常に近いMomauk郡区のすべての軍事基地を制圧したため、バモー空港は無期限に閉鎖され、すべての定期便が欠航した。

◆25日、PDFがマンダレー地方域Thabeikkyinを制圧。これによって反軍事政権勢力は、ザガイン地方域とシャン州北部の間のエーヤワディ川ー東側の連続した領土を支配下に置いた。

◆26日、AAはマウンドー奪取のために戦い続けている。マウンドー市第2区では、抵抗していた軍評議会兵士、軍事評議会によって訓練され武装したイスラム教武装グループに加え、ARSA(アラカン・ロヒンギャ救世軍)、RSO(ロヒンギャ連帯機構)、ARA(アラカン・ロヒンギャ軍)の防衛陣地のほとんどが、AAによって次々と占領されている。5月8日、AA報道官は軍評議会がARSA、ARA、RSOと手を組みバングラデシュの難民キャンプで成年に達していないムスリムの若者をAAと偽って徴集していることについて卑劣な行為だと非難している。

◆30日、AAは、部隊がラカイン州タンドウェ郡区にある軍事政権の最後の拠点Maung Shwe Lay海軍基地に侵入したと発表した。

国際関係

◆14日、周辺4カ国外相級会合で中国の王外交部長がミャンマー問題で行った3提案=ミャンマーの混乱と内戦を避けること、東南アジア諸国連合(ASEAN)という大家族の軌道からの逸脱を避けること、外部勢力がみだりに手を出し干渉することを許さないこと。

◆18日、下院で新首相に選出された「タイ貢献党」のペートンタン党首は、国王の承認を得て首相に正式に就任した。首都バンコクで演説し「最大限の忠誠で職務を遂行し、国家と国民のために働く」と表明した。

◆バングラディシュ暫定政府首席顧問ユヌス博士が最初の政策演説でロヒンギャ難民への支援と難民のための国際的行動を表明したことに非常に感謝しています。私は、ミャンマーでのさらなる残虐行為から逃れる民間人、特に女性と子供たちを保護してくれることを願っています。

◆「日本政府にミャンマー軍を利するODAと公的資金供与事業の停止を求めます」という署名が11,534筆集まり、20日に外務省に提出された。

◆20日、中国外相と国連事務総長のミャンマー担当特別代表が会談。王毅外相は、中国はミャンマーの安定と発展を望んでおり、平和と国民和解に重要な役割を果たす用意があると述べた。

◆ラオス北部ボケオ県にあり、メコン川をはさんでミャンマー、タイと接するゴールデントライアングル経済特別区(GTSEZ)は、人身売買労働者によるオンライン詐欺、麻薬密売、マネーロンダリングなど様々な犯罪行為で悪名高い。

◆中国軍がミャンマー国境で軍事演習開始、少数民族との戦闘続くミャンマー軍側をけん制か。一方、少数民族軍をけん制かという報道もある。

◆JFMが明らかにした調査によると。ミャンマー軍が人道に対する罪を犯し続けるには、戦闘用の兵士、武器、物資を輸送するフランス製ターボ機が不可欠である。この航空機の胴体と尾翼はイタリア製、翼はフランス製、エンジンはカナダが供給している。

参考資料

◆「Freedom from Fear」:ビルマ/ミャンマーにおける人権、民主主義、自由のための闘争を描いた 2010 年のドキュメンタリー映画。1988 年 8 月 8 日に始まった「8888 蜂起」以来、軍事独裁政権に終止符を打つために活動する世界中の活動家の舞台裏や生活に迫る。

◆京都大学東南アジア地域研究研究所が刊行する『#東南アジア研究』最新号は「〈特集〉危機の文脈─ #ロヒンギャ 問題を巡る複眼的考察─」として中西嘉宏准教授が編者を務め、6つの論考を掲載、5篇の書評とともに、全文公開(https://kyoto-seas.org/ja/2024/07/tounan-ajia-kenkyu-62-1/)。

◆捕らえられたミャンマー軍兵士の証言:軍はAAの進撃に対抗するためARSA(アラカン・ロヒンギャ救世軍)と協力。

◆【国境なき医師団】 6月後半から7月にかけ、国境なき医師団(MSF)日本のスタッフは、ミャンマー、バングラデシュ、マレーシアを訪れ、ロヒンギャの人びとの声を聞きました。https://youtu.be/1Rodq6D1_4o?si=2IpEmi5cvCU4rIYr

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