18-24/Sept/2022 #WhatsHappeningInMyanmar

2022918日から24日までの1週間にミャンマーで起きたことです。

▼ザガイン地方域で軍事政権の軍隊は16日、学校を標的にヘリコプターで攻撃し、(まだ詳細は不明ですが) 子ども11人が殺害されました。この攻撃は、軍事政権が昨年権力を掌握して以来、最も致命的な子どもたちへの攻撃と言われています。
▼軍事政権は、ザガイン地方域での軍事行動を継続しており、村々を襲撃して、住民を殺害、人間の盾として拘束、家屋の放火、略奪を行っています。また、軍事政権と少数民族武装勢力アラカン軍(AA)との停戦状態は完全に破られ、戦闘が起こっています。
▼軍事評議会報道官は記者会見で、「Facebook上でNUG、CRPH、PDFまたは支援者による文章、画像、映像等の投稿に、いいねボタンを押したりシェアする行為は刑法第124条b項違反(軍による国家の安定維持の妨害)にあたる」と述べ、1チャット、1ピャーを寄付しても死刑とすることが可能だと国民を脅迫しました。
▼先週につづき今週も、国連総会を舞台にマレーシア外相・首相らがミャンマー軍事クーデターに対して国連安保理が行動をおこさなかったことを批判し、ASEANの5項目協定破棄を提案、米国大統領はミャンマーの民主化運動活動家・少数民族への抑圧を非難、東チモール大統領がウクライナへの武器支援・人道支援に比しミャンマーへの国際的な支援がないことを非難するなどの外交的な動きがありました。
▼日本の防衛省はミャンマー軍事政権軍軍人の研修新規受け入れ停止を発表したものの、安倍元首相「国葬議」に軍事政権を招待し、ODA既存事業を継続している。

目   次

国内情勢

◆全土停戦協定(NCA)未署名7組織から成る連邦政治交渉協議委員会(FPNCC)の加盟組織がワ地域一堂に会した。 同委員会は、ワ州統一軍(UWSA)を盟主とし、カチン独立軍(KIA)、アラカン軍(AA)、タアン民族解放軍(TNLA)(いわゆる北部同盟)も加盟。

◆19日SAC運輸通信省通信局は、加入時に国民登録証情報の登録が行われていないSIMカードの利用を停止し、チャージ残高も没収すると発表。 加入時に申告のあった個人情報は、SAC入管・人口省が照合確認するという。指示に従わない通信会社と販売業者を処罰するとも。 抵抗運動の抑制が目的との見方あり。

◆Min Aung Hlaing の 4 人の孫は、もう学校に通っていません。16日にザガイン地方域でディペイイン学校の小学生たちがヘリコプターで射殺された後、彼らは学校に行かなくなったと言われています。

◆23日午後4時頃、マンダレー市開発委員会の職員宿舎敷地前で爆発が発生。宿舎周辺は、外部から容易に侵入できないよう幾重にもバリケードが張られていた。

◆モン州ビーリン郡シュエタンルイン検問所で、子どもを含むロヒンギャの男女36人が拘束され、取り調べを受けている。軍の支配下にあるモン州政府の責任者によれば、ヤカイン州から移動して来たと推測される。

経済ビジネス

◆ミャンマーは、中国とロシアの通貨の使用を拡大し、ドルへの依存を減らしたいと考えている。

◆ミャンマーの国軍系企業ミャンマー・エコノミック・ホールディングス(MEHL)は、キリンホールディングス(HD)との合弁のビール最大手「ミャンマー・ブルワリー」を清算するよう現地の裁判所に求めていた申し立てを取り下げた。

◆ロシア産燃油、数日内にミャンマー到着する見通し。

人道問題

◆国連児童基金(ユニセフ)ミャンマー事務所は19日、詳細は検証中だとした上で、ザガイン地方域で軍が学校を標的にヘリコプターで攻撃し、子ども11人が亡くなり、15人が行方不明だとツイッターに投稿。この攻撃は、軍事政権が昨年権力を掌握して以来、最も致命的な子供たちへの攻撃となるだろう。

軍事政権による恣意的な逮捕、殺害、暴力

◆18日、CDMへの参加を理由に長期刑に処され、マンダレー地域メイッティーラー刑務所に収監されていた鉄道省職員男性が、刑務所内で適切な医療が受けられず死亡。 男性は先月息切れや呼吸の苦しさを訴え、病院の受診を希望たが刑務所当局がこれに対応しなかったため亡くなった。

◆軍報道官は記者会見で「Facebook上でNUG、CRPH、PDF又は支援者による文章、画像、映像等の投稿に、いいねボタンを押したりシェアする行為は刑法第124条b項違反(軍による国家の安定維持の妨害)にあたる」と述べた。1チャット、1ピャーを寄付しても死刑とすることが可能だと脅迫。

◆600日目、軍事評議会によって民間人2,316人が殺害された。

軍事政権による国民・財産への攻撃

◆アラカン軍(AA)が、軍の放った砲弾がバングラデシュ領土内に着弾し、17歳の市民1人が死亡、5人が重傷を負った事件について軍を強く非難。 また、バングラデシュ国境地域において軍が空爆を含む人権侵害や人道に対する罪を犯していると糾弾した。

◆エーヤーワディー地域ミャウンミャ郡に子供26人を含むロヒンギャ42人がボートで漂着。村で食事を与えられた後、警察が拘束。ほとんどがヤカイン州北部出身者だが3人はバングラデシュのクトゥパロン難民キャンプからの帰還者。

◆19日ザガイン地域シュエボー県キンウー郡ミンダウン村を軍が襲撃。人間の盾として村の住民3人を拘束。一晩駐留し、家屋の中から物品を略奪。家畜を撃ち殺して持ち去った。20日には近辺を通行していた市民2人を拘束。 20日にはマグェー地域ティーリン郡アニャードー村を軍が焼き討ち。民家5棟が全焼。

◆軍報道官は20日の記者会見で、16日にザガイン地域ディペーイン郡で軍が学校を攻撃し子どもが死亡した事件はKIAとPDFの合同部隊が国連総会に提出する材料探しのために人間の盾として市民を利用した結果だと述べた。空からの攻撃については言及なし。住民はこれを否定。

◆地元市民統治組織によれば、9/16-9/22の6日間でザガイン地域ダゼー郡内の30村の住民計約1万5千人が軍による侵攻を受けて避難。30村のうち11村は焼き討ちに遭い民家約100棟が焼失。 オウッポー村では16日、軍が住民10人を焼殺したという。

◆ 23日までの9日間で、マグェー地域パコウックー県ミッチェー ー チュンチャウン区域内の村の民家96棟および車両や商品が軍により燃やされた。被害総額はおよそ2億2700万チャットにのぼるという。住民が殺害されるケースも。

◆ ラカイン州Buthidaung郡区Tha Baik Taung村から、ロヒンギャの村人は、 軍事政権のテロリストが朝から砲撃を続けているため、Atwin Nget Thay 村へ逃げている。

◆ マンダレー地方域Shweku郡区の 2 年生Maung Zai Naing Moeは、軍がMoe Sis村とRay Le村を重火器で発砲したとき銃弾があたり、即死した。 多くの人が負傷し、逃げなければならなかった。

平和的抗議・CDM

◆24日、タニンダーリー地域イェービュー郡モーヤーワディー海軍基地本部の兵士12名が武装したまま離脱。うち2人は軍に拘束。軍は捜索を続行。同基地の兵士らは約1年に渡り基地外に出ることが禁じられているという。 またダウェー県のチャウッメータウン警察署に配置されていた軍の兵士少なくとも3人も離脱。

武装抵抗・PDF・戦闘

◆14日付で保護責任グローバルセンター(GCR2P)は、国軍と少数民族武装勢力アラカン軍(AA)の停戦状態は完全に破られたようだと発表。

◆南シャンモービェー市(カヤー州境)に軍が侵攻。カレンニー合同部隊(PDF、KNDF、 KA、 KGZ、 URF)との間で戦闘が発生。軍の重火器による攻撃で、合同部隊のPDF隊員2人が死亡。軍側の被害は不明。 この戦闘から逃れ2つの僧院に避難していた住民100人が人間の盾として軍に拘束されている。

◆23日市民によるゲリラ組織Freeland Attack Force (FLA) が、ヤンゴン市タマイン交差点の軍のバリケードをリモート爆弾で破壊した際に市民2人が負傷。この事件についてFLAは、同日に謝罪声明を発表。市民を攻撃する意図はなく革命達成後に適切な処罰を受ける。

◆カレン州パープン郡で、カレン民族同盟(KNU)の軍事部門カレン解放軍(KNLA)第5旅団と軍との間に、2日間で計6回戦闘が起こった。(KNLA第5旅団のMutraw Newsの報道より。)

国際関係

◆マレーシア外相はSNSで、第77回国連総会でミャンマー問題に関し市民の側に立って発言をする、ASEANに対し対ミャンマー人道支援協議会のあり方の再考を促すと述べた。

◆NYでマレーシア外相とNUG通信情報技術相、副外相、人権担当相、チョーモートゥン国連大使、CRPH 委員長、NUCCメンバーとの間で会合開催。ASEAN人権議連もNUG、CRPH、NUCC関係者と会合。

◆ミャンマー軍の武器ブローカー Tun Min Latt が、麻薬とマネー ロンダリングの罪でバンコクで、タイ人の仲間と共に逮捕された。情報筋によると、Tun Min Latt は、カジノを運営する Tachilek に電力を販売するビジネスを通じてマネーロンダリングを行っていた。

◆20日、米国務省は国連人権理事会(UNHRC)が設置した「ミャンマーに関する独立調査メカニズム (IIMM)」に100万米ドル(約1億4,400万円)を追加拠出すると発表。

◆20日、防衛省はミャンマー国軍留学生を2023年度から新規受け入れ停止と発表

◆[子どもまで標的にして殺害する]こんなミャンマー国軍政府を日本の国家行事[国葬議]に呼ぶべきではない。

◆ミャンマーで日本政府はODAの既存事業を継続。クーデター後、一時帰国させた関係者の再渡航を急いでいる。

◆モデルのハンレーさんがタイ政府により拘束された。ハンレーさんはMiss Grand International 2020にミャンマー代表として出場した際、ステージでクーデターに抗議し、タイに残留した。
今回ビザ関係の手続きのためにベトナムを訪れ、タイに帰着したところ空港で拘束された。

◆米国バイデン大統領は国連総会で、軍はミャンマーの民主主義活動家や少数民族に対してひどい抑圧を行っていると指摘し、米国はミャンマーの国民を支持すると述べた。

◆米国務省は22日、ミャンマーで迫害され、隣国バングラデシュに逃れたイスラム教徒少数民族ロヒンギャへの人道支援として1億7,000万米ドル(約242億円)を追加拠出すると発表。

◆ASEANは22日、国連総会に合わせてニューヨークで非公式外相会議を開き、クーデターにより国軍が全権を握るミャンマー情勢を議論するため、10月に閣僚級の会議をジャカルタで開くことで一致した。

◆東チモール大統領は23日、国連総会の一般討論演説でミャンマー問題に触れ、「ミャンマー国民は世界から見捨てられたと感じている。国内の戦闘が黙殺される一方、ウクライナに対しては公然と武器や人道支援が行われていることに疑問を感じている」と述べた。

◆間もなくロシアからジェット戦闘機Sukhoi SU-30SM4機が到着する予定だと軍報道官が発言。2018年に軍が購入した戦闘機6機(総額2億4百万米ドル)のうちの4機の納品。

◆米国国務省参事官が、ミャンマーの民主化運動の主要な代表者と面会。民族グループを含む多様な政治的利害関係者を関与させることは、ミャンマーが包括的で複数の政党による民主主義の道に戻ることを確実にするために不可欠だと表明。

◆ミャンマー の駐日外交官でクーデター への抗議で職務を離れる不服従運動(CDM)に加わったアウンソーモー氏が会見。安倍元首相 の国葬 に軍政下の大使を参列させる日本政府に対し「ミャンマー人の思いに反する。国際社会は日本が軍政と結託していると見る」と指摘。

◆マレーシアの首相は24日国連総会での演説で、国連安全保障理事会がミャンマーの軍事クーデターに対して行動を起こさなかったことは残念であり、ASEAN 共通協定を破棄する必要があると述べた(Khit Thit Media, 2022年9月24日 11:05)。

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