CDM参加の医師

CDMの力

私は、自発的に広範に一挙に立ち上がったCDMer(CDM参加者)がいなかったら、反クーデターの戦いがこれほど根強く行われる状況は生まれなかったのではないかと思っています。また、国家行政を担う様々な分野のCDMerが存在しなければNUGは抽象的な存在でしかなかったように思います。
しかし、日本の新聞や雑誌、テレビなどで、現在CDMerがどのような活動を行っているのか、また、収入が途絶えた彼/彼女たちがどのような生活をしているのかについて、ほとんど報道されていません。

身近にいるミャンマー人の本音を聞いて、それを紹介している「ミャンマーより、つれづれなるままに (Japanese diary from Myanmar)」というフェイスブックページがあります。揺れうごく現地の人たちの思いが会話調の文章でつづられ、現地の雰囲気が感じられるページです。
ページ作成者の紹介には「ミャンマー在住の、とある日本人のつぶやきをお届けします。」とあります。

今日の「ミャンマーより、つれづれなるままに」に、CDMに関する記述がありました。
ここからは、CDMer医師の生活の厳しさがうかがえるとともに、NUG(国民統一政府)の活動の一端が分かり、また、CDMerとNON-CDMer(CDM不参加あるいは離脱者)との複雑な関係が見えます。

作成者に許可をいただき、以下、「ミャンマーより、つれづれなるままに」(2022年1月8日土曜日 2:56) から一部を転載させていただきます。全文は https://www.facebook.com/JapaneseDiaryFromMyanmar/posts/295786062589019 をご覧ください。
(以下の小見出しは、私がつけたものです。なお、当サイトの「現地CDM参加者とのミーティング」も併せてお読みください。)

また、最後に、1月5日にAFPが紹介したCDM医療従事者の活動も紹介します。


===

CDMerの医師

CDM(軍政に不服従を示す、公務員のストライキ)のために保健省を解雇された友人の医師に会った。
クーデター以降収入がない彼女は、両親の家に身を寄せながら職を探しているが、就職先は全く見つからないという。

 たとえ自分の専門ド真ん中の求人があっても、書類選考さえ通らない。
 前職を『1月31日で退職』しているというのは、そういうことだもの

CDMによって解雇された反軍政派を雇うのは、病院や組織にとってはリスクであるらしい。
あるいはそこに軍支持派がいれば、雇われる可能性はもちろん低い。
それでも、自分たちの世代はまだいいのだ、と彼女は言う。

 かわいそうなのは、まだ卒業して間もない医師たちだよ。
 病院で患者さんを診る機会もなく、専門医の資格もとれず、留学のチャンスも奪われてしまった。
 私はこの民主化された5年間で、奨学金をもらって大学院に行けた。恵まれていると思うよ

===

NUGの活動の一端

そんなかわいそうな若手医師に対して、NUG(民主派の政府)は研修を始めている。
上限1000人のオンライン研修だ。定員オーバーで入れなかった人も多いという。

Non-CDMer

おもしろいのは、受講者の中に軍政側のNon-CDMの医師も参加していること。
Zoomで名前や顔がわかるため「なんでこいつが?」という人の存在がすぐにバレて、スクリーンショットが拡散されているそうだ。
その人たちも勉強したいの?それともスパイなの?と聞くと、友人は「さぁね」と苦笑した。

 わからないけど、Zoomのプライベートメッセージ機能で、Non-CDMの元同僚からメッセージを受け取った人はいるみたいだよ。
『患者さんが待っているから戻ってきて』っていうメッセージだ。
 あっち側の人たちはいつもそう言うんだよ

……

反軍政を掲げれば、軍に捕まる。
かといって軍政側につくと、社会的に孤立する。
だから人々は表面上おとなしく過ごし、何食わぬ顔で生活をしている。
少なくとも外国人の私には、そう見える。
そして、ひとたびサイレントストライキやお正月のシュプレヒコールが呼びかけられると
驚くほどの人数が、水面下に隠していた団結力を発揮するのだ。

===

「軍の目盗んでコロナ患者を治療 ミャンマーの医療従事者」

1月5日のAFPニュースで、「東部カヤ(Kayah)州では、看護師が軍事政権の目を逃れて仮設の診療所を運営し、検問所で見つからないようにひそかに持ち込んだ薬で新型コロナウイルスの感染者や民主派の戦闘員の治療を行っている」CDM医療従事者を紹介しています。

Follow me!

CDM参加の医師

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


トップへ戻る
Translate »
PAGE TOP