23-29/Oct/2022 #WhatsHappeningInMyanmar

2022年10月23日から29日までの1週間にミャンマーで起きたことです。

▼軍事政権はザガイン地方域での大規模掃討作戦を続けている。インマービン郡の村に軍戦闘部隊が侵入して9人のPDF隊員と住民1人を殺害。別の村には、ロシア製の輸送・戦闘両用の高威力ヘリKamov KA-29一機が初めて使用された。ウェッレッ郡の村に軍が重火器で乱射し、周辺19村の住民全員、計約1万人が退避を余儀なくされ、少なくとも10村が焼かれた。ミャウン郡などにも軍戦闘部隊が侵攻し、ヘリ3機もマシンガン等で攻撃を加えたりして、村民が避難した。

▼23日夜、カチン州パーカン市で開催されていたカチン独立機構 (KIO) 創設62周年記念コンサートの会場を軍が戦闘機で空爆し、KIO幹部、有名アーティストおよび一般市民62人が死亡。負傷者も多数生じたが、軍は病院への搬送を妨害し、治療が受けられない。現地はインタネットが遮断されており、現場の状況確認は困難である。

▼カチン州での祝典会場空爆により多数の死者が出たことに対し、松野官房長官は記者会見で国軍の空爆を非難。ASEAN議長が声明、米国・英国・EU各国の在ミャンマー大使館が共同声明を出した。国内でも、アラカン軍(AA)、タアン民族解放軍(TNLA)、ミャンマー民族民主同盟軍(MNDAA)が共同声明、NUG、ワ族の組織UWSAと東シャン州のNDAA(マインラー軍)などがそれぞれ声明を出した。

▼27日ジャカルタで、ミャンマー問題に関するASEAN外相特別会議が開催されたが、大きな対応策は出なかった。

▼28日20:30~20:40に#TurnOffTheLightsStrike (軍事政権によるカチン州空爆への消灯抗議)が行われた。これに参加したヤンゴン、マンダレー、およびKyaukse郡区の数区の人々を、軍事政権は殴打し逮捕した。

目   次

国内情勢

◆カレン州コートゥーレー地方で軍とカレン族のコートゥーレー軍(KTLA)との間で間もなく激しい戦闘が起こることが見込まれるため、アジアハイウェイのコーカレイ-ミャワディ区間の通行には用心し、KTLAの許可なく通行することのないよう注意喚起する声明を26日ソオネーダーミャKTLA司令官が発表した。

◆28日午後6時20分頃、ヤンゴン市サンジャウン郡区ミェーニーゴン陸橋脇の公園で、大きな爆発が続けて2回起こった。負傷者の有無は不明。軍が周辺道路を封鎖し、調査を行っているという。

経済ビジネス

◆ミャンマーが資金洗浄、テロ資金の流れを監視する国際組織の金融活動作業部会(FATF)のブラックリストに掲載されたことについて軍傘下の中央銀行は21日、国にとって憂慮すべき状況にはない、行動計画を策定し1年以内にこの状態から脱却すると発表。

◆29のヤンゴン工業団地の工場と工場経営者が利用している銀行名リストを送るよう軍評議会が指示。何のためにリストを要求するのか、理由は分からない。

◆Min Aung Hlaing は Soe Thut に、税金を徴収し、税金を払わない人々に対して行動を起こすように求めた。 Soe Thutは、将軍/監督者に、税金を徴収できない場合は戻って行動を起こすように要請した。

人道問題

◆ラカイン州にある難民キャンプから他国へ陸路や水路で密かに出発した時に途中で逮捕され、パアン刑務所に収監されているロヒンギャの男女約150人は、ご飯を水と混ぜて食べていて栄養失調に陥っている。皮膚病の薬も与えられず、歩くことすらできない。

軍事政権による恣意的な逮捕、殺害、暴力

◆裁判筋によれば、19日にインセイン刑務所前で起こった爆発事件をきっかけに刑務所当局が全国の刑務所の収監者への差し入れを禁じたことに伴い、アウンサンスーチー氏への差し入れも週2回から1回に一時制限されていたが、現在は週2回に戻っているという。

軍事政権による国民・財産への攻撃

◆20日ヤンゴン地域・新ダゴン(東)郡区・第10地区の民家に警察と地区行政局が立ち入り、ロヒンギャ117人を拘束。

◆ザガイン地域インマービン郡シュエフラン村に21日、兵力80人程度の軍戦闘部隊が侵入。市民防衛隊の戦闘員9人と住民1人が死亡。夜間、村内の民家で就寝していた戦闘員を軍が奇襲。遺体は軍が焼却。住民は退避している。

◆ザガイン地域ウェッレッ郡ハンリンピュー旧村に向かって軍が重火器で乱射していることから周辺19村の住民全員、計約1万人が退避。 15日よりウェッレッ郡内の村への軍による攻撃が相次いでおり、少なくとも10村が焼かれたという。

◆ザガイン地域インマービン郡インバウンタイン村を19日、軍が空から攻撃した事件でロシア製の輸送・戦闘両用の高威力ヘリKamov KA-29一機が初めて使用されたことが分かった。時速270キロ、上空5000mを飛行可能であるため小火器装備には向かず重火器攻撃用。機体外部には対戦車ミサイル等の搭載が可能。

◆23日午後8:40頃に、カチン州パーカン市で開催されていたコンサートの会場を軍が戦闘機で空爆。 有名歌手Auraliを含むアーティストおよび一般市民約50人が死亡。負傷者も多数生じている模様。 カチン族の人気俳優Zau Ding Lahtawも死亡したとの情報があるが確認がとれていない。
コンサートは、カチン独立機構KIO創設62周年を記念して、第9旅団の拠点を置くパーカン市アナンパーで開催された。死者の中にはKIO幹部が含まれている。

◆24日、軍事政権の軽歩兵263大隊がザガイン地方域Kanbalu郡区のZawchaung村を襲撃し、午前 11 時頃に家屋を焼き始めた。何十人もの村人が家を失い、食べるものもない (Chindwin News Agency, 2022年10月24日 21:08)。

Villagers returned to their village just to see their houses being burned in the fire and destroyed after the junta army stormed the Zawchaung village of Kanbalu township of Sagaing region today.
As soon as the junta army entered the village, the junta troops started burning houses at about 11:00 am, leaving dozens of villagers homeless and nothing to eat.
The junta army from Light Infantry Battalion – 263 is responsible for burning the village, destroying nearly a dozen homes, a building used by a local charity organization and its car.
Photo/Fire Service Department of National Unity Government

◆アラカン軍(AA)、タアン民族解放軍(TNLA)、ミャンマー民族民主同盟軍(MNDAA)の3武装勢力からなる兄弟同盟が声明を発表。23日のカチン州での軍の空爆による犠牲者に弔意を表した。また軍の市民に対する攻撃は人道に対する罪だとし、国際社会に介入を、少数民族武装組織には断固たる行動を求めた。

◆カチン州でカチン独立機構(KIO)の創立記念コンサート開催中に会場が軍の空爆を受け多数の死傷者が発生した事件で、緊急に治療を要する重傷者を含む負傷者100人以上が、 軍の妨害により治療を受けられていない。インターネットが遮断されており現場の状況の確認は困難。現時点での死者数は60人。

◆ミャンマー軍事政権は、50名以上の負傷者がいる空爆現場に地元に救急車が入ることも、重傷者を搬送することも阻止し、さらに死者が増える可能性がある。

◆ユネスコでミャンマー初の世界文化遺産登録を果たしたザガイン地域の古都ハンリンに拠点を設けていた軍部隊が近くのモウソーチョン村を24日焼き討ち。重火器での攻撃により住民3人が死亡したとの未確認情報も。地元住民は軍の攻撃の影響による世界遺産の損傷を恐れている。

◆カチン州で軍がコンサート会場を爆撃した事件について軍側が声明を発表。 カチン独立軍KIAと市民防衛隊PDFが合同で軍の基地や旅客船を攻撃したためKIA 第9旅団管轄地域を攻撃した。違法宝石商やKIAの活動エリアにつき市民の立ち入りが制限されていると弁明。軍の空爆で市民が犠牲になったことは否定。

◆カチン州の空爆の犠牲者は62人に。 犠牲者が埋葬された場所には、マジックで故人の名前(カチン民族名)が書かれた簡易な木の十字架が立てられている。

◆23日、62周年記念行事が軍による空爆を受けたカチン独立機構(KIO)中央委員会が声明を発表。 空爆を受けたアナンパーは、カチン独立軍(KIA)の基地の所在地ではなく、商店の立ち並ぶ旅行者の休憩所であることを明らかにした。

◆少数民族武装組織の中で最大の兵力を有するワ族の組織UWSAと東シャン州のNDAA(マインラー軍)は、カチン独立機構KIOの式典への空爆で多数の無辜の市民が犠牲になったことに深い悲しみと衝撃を受けていると声明を発表。

◆28日午前5時頃、ザガイン地域ミャウン郡パレインマー村を兵員60人程の軍部隊が陸路で侵攻。午前7時には、軍のヘリコプター3機が到来。うち1機がマシンガン等で村を攻撃。これにより住民6人が負傷。パレインマー村および近隣の村の住民は、退避したが、村内に取り残された住民もいるという 。

◆29日午前5時頃、マグェー地域イェーザジョー郡サインテー村とタンビャーチャウン村を兵力50人程の軍部隊が焼き討ち。民家約100棟が焼失。

平和的抗議・CDM

◆KhitThit メディアによると、軍事評議会は、軍事評議会に反抗した 14 人の CDM 教授を含む 557 人の医師を解任し、医師免許を剥奪する秘密命令を発した。

◆カチン州Hpakantの多民族グループが集結し、軍事独裁に対して強い反対を表明した。

◆全国各地で28日夜間、カチン州の空爆の犠牲者に哀悼の意を表する消灯デモが行われた。 ヤンゴン市、マンダレー市、チャウッセー市では、デモの時間帯に自宅で消灯し蝋燭を灯していた市民が、デモに参加したとして拘束されるケースが相次いだ。 消灯できないよう電力局が予め電力供給を遮断した地区も。

◆28日20:30~20:40の#TurnOffTheLightsStrike (軍事政権によるカチン州空爆への消灯抗議) に参加した、ヤンゴン、マンダレー、およびKyaukse郡区の数区の人々は逮捕と脅迫に直面した。 軍事政権軍はバイクに乗って発砲しながら、午後8時34分にマンダレー19×87通り近くの家の人々を殴打し、逮捕した。

武装抵抗・PDF・戦闘

◆カレン州コーカレイ市で21日午前7時〜午後7時にかけて軍とカレン民族同盟(KNU)指揮下の合同軍との間に起こった市街戦で、重火器の砲弾を受け、市民4人が死亡、12人が負傷。第7地区の被害が最も大きい。重砲が少なくとも100発発射され、空からの攻撃は50回以上にのぼる。

◆ミャンマー国軍の駐屯地を武装勢力が襲撃 国軍側も応戦、民間人3人が犠牲に。21日、KNLA(カレン民族解放軍)やPDFなどが、カレン州コーカレイを襲撃。

国際関係

◆EU各国、英国、米国など在ミャンマー大使館が連名で出した、カチン州における民間人への攻撃に関する共同声明。

◆松野官房長官、ミャンマー国軍の空爆非難。暴力の即時停止、被拘束者の解放、民主的な政体の早期回復に具体的な行動を取るよう強く求める。

◆ASEAN議長が25日付で声明を発表し、インセイン刑務所での爆発、カレン州での戦闘激化、カチン州での市民に対する空爆に触れ、犠牲者に対する弔意を述べ、暴力の即時停止や全ての当事者の参加する対話の実現と平和的解決の道の模索を求めた。

◆松野官房長官、記者会見で、ミャンマーで拘束の久保田氏の「健康状態は特に問題ない」と説明。

◆人権状況を担当するアントリューズミャンマー特別報告者が26日国連総会での現状報告で、軍によるザガイン地域での学校への攻撃やカチン州におけるコンサートの空爆に触れ、各国政府が迅速な対応を取らなければ次回報告までに状況はさらに悪化するだろうと述べた。戦争犯罪、人道に対する罪だとも。

◆ターク国連高等弁務官は、先ごろマレーシア政府が庇護を求めていたミャンマー人100人を本国に送還した件に関し、ミャンマー国内状況は不安定であり暴力が横行しているため、在外のミャンマー人を本国に送還すべきでない、各国政府は、庇護を求めるミャンマー人に在留を認めるべきだと述べた。

◆27日ジャカルタでASEAN外相会議開催。「具体的・実践的で期限を定めた行動」を通じ、履行を目指す方針を確認しただけで、目に見える対応策はなく、出席者からは「懸念と失望」も。

◆27日ジャカルタで開かれたASEAN外相会議で決定された「5つの合意の維持」について軍は、受け入れらないとする声明を発表。ミャンマーが欠席の状態での決定は、ASEAN憲章の原則に反している、5つの合意の履行を議長国特使と緊密に連携して進めていると反論した。

Follow me!

23-29/Oct/2022 #WhatsHappeningInMyanmar

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


トップへ戻る
Translate »
PAGE TOP