激戦が続いているチン州、マグウェ、ザガイン地方域で、国軍による大規模な作戦が週末に開始される兆候があり、インターネットが遮断されているこれら地域で、民間人への深刻な被害が心配されています。10月26日にASEANサミットが予定されていますが、国軍がASEAN決定の5項目を遵守せず、ASEAN特使のNLD指導者との面会を拒否しているため、この会議に国軍指導者を参加させないことが検討されています。フランス元老院が全会一致でNUGを承認する決定を可決し、欧州議会はNUGおよびCRPHを合法的な政府と議会として受け入れることを決定しました。日本外務省が8月下旬以降、数回に分け、国軍の求めを受け5人に外交の在留資格を付与していたことが明らかになりました。
10月4日
4日、国軍側、インターネットを遮断しているチン州、ザガイン地方域、マグウェ地方域で、軍隊と物資を大幅に強化。戦闘が激化しているマグウェ地方域GanGawへ向けて、30台のトラックと2台の装甲戦車を含む大規模な軍事増援が、GanGaw―Pearl高速道路のWan Baeに向かっている。
4日午前8時頃、ザガイン地方域に拠点を置くPale’s People Defense Force (PPDC)、80台以上からなる国軍軍事輸送部隊に対し、27の地雷を爆発させて攻撃。
4日、国軍側、ザガイン地方域の2つの村の家に火を放ち、民間人に無差別に発砲。2,000人以上の住民が暴力から逃れることを余儀なくされた。
4日、国軍側兵士、マグウェ地方域Yesagyo郡区の喫茶店を襲撃、マンダレー大学学生をその場で射殺し、喫茶店の女性オーナーと5人の若者を逮捕。
4日、HURFOM (Human Rights Foundation of Monland)、過去1週間、特に若者の恣意的逮捕が大幅に増加していると発表。
4日、チン州CDF Senthang、国軍第222歩兵大隊所属の5人の兵士が、2丁のMA1ライフルを持ってHakha郡区のCDF Senthangに加わったと発表。
4日、アウンサンスーチー氏、ヤンゴン地方域元首相ピョーミンテイン氏が10月1日に法廷で証言した内容は、すべて事実無根でばかげていると批判。
4日、国軍側商務省、10月1日から、外貨の使用を減らすことを目的として乗用車の輸入を一時的に停止すると発表、以降、国内の自動車価格が10%から15%に上昇。
4日、市場為替レートは1米ドル=2,300Ksで、9月28日と比較して400Ksのチャット高となった。
4日深夜から5日朝まで、世界中でフェイスブックが停止、ミャンマーではTelegramが一時的に使われた。
4日、 全国24カ所でインターネット遮断がつづいている (Chindwin News Agency インターネット遮断地域 )。
4日、マレーシア外相、ミャンマーがASEAN特使に協力しなかったため、同国軍事政権指導者を次のサミットに出席させることは困難だと発言。
4日、国際NGO「Save the Children」、クーデター以降に7万6,000人以上の子どもが戦火を逃れ避難しており、多くの家族は食料不足のため食事は1日に1回妊娠中の女性は森で出産するなど非常に困難な生活を強いられていると発表。
10月5日
5日、国軍側、ザガイン地方域の2つの村の家に火を放ち、民間人に無差別に発砲。 Wun Pyin、Lethama、Khin Aye、YaynanMhawの村から2,000人以上の住民が逃げている。
5日、国軍側警察、9月3日にネピドー地方域Zabu郡区の基礎教育生徒会会長TunAung Kyaw(中学2年生・15歳)を自宅で逮捕し、いまだに家族と面会できない。
5日、国軍側、カレン民族同盟 (KNU) に隣接するカレン州Nyaung Lay Pin県のShweKyin郡区とMone郡区で、村ごとに30人の若者を集めようとしている。集まらない場合、無差別に連行。
5日、ザガイン地方域Katha郡区で12人の国軍側任命の地方区管理者が安全性の懸念から辞任し、残りの管理者も間もなく辞任の予定。マグウェ地方域、チン州、カチン州、ザガイン地方域での国軍側行政実施計画はすべて失敗。
5日夕方、厳重な警備がなされているネピドー警察本部で小包爆弾が爆発、爆風で中佐を含む4人が負傷。
5日、チン州人民行政部隊、チン州Mindat郡区での麻薬密売、殺人、窃盗、女性に対するセクハラ、土地所有の問題に関する規則と規制を公表。
5日、国軍側経済・貿易省貿易局、ミャンマー・中国国境のチンシュエホー貿易ゲートからの輸入 (機械部品・肥料・日用品) を10月6日から禁止すると発表。
5日、NUG計画財務投資省 (Ministry of Planning, Finance and Investment;MoPFI)、オンラインによる税金の支払いを開始、税金は医療、教育、人道支援に使われると発表。
5日、フランス元老院、全会一致でNUGを承認する決定を可決。
10月6日
6日、2月1日のクーデター以降、国民民主連盟(NLD)の党幹部、議員、党員など458人が逮捕・拘束されている。
6日、国軍側によって9月・10月に3回襲撃され、銃撃されて家に火をつけられたマグウェ地方域Gangaw郡区2つの村の約1,000人の村人たちは、2カ月近く近くに逃れ、食糧不足に直面している。
6日、国軍北西部司令部長Phyo Thant少将が、軍事法廷で人民防衛軍(PDF)に対する作戦の失敗について尋問中に殺害された、と報道されている (未確認)。
6日、モン州Kyaikhto郡区で「いくつかの質問をする」ために9月に拘留された地元の事業主4人のうち3人が、7,000万チャット(3万5,000米ドルに相当)を支払ってタトン刑務所から釈放された。
6日、ザガイン地方域人民防衛隊(SPDF)、午後7時から翌朝5時まで外出しないよう市民に警告。
6日、GZPマンダレー、マンダレー国民防衛ゲリラ部隊ジェネレーション Z パワー(GZP)を3月27日に結成し、 8月に国軍側のスパイ掃討、9月に地区事務所の爆破などのレジスタンス活動を実行しており、NUGの方針に従って活動していくことになると発表。
6日、ウクライナでミャンマー海軍のフリゲート艦建設プロジェクトに携わるミャンマー海軍要員18人が数日前にキエフ空港で入国を拒否された後、クアラルンプール空港でウクライナのビザ取得を待っている。
6日、マレーシア外相、軍事評議会がミャンマーに関するASEAN首脳間の5つの合意に協力しない場合、NUGとの会談を検討する準備ができていると発言。
10月7日
7日、国軍側、ヤンゴンNorth Dagon郡区で、9年生を含む16歳の少女4人を連行。
7日、NUG国防相、9月28日から10月4日までの1週間の戦闘で国軍兵士が427人死亡、183人が負傷と発表。
7日、NUG、市民的不服従運動 (CDM) に参加する人々を歓迎し、CDM家族の安全を計画し、闘争の解決を支援することを目的とした暫定人民警察管理委員会の設立を発表。
7日、欧州議会27か国、NUGおよびCRPHを合法的な政府と議会として受け入れることを決定。
7日、ミャンマー代表国連大使Kyaw Moe Tun、第76回国連総会第76回委員会 (武装解除国際安全保障委員会) で、国軍による市民に対する弾圧を非難し、歴史の正しい側に立つことを心から願うと演説。
10月8日
8日、NUG国防省、9月に690件の戦闘が発生し、国軍兵士768人が死亡、220人が負傷し、人民側は164人が死亡、109人が負傷したと発表。
8日、ヤンゴンのRangoon’s Brave Barで前夜逮捕された250人全員、100万チャットの保釈金(国軍幹部たちの子どもは保釈金なし)で釈放された。
8日、チン州、マグウェ地方域、ザガイン地方域ではPDFが強化されているため、軍が10月9日と10日に大規模な攻撃を開始するという噂が広まり、これら3つの地域の地元住民は自宅から逃げて安全な場所を探している。
8日、国際連合人権高等弁務官事務所、ザガイン地方域、マグウェ地方域、チン州に重火器と軍隊が大量に配備されているため、民間人に対する深刻な攻撃が差し迫っていることを懸念していると声明。
10月9日
9日、チン州、ザガイン地方域、マグウェ地方域 (Yodha)で、国軍北西部司令部の新しい司令官によって指揮される「イラワジ作戦」が10月9日/10日頃に開始される可能性がある。
9日、ザガイン地方域Mindat、Matupiでは電話回線が遮断された。KalemyoではBogyoke Roadを南下する2台の装甲車両と14台の軍用車両が見られた。Botswanaでは軍用ヘリコプターが飛行し、大爆発音が数回聞こえた。
9日、ザガイン地方域Myaung郡区で、10の地元の民間武装抵抗グループからなる合同部隊が、RPGを使用して国軍が配備されているKyauk Yit村の警察署を攻撃、15人を死傷させた。さらに、合同部隊の別のメンバーは、包囲された警察署を支援する約100人の兵士を乗せた国軍側軍用トラック隊に対し、4回、地雷を爆発 (Myaungの間防衛安全保障機構(Civilian Defense and Security Organization of Myaung;CDSOM)の声明)。
9日、マグウェ地方域のYaw-People’s Defense Force (YDF)、150人以上からなる2つの国軍軍用トラックをGangaw県のYaw-Kyaut HtuRoad周辺で地雷攻撃し、20人以上の兵士を殺害。その後、国軍側は近くの村を無差別銃撃。
9日、タニンダーリ管区Kanpaukに本拠を置くMawrawadi海軍基地から、軍曹と2人の兵士が軍を去った。
9日、アウンサンスーチー氏の弁護士チーウイン、訴追された収賄容疑に関する証拠品を国軍側が提出できていないと明らかにした。
9日、国軍側、NUGとCRPHを認める外国大使館、 国連薬物犯罪事務所 (UNODC) を強く非難。
9日、東京新聞によると、外務省は国軍の求めを受け、5人に外交の在留資格を付与。同省は明らかにしていないが、8月下旬以降、数回に分け、在留資格を得て日本国内の公館に着任したとみられる。
10月10日
10日、国軍側、ザガイン地方域カレーミョで軍の家族を、昨夜に引き続き空輸している。
10日、ザガイン地方域Pale郡区で、Pale人民防衛隊(PPDF)が移動中の国軍を地雷攻撃、兵士6人を殺害。さらに警察車両を攻撃し、国軍側警察12人を殺害。
10日、ヤンゴンのHlaing 郡区、Dawbon 郡区、Thanlyin 郡区、Thaketa 郡区など各所の警察署や地区管理事務所、裁判所、軍事基地で爆弾が爆発。
10日、国軍側報道官ゾーミントゥン少将、北西軍管区の副司令官の側近と運転手がCDMに参加したという情報が国外のメディアが伝えているが事実無根の誤報だが、1か月前に情報部隊の1人がCDMに参加したのは事実だとコメント。
10日、ASEANミャンマー特使ブルネイのエルワン第2外相、ミャンマーに到着。
第36週末
国軍の弾圧による犠牲者は10月9日までに1,161人。
ミンアンフラインとミャンマー国軍の悪逆非道を絶対に許してはならない。必ず法廷で裁きを受けさせるべきだ!日本政府も早くNUGを承認して、ミャンマー軍への資金を止める為の対策を講じなければならない。ミャンマー国民の革命を応援しています。
心から、そう思います。
人道に反する罪を犯しっぱなしのミンアウンフライン以下、ミャンマー国軍を早く裁いてほしい。もどかしい思いです。
冷めた考えですが、いまのミャンマー国民の闘いのなかからしか、連邦制も民主国家も誕生しないと思います。
外国の武力介入がその後どのような結果をもたらすかは、最近の出来事をみれば明らかです。