6-20/NOV/2024 #WhatsHappeningInMyanmar

2024年11月6日から20日までの2週間にミャンマーで起きたことです。

中国が、軍事政権を支える姿勢を明確にした:中国首相が訪中したミンアウンフラインと初会談/国境ゲートを封鎖し、抵抗をやめるよう反軍事政権勢力に圧力/自国の投資プロジェクトを警備する中麺共同警備会社を設立/軍事政権に警察車両や検問所の顔認識システムなどの費用を提供/指導者を国内に事実上軟禁し、MNDAAのラシオからの撤退を迫る。
国民への抑圧が強まる:「一晩の拘留」を主導している国家治安機関が社会全体に君臨しようとしている/VPN規制が強まる/2021年クーデター反対の初期のデモに参加した人々を逮捕・尋問/ジャーナリストにとって世界で最も危険な国上位5ヵ国入り/地雷による世界最多の年間死傷者数を記録。
空爆による大量殺害:TNLA支配地域で民間人9人死亡、また、11人死亡の空爆/国内避難民キャンプを標的にした空爆で7人の子どもを含む10人が死亡。
抵抗勢力の攻勢:KIAらがカチン州の国境の町を占領し、カチン特別区1のすべての軍基地、国境警備隊の駐屯地、レアアース埋蔵量の多い鉱山を完全に掌握/ネピドー国際空港、マンダレー地方域の空軍基地を攻撃。
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 #WhatsHappeningInMyanmar

詳しい日誌、出典は、下記をご覧ください。
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国内情勢

◆6日、中国の李強首相は雲南省昆明でミャンマー軍事政権の最高指導者ミンアウンフライン総司令官と会談し、ミャンマーにおける政治的な和解と政権移行に向けた取り組みへの支援を表明した。

◆中国訪問中のミンアウンフラインは李・中国首相に、「武装反政府勢力が本当に平和を望むのであれば、平和への扉はいつでも開かれている。彼らは自分たちのニーズや欲望を優先するのではなく、やるべきことをやるべきだ」と発言した。

◆9日、軍事政権の警察は、フェイスブックの生放送でミンアウンフラインを風刺してきた軍支持者のンガーミンスエを逮捕した。軍事政権支持派のテレグラムチャンネルは、警察が同氏に対して扇動罪で起訴したと伝えた。

◆11日午前8時から中国は、北シャン州Muse郡区にある中国・ミャンマー国境貿易ゲートを通る貨物輸送を全面禁止し、乗用車・三輪車などの非商用車両の乗り入れ、手押し車などによる商品の持ち込みを禁止した。出入国するすべての商品は貨物ルートを通って出入国しなければならない。もう1つの国境貿易ゲートは軍事評議会によって閉鎖された。中国は、北部同盟軍が占領している地域への物資の出入りを許可せず、一方的に中緬国境ゲートを封鎖することで、TNLAやMNDAAを含む北部同盟軍に戦闘停止を迫っている。

◆憲法違反のクーデターを起こしたミャンマー(ビルマ)軍のトップ、ミンアウンフライン上級大将が無事(?)中国訪問を終えて大喜び(安堵?)。 軍政のトップとはいえ、雲南省訪問が精一杯で北京の習近平国家主席とは会えず(李強〈Li Qiang〉国務院総理と握手をしたのが成果か。

◆ネット接続制限(VPN規制)が強まり、インターネットの接続環境が急速に悪化して、企業の業務に支障も出るようになった。

◆ワシントンD.C.に拠点を置くNGOフリーダムハウスのランキングによると、2021年2月の軍事クーデターに端を発する内戦に苦しむミャンマーは、世界72か国を対象としたインターネットの自由に関する年次評価で、中華人民共和国と並んで最下位となった。

◆ミャンマー、アライバルビザ(観光目的、有効期間30日間)を発給開始、日本国籍も対象。

◆軍事評議会は、クーデターに対する初期のデモに参加した人々を逮捕し、尋問するよう秘密裏に指示した。11月初旬、ヤンゴン、マンダレー、ネピドーを含む様々な地域で発行された。モン州モーラミャイン等では、こうした人々が逮捕されている。捜査の主な目的は、PDFとNUGへの資金の流れを断つことだ。

◆軍事クーデターによって、独裁者「(ジョージ・オーウェルの『1984年』に登場する) ビッグ・ブラザー」が戻ってきた。国家治安機関(軍事安全保障局長官室;OCMSA)が、反対者全員を迫害し、一般市民を脅迫して軍政を定着させ、将軍たちを社会全体に君臨させようとしている。これは、2004年に解散したキンニュン将軍「軍事情報局」MIの後継機関である。OCMSAは、反体制運動に直接関与、支援、またはつながりがあると疑われる人物を夜間の襲撃で逮捕し、翌日遺体を返還する「一晩の拘留」を主導している。反体制派は地獄のような尋問所で様々な拷問を受け、時には死に至る。そこではメンバーが女性活動家だけでなく男性活動家に対しても強姦を武器とする。

◆ダザウンタイン灯祭りの盛況目指し軍評議会、強引に準備進める。

◆徴兵対象者の減少に伴い、テロリスト軍事政権はミャンマー国境を越えて強制徴兵を試みている。地域および国際社会は軍事政権に対し、強制徴兵と民間人に対する暴力を止めるよう圧力をかけなければならない。

◆中国は軍事政権に、ミャンマーでの投資プロジェクトを警備する共同警備会社を設立するよう提案した。これは間違いなく中国版ワーグナーであり、中国による他国への侵略と内政干渉である。この要請に基づき、中緬共同警備会社設立に向け、軍評議会内務省副大臣を長とし各省の高官13人で構成される契約実行委員会が発足。ミャンマー国内の中国企業及び従業員の安全確保のためだという。委員会は会社の防衛機器や武器購入関連の助言を行う。

◆ミャンマー軍はますます空軍力に依存しているが、反政府勢力の勢力拡大により空軍基地が射程圏内に入っている。そのため、拠点内の小規模な飛行場へ移動しているようで、作戦時の燃料の節約もできる。また、ジェット燃料を安全に輸送するために河川輸送への依存度が高まっていることも示唆している。

◆レアアースの埋蔵量が多いカチン州の3つの山々は、ミャンマーの軍事テロリストに対抗するため、地対空ミサイルと交換する準備ができている。 イーロン・マスクとトランプは、商品交換に合意するのか、それともしないのか? これらの資源はテスラとEV業界にとって不可欠だ。

◆中国政府はシャン州北部主要都市ラショー市を掌握したコーカン軍MNDAAにラショーから撤退するよう圧力をかけ、これに応じないMNDAA指導者の彭德仁氏を拘束。特使との面談の名目で雲南省に呼び寄せそのまま拘束。中国は国境周辺の少数民族武装組織に対しNUGとの接触を断つよう強い圧力をかけていた。

◆18日MNDAAは、中国がMNDAAの指導者を拘束したとの報道を否定した。別の情報筋は、彼はさまざまな理由で中国に行くことが多く、治療のために1か月以上中国に滞在している。ラシオを軍事政権に返還していない。ラショーのコーカン軍は同市を正常に戻すために懸命に働いている、と述べた。

◆BBCの情報筋によると、治療のため中国に滞在していたMNDAA指導者の彭德仁は、雲南省で1か月以上拘束されている。漏洩した8月の秘密文書には、中国は彭一家に対して行動を起こすと伝えたと記されていた。中国外務省は19日、彭は中国で治療を受けており、健康回復に努めていると発表。

◆18日、AAの攻撃からチャウピュー経済特別区プロジェクトを守るため、中国軍を含め、チョー・シュエ・トゥン将軍が率いる中国=軍事政権合同警備チームが結成された。

◆ワ州連合軍は、シャン州北部のTangyanでオンライン詐欺の容疑で告発された中国人762人を中国当局に引き渡した、とワ州テレビが報じた。スターリンク衛星インターネット機器を含む機器も引き渡されたという。

◆Myanmar Nowが軍事評議会の対外経済関係部門から入手した文書によると、中国政府は、軍事政権の国勢調査を含む20のプロジェクトの費用、約10億元(1億3000万ドル以上)を提供する予定。数百台の警察車両や検問所の顔認識システムなど、軍事評議会が要請したさらに77のプロジェクトも協議する可能性が高い。

経済ビジネス

◆資金難に陥った軍事政権は、出稼ぎ労働者に対し、収入の25%を公式の銀行ルートを通じて母国に送金するよう強制する委員会を設置した。昨年9月1日発効の送金規制では、彼らは毎月か3か月毎に給与の少なくとも25%を母国に送金することが義務付けられている。

◆軍評議会が労働省を通じて公布していた「海外で3年の就労を終えたミャンマー人労働者を責任持って兵役に就かせなければならない」とする指示文書が今般全送り出し機関に届いた。背けば営業許可を剥奪されブラックリストに掲載されるが履行は容易ではなく業者は困惑。

◆10月24日、軍評議会は金取引を重要サービスに定め、ライセンスなしでの取引は認めないと発表したが、金取引業者のほとんどがライセンス未申請で、一部は業務を正式に停止している。

◆17日、軍事政権のエネルギー省はミャンマー石油貿易協会(MPTA)に、チン州のすべての郡区に対する燃料割当の発行を停止するよう通知した。これは、燃料不足と価格上昇につながり、革命勢力が燃料を入手することを困難にする。

◆ヤンゴンのラインタヤ郡区にある中国人経営の彫刻工場で女性従業員2人が解雇され、中国人取締役から暴行された。6日から約500人の労働者が18項目の要求を掲げストライキを開始、約50人が解雇された。工場は労働者に、騒乱を煽動したとして訴訟を起こすと脅し、軍、警察、行政当局の行動を求めている。

人道問題

◆ミャンマー女性連合の2024年10月の女性に関する情報:全国で少なくとも、45人が空爆で、9人が無差別砲撃で、2人が銃撃で、1人がドローンで、4人が紛争に関連した性的暴力で死亡した。

◆AAPPによると、クーデターから11月5日(文書化)までに、軍事政権に殺害された人5,928人、逮捕された人の総数27,631人、依然として拘留されている人21,081人。

◆チン州パレットワ郡区に避難している約1万5,000人のIDPは、医薬品と医療支援の深刻な不足に直面している。インド当局は7月にミゾラム州から同郡区への物資の輸送を禁止したが、国境での非公式な合意により、医薬品は輸入できていた。しかし、そのルートは9月に閉鎖された。

◆11日、軍事政権の飛行機がマンダレー地方域のTNLAが支配するルビーの産地Mogokeを爆撃し、民間人9人が死亡、13人が負傷した。

◆住民の話によると、12日、軍事政権のジェット機がTNLAの支配下にある北シャン州Nawnghkioのムセー-マンダレー幹線道路沿いのカフェを爆撃し、運転手、旅行客を含む市民11人が死亡。旅行者が休憩のために立ち寄ることの多い店だったという。

◆フランスを活動拠点とする「国境なき記者団」の2024年世界報道自由度ランキングによると、ミャンマーは、ジャーナリストにとって世界で最も危険な国上位5ヵ国入り。

◆言論の自由のために活動する団体アタンの14日付の発表によればクー後の約4年間でジャーナリスト215人が逮捕、54人が拘禁、56人が指名手配され11人が死亡。取材中に砲撃に巻き込まれ負傷したり自宅が差押えられたりするケースも。RSFによれば 2024年の報道の自由度は世界180ヵ国中ミャンマーは171位。

◆マグェー地域パコウック郡ノーコン村を軍第101師団の120人で構成される侵攻部隊が襲撃。村の規模は200世帯程度で住宅187軒が焼き払われた。また住民女性3人が殺害された。Pakokku Special Task Forceの公表による。10/21より周辺の村への軍の侵攻が開始し7000人が避難。

◆15 日午後4時、軍事評議会のジェット戦闘機1機が、カチン州Momauk郡区Konelaw村のバプテスト教会の中庭にある難民キャンプに爆弾2発を投下し、戦争から逃れてきた7人の子どもを含む10人が死亡した。現時点で負傷者は30人以上に上る。

◆18日、軍事政権はシャン州南部のPekon町西部にある国内避難民キャンプを標的とした6回の空爆を実施した。これらの空爆により村は甚大な被害を受け、住民は避難所や生活必需品を失い、女性1人が死亡、2人が負傷した。多くの住民がショックと絶望に陥っている。

◆地雷禁止国際キャンペーン( International Campaign to Ban Landmines、略称;ICBL)が発表した #LandmineMonitor2024 レポートからの主要な洞察:ミャンマーは2023年に初めて世界最多の年間死傷者数(1,003人)を記録した。完全なレポートはこちらからダウンロードできる: https://bit.ly/3ALNyiX

◆今年6/1〜9/30までに軍評議会による航空機での空爆の回数は1210回、ドローンによる爆撃は98回に及び、子ども49人を含む543人が死亡、827人が負傷したことが「血の資金を断つ活動グループ」の調査の結果明らかになった。一般住宅633軒、医療施設11棟、宗教建築物79軒、国連事務所1軒等が破壊された。

軍事政権による恣意的な逮捕、殺害、暴力

◆軍事政権が健康上の理由でウィンカイン電力エネルギー大臣に刑務所からの早期釈放を認めた直後の8日、同大臣が亡くなったと聞き、私たちは非常に悲しんでいます。 このニュースにより、拘留されている高齢者に対する私たちの懸念が高まります。

◆長期の禁錮刑に処せられているアウンサンスーチー氏の弁護士は約2年に渡り同氏と面会できていない。控訴審準備及びヤンゴンの自宅の競売に関する申し入れ及び健康状態を把握するために弁護士は12回に渡り同氏への面会申請を続けているがいまだに認められていない。裁判期日も延期せざるを得ない状況。

平和的抗議・CDM

◆満月の夜、ヤンゴンの街は募金を集める人々で賑わう。かつては誰にも気づかれずに募金を投げる習慣があったが、近年は道路を走る車から募金を投げる習慣に変わった。ヤンゴンのような混雑した場所では命がかかっているが、クーデター軍による全面封鎖の中、老若男女が楽しみとして参加している。

武装抵抗・PDF・戦闘

◆5日、ミャンマー軍防空部隊は、ネピドー国際空港のVIPターミナルでミンアウンフラインが飛行機に搭乗しようとした際、同氏を狙った抵抗勢力のドローン3機を迎撃した。

◆11日午前4時ごろ、マンダレー地方域メイッティーラの空軍基地と軽歩兵大隊本部が手製のロケット弾で攻撃された。

◆11日、ラカイン州Ann市での戦闘中に、軍事政権陸軍の大隊指揮官、少佐階級を含む約300人の兵士がAAに降伏した。

◆反体制勢力は、ドローンへの依存度を高めている軍事政権の反撃に対抗するための妨害装置が不足していると訴えている。

◆AAは、ラカイン州にあるミャンマー軍西部司令部本部に増援部隊と物資を空輸していた軍事政権のヘリコプターを撃墜した。

◆ヤンゴン市内で軍評議会関連施設が爆弾による攻撃を受ける事案が多発。13日夜間にはシュエピーター郡区ローガー地区警察署前の10人程人が集まっていた警備員詰所に抵抗勢力YUPAとOFが合同で爆弾2発を投げ込んだ。被害の詳細は不明。11日から3日連続で同様の事案がヤンゴン市内各所で起きている。

◆14日、シャン州南部のダヌ自治区ユワガン市街入り口付近で戦闘が起き、車両200台以上が立ち往生。シャン州南部では電話やインターネットなどの通信手段が全面的に遮断されており、正確な状況を把握することが困難な状況が続いている。

◆ラカイン州チャウピューで中国が実施する大規模事業付近まで戦闘が迫っている。軍評議会軍と戦うアラカン軍AAは事業拠点からわずか6マイル地点に位置する道路を封鎖するなどして戦闘に備えている。地元の大隊ではなく他地域からの応援要員で編成される軍評議会側軍部隊は厳戒態勢に入っているという。

◆20日、KIA主導の反乱軍は午前9時30分にカチン州の国境の町Kan Paik Tiへの攻撃を開始し、午後5時までに町を占領した。軍事評議会のメンバー、民兵、軍事評議会傘下の人員はすべて中国に逃亡した。KIA率いる反政府勢力は、今やカチン特別区1のすべての軍基地、国境警備隊の駐屯地、町を完全に掌握している。

◆MNDAAは8月初旬に占拠した北部シャン州の州都ラシオ市からの撤退を中国から迫られているが、同市で兵士、弾薬、その他の物資を増強している。一方、軍事政権はラシオへのアクセスを遮断し、食糧と燃料の供給を制限し、度重なる空爆を実施している。MNDAAはラシオ住民に対し防空壕を掘るよう警告した。

国際関係

◆ILOは、強制徴兵を含む権利侵害を理由に軍事政権に対して行動を起こすことを決定した。

その他(ルポ、インタビュー、分析など)

◆ミャンマーでのインターネット規制の実態を詳述した Freedom House, “Myanmar: Freedom on the Net 2024 Country Report

◆中国の裏切りで「もうミャンマーは終わりです」 軍政権を支援で国民からは絶望の声 (下川裕治)

◆中国が軍側に立つ姿勢は、ミャンマー国民が拒否反応を示し、不満が高まっていることを意味している。中国が政権にどれだけ支援を与えても、軍の崩壊を阻止することはできない。 中国がネピドーを支援し続けるなら、国民の反感が高まる可能性がある。(Myo Yan Naung Thein)

◆「絶望はない」ミャンマー人難民に35年間医療従事 (シンシア・マウン医師)

◆ミャンマーの衣料品産業が崩壊する中、絶望が高まる――若い女性たちへのインタビュー

6-20/NOV/2024 #WhatsHappeningInMyanmar

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