静まり返ったミャンマーの街
2月1日午前10時から午後3時まで、全国150の市町村では、クーデターに抗議する「沈黙のストライキ」が行われました。
静まり返ったヤンゴン、マンダレー、ザガイン地方域、モン州、カチン州の町、厳重な警備の中にもかかわらずヤンゴンのダウンタウンに掲げられた横断幕「あなたが参加すれば、この革命は間違いなく成功する」。
静まり返ったミャンマーの街
2月1日午前10時から午後3時まで、全国150の市町村では、クーデターに抗議する「沈黙のストライキ」が行われました。
静まり返ったヤンゴン、マンダレー、ザガイン地方域、モン州、カチン州の町、厳重な警備の中にもかかわらずヤンゴンのダウンタウンに掲げられた横断幕「あなたが参加すれば、この革命は間違いなく成功する」。
ミャンマーが国際社会に要望していることを、「国連常駐ミャンマー政府代表チョーモートゥン閣下による「Agenda Item 63:第77回国連総会本会議における人権理事会報告書」に関する声明 (ニューヨーク、2022年11月1日)」から紹介します。
ミャンマーでは、クーデターから2年近くたっても国民の抵抗はつづき、逆に抵抗勢力の実効支配地域が拡大しています。
こうした苦境に直面した軍事政権は、空軍のジェット戦闘機・軍用ヘリコプターを使った空爆を激化させ、村々の住民を殺害し、家屋に火をつけ、また、国民に恐怖を植え付ける残虐行為をエスカレートさせて、局面を変えようとしているようです。
9月16日、ザガイン地方域で学校を標的に軍用ヘリコプターで攻撃し、子ども7人を含む11人を殺害。
10月19日、チン州でドローンから投下された爆弾によって、小学校から下校途中の子ども2人が死亡。
10月23日夜、カチン州でコンサート会場を空爆し、アーティスト、観客ら60名以上を殺害、多数の負傷者。
10月17日朝、マグウェ地方域でCDM教師を逮捕し、斬首して学校のドアにつりさげる。
ミンコーナイン (Min Ko Naing) 氏は、1988年の民主化運動(「8888運動」と呼ばれる)の学生リーダーです。延べ20年間にわたる獄中生活にも屈せず一貫してミャンマー民主化のために活動してきました。
2021年2月1日にミンアウンフラインが軍事クーデターを起こすと、いちはやく国民に3つの行動計画(2020年総選挙当選議員による議会成立、CDM参加、行政のマヒ)による抵抗を呼びかけ、軍の追及から身を隠し、同年4月に国民統一政府(NUG)が結成されるとこれを支持してきました。
ここでは、NUGが10月7日に発表した「軍事政権をこの1年間で打倒する」という計画について、ミンコーナイン氏が投稿したフェイスブックを紹介します。
これは、「春の革命」580日目にあたる2022年9月4日、Yangon Technological University Students’ Union – YTUSU (ヤンゴン工科大学学生同盟) がライブ配信した「春の革命ソング編曲プログラム」です。
タイザーサン氏は、2021年2月1日に起きた軍事クーデターから3日後の2月4日、全国に先駆け、マンダレーでクーデターに反対する街頭行動を組織したリーダーです。
軍事政権は2021年4月19日に彼に逮捕状を発行し、懸賞金を出しました。
軍事政権の最重要指名手配者であるにもかかわらずタイザーサン氏は国内に潜伏し、革命の現場を旅しながら、SNSで、軍事政権へ鋭い批判を行い、国民の戦いへの励ましを投稿しています。
こうした投稿から、ミャンマーの人々が置かれている状況、春の革命がどうなっているのかを、見てみます。
シャン州での平和的な抗議の最中に命を落としたタアンの若者のリーダー、マイミンナインの物語
「Can’t accept that he’s gone (彼が去ったことを受け入れることができない)」
政治犯支援協会 (AAPP;Assistance Association for Political Prisoners) によると、クーデターから506日目になる2022年6月21日時点で、軍事政権によるこうした弾圧によって合計2,000人が殺害され、6月22日にはさらに7人の殺害が加えられた。
殺害された2,007人を地域別にみると、ザガイン地方域が722人、マンダレー地方域が284人、ヤンゴン地方域が283人、マグウェ地方域が185人、バゴー地方域が149人、……となっている。
このユーチューブ短編映画をクリックして観ると、寄付ができます。この短編映画は、国軍による弾圧から逃げている人の気持ちを描いています。英語の字幕がついています。
女優自身も、刑法第505条による逮捕から避難しています。制作者も、避難している演出家です。
(刑法505条は、公衆に恐怖を抱かせる言説を公表したり報道する者、国軍兵士に不服従を扇動する者などを取り締まる治安条項です)
多くのCDM参加者は弾圧に屈せず、軍事政権に協力しない不服従を貫いていますが、給料がなく、苦しい生活を強いられています。
軍事政権と闘っているCRPH (連邦議会代表委員会)、NUG (国民統一政府) は、困窮するCDM者の生活を支えるという方針をもっていますが、実際にはまったく不十分な状態です。
給料がカットされてから1年以上がたち、民主化への出口がまだ見通せないいま、CDM者の生活をどう支えていくのかは、差し迫った大きな課題だと思います。