ミャンマー国民の命を守り、軍事政権の指導者を裁くために

軍事政権の究極の恐怖の方法

ミャンマーでは、クーデターから2年近くたっても国民の抵抗はつづき、逆に抵抗勢力の実効支配地域が拡大しています。
こうした苦境に直面した軍事政権は、空軍のジェット戦闘機・軍用ヘリコプターを使った空爆を激化させ、村々の住民を殺害し、家屋に火をつけ、また、国民に恐怖を植え付ける残虐行為をエスカレートさせて、局面を変えようとしているようです。

軍事政権の軍隊はザガイン地方域で9月16日、学校を標的に軍用ヘリコプターで攻撃し、子ども7人を含む11人を殺害しました。この攻撃は、軍事政権が2021年2月に権力を掌握して以来、最も致命的な子どもたちへの攻撃と言われています。

また、10月19日チン州Hakha郡では、軍事政権軍のドローンから投下された爆弾によって、小学校から下校途中の子ども2人が死亡するという、意図的に子どもを狙ったとしか思えない犯行が行われました。

10月23日夜、カチン州で、カチン独立機構 (KIO=カチン族の民族自治権拡充をめざす政治組織) が創立62周年記念のコンサートを開催していた会場を標的に、軍事政権の戦闘機が空爆し、KIO幹部や歌手、一般の観客ら60名以上を殺害しました。その上、軍事政権は負傷者の病院への搬送を阻止し、死亡者がさらに増えています。

CDM教師は頭と手足を切り落とされ、頭は学校のドアに掛けられた

10月17日の朝、ミャンマー軍事評議会の部隊は、マグウェ地方域Pauk郡区Taung Myint村に侵入し、CDM教師 U Saw Tun Moe 氏を逮捕して頭と手足が切り落とし、首を学校のドアに吊るし、その後で指輪と時計を奪うという残虐極まりない戦争犯罪を行いました。U Saw Tun Moe氏は45歳で、妻と息子が残されました。

この事件に対する「ミャンマー特別諮問委員会 (SAC-M)」の10月22日の報告 (“Decapitation: The Junta’s Ultimate Method of Terror to Subjugate the Myanmar People”) を紹介します。

ミャンマー特別諮問委員会 (SPECIAL ADVISORY COUNCIL FOR MYANMAR) は、人権、平和、民主主義、正義、説明責任を求めて戦うミャンマーの人々を支援する国際専門家の独立したグループです。

斬首:ミャンマーの国民を征服しようとする軍事政権の究極の恐怖の方法

報告は、ミャンマー軍事政権による国家統一政府 (NUG) の学校教師の斬首は、国際法およびミャンマー法の下でのテロ行為であり、国連 (UN) と東南アジア諸国連合 (ASEAN) は、ミャンマーの学童と教師に対して犯された残虐行為について軍事政権に責任を負わせるために緊急の行動を取らなければならない、と述べています。

「斬首」事件

報告によると、マグウェ地方域南部のPauk郡区Thit Nyi Naung村にあるNUGが資金提供する民間の学校の教師U Saw Tun Moe が、10月16日 (日曜日) に軍事政権軍に誘拐された。翌日、近くのタウンミン村にある学校の門にもたれかかっていた彼の遺体が発見された。彼の頭は校門の忍び返しに突き刺され、指は3本切断されて太ももの間に置かれていた。

非人道性の新たなレベルに達した

SAC-MのMarzuki Darusman氏は、「ミャンマーで軍事政権が犯している残虐行為は、非人道性の新たなレベルに達している。軍事政権は、子どもたちや教師に対する野蛮な攻撃をエスカレートさせ、それを断固として拒否している人々の士気を破ろうとしている。教育は、彼らが創造するために多大な犠牲を払っている社会の柱である。ASEAN がミャンマーの人々の将来のビジョンを支持するのであれば、無益な軍事政権の暴力を終わらせるために、緊急の行動を取らなければならない。」

教育が残虐行為の標的になりつつある

ミャンマーの教育は軍事政権による残虐行為の標的になりつつあります。伝えられるところによると、全国的な市民的不服従運動に参加していた学校の校長が月曜日 (17日) にエーヤワディ地域で刺殺され、9月16日には軍事政権の攻撃ヘリコプターがザガイン地方域の修道院の学校に重火器を発射し、少なくとも11人の子供が死亡し、17人が負傷しました。そのような攻撃は、国連「児童の権利に関する条約」の重大な違反です。

教育を含む政府サービスを提供しているNUG, ERO

軍事政権は、2021年2月のクーデターの試みが失敗して以来、ミャンマーの民間人に対して組織的かつ広範な残虐行為を行ってきました。それにもかかわらず、NUG に代表される民主的抵抗勢力の同盟は、ミャンマーでの実効支配に対する最大の主張をしています。NUG、その行政機関、および民族抵抗組織(ERO)は、教育を含む政府サービスを、彼らの管理下にある地域の何百万人もの人々に提供しています。

軍を国際法の下でテロ組織として宣言

SAC-MのChris Sidoti氏は、「誰かの首をはねたり、遺体を公衆に見せるために展示したりすることは、明確に定義されたテロ行為である。ミャンマー軍の指導者たちは、20か月以上にわたり、ミャンマー国民に対して血なまぐさいテロ作戦を繰り広げてきた。彼らは国際的な説明責任に直面しなければならない。ICC (国際刑事裁判所) はNUGの第12条3項の宣言*に基づいて緊急に行動する必要があり、軍は国際法の下でテロ組織として宣言される必要がある。」


*)NUGの第12条3項の宣言については、下記の2021年8月21日のNUGツイッターを参照。


ミャンマー軍は、ミャンマー法と国際法の両方でテロ組織の基準を満たしています。 SAC-Mは、国際社会に対し、そのように指定し、そう扱うよう引き続き求めます。

国連は、いつ恐ろしい犯罪の責任を最終的に問うのか?

SAC-MのYanghee Lee 氏は、「軍事政権はミャンマーで学校を砲撃し、学童を虐殺し、教師の首を絞めている。これはミャンマーの将来に対する意図的な攻撃だ。ミャンマーの人々は、ミャンマーにおいて軍隊の未来がないことを知っている。国連はいつこの現実に目覚め、軍の指導者たちの恐ろしい犯罪の責任を最終的に問うのだろうか? 軍事政権との関与に対する国連の現在のアプローチは、ミャンマーの国民に対して行われている残虐行為に加担することになる。」

ミャンマー国民の命を守り、軍事政権の指導者を裁くために
  • 国連安全保障理事会は、軍事政権に対する包括的な世界的な武器禁輸、軍事政権に対する金融および経済制裁を課すため、ミャンマーの状況を国際刑事裁判所 (ICC) に付託するため、ミャンマーに関する決議を採決する。ミャンマー軍をテロ組織と宣言するプロセスを開始し、国連加盟国にそれをそのように扱うよう要求する。
  • 国連総会は、他のすべての国連機関およびフォーラムでの代表者を含む、他の加盟国のすべての権利と特権とともに、ミャンマーの国連代表であるNUGの任命者であるチョーモートゥン大使の信任状を完全に受け入れること。
  • ASEANは、NUGに正式に関与し、ASEANの会議やフォーラムでミャンマーの代表としてNUGを受け入れ、11月のASEANサミットを利用して、2016年に開発されたミャンマーの軍事政権による危機に対応する方法についてNUG と協議し、新たな合意に達する。
  • 国連の職員、機関、その他の人道支援関係者は、ミンアウンフラインへの信任状の提示、将軍やその協力者との写真撮影の機会への参加など、軍事政権に正当性を与えるすべての活動を停止し、主にNUGおよび抵抗組織に関与することで人道原則を順守すること。
  • ICCは、2002年にさかのぼってミャンマーでのICCの管轄権を認めるNUGの第12条3項の宣言を受け入れ、宣言に基づいて現在の調査を緊急に拡大する。

(小見出しは、原文にはありません)

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