01-31/MAR/2026 #WhatsHappeningInMyanmar

2026年3月1日から3月20日の3週間にミャンマーで起きたことです。


①政治・統治機構の動向
軍事政権は政治囚7,000人釈放を発表したがIMEI登録義務化による監視強化を進める一方、上院招集や大統領選出の準備を通じ、権力維持のための形骸化した議会工作を強行している。対する国民統一政府(NUG)側は、連邦議会代表委員会(CRPH)の開催や指導評議会の設立を通じ、国際的な正統性確保と抵抗勢力の結束を急いでいる

②軍事衝突と抵抗勢力の現状
軍事政権は戦略的要衝タカウンの支配権を奪還するなど反攻を強める中、抵抗勢力側は基地制圧の戦果を上げる一方、組織間の不和や内部課題も露呈している。軍は投降を装ったプロパガンダ工作や若者の強制徴用を活発化させており、情報戦が激化している。

③経済・インフラの困窮
燃料不足に伴う車両制限やQRコードによる配給制が導入され、闇市場の価格高騰と輸送費の倍増が市民生活を直撃している。深刻な停電も再発しており、産業基盤は限界に近い。

④人道危機と非人道行為
ミャンマー軍による無差別空爆や村への放火民間人の虐殺が各地で常態化している。2026年に入り既に281人が殺害され、数千人規模の避難民が食料・医薬品不足に喘ぐ深刻な状況にある。

⑤国際関係と外部圧力
中国が抵抗勢力に軍政との対話を強制する一方、国連では人権状況特別報告者の交代が行われた。国際社会の関心が試される。
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●詳しい日誌、出典は、下記をご覧ください。
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目   次

国内情勢

◆軍事政権が、3月2日の「タボウン満月の日」および「農民の日」を記念して、テロ防止法第50条・第52条で起訴・収監されていた全国の受刑者7,000人以上を釈放すると発した。インセイン刑務所では200人が釈放される見込みだが、政治犯がどれほど含まれるのかは不明。軍事政権は声明で、解放された大半がテロ関連の容疑で拘束されていたと述べた。DVBは、2016年から2021年までのNLD政府の少なくとも3人の高官が釈放されたと報じている。

◆6日、軍事政権は​ネットワークに接続されたデバイスのユーザーは、国際移動体機器識別番号(IMEI)を登録しなければサービスを停止されると発表した。携帯電話、タブレット、ノートパソコンのユーザーは、軍事政権の中央機器識別登録簿にIMEIコードを登録する必要がある。

◆10日、NUGとSagaing Federal Unit Interim Governmentとの会合が行われた。

◆16日、NUG大統領代行の要請と勧告「本日、ミャンマー民族民主同盟軍(MNDAA)とタアン民族解放軍(TNLA)の指導者らが、問題を平和的に解決するために会談・協議を行っているとの報に接し、深く安堵するとともに、これを心から歓迎いたします。」

◆16日、2020年総選挙の結果に基づき結成された連邦議会代表委員会(CRPH)が第9回連邦議会を本日午前10時に開催する。 一方、これに合わせるようにテロリスト軍事政権側も、本日午前10時より人民議会(下院)の開始を予定している。

◆16日、軍事政権の「偽の議会」による国際承認工作に対抗せよ連邦民主指導評議会の設立を推進中、とNUG大統領代行が表明。

◆16日、ミャンマー議会、クーデター以来初めて召集。軍の支配は変わらず。軍指導部が権力を「左の手から右の手へ」​移すための策略に​過ぎない。

◆17日、新しく施行された旅券法第7条b項5に基づき旅券の発給、更新等の手続きでUID個別認証番号カードの提示が義務付けられることになった。新法では在外公館は本国の旅券発給委員会から許可を得てからでないと手続きが進められないとされる。

◆18日、ミャンマー上院初招集。議長に軍政トップの側近であり、軍政の最高意思決定機関である国家防衛安全保障評議会(NDSC)のアウンリンドゥエ事務局長。

◆19日、Tayzar Sanのメッセージ:この険しい革命の道のり(長征)において、「3つの構築」が極めて重要だ。 1.組織とリーダーシップの構築 (Building of Institution and Leadership) 2.思想・哲学の構築 (Building of Philosophy) 3.リソース(資源・資金)の構築 (Building of Resources)

◆19日、PDFら抵抗勢力500人以上が軍事政権に投降したと、軍が発表。男女混合の隊列は迷彩服や地味な制服をバラバラに着用しており、その多くにはPDF-Mandalayのロゴがあった。PDFはこうした事実は存在しないと述べ、この行事がプロパガンダ目的であることを示唆した。

◆軍政の欺瞞工作が露呈:全土で数千人もの若者が不当に逮捕され、軍事訓練へと強制送還されている。その多くは、「人民民兵(People’s Militia)」の強制訓練に従事させられており、人民民兵の訓練に徴用された若者たちは、PDF、特にマンダレー国民防衛隊(MDY-PDF)の制服を着用させられている。

◆上院議長に選出されたアウンリンドウェー氏が議会初日の20日、軍トップのミンアウンフライン氏が軍司令官職を退く3月30日に大統領を選出する議員投票を行う旨発表した。

経済ビジネス

◆7日から自動車使用制限を実施。中東情勢で軍政、燃料節約のためと発表。ナンバープレートの最初の数字が偶数か奇数で、使用できる日が変わる。

◆日本支援の2橋開通。現地「最後」のODA大型インフラだった。

◆最大都市ヤンゴンでここ数日、数時間に及ぶ停電が再び発生している。

◆ミャンマー「3月12日から燃料管理のために携帯電話アプリケーションを用いた検証システムの試験導入に係るエネルギー省の公告」仮和訳(在ミャンマー日本国大使館より)

◆燃料配給制が続く中、輸送費が高騰。米国とイスラエルによるイランへの攻撃で燃料価格が高騰し、ヤンゴンとネピドー、マンダレー間のバス運賃が2倍になった。ガソリンスタンドのオーナーによると、過去1週間でガソリン1リットルの価格が0.6→0.7米ドルに上昇した。

QRコードによる1日1回限定の燃料配給制により、運転手は公定価格の3.5倍以上の闇市場に頼らざるをえない。発電能力が需要の約4分の3しかなく、全国的な計画停電が再開へ。ミャンマーの産業・生活基盤が限界に近いことを示している。

人道問題(大量虐殺)

◆3月1日午前11時過ぎ、ラカイン州とマグウェ地方域との境界に位置するマグウェ地方域ミンドン郡区ピョウン村に対し、軍事政権が空爆を行い、男性22名、女性3名の計25名が死亡し、負傷者も20名近くに上る。村内の物資集散地(貨物トラック集積所)が意図的に爆撃され、トラック10台が損傷または破壊された。地元メディアは犠牲者の多くがラカイン人の商人だと報じている。

◆KNUによると5日、軍事政権の合同部隊がKNU支配下のバゴー地方域チャウキー郡区イェトゥインコン村に侵入し、約160人の民間人を拘束、7日これら部隊とKNLAとの間で戦闘が勃発。拘束されていた民間人のうち約25人が死亡し、さらに別の5人が処刑された。

◆8日、軍事政権はラカイン州アン郡区を空爆。AAが捕虜とした軍事政権兵士を収容していた刑務所を爆撃し、将校を含む自軍兵士116人を殺害した。軍事政権は意図的に捕虜収容所を爆撃し、抵抗勢力への降伏者を見せしめに殺害した、あるいは軍事情報を漏らさせてないために殺害した、敵への投降者を殺害する意思があったとも見られている。

◆9日午前5時ごろ、バゴー地方域ニャウンレイピン郡区のティンティン・コーネ、クル・コーネ、キャウンゴーンの村に入ったテロリスト軍は、300人以上の市民を捕らえ拷問し、子供3人、妊婦1人、高齢者を含む40人以上の無実の市民を殺害した。

◆20日、ザガイン地方域カター市中心部の寺院を軍政が空爆。進級試験のために帰還した学生や避難民、僧侶ら多数が死傷し、建物も炎上。同市では昨年12月からKIAやPDFらによる占領作戦が続き、戦闘が激化していた。非人道的な無差別攻撃が非難されている。

軍事政権による恣意的な逮捕、殺害、暴力

2026年1月1日~3月17日に、軍事政権によって全国で合計281人(女性147人、男性134人)が殺害された。犠牲者の中には18歳未満の子供58人が含まれている。死者数が最も多かったのはザガイン地方域で69人、次いでバゴー地方域が63人だった。 クーデター以降、7,931人が殺害され、獄中に2万2,411人がいる。

軍事政権による国民・財産への攻撃

バゴー地方域の東西両域で、革命軍の支配地域を奪還すべく軍事政権軍による「エリア掃討作戦」の進軍が2025年12月から継続されており、数千人の住民が避難を余儀なくされ、人道支援が急務となっている。バゴー東部では、3月5日にニャウンレービン郡区で国軍が革命軍の支配下にある4つの村を襲撃し、民間人28人を殺害した。その後、攻撃は北隣のチャウタガー郡区にも拡大している。KNU(カレン民族同盟)中央の発表によれば、3月17日からの進軍により新たに8つの村で1,743人が避難している。KNU広報官のパド・ソー・トーニー氏は、国軍が政治・軍事・行政のすべてを失った報復として、民間人を標的に戦時犯罪を繰り返していると非難した。避難民は所持品も持たずに逃れており、食料や医薬品が深刻に不足している。一方、バゴー山脈の反対側に位置するバゴー西部でも状況は悪化している。タヤワディ県ナットタリン郡区では、ミャンマー軍の進軍と村への放火により、東部を上回る約8,000人が避難を余儀なくされている。3月16日から17日にかけて、ナットタリン東部の3つの村で150棟以上の家屋が焼かれ、住民は山中の竹製の仮設小屋や知人宅、寺院などに身を寄せている。

武装抵抗・PDF・戦闘

軍事政権軍はPDF-Mandalayからミャンマー中部の戦略的要衝で約3年PDFの管理下にあったTakaung町の支配権を奪還した。軍事政権はこれによって反軍政勢力への攻撃を強めている一方、NUGは深刻な内部課題や、各組織間での不和に直面し、結束した取り組みに支障をきたしている

◆12日、KNLAとPDFがタニンダーリ地方域タヤチャウン郡区で4日間にわたる戦闘の末、軍事政権が30年以上支配していたウィンワ前哨基地を制圧した。ここは、タヤチャウンとパラウ郡区を結ぶ全長128kmの道路沿いに残る唯一の政権側の拠点だった。

◆軍事政権軍はPDF-Mandalayから、ミャンマー中部の戦略的要衝であり、約3年にわたりPDFの管理下にあったTakaung町の支配権を決定的に奪還した。軍事政権はこれによって反軍政勢力への攻撃を強め支配地域の拡大を図っている一方、NUGは深刻な内部課題や、反軍政運動内の各派閥間での不和に直面しており、結束した取り組みに支障をきたしている。

◆16日午後、MNDAAは北シャン州の州都ラシオで、かつて同盟だったTNLAとの衝突のさなか、軍事政権の代表者らと緊急協議を行った。

◆19日、PDFら抵抗勢力500人以上が軍事政権に投降したと、軍が発表。男女混合の隊列は迷彩服や地味な制服をバラバラに着用しており、その多くにはPDF-Mandalayのロゴがあった。PDFはこうした事実は存在しないと述べ、この行事がプロパガンダ目的であることを示唆した。

◆PDFに対する軍事反攻作戦がマンダレーからザガインへと移行

国際関係

◆2月下旬、KIO議長らが訪中した際、中国政府はKIOに対し、軍事政権との政治対話を行うよう促した。これに対し、KIOは「内戦を真に終結させられる政治対話」であるならば、交渉に応じる準備があることを伝えた。KIOは、NUGや他のEROを含めた、革命勢力全体での対話を求めている

3月1日、イラン最高指導者ハメネイ師「死亡」とトランプ氏が発表、イラン国営放送も死去報じる。

◆核物質密輸の邦人に禁錮20年。海老沢剛被告(61歳)は、2019年から2022年にかけて、米麻薬取締局(DEA)のおとり捜査官にミャンマーの反政府組織との取引を持ちかけた。

◆ミャンマーで日本遺族会の慰霊事業に幕、高齢化で継続困難。「やっと来られた」との声も。

退任間近のトム・アンドリュース特別報告者は、ジュネーブの国連人権理事会で最後の報告を行った。ミャンマー軍事クーデターから5年以上が経過する中、暴力の激化と人道ニーズの増大により数百万人の民間人が危機に追い込まれている。国際社会の決意を弱めてはならない。

◆17日、インドは、ミャンマー武装勢力の主にドローン技術、IT技術を訓練する目的だと見られる米・ウクライナ人7人拘束。

国連のミャンマー人権状況特別報告者(トム・アンドリュース氏の後任)にケリー・カリー(Kelley E. Currie)氏が任命された。彼女はミャンマー問題を人権侵害事案としてだけでなく、地域安全保障や米中対立といったより広い視野で捉え、アプローチしてくる可能性がある。

その他(資料)

◆MIMUのP-Code ミャンマーの行政区をコード化行政区を探したり、村落区や村のアルファベットスペルの統一を図るために使える。MIMUが作成したGISレイヤー(shape file)ともリンクしてるので便利。

◆ミャンマー民主派、デジタル通貨で軍政に抵抗 独自決済アプリを武器に

01-31/MAR/2026 #WhatsHappeningInMyanmar

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