01-31/OCT/2025 #WhatsHappeningInMyanmar

2025年10月1日から10月31日の1か月間にミャンマーで起きたことです。


① 軍事政権の「総選挙」をめぐる動き
軍事政権は12月「総選挙」に向け、空爆・地上戦を倍増させて支配地奪還を進め、選挙前に都市を可能な限り掌握する方針を決定。10月末までにSNS投稿などを選挙妨害として市民88人を逮捕。国軍系政党の勝利が既定路線視される中、市民からは「これは選挙ではない」と抗議が発生。軍政トップは全国一律実施は困難と発言。軍事政権は、激しい空爆を加えていたTNLAと29日に中国仲介の下、「TNLAが一部地域で支配権放棄・撤退、軍が空爆停止」で停戦に合意。
② 空爆などによる被害
クーデター後の軍事政権による空爆は3,744回に達し、4,000人超が死亡。10月にはタディンギュット祭や学校、スポーツ施設など民間地域が多数攻撃され、ザガインでは30人以上、モゴクでは子ども3人死亡。シャン州では避難民の殺害や性的暴行も報告され、各地で子どもを含む民間人犠牲が拡大。
③ 国外の動き
日本では超党派議員連盟がNUG代表らと協議し、外務副大臣も人道支援の必要性を確認。EUは軍政主催選挙を正当とは認めないと声明。軍政はASEANに選挙監視団派遣を要請したが承認は不透明。中国は北部詐欺組織の摘発を発表。米議会は詐欺拠点支援疑惑でStarlinkを調査。
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詳しい日誌、出典は、下記をご覧ください。
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目   次

国内情勢

◆「もう1つのノーベル平和賞」Right Livelihood賞2025を、ミャンマーの秘密活動家グループJustice For Myanmarが受賞。JFMは、軍事政権の隠蔽資産追跡、海外ネットワーク摘発、人権侵害や国際犯罪への企業共謀の記録等を行い、軍とカルテルの解体を目指す。https://rightlivelihood.org/the-change-makers/find-a-laureate/justice-for-myanmar/

◆軍事政権傘下の “The Global New Light of Myanmar” は10月1日に軍事政権軍がTNLAに奪われたシャン州北部チャウメを完全制圧した、と2日に発表。https://www.gnlm.com.mm/tatmadaw-takes-full-control-of-kyaukme/

◆シャン州北部チャウメ町は軍事政権軍の特殊部隊(SAC)によって奪還された。掃討作戦が継続中であるという報告もあるが、TNLAは最小限の抵抗で町から撤退した模様だ。

◆軍事政権メディアは、内務大臣が10月4日のネピドーでの会議で、「7月29日以来64人の国民が、新しい選挙保護法に基づいて起訴された」と語ったと報じた。

◆軍事政権は10月初旬の統合軍司令部(JOC)作戦会議で、空爆と地上作戦を倍増させ低コストの空挺部隊を含む様々な手段を用い、選挙前に可能な限り多くの都市の奪還を決定した。爆撃を恐れる反政府勢力占領地域の人々を意図的に支配地域へ呼び寄せ、選挙に駆り立てる意図も指摘されている。

◆アウンサンスーチーの息子、キム・アリスは、The Irrawaddy、DVB、Myanmar Nowといったミャンマーの独立系メディアへの支援を訴える動画を投稿した、「私たちの支援がなければ、彼らの声は消え去ってしまうかもしれない。そして、彼らと共に真実も消え去ってしまうだろう」と。

◆米国市民権を取得したミャンマー生まれの女性が、家族を訪問して米国へ帰国するとき、ヤンゴン国際空港で軍事政権当局に逮捕された。彼女は以前SNSで軍事政権の高官を侮辱した疑いで逮捕され、マンダレー地方域のメイミョー刑務所に移送される見込みだ。

◆「チェーンソーの音」に似たパラグライダー空爆をミャンマー国軍多用。

◆15日、軍政トップは、総選挙の全国一律実施は困難と発言。

◆ミャンマー軍、総選挙前に各地で攻勢、支配地を奪還。東部国境の巨大詐欺拠点「KKパーク」も“制圧”と発表。

◆28日、ミャンマー選挙運動期間開始…国軍系勝利確実視で市民ら「これは選挙ではない」、抗議には締め付け強化も。

◆ミャンマー軍事政権 “選挙妨害”で10月30日までに男女88人逮捕、SNSで軍に批判的な投稿など。

◆29日、軍事政権とTNLAは中国・昆明市での停戦協議で合意に達した。TNLAがモゴク郡区とモエメイク郡区の支配権を放棄することと引き換えに、軍事政権はTNLA支配地域における空爆作戦を停止する。交渉は中国代表Ting Shi Guan氏が監視し仲介した。

経済ビジネス

◆10月1日から軍事政権の財務歳入省は、全国の公務員、兵士、退役軍人の合計約300万人に月額3万チャットの追加手当を支給する。省庁の日雇い労働者の手当も1日7,800チャット増額。都市部ではデジタル通貨で、他の州・地方域の対象者は紙幣が増刷され、インフレの懸念がある。

◆実勢4500チャット台に上昇、乖離幅縮小。

◆ミャンマー市民団体、顧客情報を軍に提供したとしてテレノールを提訴へ。 

◆軍事政権は、ロシアが参画予定のダウェー経済特区を選挙までに制圧する構え。

人道問題・空爆による犠牲

◆ロヒンギャ:国連会合に向け、難民キャンプからの声をまとめた報告書を、国境なき医師団が発表──8割超の難民が「ミャンマーに戻っても安全でない」https://www.msf.or.jp/news/press/detail/bgd20250930nt.html

◆アラカン・ロヒンギャ救世軍(ARSA)が、数週間にわたりAAとの間で激しい小競り合いを続けているマウンドー地域に数千人の兵士を動員し、数千人の民間人が銃撃戦に巻き込まれている。ARSAの戦闘員によるものとされる多数の民間人の死が報じられ、AAは、ARSAが軍事政権軍と協力していると非難している。

◆NUGによると、軍事政権は2021年のクーデター以降、10月2日時点で3,744回の空爆を実施して4,135人を殺害したほか、452件の虐殺を引き起こして4,763人を殺害した。

◆ロウソクの灯りをともした徹夜の祈りの集会を軍事政権のパラグライダーが空爆し、少なくとも20人が死亡した。毎年10月の満月の日に、釈迦が天界から舞い戻ってきたことを祝うタディンギュット灯明祭がミャンマー各地で催される。その6日ザガイン地方域モンユワ郡区とザガイン郡区の境いでもタディンギュット灯明祭が行われていた。また、タディンギュット 灯明祭の6日、軍事政権がシャン州北部のナムトゥーとHsipawを空爆したと、TNLAが明らかにした。ナムトゥーでは民間人数名が負傷し、住宅6棟が損壊した。

◆6日、ザガイン地方域ではおよそ100人が参加したタディンギュット 灯明祭への空爆で子どもを含む市民およそ30人が死亡したほか、50人以上が負傷した。また、7日には北東部シャン州でも少数民族武装勢力の支配地域で軍による空爆があり、子どもを含む9人が死亡したという。

◆6日に発表されたシャン人権財団(SHRF)の報告書は、24日、軍はチャウメから約10km離れた農家の小屋に避難していた民間人4人を殺害し、レイプ被害を受けた16歳の少女が全裸の遺体も発見されたと告発。また、9月8日から29日にチャウメの民間人居住地域に対して行われた空爆と砲撃の悲惨なリストも提供。

◆9日、シャン州北部モメイク 郡区のTNLA支配地域Waebaung村に対する軍事政権の空爆で、子供2人を含む民間人7人が殺害され、8人が負傷、10棟の家屋が損壊した。

◆13日、チン州ハカ郡Vanha村への軍事政権による空爆により、学童2名が殺害されるという痛ましい事件が発生した。少年1名は空爆で即死し、負傷した少女1名も死亡した。空爆は、地元ボランティアが運営している学校を標的としており、紛争が教育に及ぼしている壊滅的な被害を浮き彫りにしている。

◆21日午後2時50分頃、マンダレー地方域モゴク町にあるフットサル・コートが軍事政権によって空爆され、ゲームを楽しんでいた罪のない子供3人が死亡、子供4人が負傷した、とTNLAが発表した。

◆AAPPの24日発表によると、2021年クーデター以来軍事政権によって殺害された人は7,405名、逮捕された総数はは29,868名、依然拘束されている人は22,556名。

軍事政権による国民・財産への攻撃

◆地元住民によると16日夜、軍事評議会の部隊が、重火器を発射した後、TNLAが支配するシャン州北部の町Hsipawに侵入した。警察署、総合事務所、土地登記所、農業事務所、刑務所が燃え、ティボーホテルでは屋根板に火がついている。

平和的抗議・CDM

◆マンダレー市にて、偽りの「総選挙」拒否の抗議行動。

国際関係

◆12月のミャンマー総選挙を前に「不透明な選挙は分断生む」として、9月30日、超党派の国会議員で組織する「ミャンマーの民主化を支援する議員連盟」が都内で集会を開き、軍と対立するミャンマー民主派組織NUG駐日代表や在日ミャンマー人が参加し、協議を行った。https://newsdig.tbs.co.jp/articles/withbloomberg/2200171

宮路外務副大臣は、ミャンマーの民主化を支援する議員連盟の表敬を受け、同国の民主化支援に関する要請書を受け取るとともに、ミャンマー情勢及び国民に直接裨益する人道支援の必要性等について協議しました。

◆ミャンマー拠点に特殊詐欺、中国の犯罪組織「明家」メンバー11人に死刑判決。明家はミャンマー北部を拠点とする犯罪組織「4家」のひとつ。数百の拠点を運営して犯罪行為を行い、メンバーは地元自治体やミャンマー軍事政権とつながる民兵組織の幹部を務めている

◆タイ労働省は、10月1日からタイ・ミャンマー国境に居住するミャンマー難民が合法的に就労できる許可登録が可能になったと発表。

◆ミャンマー現地から、日々の出来事を詳細に発信していた “Mohinga Matters“。その雑誌の表紙の一部が展示されます。 11月10日から16日までの1週間、 午前11時から午後5時30分まで、 京都のBoCSコミュニティセンターで、 入場無料です。

◆Justice For Myanmarは、2025年度Right Livelihood Awardを受賞した。この賞は、平和・正義・持続可能性のために活動する世界中の変革者を表彰するものであり、世界がミャンマー国民の連邦民主主義・平和・正義のための闘争を忘れていないことを強く思い出させるものである。

◆11日、CRPHが声明。ミャンマーに関するASEANのステークホルダー間対話:五項目合意、民主主義の維持、軍による偽選挙の拒否への対応。

◆9日、マレーシア外相、軍政の首相らと個別に会談。マレーシアは、現在、ASEAN議長国。外相が 「政治問題の解決に向けた軍政の取り組みを評価」したとの報道もある。

◆13日マレーシアのモハマド・ハサン外相は、東南アジア諸国連合(ASEAN)がミャンマーの政権選挙に監視団を派遣することに同意する可能性は低いと述べた。

◆米議会は、Starlinkがミャンマー詐欺施設の通信インフラになっているとして調査開始。

◆16日、欧州連合(EU)の人権問題担当特別代表カイサ・オロンレン氏は、「欧州連合は、ミャンマー軍事政権が主催する次期選挙の正当性を認めない」と表明。

◆中国警察がミャンマーでの詐欺取締りの詳細を発表。ミャンマー警察と連携して解体したミャンマー・コーカン地域の電話・インターネット詐欺ネットワークは、大小合わせて3,400件の事件に関与し、11億元(約240億円)以上を不法に儲けていたことが判明した。

◆ミャンマー軍事政権がASEANに、12月「総選挙」へ監視団を派遣するよう要請。ASEANは、今月下旬に開催される会議で、これを協議する。軍事政権は、ASEANの五原則を履行していない。

◆27日、国連事務総長は、ミャンマー軍事政権は暴力停止し、民政復帰への道筋示すべきと発言。

◆27日、在ミャンマー日本国大使館は領事メール「選挙運動期間中の注意事項」を発出。連邦選挙管理委員会(UEU)は12月28日から開始される総選挙の選挙運動期間を10月28日から12月26日までの60日間と発表しており、明28日から、当地において、政党及び候補者による選挙運動が開始される予定であり、不測の事態に巻き込まれないよう、特に選挙運動期間中は、選挙管理委員会事務所、政党関係事務所、演説会場、今後発表される予定の投票所等の場所に近づかないよう注意を呼び掛ける。https://www.anzen.mofa.go.jp/od/ryojiMailDetail.html?keyCd=160747

その他

◆「地球のために働く」 70歳のミャンマー難民の「恩返し」とは。「ミャンマーで民主化運動に身を投じ、日本に逃れた70歳のティンウィンさん。横浜で働きながら、祖国の若者たちに思いを馳せ、地球と社会への「恩返し」を続けています。」https://www.asahi.com/withplanet/article/16059882

◆岡野 英之(近畿大学総合社会学部准教授)【エッセイ】ミャンマー・2021年クーデター後のロヒンギャ人難民キャンプ (1)―現地のベンガル人と隔絶されつつも隣り合って暮らす難民たち― https://www.spf.org/apbi/news/m_251003.html

◆岡野 英之(近畿大学総合社会学部准教授)【エッセイ】ミャンマー・2021年クーデター後のロヒンギャ人難民キャンプ(2)―ラカイン州政治情勢に翻弄される難民たち― https://www.spf.org/apbi/news/m_251010.html

◆岡野 英之(近畿大学総合社会学部准教授)【エッセイ】ミャンマー・2021年クーデター後のロヒンギャ人難民キャンプ(3) ―バングラデシュからの海外を目指す― https://www.spf.org/apbi/news/m_251017.html

◆「ミャンマー抵抗勢力、軍事政権との長期戦に勇気づけられる」by Dr. Miemie Winn Byrd。「2025年9月時点で、軍事政権軍は15の戦線で攻勢を展開しており、徴用兵を動員し、無人機、砲兵、航空支援を伴う攻撃を実施していた。 しかし、これは持続不可能である。 抵抗勢力は複数の地域で戦術的に後退した。これは弱さからではなく、中国からの圧力、そして12月選挙を前にした軍事政権による短期的な武力誇示によるものだった。」

◆9月に『ミャンマー、優しい市民はなぜ武器を手にしたのか』(発売:集英社)を出版した西方ちひろさんが出演。西方さんは、クーデター直後のミャンマーの人々の様子を発信した クーデターに抗い続けるミャンマーの人々の思いを伝える。

01-31/OCT/2025 #WhatsHappeningInMyanmar

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