18-24/Dec/2022  #WhatsHappeningInMyanmar

2022年12月18日から24日までの1週間にミャンマーで起きたことです。

▼軍事政権によるザガイン地方域の村々への侵入、攻撃、焼き討ちは依然として続き、多くの住民が避難生活を送っている。またシャン州カレン州マグウェ地方域でも、軍事政権は村々へ空爆、砲撃、焼き討ちを行い、住民は避難している。最近、村に侵入してくる軍と、それを阻止しようとする地元国民防衛隊・民族武装組織とのあいだに戦闘が起き、敗退したことへの報復に軍が空爆や重砲で村々を攻撃するという報道が増えてきたように感じる。

▼21日、国連安全保障理事会はミャンマーに関する決議を採択し、ミャンマー軍に、暴力の終焉、ASEAN五項目の合意を実施するための即時行動、国民の民主的意思の尊重を要求した。15カ国中、賛成13カ国、反対ゼロ、中露は棄権。安保理がミャンマー問題に関して決議したことは画期的だが、軍事政権による暴力を止めるには、さらに、武器輸出の禁止など実効性のある処置が求められる。
また、22日、タイ外相が呼びかけたミャンマー情勢を協議するASEAN非公式外相会議が行われ、軍事政権の「外相」が出席した。会議にはほかにラオス、カンボジア、ベトナムの外相・副外相が出席したが、軍事政権に批判的なマレーシア、インドネシア、フィリピン、シンガポール、ブルネイ外相は出席しなかった。

目   次

国内情勢

◆軍の翼賛政党である連邦団結発展党(USDP)は、ヤンゴン地域内の行政長を意欲あるUSDP党員で固める方向で計画。例えばミンガラードン郡では、地区ごとに党員の資質調査が行われた。その結果、軍翼賛政党USDP総裁により策定された治安維持計画の下、ヤンゴン地域の各郡で行政長72人、100世帯長292人の入れ替えが行われた。ミンガラードン郡では行政長14人がUSDP党員と退役軍人で固められた。

◆ロシア・ミャンマー関係機構が省庁として組織され、主要な原子力部門が設置された。ミンアウンフラインは、3 年から 5 年以内に軍用核技術を取得する予定。

◆ヤンゴン市内とダラ地区を結ぶヤンゴン川を横断するフェリーボート上で18日午後7時に爆発が起きた。ダラ→パンソーダンへの帰路。少なくとも乗客15人が負傷。死者の有無は怪我の程度、犯人は不明。

◆20 日、国民統一政府 防衛省は、「重要な情報提供者の招待」を発表。公共側 真実の側に立ちたいが、さまざまな理由で軍事評議会組織内に留まっている将校、兵士、警官、多くの部門職員に、重要な情報提供者として革命に参加するよう招待した。(National Unity Government of Myanmar, 2022年12月20日 22:51)

◆ヤンゴン地域ミンガラードン郡での行政長の入れ替え後、新行政長が住民に国民登録証の発給と世帯票への登録手続きを怠った者を禁錮6ヶ月に処すると圧力。急ぎの発給手数料として10万ksが請求されるケースも。並行して選挙で投票するよう住民を呼び出して圧力をかけている。工場労働者の多く住む地域。

人道問題

◆ロヒンギャ109人を乗せた漁船がインド洋スリランカ海域を漂流しているのをスリランカ海軍が発見し救助。ミャンマーからインドネシアに向かう途中で船が故障した。24人が子供。健康を害した高齢者や子供が病院に搬送。 暮らしに困窮し、バングラデシュやラカイン州から脱出するケースが後をたたない。

◆カヤー州フルーソー郡モーソー村近くで地元住民、Save the Childrenの職員2人、18歳未満の子ども4人とカレンニー国境警備隊員4人を含む45人が軍によって焼殺された事件が発生してから1周年を迎える23日、事件の現場で追悼礼拝が行われた。(1年前、ザガイン地方域でも軍による非人道的な焼殺が起きています:「ミャンマー国軍による、新たな「人道に対する犯罪」」)

軍事政権による恣意的な逮捕、殺害、暴力

◆ミャンマー労働組合総連合の元労働者 3 人に懲役 3 年の有罪判決。

◆ミャンマー中央銀行(CBM)の前副議長Bo Bo Nge氏が懲役20年を宣告された。彼は2021年2月に逮捕され、腐敗防止法違反で起訴され、マンダレーのObo刑務所に収監されている。

◆軍は、攻撃を受けていたMae Waiキャンプへの増援に行く命令に従わなかったクメール第 405 大隊の指揮官と 2 人の士官を逮捕した。

◆南東部タニンダーリー地域タイェッチャウン郡チャウンフナクワ村の住民男性60人を軍が19日、理由を示さないまま拘束し連行。また、耕運機を運転中の男性やたまたま通りがかった住民をも手当たり次第拘束したという。拘束された理由や現在の所在は分かっていない。

◆インセイン刑務所裁判所は、女優でモデルのティンザーウィントチョー(Thinzar Wint Kyaw)に5年の刑を言い渡した。彼女は、7月4日に撮影プロジェクト中、シャン州で逮捕され、自身のソーシャル メディアへの投稿と OnlyFan アカウントがミャンマーの保守的な文化を軽視していると告発された。

軍事政権による国民・財産への攻撃

◆ザガイン地域ディペーイン郡メーオー村に11日、軍が侵入。民家を焼き討ち。80棟が全焼。

◆ザガイン地域ティージャイン郡及びインドー郡の郡堺の村々を兵力総勢200人程になる3つの軍部隊が侵攻。7村の住民約1万人が避難。16日、ティージャイン郡内の4村に軍が侵入。17日、インドー郡ジョンジョンチャ村とユワマ村に軍が侵入し焼き討ち。民家11軒が焼失。周辺の2村の住民も避難。

◆東部カレン州コーカレイ市南部の民家に18日、軍が重砲約20発を撃ち込んだ。戦闘はない状態。更に軍がジェット戦闘機で空爆を行ったため、民家4棟が損壊。市の入り口とアジアハイウェイ上でカレン民族カレン民族解放軍KNLAと地元防衛隊の合同部隊が待機しているため、軍部隊は市外には出られない状態。

◆ザガイン地域タゼー郡に軍第361、第369歩兵大隊が12日〜16日にかけて8村を焼き討ち。住民1万人が避難。ペーチャウン村では67棟が全焼。タンゴンジー村でも焼き討ちがあり、総住宅数85棟中6棟のみが全焼を免れた。12日と14日には焼き討ちを行う軍を地元防衛隊の大隊が攻撃し軍側に死傷者が多数出た。

◆ザガイン地域イェーウー郡の村の民家を11日から18日にかけて軍が焼き討ち。計約1000棟が焼失。 被害に遭ったのは、ユワミーター、コンター、チャンダー、ユワティッ等の村。3回目の焼き討ちを経験した村もある。高齢者4人が焼き討ちによる火災で死亡。1人が殺害された。

◆マグェー地域イェーザジョー郡ビーバ村落区西ビーバ村に17日、軍が侵入し、僧院を占拠。車両やその他の物品を略奪。翌18日早朝に民家に火をつけ、午前7時には村を離れた。この焼き討ちで民家約60棟が焼失。

◆マグウェ地方域 Gangaw 郡区の検問所に停車しなかったチン族のオートバイの運転手が、軍事政権の兵士に射殺された。チン州Matupiの農村部出身の男性は親戚を訪問中だったが、ビルマ語を理解できなかった。

◆【ヤンゴン】ミンガラドン郡区のタウチャン北区にある約100軒の家屋と商店が、12月21日までに移転するよう命じる立ち退き通知を受け取った。

◆軍評議会の軍部隊がザガイン地域カンバルー郡ズィービンター村に侵入。住民は避難したが、隠れていた13歳(6年生)の少年が兵士に見つかってしまい、19日午後8時半頃、射殺された。さらに民家3棟が焼かれた。同村では国民防衛隊は結成されていないという。

◆マグェー地域イェーザジョー郡タンビンジャウン村に21日 午後7時半頃、軍が侵入し放火。民家30棟が焼失。 国民防衛隊PDFと軍との間で戦闘が起こり、軍側の被害が大きかったため、報復として火をつけたものと見られている。

武装抵抗・PDF・戦闘

◆ヤンゴン都市ゲリラ組織が16日午後8:45、ヤンゴン地域ミンガラードン郡空軍基地に107mmロケット砲5発を撃ち込んだことを発表。5発とも内部に着弾し爆発。病院の車両3台が基地内に入って行ったという。

◆タアン民族解放軍TNLAはシャン州ナムサン郡での軍との交戦で空爆による大規模攻撃が行われたと発表。軍はTNLAの基地周辺を7日〜15日の間にヘリで28回、戦闘機で32回爆撃。数千人の住民が避難。 軍は17日、標的はNUG、CRPHの指示で武器弾薬を運んでいたPDFだと発表。TNLAとの戦闘は双方の誤解によると。

◆カレン民族同盟KNU第5旅団支配地域のカレン州ドェードー郡メーワイン村落区ワートーロー村を軍が戦闘機で空爆。民家1棟が焼失、10棟及び稲の貯蔵小屋1棟が損壊。 同日カローミー村も空爆を受け民家4棟が全焼。民家4棟及び精米機1台が損壊。 メーワイン軍基地をKNU-PDF部隊が連日攻撃しているという。

◆ザガイン地域イェーウー郡ユワプジー村を含む3村に兵員140人程度の軍部隊が22日に侵入。突如焼き討ちを開始。住民による抗戦はなく全員避難。 Data for Myanmarによれば11/30時点でザガイン地域だけで民家約2万7千棟が焼かれ、UNOCHAによれば約61万人が避難生活を送っているという。

◆ザガイン地域チャウンウー郡アミン旧市を24日午後1時40分より軍北西部司令部の部隊が戦闘用ヘリコプターMI35で攻撃を開始。攻撃は20分に渡り続き、住民は退避した。 午前中にアミン警察署がドローンによる爆撃を受け警察官2人が死亡した後、軍によるヘリコプターによる市民への攻撃が始まったという。

◆マグェー地域ミャイン郡チャウッサウッ村落区タウン村に23日軍部隊が侵入し焼き討ち。民家50棟が焼失。歩行困難だった85歳の住民男性が逃げられず死亡。死亡した男性の甥にあたる住民の証言によれば、火の手が迫ったため家族が連れ出そうとしたが、自分のことは構わずとにかく逃げろと男性は拒否した。

◆21日、ミャンマー国民民主同盟軍(Myanmar National Democratic Alliance Army;MNDAA=別名コーカン軍)は、シャン州北部のMuse郡区で政権軍から攻撃を受けた。

国際関係

◆21日、国連安全保障理事会(15カ国)はミャンマーに関する決議を採択。中露は棄権。 安全保障理事会は、軍の手で何が起こっているかを深く懸念し、軍に、暴力の終焉、ASEAN五項目の合意を実施するための即時行動、国民の民主的意思の尊重を要求した。

◆張軍・中国国連大使は21日、緬について暴力の停止や政治囚の解放などを求める決議がクー後初めて安保理で採択されたことを受け、中国英字紙Global Timesに対し民主化や国民和解には時間がかかる。制裁等の過度な圧力は衝突を拡大させ更なる混乱を招く。忍耐強く待つべしと述べた。中国は露と共に棄権。

◆NUG は、ミャンマー に関する UNSC 決議の採択を歓迎し、加盟国とすべての利害関係者にタイムリーに実施するよう促す声明を発表。

◆ミャンマー軍政は、国連安保理がミャンマーを「不安定化」させようとしていると非難。

◆22日、タイ外相が呼びかけ、ミャンマー情勢を協議するASEAN非公式外相会議が行われ、軍事政権の「外相」が出席した。ラオス、カンボジア、ベトナムの外相・副外相が出席し、マレーシア、インドネシア、フィリピン、シンガポール、ブルネイ外相は欠席した。

Follow me!

18-24/Dec/2022  #WhatsHappeningInMyanmar

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


トップへ戻る
Translate »
PAGE TOP