24-30/July/2022

25日、軍事政権は、テロ行為に関与したとして国軍が設置した軍事法廷で死刑判決を受けた元国会議員のKo Phyo Zeya Thaw、88世代の学生リーダーKo Jimmyおよびその他2人に対して、死刑を執行。
これに対して、インセイン刑務所など3刑務所で抗議活動が起きた。ヤンゴンの若者グループをはじめ全国各地で抗議のデモ行進が行われた。アラカン軍、カチン独立軍など民族武装組織が抗議声明を発表。NUGは非常事態宣言を発表した。国際社会からも非難が相次ぎ、日本、EU、米国、ASEAN、国連安保理事会などが抗議声明を発表した。
30日、ヤンゴンで日本人が抗議デモの取材中に軍事政権によって拘束された。

目   次

国内情勢

◆シャン州北部の中国との国境にあるMuse町でギャンブラーと武装集団との間の銃撃戦が起き、大規模な火災が発生(Chindwin News Agency, 7月24日)

◆ミャンマー共和国国民統一政府、ドゥワラシーラ大統領代行による非常事態宣言(National Unity Government of Myanmar, 7月28日)

◆30日午前11時頃、ヤンゴン市チャウッダダー郡区の市庁舎横のヤンゴン市開発委員会の建物で爆発が起こった

◆30日午後2時頃、ヤンゴン市 North Okkalapa 郡区の Indra バス停近くの YBS バスを15人の強盗団が襲撃し、バスの運転手に銃を突きつけて 10 人の乗客からすべての宝石と金を強奪。バスの運転手が共謀者だと推測している人もいる(Chindwin News Agency, 7月30日)

経済ビジネス

◆ビジネスと人権リソースセンターが、ZaraやH&Mなどの世界的に有名な衣料品ブランドに、ミャンマーから引き揚げるよう要請

軍事政権による恣意的な逮捕、殺害、暴力

◆死刑判決を受け刑の執行が決まっているチョーミンユ氏、ピョーゼーヤートー氏がオンラインで家族と面会。刑執行を近くに控えているわけではないと軍評議会。

◆25日、軍事政権は、死刑判決を受けた元国会議員のKo Phyo Zeya Thaw、88世代の学生リーダーKo Jimmyおよびその他2人に対して死刑を執行

◆テロ行為に関与したとして国軍が設置した軍事法廷で死刑判決を受けた政治犯ら4人の刑が執行された

◆アラカン軍AAが、ピョーゼーヤートー氏、ジミー氏らに対する死刑執行について声明を発表。「春の革命の英雄」という表現を使用

◆カチン独立軍KIAの幹部グンモー将軍、「非道な行為。報復があるだろう。……」とコメント。

◆コ・ジミーさんが死刑になる前日に家族に残した言葉、「心配するな。カルマ(宿業)は誰もが負うもの。私はダルマ(真理・天命)とともに生きる」

◆死刑が執行された政治囚の家族が弁護士を伴いインセイン刑務所を訪問、刑務所側は発表は事実だと認めた。

◆7月25日、4人の死刑執行というニュースを受けて、ヤンゴンのInsein刑務所、マンダレーのOboh刑務所、Pyay刑務所で抗議の動きがあったと報告された。

◆アウンサンスーチー氏は、公判期日に法廷でジミー氏ら4人の刑が執行されたことを知らされ、非常に残念だと述べたという

◆軍事政権は国際社会の批判に対し、「死刑執行は正義のため」と反論

◆26日、カチン独立軍(KIA)/カチン独立機構(KIO)が加盟するカチン政治暫定調整チーム(KPICT)が、軍が著名な民主化活動家ら4人を処刑したことに対して非難声明

◆ジミー氏らと共に処刑された市民アウン・トゥーヤ・ゾー氏の母親、「23日にオンラインで面会した時の息子の健康状態は良好。執行の日は知らされておらず靴等の差し入れの要望があった。次回9ヶ月の息子を会わせたいと刑務所に頼んだところOKを得ていた」と証言

◆23日にヤンゴン市の自宅から連行されたNLD党員が24日尋問所で心臓疾患により死亡したと、軍から家族に連絡。同氏の健康状態は極めて良好だった。

◆北部同盟のうち3組織(アラカン軍(AA)、ミャンマー民族民主同盟軍(MNDAA、コーカン軍)、タアン民族解放軍(TNLA))がジミー氏を含む4人の死刑執行に関し声明を発表

◆27日、先日死刑が執行されたジミー氏の母と姉の住むヤンゴン市の家、ピョーゼーヤートー氏名義の住居を、軍に派遣された暴漢が襲撃

◆505条a項や殺人罪で起訴されたザガイン地域モンユワ郡の抗議活動のリーダー、ウェーモーナイン氏が、公判で証言台に立った母親と拘束後初めて面会

◆25日朝からインセイン刑務所で死刑執行に対する抗議活動があり、蜂起に参加した数人が刑務官に暴行され、約15人が独居房に入れられた。他の2つの刑務所でも抗議があったが、詳細は分からない。26日、マグウェ地方域で民主派の武装組織が国軍の駐留先を襲撃し、国軍「兵士7人を殺害し、武器などを押収した」と主張

◆30日、 日本人の久保田徹を含む3人の抗議者が、ヤンゴンのサウスダゴンの幹線道路におけるゲリラ的抗議デモのとき、軍隊に逮捕され、抗議画像を撮影したカメラ、市民ジャーナリズムのカメラ、横断幕も押収された。

軍事政権による国民・財産への攻撃

◆インターネットや電話通信が10ヶ月近く遮断されているマグエー地域ガンゴー県内で、19日、電力供給を止めた上で軍の戦闘部隊3隊が襲撃

◆今月2週目にザガイン地域ディペーイン郡の村に軍が侵入し焼き討ち。民家29軒が全焼。

◆23日未明、マグエー地域ミャイン郡の村に軍が侵入。翌朝民家を焼き討ち。7軒が全焼。住民13人を拘束。

◆マグウェ地方域Pauk郡区で、軍事政権が地元の国民防衛隊に対して25日に作戦を開始したとき、4人の子どもが残酷に殺害されその体を燃やされ、他の村人3人が狂暴に殺された

◆シャン州南部ユワンガン郡の村で、26日、軍兵士により住民の親子3人が拘束された。この集落で拘束された住民は約25人。また過去3ヶ月で住民9人が密告の容疑で殺害された

◆ザガイン地域イェーウー郡の2つの村を軍が襲撃

平和的抗議・CDM

◆ザガイン教育大学の民主主義を支持するCDM教師たちは日本政府に、「軍事政権を拒否し、NUGを受け入れる」よう呼びかけ

◆軍事評議会が、民主主義のために戦ったKo Hla Myo Aung と Ko Aung Thu Ra Zawらの死刑執行を発表した後、ヤンゴンで若者が「私たちは決して恐れない」と書かれた横断幕を掲げてゲリラデモ(DVB TV News, 7月25日)

◆ヤンゴン民主青年ストライキは、7月25日、ヤンゴンのDawbon Tharkayta新橋で、「RIP Zay Yar Thaw、Jimmy、Hla Myo Aung、AungThuraへの血の負債を返す準備をしろ」と書かれた反クーデターの横断幕を掲げた。

国際関係

◆24日、日本全国各地で在日ミャンマー人が、軍評議会に対する抗議及び軍評議会と外交関係を結ばないよう日本政府に求めるデモ行進を行った

◆21日、ASEAN特使のカンボジア外相がミャンマー問題へのASEANの取り組みに関する特別会合で、アウンサンスーチー氏との面会が実現する可能性が極めて高いと発言したとの報道

◆中国雲南省大理-瑞麗区間のうち、大理市と保山市を結ぶ全長約82マイルの区間が開通

◆25日、国軍が民主活動家4処刑の報に、ミャンマー人らが都内で緊急デモ。日本政府に、対国軍の姿勢を改めるよう求めた

◆民主活動家4人の死刑執行に対し、国際社会から非難

◆磯崎官房副長官、ミャンマー軍政による死刑執行を深刻に憂慮と発言

◆国連総長、民主活動家らの死刑執行に対し、ミャンマー軍事政権を非難

◆7月26日、林芳正外務大臣は、EU上級代表及びオーストラリア、カナダ、ニュージーランド、ノルウェー、韓国、英国、米国の外務大臣と共に「ミャンマーにおける民主化活動家及び反体制派指導者への死刑執行に関する共同声明」

◆ASEANは、著名民主化活動家チョーミンユ氏ら4人を軍が処刑したことついて「失望した」と強く非難する声明

◆27日、「ミャンマーの民主化を支援する議員連盟」は緊急総会を開き、同国の民主化活動家4人の死刑執行について、国軍を「最大級の怒りをもって非難する」との声明を発表。外務省が在日ミャンマー大使館に、安倍元首相の国葬の日時や場所等を「通報」したことへの質問も。

◆27日、国連安保理は報道機関向け声明で、ミャンマー国軍による民主活動家ら4人の死刑執行を「非難する」と表明

◆ミャンマー国軍のミンアウンフライン司令官は7月8日、安倍元首相の殺害を受けて弔意の手紙を渡邉秀央氏に送付。「私たちは、このような残酷で意味のない暴力とテロ行為を強く非難いたします」と記載

◆オーストラリアの首都キャンベラにNUG駐在員事務所を開設

◆31日の記事、在ミャンマー日本大使館はミャンマー当局から20代の日本人男性が拘束されていることを確認しているとのこと。そして、ミャンマーの警察署長は、「男性は健康な状態にあり、丁寧に扱われている」と述べたとのこと。

24-30/July/2022

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