25/Sept-01/Oct/2022

▼ザガイン地方域で軍事政権の軍隊が学校を標的にヘリコプターで攻撃し、子どもを殺害したことに対し、ローマ教皇がミサで触れ、国連のミャンマー独立調査機構は戦争犯罪の可能性があると非難しました。
▼日本政府が元首相の「国葬儀」にミャンマー軍事政権の代表を招待し参列させたことに対して、在日ミャンマー人や人権団体が、軍事政権にお墨付きを与えたと非難しました。
▼軍事政権はワ州連合軍など少数民族3組織代表と会合しました。これに対し526の市民団体が、少数民族抵抗勢力の分断を図るもので、交渉のテーブルにつくべきではないとの共同声明を出しました。

目   次

国内情勢

◆ワ州連合軍、民族民主同盟軍、シャン州進歩党の代表が25日にネピドーに到着し、軍事政権のミン・アウン・フライン長官との第2ラウンドの会談を行った(https://www.facebook.com/photo?fbid=165464692744591&set=pcb.165464886077905)。

◆軍トップは、26日首都ネーピードーで、三つの少数民族組織と会合を持った。出席したのはワ州統一軍(UWSA)、民族民主同盟(NDAA)通称モンラーグループ、シャン州進歩党(SSPP)。それぞれ分離独立を目指さないことを宣言する代わりに自治州設立等の権利の付与を求めた。

◆26日、567の市民団体が少数民族武装組織に対し、軍評議会による和平プロセスは、少数民族抵抗勢力の分断を図ることを目的としたものであるため、打倒軍事独裁に向けて一丸となるべき重要な時期にある今、いかなる形式であれ交渉のテーブルにつくべきではないと訴える共同声明を出した。

◆NUG が第 69 回政府組織会議を開催。連合首相は、CDM との会議を開き、革命のニーズを満たすことを計画していると述べた。

◆29日ヤンゴン市中心部のバベーダン郡区で銃撃事件が発生。銃声が4、5発聞こえたとの証言あり。詳細不明。 警察、軍が出動し、マハーバンドゥーラ通りが封鎖されている模様。

◆30日にカヤー州ロイコー空港で旅客機が何者かによる銃撃を受け市民が負傷した事件に関し、軍はKNPP(カレンニー民族進歩党)とPDFの犯行だと発表。 これに対しKNPPは、70年以上戦って来たのは民族間の平等や自決権の獲得のため。市民に対し暴力を行使することはないと反論。

◆KNPP「航空機銃撃事件についての軍評議会の非難に対し、 KNPPはテロ行為を行うために指示したことはないと反論 (http://www.el.tufs.ac.jp/prseas/src/read.php?ID=6499)」/軍評議会「目を閉じ、耳を塞いで否定することはできない きちんとした調査を行う必要がある (http://www.el.tufs.ac.jp/prseas/src/read.php?ID=6498)」

経済ビジネス

◆ミャンマー投資委員会事務局の投資企業管理局が運営するオンライン企業登記システム「MyCO」のデータベースが閲覧不可に。人権団体などによる企業情報の調査を阻止する狙いで、国軍が閲覧できないように当局に圧力をかけたとの見方が出ている。

軍事政権による恣意的な逮捕、殺害、暴力

◆ヤンゴン市チーミンダイン郡区パンビンニー通りでデモ参加中の若者が軍による銃撃を受け、少なくとも15人が拘束された13日の事件で、拘束者の多くが25日の今も消息を絶ったままだという。 ヤンゴン東部大学学生連盟中央執行部のミントゥーレインさんもいまだに安否が分かっていない。

◆ヤンゴン市インセイン刑務所に収監されていた政治囚250人が24日、バゴー地域のターヤーワディ刑務所に移送されたとヤンゴン経済大学学生連盟が発表。505条a項で懲役6年に処された同連盟財務担当の女性も含まれている。

◆28 日夜、ヤンゴンのいくつかの郡区で銃撃と爆発が発生し、Sanchaung郡区では、軍事政権軍がPathein Streetのアパートで宿泊者名簿をチェックして、1 人を逮捕した。

◆BBC のメディア アクション プログラムのレポーター兼プレゼンターである Htet Htet Khine さんは、ヤンゴンの悪名高いインセイン刑務所で、ミャンマーの軍事政権裁判所によってさらに 3 年の重労働の刑を言い渡された。

◆ミャンマーの軍事裁判所は、失脚した指導者アウン サン スー チー氏に、国家機密法に基づいて 3 年の禁固刑を言い渡した。

◆タニンダーリー地域イェービュー郡で9月9日〜27日までに若者17人が軍に拘束された。 9日、軍検問所でチェーズードー村に米袋を届けようとしていた車両が止められ、車上の17歳から22歳の若者が拘束された。若者らの解放を求めた同村の住民も拘束された。現在ダウェー市の第25歩兵大隊に勾留されている。

◆ミャンマー裁判所、オーストラリア人経済学者に禁錮3年。アウンサンスーチー氏の経済顧問だったショーン・ターネル氏は、スーチー氏らから国家機密の経済データを受け取ったとの容疑で国家機密法違反と入国管理法違反に問われ起訴されていた。

軍事政権による国民・財産への攻撃

◆25日午前9時頃、車両で到来した60人から成る軍部隊が、ザガイン地域ウェッレッ郡ユワタージー村に、車道から重火器を6発撃ち込み、小火器で乱射した後に侵入。これにより村民6人が負傷。 付近で戦闘は起こっていなかった。

◆25日午後、マグェー地域パウッ郡チェッスーアイン村(ミャイン郡との境界)に軍部隊が侵入。翌26日朝7時に民家の焼き討ちを開始。 住民全員が退避。

◆28日、軍が警察や消防隊を伴い総勢約80人でヤカイン州タンドェー市南西27マイルに位置するジャインター村に立ち入り、事業計画があるとして立ち退きを命じた。荷物をまとめるのに与えられた時間は10分。

◆ミンアウンフラインの指令によると、すべての船員の給与はミャンマーに全額返還されなければならず、給与を全額返還しない船員は出航が制限される。

◆SAC軍が発射した砲弾は、ラカイン州Buthidaung郡区のグダ ピンGuda Pyin (Gudam Fara) 村に着弾した。この村では、2017 年に発生したロヒンギャに対する大規模な大量虐殺を生き延びた数百人のロヒンギャがいる。この映像は今朝、村人から送られてきた。ほとんどの村人は 3 日前に逃げた。

◆29日エーヤーワディー地域ヒンダダ市のNLD地区議長のマウンマウサン氏の自宅が軍により接収された。同氏は、クー後に軍に手配されており一家で避難している。軍は留守番の住人に対し、直ちに家財道具を運び出し、立ち退くよう命じたという。貼り紙には、接収の理由としてPDFとの関与と書かれている。

◆30日にザガイン地域カンバルー郡ショーピューゴン村を軍が焼き討ち。家屋4棟が全焼。住民は事前に退避していたため負傷者等はなし。同村はすでに1度軍による焼き討ちを受けており、民家110棟が全焼したため家屋自体がほとんど残っていなかったという。

◆シンクタンクISP Myanmarの統計によれば、クー発生から9/15までの間に軍によって焼かれた家屋の数は3万6千棟にのぼる。そのうちの7割がザガイン地域。同地域の中でもシュエボー郡が3484棟で最多。次がマグェー地域ミャイン郡で2820棟。100棟以上の家屋が全焼した村は10村。

武装抵抗・PDF・戦闘

◆9月24日朝5時、軍事政権軍とピュー・ソー・ティ民兵が、ザガイン地方域キンウー郡区インパット村(約 500 世帯)を重砲と小火器で攻撃。10 人の地元(PDF と Khin-U Support Organization (KSO) が2回にわたって反撃し、軍事政権側16人を殺害し、残りを村から追い出した。

◆25日午後5時半頃、バゴー地域パウッカウン郡の入国管理局と郡開発委員会で爆発事件が発生。 パウッカウン解放勢力の都市ルージールーガウン(紳士)グループが、自らが反軍の作戦計画の一環として実行したことを公表。

◆27日午後ヤンゴン市北オウカラパ郡区の地区行政長事務所と消防署の間の軍警備隊詰所に手榴弾が投げ込まれ爆発。ガロン・ゲリラグループとEastern Red Group が合同で実行したと発表。同日夜間、同郡区で再び大きな爆発音。

国際関係

◆25日ローマ教皇は、イタリアのマテーラで開かれたミサでミャンマー問題に触れ、「爆撃で犠牲になった子どもたちの死を悼む声が聞こえて来ている。子供たちの泣き叫ぶ声を忘れないで欲しい。あってはならない事態」と述べた。16日にザガイン地域の僧院が軍の攻撃を受け子供が多数死亡した事件に言及したもの。

◆25日在日ミャンマー人が、安倍晋三元首相の国葬(27日予定)に軍側から任命を受けたソーハン駐日大使をミャンマーの代表として日本の外務省が招待したことを受けて抗議デモを行った。デモ参加者は、軍評議会を正式な政府として承認するかのような行為だと述べ反意を表明した。

◆26日、安倍元首相の国葬に日本が駐日ミャンマー大使の参列を認めたことは、クーデター を起こした国軍の統治の承認につながるとして、ミャンマー 人らが外務省前で抗議デモ。「日本は水面下で国軍と連携」「英国は元女王の国葬にミャンマーを招かなかった」と非難。

◆ミャンマー国境に位置するタイ北西部メソトで8月末、不法滞在していたミャンマー人ら38人が地元警察に逮捕される事件があり、タイの国内外で「ミャンマー国軍が送り込んだスパイが紛れ込んでいた」などと報じられた。だが、東京新聞が事件現場や警察幹部に取材をすると、「フェイクニュース」の可能性が高いことが判明した。

◆国連人権理事会に委託されたミャンマーの独立調査機構 (Independent Investigative Mechanism for Myanmar) は、2022 年 9 月 16 日のザガイン地方域 Let Yet Kone 村での学校襲撃事件は、戦争犯罪#WarCrimeとみなされる可能性があり、指揮官は刑事責任を負う可能性がある、と声明。

◆国連総会で、ミャンマー アフガニスタンは一般討論演説なし。国連加盟国の代表は国連総会の会期ごとに設けられる「信任状委員会」で審査するが、両国代表は、9月から始まった国連総会の新たな会期の中で改めて議論される見通し。

◆ミャンマー軍事政権に「お墨付き与えた」と、在日ミャンマー人や人権団体が国葬招待の日本政府へ批判。日本武道館で開かれた国葬には、軍事政権のソー・ハン駐日大使が参列し、その様子をミャンマー軍事政権外務省がホームページやフェイスブックに掲載した。

◆国際的なミスコンでクーへの抗議を表明しタイ再入国を拒否されカナダに亡命したモデルのハンレーさんが、タイ空港で拘束された時の心境を「悲しみと恐怖に襲われ、タイ国境の避難民の状況と重ね祈った」と語った。「カナダの緬コミュニティは難民支援にタイに渡る予定」とも。

◆10 月 6 日にEU 議会は、ミャンマーにおける報道の自由の取り締まり、特にHtet Htet Khine、Sithu Aung Myint、および Nyein Nyein Ay の事件に関する決議を採択する。これは、2021 年 2 月のクーデター以来、議会によって採択されたミャンマーに関する 4 番目の緊急決議となる。

◆林外相、ミャンマー大使の国葬参列について「様々な意見承知しているが」としつつ、「我が国が外交関係を有する国は全て通報を行うこととした」と釈明。英メディアによると、英国はエリザベス女王の国葬にミャンマーやロシアなどは招待しなかった。

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