3-9/July/2022

ヤンゴンの工場で労働条件をめぐり、2,000人以上の労働者が抗議/スズキがミャンマーの2工場で自動車生産を一時停止/1962年の「7月7日学生運動」60周年の日に抗議デモを行った学生たちに向かって軍は車を突っ込み弾圧/チン州の北部と南部で同時に、軍と地元のチン同盟軍との間で戦闘進行中、軍による重火器使用や空爆で市民に被害/中国・王毅外相が軍の外相と会談/ミャンマ戦闘機がタイ領空に侵入し、これをめぐってタイが軍事評議会に補償を要求

目   次

国内情勢

◆軍任命のチン州政府によるチン州タンタラン郡の復興と再建事業調整会議が6月30日に開催されたことに対し、7月3日、暫定チン民族諮問評議会は、タンタラン再興は移行期正義(transitional justice)のプロセスによってのみ行われねばならないと発表(2022年07月03日付チンワールド 紙)

◆4日朝ヤンゴン市内レーダン市場近くの2番通りで銃撃を受けて女性1人が即死、1人が負傷。

◆国民統一政府第60回閣議が、7月5日午前10時に開催された(National Unity Government of Myanmar, 7月5日)

◆7月6日午後、国民統一政府連絡委員会とモン暫定協力委員会(MSICC)はオンラインで会合し、現在の協力問題とさらなる協力について話し合った(National Unity Government of Myanmar, 7月6日)

◆7月7日、Zay Kabar 6 RoadのADK工場で2,000人以上の労働者が抗議(Myanmar Labour News, 7月7日)

◆国民統一政府国防省(Ministry of Defence;MoD)は今年5月末までに4,400万米ドル以上を受け取ったと発表。4,400万米ドルのうち、5.98%が軍事訓練、62.57%が兵器の購入、22.49%が兵器の生産、6.03%が同盟組織との負担の分担に費やされ、2.43%が管理機能のニーズに使われた(Chindwin News Agency, 7月9日)

◆9日、国民民主連盟(NLD)は、2020年11月の総選挙が国民の意志に従って引き続き有効であると発表

◆労働者の基本的権利を要求してストライキをしていたヤンゴン ミンガラドン郡区のADK縫製工場の労働者数千人は、すべての要求が満たされていないが、圧力を受けて仕事に復帰

経済ビジネス

◆日本の自動車メーカー スズキは7月上旬からミャンマーの2工場で自動車生産を一時停止(ヤンゴン郊外の工場で国内向けに4モデルを生産、2021年3月末時点の従業員は約400人だった)

人道問題

◆9日、ミャンマーの国連難民高等弁務官事務所は、ミャンマー東部のシャン州およびカヤ州の8万3,000人のIDP(国内避難者)に支援品が届けられたと発表(Chindwin News Agency, 7月9日)

軍事政権による恣意的な逮捕、殺害、暴力

◆先月22日モン州ビーリン郡で、男性NLD議員ら4人が何者かに拘束されて行方不明になったが、2人が、埋められて手だけ地上に出た状態で、遺体となって発見された。

◆6月だけでヤカイン州パウットー、アン、マウンドー郡で移動中のロヒンギャ14人が軍により拘束された。

◆アウンサンスーチー氏の身の回りの荷物や愛犬タイッチートーがヤンゴン市の自宅に送られた。

◆先月21日、ザガイン地域ティーチャイン郡の村に軍部隊70人が侵入し、NUGのカリキュラムに沿って授業を行ったことを理由に中学校教員2人を拘束。

◆7日、ヤンゴン市フライン郡区で行われた7月7日学生運動60周年記念デモの隊列に軍が乗用車で突っ込み、デモを鎮圧

◆7月8日朝、親軍Thwe Thout Groupは、ゲストリストの登録チェック中に逮捕した若者を殺害し、マンダレーの学校の前に遺棄

軍事政権による国民・財産への攻撃

◆先月25日、軍がモン州ビーリン郡の村を襲撃し、住民3人を殺害、民家61軒を焼き討ち

◆チン州の北部と南部で同時に軍と地元防衛隊との間で戦闘が進行中。軍による重火器使用や空爆で市民が死傷、宗教建造物や民家が破壊されている。

◆ザガイン地域ミャウン郡の村に軍が侵入し、民家28軒を焼き討ち

◆7日、ザガイン地域パレー郡の2つの村に軍が侵入し、民家約100軒を焼き払った

◆78日、マグェー地域パコックー郡、アヤードー郡、ディペーイン郡の村で軍が民家を焼き討ち、戦闘は起こっていなかった

平和的抗議・CDM

◆1962年の「7月7日学生運動」から60周年を前に、ヤンゴン市内を運行するバス(YBS)の車上で決死の演説をする活動家

https://fb.watch/e7P6YvdlDL/

◆2022年にヤンゴンで、4団体が集まって、the Basic Education Students’ Affairs Group (AYA) を結成(ミャンマーの大学cdm -市民的不服従運動- を支える会, 7月9日)

◆マグウェイ地方域パコック県Myaing郡区のKaingTaw警察署から2人の警官が武器を持って人民防衛隊に入隊(Lu Nge Khit, 7月9日)

◆9日朝、ザガイン地方域Yingmarpin地区の村で、国民教育省(NUG)の指導の下、小学校から高校まで約600人の生徒がYingmarpin基礎教育学校の入学試験に参加(DVB, 7月9日)

武装抵抗・PDF・戦闘

◆4日正午過ぎ、タイ国境KNLA第5旅団実効支配地域内のアラカン軍(AA)基地を軍が突如ジェット戦闘機で空爆

◆北西部ザガイン地域モンユワーアヤードー道路上で、軍車両を複数のPDF合同部隊が地雷で攻撃し、軍側5人が死亡

◆6日、東部カヤー州ローピタ市から東2マイルのティンボービン基地ゲートで、軍とカレンニー合同部隊との間で戦闘が発生。軍側は重火器で攻撃した後、飛行機2機、ヘリコプター1機で機銃掃射

◆8日、チン州Hakha市郊外のThlanrawn付近で、軍事政権と、チン国軍およびチンランド国防軍-Hakha (CDF- Hakha)の同盟軍との間で激しい戦闘が勃発(Chindwin News Agency, 7月8日)

◆8日、軍事政権と地元のチン同盟軍(Chin National Army, Chin National Defense Force and Chinland Defense Force-Hakha)との間の激しい戦闘のビデオ(Chindwin News Agency, 7月9日)

国際関係

◆第7回メコン・瀾滄協力外相会議に出席するためにミャンマーを訪れていた中国・王毅外相が中部バガンで軍の外相ワナマウンルイン氏と会談

◆タイ国境でKNLA(カレン民族解放軍)‐PDF(国民防衛隊)‐KNDO(カレン民族防衛機構)合同軍とミャンマー軍との間で激戦。先月30日タイ空域にミャンマー戦闘機が侵入、1日には軍の空爆でタイの民間人3人の住居に砲弾が落下

◆ASEAN特使、ミャンマー軍側と面会も 民主派勢力と面会実現せず

◆マンダレーのダダーウー基地で、ロシア人パイロット4人が空軍少佐を対象に、ロシア製戦闘機SU-30の操縦法の訓練(空爆の実地演習を含む)を実施

◆タイ市民団体が合同で議会に対し、タイ軍がミャンマー軍と結託して国境沿いのカレン族に対する民族浄化を企てている疑いの調査を要請

◆タイ政府は、ビルマの戦闘機がタイの領空に侵入したことに対して、軍事評議会に補償を要求(Khit Thit Media, 7月10日)

その他

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