13-19/Nov/2022 #WhatsHappeningInMyanmar

2022年11月13日から19日までの1週間にミャンマーで起きたことです。
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▼軍事政権は、引き続きザガイン地方域での大規模掃討作戦を続けている。村々に軍部隊が侵入し、家屋を焼き討ちを行い、地元住民は避難を余儀なくされている。マグウェ―地方域、カレン州でも、焼き討ちが報告されている。
▼17日、全国の服役囚5,700人を恩赦により解放した。解放者には、NLD政権のタニンダリー地域首相、選挙管理委員長、国家顧問府相、日本人映像作家久保田徹氏、アウンサンスーチー氏の豪人経済顧問のショーンターネル氏、元英国大使のビッキーボーマン氏が含まれている。しかし、多くの政治囚が不当にも刑務所に収監されたままであり、今回恩赦については、選挙の実現に向けた軍のパフォーマンスにすぎない、あるいはASEAN首脳会議の決定への場当たり的対処に過ぎないとの見方がある。
▼ヤンゴンなど大都市では市民の抗議活動への取締りが厳しいが、監視の目をくぐって、軍事政権打倒のメッセージを発する活動がつづいている。

目   次

国内情勢

◆13日午後7時20分、ヤンゴン市フライン郡区タバコ製造工場近くで軍用車が爆破された。午後9時5分に再び爆発が起き、2人が軍に拘束された。加えて爆発による負傷者のうち1人が病院で処置を受けている最中に拘束された。

◆14日、シャン州北部の国境の町Museで爆弾が爆発。民兵が近くの民間車両と歩行者をセキュリティチェックしていたときに爆発が起き、攻撃によって民兵が倒れた。

◆恩赦による解放対象者の中に、NLD政権のタニンダリー地域首相、選挙管理委員長、国家顧問府相、日本人映像作家久保田氏、アウンサンスーチー氏の豪人経済顧問のショーンターネル氏、元英国大使のビッキーボーマン氏が含まれていることが明らかに。既に解放された可能性あり。

◆17日に全国の服役囚6千人を恩赦により解放する措置が発表された後、扇動罪などを取り締まる刑法505条a項で訴追されていた芸能人11人の起訴が取り消されたことが明らかになった。芸能人11人は、有名歌手ニーニーキンゾーをはじめ、有名俳優、モデルなど。

◆国民の祝日の恩赦により全国の刑務所収監者約6千人を解放するという17日の軍の発表を受け、ヤンゴン市のインセイン刑務所前に出迎えの家族らが押し寄せている。多数の政治囚が収監されているインセイン刑務所からは、日本人映像作家の久保田徹氏を含む約千人が解放される見込みだという。

◆17日に軍が発表した収監者5700人を解放する措置は感謝に値しないとNUG人権担当大臣がコメント。自宅を焼き払った後にご飯を一口だけ与えてくれた相手に感謝するようなものだと。選挙の実現に向けた軍のパフォーマンスにすぎない。ASEAN首脳会議の決定への場当たり的対処に過ぎないとの見方も。

◆国民の祝日を記念として軍が解放した収監者の中に、カチン独立軍KIA、アラカン軍AAのメンバーが多数含まれていることが軍営紙の報道により明らかになった。

経済ビジネス

◆オンライン金銭詐欺が大幅に増加している。

軍事政権による恣意的な逮捕、殺害、暴力

◆ダゴン大学学生自治会幹部Ma Wut Yee Aungは、昨年扇動罪で3年の刑に処され、テロ容疑で訴追されているが、脳腫瘍の治療を拒否された後、現在ヤンゴンのインセイン刑務所で重篤状態にある。

◆ネーピードー刑務所内の法廷で15日、昨年2月1日に拘束された後、8件の容疑で訴追され5年の禁固刑が確定しているウィンミン大統領のヘリ購入・レンタルの汚職罪容疑に関する公判が開かれた。大統領は容疑を断固否認した。

軍事政権による国民・財産への攻撃

◆軍と軍製民兵ピューソーティーの合同部隊が12日午後3時頃、マグェー地域ミャイン郡フナンズィーカン村を襲撃。住民1人を拘束して特定の家へと道案内させた後、家屋12棟を焼いた。 同日午後9時頃、シュエボー郡チーパーミャウッ村を軍が重火器で攻撃。民家2村が被弾し損壊。

◆ザガイン地域カンバルー郡インマ村を12日から13日にかけて軍が焼き討ち。民家76棟及び稲貯蔵小屋が焼失。 軍は、村内駐留中に拠点を構えた複数の民家から貴金属や現金計140万チャットを強奪。また家畜の牛100頭を車輌で連れ去った。村を離れる前に爆弾を仕掛けて行った。

◆ザガイン地域ウェッレッ郡タンジー駅に拠点を構える軍部隊が近隣の住民4人を拘束。拷問を加えて殺害し、駅の西側の民家ごと燃やした。さらにタンジー村を焼き討ち。村内の民家全300棟が焼失。

◆東部カレン州チャーインセイッチー郡パヤートンズー市タビュー村近くの中国とミャンマー企業の共同出資で運営されていた亜鉛鉱山を16日午前1時40分、軍が戦闘機2機で空爆。中国人を含む民間人少なくとも3人が死亡。 鉱山は、カレン民族同盟(KNU)は関与しておらず、正式に認可を得ているという。

◆ラカイン州北部マウンドー郡ジェイッチャウン村に16日、軍が撃ち込んだ重砲が着弾し爆発したため住民10人が死亡、24人が負傷。 銃声を聞いた住民らが寄り集まって身を隠していた住宅に重砲計5、6発落下したという。 軍側はアラカン軍(AA)の犯行だとする声明を出しているが戦闘は起こっていなかった。

◆ザガイン地域ザガイン郡タウンイン村を18日、兵員300人程度の軍部隊が焼き討ち。総住宅数は1000軒程度の規模の村で、現在住民全員が避難。軍と地元住民で構成される防衛隊との間で頻繁に衝突が起こっているエリア。

◆カレン州パアン郡ミーカイン村及びコーピャン村で稲刈りの作業の後、作業小屋で休んでいた住民3人が軍側の国境警備隊(BGF)によって撃ち込まれたと思われる重火器の砲弾を被弾して死亡。1人が負傷。 戦闘がなかったにもかかわらず民間人が武力攻撃の対象となったことで住民は恐怖に怯えている。

◆ザガイン地域パウンレーゴン村を19日午前8時に軍が再度焼き討ち。総住宅数500軒程の村全体が焼かれている模様。また、18日に始まった軍の焼き討ちにより、ザガイン郡タウンイン村の民家100棟が全焼した。村の住宅総数の1割が焼失したことになる。近辺では軍と地元PDFとの間の戦闘が激化していた。

◆ウェッレッ・インフォメーショナル・ネットワークによれば、ザガイン地域ウェッレッ郡北スィンガイン村を軍が焼き討ち。民家12棟が焼失。住民1人が行方不明。 南スィンガイン村も焼かれた模様だが、詳細は分かっていない。

平和的抗議・CDM

◆ヤンゴン市等の都市部では、市民の抗議活動への軍の取り締まりが厳しく目立った行動はほぼ見られなくなっている。そうした中Yangon Revolution Forceは、監視の目をくぐって伝統衣装に書かれた、絶対に勝つ、軍事独裁完全打倒等の抗議メッセージを示す活動を行っている。

◆各地で軍事政権への抗議活動がつづいている。

https://twitter.com/Nandar85526889/status/1592134735857274880?s=20&t=fDT6R1dOk5zVZikv_Wt8HA

◆CDM 看護師の Daw Poe Thandar Aung は、チン州Mindat郡区の Vom Ma Thu コテージ病院で治療と医療用品を提供したという容疑で、10 月 29 日の夜、マンダレーの Chanmyathazi 郡区で 3 人の医療スタッフと共に逮捕されたが、尋問中に死亡した。

武装抵抗・PDF・戦闘

◆ヤンゴン市ミンガラードン郡区ピー通り沿いの軍検問所で16日夕刻、爆発事件が起きた。ガロンヤーザーゲリラ部隊とYoung Defense Power Forceが合同でリモート爆弾2発を使って攻撃したことを発表。15日には北ダゴン郡区入管局長事務所で爆弾が爆発。市民ゲリラグループによる攻撃。詳細は不明。

◆中国国境のシャン州ムセー郡105マイル貿易団地通り沿いで16日、軍と少数民族武装勢力のコーカン軍(ミャンマー民族民主同盟軍:MNDAA)との間で戦闘が発生。地元住民1人が死亡した。 15日にもラショー郡で軍とコーカン軍との間で戦闘が発生していた。

国際関係

◆国連総長、「ミャンマーは終わりなき悪夢」だと、国軍に民主化移行を要求。組織的な人権侵害は受け入れられない、国民の声を聞き、政治犯を解放することが安定と平和への唯一の道だと。

◆バングラデシュのキャンプを出発した子供22人を含むロヒンギャ100人余りを乗せた木製のエンジン付きボートが危険な航海の末、16日インドネシア、アチェ沿岸に新たに漂着。現在Bluka Teubai 村で地元当局の対応を待っている。 15日にもマレーシアに向かおうとしていた110人が同地に漂着したばかり。

◆タイ・バンコク市でAPEC開催期間にあたる16日から19日までの間、空港、市内、国境地域におけるミャンマーの反軍活動家の動きへの監視を強化するとタイ警察が発表。この期間のNUGやCRPH関係者の入国を認めない他、ミャンマー人新規ビザ申請者約2千人に対しても発給を停止している。

◆ASEANサミットでミャンマー対応や東ティモールのASEAN加盟など決議。

◆久保田徹さんの解放について、松野官房長官「ミャンマー側から、今回の解放は日本政府の強い要請を踏まえたものとの説明」。政府は、邦人の安全確保、暴力の即時停止、アウンサンスーチー氏を含む被拘束者の解放などを強く求めていくと。

◆日本に帰国した久保田徹氏へのインタビュー(ノーカット)

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