14-27/APR/2024 #WhatsHappeningInMyanmar

2024年4月14日から4月27日までの2週間にミャンマーで起きたことです。

アウンサンスーチー氏とウィンミン大統領が収監されていた刑務所から別の場所に移送されたとの情報。移送先は未確認。
徴兵制は第1陣5,000人が完了し、第2陣の受け入れが進行中。ザガイン管区で住民160人を逮捕し強制徴兵の疑い。またネピドーPDFは、軍事政権が2月10日に兵役義務法を発動(2月10日)して以来、1,000人以上の人々から連絡を受ける。
▼ミャンマーでは中間層ほぼ消滅し、国民の半数が貧困生活を送っている。総人口約5,400万人の49.7%が1日76米セント(約117円)以下の収入で暮らしている。
▼軍がラカイン州、ザガイン地方域などで国民を攻撃。
▼マンダレー地方域で国軍士官学校、ミンアウンフライン軍司令官が宿泊している可能性のある軍施設がロケットランチャーで砲撃される。
▼ミャンマー軍は11日にKNUに占拠されたカイン州のタイとの国境貿易拠点ミャワディの駐屯地を、23日再び掌握し、KNU/KNLAはミャワディから24日に「一時撤退」。避難民3000人帰郷。
▼ミワディをめぐるミャンマー軍とKNUらとの戦闘激化にともない中国は、全ての当事者は戦闘をやめ、対話により平和的に解決するべきだと述べ、国境沿いで実弾射撃による防空演習を実施するために陸軍と空軍の部隊を編成したと発表。タイは「主権侵害と領空侵犯をしないように」と申し入れ。
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詳しい日誌、出典は、下記をご覧ください。
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目   次

国内情勢

◆10日ザガイン地方域Ye-U教育委員会は、軍評議会の学校から転校してくる生徒は罰金を支払ったうえで通学を許可すると発表した。これに対しNUGの教育副大臣のサイカインミョトゥン博士は、この声明はNUGが出した方針ではなく、地域の教育委員会が出した声明だと理解していると述べた。

◆ロヒンギャ族とミャンマーのイスラム教徒コミュニティは、1982年の国籍法を廃止するという国民統一諮問評議会NUCCの決定を歓迎した。国民統一諮問評議会は4月4日から9日まで第2回国民代表大会を招集した。

◆住民によると、ラカイン州マウンドー郡区で4月17日にアラカン軍(AA)に拘束されたロヒンギャ族のイスラム教徒5人の遺体が、22日に発見された。AAは、住民5人を逮捕も殺害もしていないと否定。この地域では様々な反乱グループや麻薬組織が活動し、AA反対派の犯行の可能性もある。

◆Burma Affairs and Conflict Study (BACS) はDVBに対し23日、最初の徴兵隊員が5,000人に達し、第2陣の受け入れが進行中であると語った。また、徴兵隊員は全国に設置された15の軍事訓練施設に送られた。

◆22日、NLD政権時代から副大統領だった軍人出身のミャンマー副大統領が、健康上の理由で辞任。

◆MNDAAは、24日に公開裁判を行い、殺人などの罪で組織の男性兵士3人に死刑判決を言い渡し即日処刑したと発表した。欧州連合は、これを批判。

◆ネピドー国民防衛隊(PDF)は、軍事政権が2月10日に兵役義務法を発動して以来、1,000人を超える人々から連絡があったと主張している。

◆1027 作戦の後TNLA の管理下になった北シャン州ラオカイで最近、領土主張に関し3同胞同盟 (TNLA、KIA、MNDAA) の間で緊張が高まっている。 チン州あるいはカレン州ミワディで活動する数十の武装集団の間でも不和と分裂が観察されている。中国はこの分断を巧みに利用し、戦略的利益を守ろうとしている。

◆22日から25日にかけてザガイン管区で、 4日間に住民160人を逮捕、強制徴兵か。

経済ビジネス

◆国連UNDPの発表によると、ミャンマーでは中間層ほぼ消滅、国民の半数が貧困生活を送っている。総人口約5,400万人。このうちの49.7%が1日あたり76米セント(約117円)以下の収入で暮らしている。

◆昨秋以降の戦闘でミャンマーと隣国の国境が相次ぎ封鎖され、経済にさらなる打撃を与えています。シンクタンクによると、約半年で13億ドル超の損失が発生。 為替は1ドル4千チャットが目前。物価高も深刻。燃料危機は相変わらずで、ガソリンスタンド前で自動車が給油を待つ行列の光景はもはや日常です。

人道問題

◆20日、カレン州コーカレイ市に拠点を置く軍第97歩兵大隊は同市北部に対し、ドローンによる化学兵器を使用した空爆を行った。抵抗勢力や住民が吐き気やめまい、呼吸困難等の症状に苦しんでいるところ同大隊が侵攻。11日よりミャワディに兵力補充に向かった軍部隊とKNLA合同部隊との間で戦闘が続いていた。

軍事政権による恣意的な逮捕、殺害、暴力

◆16日、軍事政権は、健康状態の悪化を理由に、アウンサンスーチー国家顧問とウィンミン大統領を刑務所から厳重に警備された場所に移送した。移送先は未確認。これは、軍事政権がラカイン州、カチン州、カヤー州、カレン州で大きな損失と死傷者に直面し、全国で激しい戦闘が繰り広げられる中で行われた。自宅軟禁としたという情報、依然刑務所にいるという情報もあり、軍の意図は欧米の批判を和らげるためとも、人間の盾として利用するためだとも、諸説流れている。

◆17日、軍事政権はミャンマーの新年を記念して条件付き恩赦を与えた。満杯の刑務所から釈放された3,303人の囚人のうち、政治犯はわずか101人、つまり全体の約4%だった。釈放された政治犯のほとんどは刑法第505条(扇動罪)に基づいて投獄されていた。

◆刑務所筋によれば、ネーピードー刑務所から別の場所に移送されたと報じられたアウンサンスーチー氏の居場所に関し、差し入れや自身が外部から取り寄せた英語の書籍などが22日の時点でこれまでと変わらずネーピードー刑務所に届けられているため、依然同刑務所内に留まっている可能性がある。

軍事政権による国民・財産への攻撃

◆10日から16日まで、軍はラカイン州チャウピュー郡サネー市および付近一帯の村落を、地上大隊と軍艦に加え、ドローンを含む兵器の使用で砲撃・銃撃しているため、数万人もの住民が避難している。

◆12日から13日にかけて、ザガイン地域カレー郡ピンゴンジー村を軍評議会軍が焼き討ち。キリスト教の教会5棟、住宅及び住民が自発的に建てた薬物依存治療センターが焼失した。Data for Myanmar によれば、クーデター後に軍の焼き討ちにより住宅約80000棟が焼失した。

◆20日、ミャンマーのタイ国境付近で戦闘が発生し、軍事政権がカレン州の国境の町ミャワディを空爆して住民約3,000人が避難を強いられている。ビデオは、フェリーに乗ってモエイ川を渡りタイへ向かう住民たち。

◆20日、ミャンマー軍がマンダレー管区ミィン・チャン郡区セィン・チャウン村の住宅街を急襲、民家400棟以上焼き払われる。付近では戦闘が起きていなかった。

◆21日、ラカイン州の中国企業の主導で進むチャウピュー新海港開発計画の現場に近いドェーチャ村に、タウンモージー海軍基地から撃ち込まれた重砲が着弾し住宅28棟が焼失。住民は村外に避難していたため被害はなかった。付近では軍とアラカン軍AA間で戦闘が起きていた。AAは5ヶ月間で9つの市を掌握した。

◆軍と市民勢力との間で戦闘が激化しているシャン州ナウンチョー郡タイェッコン村とザーリー村を21日軍が空爆。いずれの村でも標的となった僧院が損壊。戦闘では双方に死傷者が出ている模様。

◆24日以来ザガイン地方域サガイン郡区とマンダレー地方域Madaya郡区のエーヤワディ川沿いの村々が、軍事評議会の軍隊による襲撃、放火、攻撃に直面している。

◆24日、軍事政権の空軍がザガイン地方域カター県の診療所と市場をジェット戦闘機で3回空爆し、民間人7人が負傷し、そのうち2人が重傷を負った。

◆25日午後8時、チン州ヴォムトゥ村の病院がミャンマー軍事政権の空爆の標的となった。この攻撃で患者と職員を含む5人が死亡した。

武装抵抗・PDF・戦闘

◆12日より、ラカイン州ブーディーダウン郡でアラカン軍AAと軍と戦闘が激化。軍はアラカン・ロヒンギャ救世軍ARSAと手を組み、空爆も含む攻撃をを行っている。これにより郡内のロヒンギャ住民3千人が避難を余儀なくされている。またロヒンギャ住民25人がボートの沈没で死亡したと見られている。

◆14日午後9:17〜、マンダレー地域ピンウールイン市でロケットランチャーによる砲撃が始まった。国軍士官学校に向けて発射され、次にミンアウンフライン軍司令官が宿泊している可能性のある軍施設に着弾。9:45〜軍が装甲車などを出動。市内全域の電力供給が遮断。少なくとも20発が発射された。救急車や軍用車が市内を往来。軍に近い情報筋によると、ミンアウンフライン司令官は市内には不在で、攻撃開始後にヘリコプターで市を離れた可能性があるという。

◆カレン民族同盟KNUの16日付発表によれば軍の第103歩兵大隊の中佐を含む隊員48人全員がKNUに投降。重小火器合わせて67点を押収。KNUによればここまで大規模な投降は初めて。基地から撤退しようとした同大隊をカレン民族解放軍KNLAとPDFとの合同部隊が攻撃し戦闘となっていた。

◆18日午後7時40分、ヤンゴン市ミンガラードン郡区の空軍士官独身寮と連邦団結発展党USDP事務所を、都市ゲリラ組織Dark Shadowが手榴弾で攻撃し、爆発が起きた。軍評議会側に被害が出ている模様。

◆20日午前、タイとミャンマーを結ぶ友好橋付近で、軍と抵抗勢力の銃撃戦が起きている。重火器は用いられていない模様。軍がアジアハイウェイのイェーブー交差点からタイとミャンマーを結ぶ第2友好橋までの一帯を軍が軍用輸送ヘリY-12及び戦闘用ヘリMi-35で10回以上にわたり空爆。50ポンドの爆弾の投下により60代と20代の女性2人が死亡。女性1人が負傷。空爆を受けた地域の店舗や住宅が燃えた。住民4千人が避難。

◆ビデオ映像にはカレン州Dawna山脈の麓で破壊されたロシア製BRDM-2MS偵察装甲車、軍用ジープInnlay(ビデオでブランド名が確認できる)、中国製ピックアップトラックGrand Tigerが映っている。

◆カイン州ミャワディで一時停戦、避難民3000人帰郷。22日に関係者の協議により一時停戦が合意されたとみられる。

◆軍は11日にKNUに占拠されたミャワディの駐屯地を、23日再び掌握し、KNU/KNLAはカイン州ミャワディから24日に「一時撤退」。また24日、カレン州での11~19日の戦闘中にタイのメーソートに一時避難していた残りの658人の難民は、モエイ(タウンイン)川と第1タイ・ミャンマー友好橋を経由してミャンマーに帰還した。

国際関係

◆中国外交部の立堅報報道官は16日の記者会見で、ミャンマーの全ての当事者は戦闘をやめ、多様性によって生じる問題を対話により平和的に解決するべきだと述べた。ISP-Myanmarによれば、タイ国境のミャワディをカレン民族同盟KNUが制圧したことにより軍は、国境貿易拠点の6割を失った状態。

◆中国人民解放軍南部戦域司令部は、17日から中国ミャンマー国境沿いで実弾射撃による防空演習を実施するために陸軍と空軍の部隊を編成したと発表した。この演習は、KNU、KIAが国境貿易・石油パイプラインの重要拠点を占領したなかで行われる。

◆20日、タイ外務省がミャンマー大使館に、「主権侵害と領空侵犯をしないように注意してほしい」と申し入れ。ミャワディの内戦で流れ弾が飛んでくるし、クーデター軍のミグ29が領空をかすめ、空軍がF16を飛ばし警戒するなどの事態になっている

◆中国政府はミャンマーで戦争が続く中、軍事政権の内務大臣Yar Pyae中将に、国家安全保障上重要な人物に授与される「万里の長城記念金章(Golden Great Wall Commemorative Medal)」を授与した。

その他

◆「Kawlinの戦いの教訓」

◆【マップで図示】昨年10月以降、武装勢力が支配する国境(黄色、4月中旬時点)。国際戦略研究所によると、3月末までの約5か月間で3300回の武力衝突が発生(赤)。 中央部のマグウェやザガイン、東部カヤー州も真っ赤。タイ国境のミャワディ周辺も。

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