05-11/FEB/2024 #WhatsHappeningInMyanmar

2024年2月5日から2月11日までの1週間にミャンマーで起きたことです。

軍が徴兵制実施を発表
▼軍評議会が国民皆兵の徴兵制開始を発表
▼軍事政権はクーデター以降4,500人を殺害、1,652回空爆して936人以上を殺害
▼国連安保理がミャンマー情勢で緊急会合、日米英など9カ国が軍政非難の共同声明
▼ミャンマー軍の戦争犯罪・残虐行為が明らかに:マグウェ地方域でYaw防衛隊隊員2名を拷問後、公開の場で焼殺する映像がSNSで拡散される。ザガイン地方域で軍兵士のスマホから残虐行為の映像・音声が見つかる。AAが制圧したラカイン州ミャウウー周辺で軍に逮捕された政治犯7人の射殺体が発見される。カヤー州の幼稚園と中学校を軍が空爆し、児童4人が死亡。カヤー州の国内避難民居住地区に軍が侵入、7人を人間の盾として拘束したあと、女性・子ども6人を射殺
▼KIO議長、少数民族勢力と春の革命勢力が手を携えれば軍は倒れると発言
▼ラカイン州ミャウウーなど3郡区をAAが制圧。軍が奪還をめざし戦闘が激化するなかでロヒンギャや民間人の被害が広がる
▼NUGが行政を確立したザガイン地方域カウリン町を奪還するために、軍が空爆・砲撃を含めた激しい攻撃
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詳しい日誌、出典は、下記を↓

目   次

国内情勢

◆カチン民族機構(KIO)議長は5日に開かれた第63回カチン民族革命の日記念式典で、歴代の抵抗運動の中でも「春の革命」は最も威力が大きい。少数民族勢力と春の革命勢力が手を携えて攻勢をかければ軍は倒れる。新しい連邦国家建設に備えて各勢力が対話と合意を重ね足並みを揃えることが必要不可欠だと述べた。

ターアン民族解放軍(TNLA)は、同軍、NUG、ターアン政治協商委員会(TPCC)が2月1日から北シャン州のManton、Monglon、Mong Ngawの町を訪問したと発表した。 NUG連邦問題担当副大臣、TNLA副議長および書記長、TPCC書記長が政治工程表について話し合ったと伝えられている。

◆軍事政権の戦略司令官Hein Thet Aung少佐が6日、チン州の州都ハカで心臓発作により死亡した。戦略司令官はハカの軍事政権基地のトップで、ハカとタントラン両郡区での軍事作戦を監督していた。突然の死は、ネピドーからの極度の圧力に起因すると見られている。

チンランド評議会は1日、チンランド政府の樹立を発表。政府は「軍事独裁政権の打破、連邦民主連合設立を目的とし、春の革命の中で同盟関係にある民族武装組織、人民防衛軍、政府、政党、関係する諸組織と協力する」と表明。首相はPu Pa Thang氏、NLD党員で国会議員。

◆2月4~6日、マウンドー郡区で行われた軍の2つの国境前哨基地(バングラデシュとミャンマーの国境沿いにある)をめぐる戦闘で、政権側の国境警備警察がバングラデシュに逃亡するのを、ロヒンギャ連帯組織(RSO)とアラカン・ロヒンギャ軍(ARA)が支援したと、AAが非難した。

TNLAは管理下にある北シャン州ナムサン、ナムトゥ、マントン、ナムカム町で、新たに施行した徴兵政策に基づき18~35歳のターアン族男性の徴兵を開始。TNLA は管理地域を 7 軍区と 5 行政区に組織し、各旅団が5個大隊からなる7個旅団も設立。

◆10日、軍評議会は統制下に置く国営放送を通じて、国民皆兵を原則とする徴兵制の開始を発表。対象は18歳〜35歳の男性と18歳〜27歳までの女性。非常事態の場合は5年間。州/地域、県/郡レベルに国民兵役招集中央組織を設置し徴集にあたる。公務員等は先送りが、宗教者、身体障害者等は免除が認められる。

◆首都ネーピードーの軍情報筋によれば、国民兵役法第6条に基づきまもなく国民兵役招集中央組織が各州/地域、県、郡に設置され、兵役義務対象者の出国への取締まりが強化される。旅券発給申請時及び出国時に空港で、兵役履行済証明書もしくは兵役履行を約束する誓約書の提示を求められる可能性がある。

経済ビジネス

◆ミャンマー「影の政府」、出稼ぎに圧力 軍費還流を抑止 – 日本経済新聞――軍政に近い出稼ぎあっせん機関を廃止し、在外国民による納税を支援する人材会社を告発すると表明。

人道問題・戦争犯罪

ラカイン州で軍事政権とアラカン軍(AA)間の紛争が激化し、アラカン・ロヒンギャ民族組織(ARNO)は国際介入を呼び掛けた。ここ数週間暴力行為が急増し、1月28日にはMaungdaw北部で住宅20戸を破壊する大爆発が発生。この地域の通信回線が完全に遮断された。また、ヒューマン・ライツ・ウォッチ軍とアラカン軍(AA)に対し、アラカン州のロヒンギャや他の民間人の被害を最小限に抑えるための行動を直ちに講じるよう求めた。

◆4日、カヤー州シャードー郡に避難する避難民の居住する地区に軍評議会軍部隊が侵入。妊娠中の女性を含む女性3人と子供3人、男性1人を人間の盾として拘束。そのうち男性は脱出を果たしたものの、女性と子供計6人は射殺された

◆5日午前10時頃、カレンニー州諮問評議会KSCCの発表によれば、東部カヤー州ディモーソー郡ドースィーイー村の幼稚園と中学校を軍が空爆。これにより児童4人が死亡。少なくとも10人が負傷。この後軍はロイナンパ村を空爆。女性教員2人と男性1人が死亡。少なくとも5人が負傷。戦闘は起きていなかった。NUG非難声明。ユニセフ(NNA) の非難声明:「学校に対する攻撃は、子どもたちの権利の深刻な侵害であり、国際人道法にも違反すると批判した。」

◆Khit Thit Mediaは6日、軍事政権軍とピューソーティー民兵組織がマグウェ地方域ガンゴー郡区North Khin Yan村で、Yaw防衛隊(YDF)隊員2名を拷問した後、公開の場で生きたまま焼き殺したことをビデオ映像とともに報じた。YDFは、事件が2023年11月7日に発生したと明らかにした。

ザガイン地方域アヤドー郡区で、軍が軍事政権に反対する民兵組織PDFを攻撃しているとき、地元村民が発見したミャンマー軍兵士の携帯電話から、残虐行為の証拠が明らかになった。 「頭を切り落とさなければならなかったのです、兄弟」:ミャンマー兵士が虐殺の話を交換。(ビデオの閲覧注意)

軍事政権による恣意的な逮捕、殺害、暴力

◆ミャンマー政治犯ネットワーク(PPNM)は、2021年3月に扇動罪により逮捕され、有罪判決を受けた政治犯Yin Moe氏(35歳)が、オボ刑務所で腎臓病の治療を満足に受けられず、5日にマンダレー病院で死亡したと発表した。過去数カ月間に少なくとも5人の政治犯が刑務所内での不適切な医療が原因で死亡した。

AAPP (政治犯支援協会) によると、2021年2月1日のクーデター以降、2024年2月7日までに軍事政権・親軍組織によって4,500人が殺害された。勾留されている人数は、2万60人。また、軍事政権の残虐行為を監視しているNyan Lynn Thit Analyticaによると、軍事政権はミャンマーで1,652回の空爆を実施し、過去3年間で子供を含む民間人少なくとも936人を殺害し、878人を負傷させた。そのほとんどが2023年に発生した。

◆軍事評議会は、マグウェ地方域では軍によって焼殺された犠牲者2人の冥福をオンラインで祈った人々を逮捕した。 若い革命家2人がガンゴ郡区で生きたまま焼かれたというニュースをオンラインで共有したマンダレー出身の女性が逮捕された。

◆ラカイン州北部の歴史的な都市ミャウウーを制圧したアラカン軍(AA)は、ラカイン州の主要都市でミャンマー軍に逮捕された政治犯7人の射殺体を発見したと発表。被害者にはDVBのジャーナリストや著名なソーシャルメディアコメンテーターも含まれていた。

軍事政権による国民・財産への攻撃

軍兵士及び軍製民兵組織ピューソーティー100人程度で編成される軍部隊が1日、ザガイン地域シュエボー郡ズィーピューゴン村に侵攻。住民8人を殺害。約30人を兵役に就かせるために強制連行。同部隊は5日の時点で村に駐留しており住宅への放火を始めたという。

武装抵抗・PDF・戦闘

◆1ヶ月半にわたり激しい戦闘が続いているラカイン州ミンビャー、チヤウットー、ミャウッウー郡内のミンビャー第31警察大隊を除く軍評議会指揮下の全警察署をアラカン軍AAが攻略したとAAが発表。

◆ヤンゴンUG革命グループのメンバーによれば、ヤンゴン市サンジャウン郡区ミェーニーゴン陸橋下の交通警察詰所を7日午後2時に遠隔爆弾で爆破した。死傷者はいないという。

◆民族武装組織の声明によると、アラカン軍特殊部隊は2月7日と8日、ラカイン州Kyauktaw郡区Apauk Wa村付近で軍事政権側海軍揚陸艇1隻と戦闘艇2隻を破壊し、その後さらに4隻の船舶を攻撃して損害を与えた。

軍事政権による最も激しい反撃の 1 つは、NUG が管理するザガイン地方域カウリンの町で起こっているようだ。軍は1,000人の兵を集中させ、連日、空爆、砲撃、ドローン攻撃を行っている。ここは、昨年、NUGのPDF が占拠した最初の町だ。 もし政権軍が町を奪還したとしたら、それは抵抗勢力にとって象徴的な敗北となる。地元の援助団体は、戦闘により約14万人が家を追われたと推定している。

◆政権メディアは、ミャンマー軍が2月11日、軍の支配から解放し民主派が行政を開始したザガイン地方域のカウリン町を、PDFとKIAから再占領したと報じた。NUG大統領府報道官チョーゾー氏は、軍がカウリンを制圧したことを否定したが、軍が町に入ったことは認めた

◆10日、ラカイン州ミンビャー郡チャーイェービン村に軍が侵入。金目の物や家畜を奪った後、住宅を焼き払った。総住宅数300棟程度で被害の程は不明。住民は事前に避難しており村内にはいなかった。アラカン軍AAがミンビャー市を攻略して以降、軍は市の奪還を目指して空中、水上からの攻撃を強めている。

国際関係

◆EUからの人道支援金、2024年は1920万ユーロ(NNA) ――過去最高額。国際NGOや国連機関などEUの提携組織(ミャンマー全土で市民団体など100超の組織と協力)を通じて提供する。

◆5日現地時間午前10時に国連NY本部でイギリスの主導のもと非公開で開かれるミャンマー情勢に関する安全保障理事会会合に、ミャンマー問題を担当するアルンゲオASEAN新特使が出席することがわかった。NUG外相もNY入り。クーデター3年を機にグリーンフィールド米国連大使はより厳しい制裁を求める声明を発表。

◆アラカン軍AAと軍評議会軍との戦闘でAAが攻勢を強めていることから軍評議会軍兵士230人超がバングラデシュ側に脱出。4日〜6日の間に国境なき医師団が兵士25人に医療措置を施したと発表。ミャンマー側からの砲弾で、パキスタン人とロヒンギャ計2人が死亡したことについてバキスタン政府は軍評議会に抗議文と召喚状を送付した。

安保理、ミャンマー情勢で緊急会合/日米英など9カ国が軍政非難の共同声明。「会合前に日米英など安保理メンバーの9カ国が、ミャンマー軍事政権による市民への暴力を「強く非難する」との共同声明を発表した。」

タイ外務省高官によると、先週のASEAN外相会合で承認されたタイとミャンマー赤十字が共同してミャンマー国民へ支援物資を届ける計画実現のため、今月中にミャンマーとの国境付近に人道回廊を設ける。軍事政権、少数民族武装勢力、NUGの間で協議が始まる可能性があると期待。

◆隣国タイからミャンマーに支援物資運び込む「人道回廊」設置へ | NHK――少数民族の勢力の拠点であるタイと国境を接するミャンマー東部は、周辺では今も戦闘が続いているが、早ければ3月にもタイのメーソートから100キロほど離れた地域の2万人に、赤十字を通じて食料や医薬品が届けられる予定。

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