20-26/AUG/2023 #WhatsHappeningInMyanmar

2023年8月20日から8月26日までの1週間にミャンマーで起きたことです。

▼25日は、ミャンマー軍によるロヒンギャ虐殺から6年。彼らはいまだに難民となって故郷に戻れない。ロヒンギャの女性たちからカチンやタアンの女性たちに送った「同じミャンマーの仲間として共に手を取り合いましょう」という手紙が紹介されている。

▼AAPPによると23日、2021年2月のクーデター以降、(確認されただけで)軍事政権によって殺害された犠牲者が4,000人に達した。

NUG閣議で大統領代行らは、春の革命勝利のために注意を払うべき3点を述べ、大衆闘争と武装闘争の組み合わせの重要性を指摘。8月に50人以上の政権軍兵士が民衆の側へ亡命したことを明らかにした。NUG国防省は、約1万4000人の政権軍人と警察官がCDMに参加しており、約500人が全国で軍事政権との闘いに積極的に参加していると発表。

▼政権軍の多くの大隊指揮官が前線で戦闘命令を拒否している。 うち1人が、軍の命令に反抗した罪で懲役20年の判決を受け、投獄された。

▼停電がクーデター後増えたとSNSで軍を批判し逮捕された人気ヒップホップアーティストが、禁固20年の実刑判決を受けた。マンダレー市で軍事政権は、CDMあるいはPDFとの関与を理由に私立病院、眼科クリニックの閉鎖を命じた。

▼軍事政権の中枢部ネピドーから車で1時間以内のところで、複数のレジスタンス襲撃事件が報告されており、これら勢力は、「すべての道はネピドーに通じている」という軍事目的を持って攻撃していると主張している。

各地で激戦がつづいており、政権軍の空爆や重砲の発射で民間人が犠牲になっている。シャン州北部ではTNLA基地周辺で、マグウェ地方域は大部分が抵抗勢力の支配下にあり、複数のグループが政権軍に対して定期的に攻撃を行っている。カヤー州では、制圧された基地の奪還をねらう政権軍と。また、KNUによると、政権軍はカレン族民族連合が支配するカレンモン州、バゴータニンダーリ地方域の7地域を攻撃しており、地上攻撃と空爆とに1万人以上を投入している。

ザガイン地方域では、1500戸ほどの村に約100人の政権軍が侵入し、9日間以上占拠して略奪、放火、住宅破壊を続けている。

米国は、政権軍にジェット燃料を供給する企業を制裁リストに追加した。

目   次

国内情勢

◆激戦が続くカチン州パカント近郊で、今月、異常に多数の未解決殺人事件が発生し、男女合わせて6人が殺害された。住民らは、「軍用犬」という文字が遺体の上に置かれていたのは、犯人らが反軍事政権のPDFやKIAが殺人を犯したと人々に思わせるためではないかと疑っている。

◆今週は、現代最大規模の難民流出から6年を迎える。70万人を超えるロヒンギャの女性、男性、子供がミャンマーからバングラデシュに避難し、以前この国に避難していた数十万人のロヒンギャ民族と合流した。

◆22日NUG第28回閣議。大統領代行らは、春の革命勝利のために、「1) 国民の支持、2) 同盟を形成する能力、3) 軍事評議会の行動や過程を詳細に探知できる諜報機構を、より強固かつコンパクトに体系的に構築する」に注意を払う必要がある、そして、「大衆闘争と武装闘争は左足と右足であり、切り離すことはできず微妙な組み合わせが必要である」、軍事政権は「8月だけでも50人以上の軍兵士らが、残忍なテロ軍事政権下での奉仕を続けることを拒否してミャンマー民衆の側へ逃亡した。すでに4月から7月までの4か月間で、少佐を含む500人近くが同じ選択をした」という状況にあると報告。

◆「ミャンマー国境付近にオンライン詐欺拠点が跋扈、軍政と中国資本の「合作」か 人身売買や臓器移植、薬物、売春の犯罪拠点だが軍政も黙認で摘発は困難」

経済ビジネス

◆イラワジ紙が入手したCBM文書によると、軍事政権が管理するミャンマー中央銀行(CBM)は、今年3月時点でアジア、欧州、米国の海外銀行14行に68億ドル以上の外貨準備を保有していた。14行のうちシンガポールの銀行9行は45億ドル以上を保有しており、これはミャンマーの外貨準備総額の半分以上に相当する。

◆タイのカシコン銀行とミャンマのKBZ銀行が、タイからミャンマーへアプリで国際送金するサービスを開始。

◆住民によると、タニンダーリ地方域のDawei市では、7月最終週から8月第3週にかけて、米、油、塩、コショウ、タマネギなどの基本的食料品は2倍以上に値上がりしている。

軍事政権による恣意的な逮捕、殺害、暴力

マンダレー地域ピージータゴン郡F地区の路上で歩哨にあたっていた軍兵士が19日午後11時,二人乗りでバイクで走行していた男性2人に向けて発砲。後部座席の25歳の男性が腕に被弾し死亡した。男性2人は帰宅が遅れたため、スピードを上げて帰路を急いでいたという。

◆南東部タニンダリー地域イェーピュー郡ヤットーフム・パゴダ付近の哨所で警戒に当たっていた軍兵士らが19日、銃を乱射。発砲は30発程度行われ、これにより、バイクで通行していた男性3人及び近くに座っていた女性1人が死亡。身柄を拘束した市民が逃亡を図ったため発砲したというのが軍側の主張。

◆23日、クーデター後の体制下で電力の供給が不安定になったことを文民政権の時代と比較してSNS上で痛烈に批判したミュージシャンのビューハーがインセイン刑務所内の特別裁判所で禁錮20年の実刑判決を受けた。5/24に逮捕された後、刑法505条a項と国家侮辱罪124条a項で起訴されていた。

◆AAPPによると、2021年2月のクーデター以降、軍事政権によって殺害された犠牲者が(確認されただけで)4,000人に達した。

軍事政権による国民・財産への攻撃

◆KNUによると13~18日、バゴー地方域Nyaunglebin地区での軍事政権の空爆と重砲撃により民間人5人死亡。 政権軍はカレン族民族連合が支配するカレン、モン州、バゴー、タニンダーリ地方域の7地域を攻撃しており、地上攻撃と空爆とに1万人以上を投入している。

ザガイン地域カレー郡ターズィー村に100人程で編成される軍戦闘部隊が16日に侵入し占拠。20日現在も村に駐留しており、住居に侵入して荒らしては火を付けるという行動を繰り返している。住民3千人は避難しているため被害の詳細は明らかではないが、煙が上がっているのが見えているという。

ザガイン地域カレー郡ターズィー村で軍が焼き討ちを始めて9日目になる24日現在も焼き討ちが続いている。軍部隊は15日に村に侵入。翌16日から焼き討ちや破壊行為を開始した。ターズィー村の総住宅数は1500棟程度。住民は村外に退避している

◆軍はKIAおよびその同盟抵抗グループを標的に空爆を行い、また、チンドウィン川の船上からは砲弾を発射し、川岸​​に住む民間人を避難させ、殺害した。

◆25日夜、軍事政権のジェット戦闘機がカヤー州Demoso郡区の村を爆撃し、学校や民間住宅を襲った。空爆後、軍事政権軍が村を砲撃した。

平和的抗議・CDM

チン州タントラン郡区Salen村の住民は、政権に依存しないことを示すために、自らの資金で独自に水力発電プロジェクトを拡大している。住民の「目標は、村の国内避難民キャンプを含め、できるだけ多くの家を供給網に接続すること」、これは軍事政権に対する彼らの抗議の象徴である。

◆軍事評議会は、CDMを理由にマンダレーのミンガラ私立病院の閉鎖を命令した。

◆ロヒンギャの女性たちからカチンやタアンの女性たちに送った「同じミャンマーの仲間として共に手を取り合いましょう」という手紙。ミャンマーの若手民主活動家でかつてテレビ番組の司会も務めたThinzar Shunlei Yi氏が紹介している。

マンダレー市にある眼科クリニック「Nay Htat Lin」は、オーナーがマンダレー地方域の地元PDFを支援した疑いで軍事政権によって閉鎖され、差し押さえられた。

◆CDMに関する重要な発言: NUG国防省スポークスマンによると、約1万4000人の軍事政権軍人と警察官がCDMに参加しており、そのうち約500人が全国で軍事政権との闘いに積極的に参加している。 この発言は、軍政政権の内部からNUGに重要な諜報情報を提供している内部スパイに関連して行われた。

◆テロ軍事評議会の多くの大隊指揮官が戦闘命令を拒否している。 マグウェに拠点を置く第88師団傘下の第301大隊の臨時大隊長であるZeya Tun少佐(DSA-46)は、軍の命令に反抗した罪で懲役20年の判決を受け、投獄された。

武装抵抗・PDF・戦闘

◆軍事政権の中枢部ネピドーから車で1時間以内のところで、複数のレジスタンス襲撃事件が報告されている。

◆NUG国防省を含む軍事評議会を攻撃している勢力は、「すべての道はネピドーに通ず」という軍事目標を掲げて攻撃していると言われている。

◆19日、シャン州北部で、ターアン族の自治を求めて戦っているターアン民族解放軍(TNLA)基地を襲撃しようとした政権軍第242軽歩兵大隊とTNLAとの間で戦闘が発生。政権軍は10日Lashio町近くのTNLA基地をMI-35ヘリコプターで攻撃し、その後シャン州北部全域で頻繁に衝突が発生。

◆20日午前5時ごろチンランド防衛隊アショ(CDF-Asho)は、マグウェ地方域Ngape郡区にあるMyelet村近くの中国-ミャンマー間石油・ガスパイプライン(全長973km;ラカイン州沿岸からマグウェ、マンダレー地方域、シャン州を経て中国雲南省に至る)を警備していた軍事政権軍を攻撃し、兵士2名を殺害した。

◆23日、NUG国防省は、人々の支援によって全国の州や地方域の抵抗勢力に400機以上のドローンが届けられたと発表した。

◆マグウェ地方域の抵抗勢力は今週、軍事政権軍と基地を数回攻撃した。 Yaw Defense Forceの代表者は、マグウェ地方域の大部分が抵抗勢力の支配下にあり、複数のグループが政権軍に対して定期的に攻撃を行っている、「軍は防御的で、我々は攻撃を続けることができる」と述べた。

◆2日以来、軍事政権軍とカレンニ派抵抗勢力連合との激しい衝突が毎日発生。6月に抵抗勢力に制圧されたタイとの国境にあるMae Saiの基地を奪還するため、軍事政権軍はカヤー州の州都LoikawとDemoso、Hprusoを結ぶ主要道路の制圧を試みている。ここはLoikawとMae Saiの国境貿易ゲートを結ぶ重要道路。

◆連邦解放戦線を構成するPDFは24日ザガイン地方域Salingyi郡区で、中国投資の銅鉱山を守備する軍事政権軍の支援に来た親軍ピューソーティー民兵戦闘員14人を逮捕。ここの政権軍は近くの村で民間人を殺害し、家に放火しており、襲撃前・中・後に数千人が頻繁に逃亡している。

国際関係

◆23日、米国はミャンマー軍事政権への制裁を強化。ビルマ人実業家2名と政権軍にジェット燃料を供給する企業3社を制裁リストに追加した。

◆チョーモートゥン国連大使は、ミャンマー国民の命を救うため、国連安保理は遅滞なく断固とした行動をとらなければならない、「武器、ジェット燃料、そして軍への資金の流れを止める必要がある。それが私たちが安保理に望む決議だ」と述べた。

◆25日は2017年にミャンマー軍がロヒンギャ虐殺を開始した日です。かつて撮影したドキュメンタリーを一時的に非公開にしていましたが、再公開しました――国家を分かつ断絶 いまだ祖国に帰れぬロヒンギャのために立ち上がったミャンマー人の挑戦(久保田徹)

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