2023年5月21日から5月27日までの１週間にミャンマーで起きたことです。
▼強力なサイクロン「モカ」の襲来で、直撃を受けたラカイン州をはじめチン州で数百名が死亡、多数の行方不明者がでました。軍事政権は、医薬品や支援物資の輸送を妨ています。
▼連日発生している長時間の停電を解決できない軍事政権に対して、怒りをぶつける短いビデオクリップをソーシャルメディアに投稿したヒップホップ歌手が逮捕されました。
▼ザガイン地方域、カヤー州、バゴー地方域で、軍事政権による空爆・重火器による砲撃で地元住民が死傷し、また、軍の部隊が村々へ侵入して民家を焼き討ちし、多くの住民が避難を余儀なくされています。
目 次
国内情勢
◆国防省・NUGは、銃を奪取して軍事政権メンバーに発砲した後、タウングー刑務所から逃走したPDFメンバー10人中9人が安全な場所に到着したことを確認した。(“Spring Revolution Daily News for 20 May 2023,” mizzima, 20 May 2023)
◆ヤンゴン市インセイン郡区ユワマ地区付近で22日午後6:33、爆発が起きた。同日午後8:15頃、ヤンゴン地域フモービー郡4番通りでも爆発が発生。軍ナンバー1、2がヤンゴンを訪れており、爆発が相次いでいる。
◆21日、Kyaikhto町にあるカレン民族解放軍(KNLA)第1旅団の領土内の道路がミャンマー軍によって破壊された。この道路はアジア・ハイウェイにつながっている。
◆22日、NUGが声明。「テロリスト軍は、ジュネーブ条約、国連安保理決議、国際人道法および人権法に違反して、医療施設と医療システムを意図的に標的にして繰り返し攻撃している。」(National Unity Government of Myanmar, 16:50 22 May 2023)
◆ミャンマー軍幹部に「慰安婦」、毎日5人の女性を派遣 ザガイン管区。
人道問題
◆サイクロン「モカ」の影響によるチン州ミンダッ郡の被害は、19日の時点で24村で住宅600棟、公的機関の建物94棟、宗教建造物23棟、穀倉153棟が損壊。[ミャンマー メモランダム より](“မင်းတပ်နဲ့ မတူပီ မှာ မိုခါမုန်တိုင်းကြောင့် အဆောက်အဦထောင်ချီပျက်စီး,” BBC Burmese, 15:44 20 May 2023)
◆ABSDF と PDF の兵士が共同で、サイクロン「モカ」の暴風雨により損傷した道路を修復した。
◆「SAC側は医薬品の運送許可を現在まで止めている。自由に運送する許可を軍評議会側が大きく制限している。そのため、現在医薬品の需要が最も高まっている」 医薬品を自由に運送する許可が降りないため、人道主義の精神の必要性をアラカン軍が軍評議会に主張。
◆サイクロン・モカの直撃を受けたラカイン州で犠牲となったロヒンギャの数を軍は145人と発表。NUGは400人超と見ており、長く隔離され教育から取り残されていたため適切な予防策を講じることができなかったためと分析。犠牲者には女性と子どもが多い。被災した難民キャンプにはまだ支援が届いていない。
◆サイクロン「モカ」の暴風被害により中国との国境一帯のKIOが統制する地域にある戦争避難民キャンプが破壊され支援が必要。
◆サイクロン「モカ」一過、大仏と損壊家屋の写真。
◆サイクロンの死者数148人と、軍政発表。NUGは、フェイスブックを通じて17日時点で455人が死亡したと発表したが、その後は情報を更新していない。
軍事政権による恣意的な逮捕、殺害、暴力
◆タニンダリー地域ダウェー市内で15日、イスラム教徒の若者男性がバイクで移動中に軍に拘束された。20日、地区行政長が家族のもとに来訪し、尋問施設で死亡したことを伝えた。家族はイスラム系社会奉仕団体を通じて遺体の返還を試みているという。
◆軍事政権は、彼らののMRTVで、連邦選挙管理委員会(UEC)副局長殺害容疑に関連してヤンゴン革命軍(YRF)隊員10人を逮捕したと発表。された。
◆5 月 18 日、タウングー刑務所から脱獄した囚人の母親と別の男が大胆な脱獄によって逮捕された。政権メディアは、囚人10人が逃亡したと報じた。 軍事政権は、家族を追っている。
◆ヤンゴン市ニューサウスダゴン郡区ユワタージー経済大学近くで24日午後10時頃、若者5人（男性4人、女性1人）が国民防衛隊PDFとの関与の疑いがあるなどとして軍に拘束され射殺された。
◆ミャンマーのカレー刑務所で虐殺事件。目撃者はディプロマット紙に、看守と受刑者の口論が最高潮に達し、9人の受刑者が死亡する虐殺に至ったと語った。
◆軍事クーデター後の国内の電力供給不足を巡り、軍事政権に怒りをぶつける短いビデオクリップをソーシャルメディアに投稿したヒップホップ歌手Beu Haが24日ヤンゴン市で逮捕され、インセイン刑務所に連行された。(Chindwin News Agency, 20:03 24 May 2023)
軍事政権による国民・財産への攻撃
◆カヤー（カレンニー）州ディモーソー郡に19日、軍部隊が三手に分かれて侵攻。カレンニー民族系勢力であるカレンニー民族防衛隊KNDF、カレンニー軍KAと軍との間で戦闘で戦闘が起き、軍側に多くの死傷者が出たことから軍は報復として空爆。これにより学校校舎1棟、民家4棟、50代の男性住民1人、17歳の女性1人が死亡。家畜も殺された。[ミャンマー メモランダム より](“ဒီးမော့ဆိုမြို့နယ်အတွင်း စစ်တပ်က စစ်ကြောင်း ၃ ကြောင်းဖြင့် ဝင်ရောက် လာသောကြောင့် နေ့စဥ် တိုက်ပွဲဖြစ်ပွားကာ စစ်တပ်ဘက်မှ ထိခိုက်သေဆုံးသူ များပြား,”Khit Thit Media, 15:32 20 May 2023)
◆ザガイン地域キンウー郡の2村の住宅を19日、兵力100人程度の軍部隊が焼き討ち。アウンチャンダー村の住宅3棟及びカンティッ村の住宅172棟が全焼。同部隊は、シュエボー郡内で民家の焼き討ちを行った後、キンウー郡に移動した。[ミャンマー メモランダム より](“ခင်ဦးရှိ ကျေးရွာ ၂ ရွာကို စစ်တပ်က မီးရှို့ဖျက်ဆီးမှု နေအိမ် ၁၇၅ လုံး ပြာကျ,” Khit Thit Media, 18:50 20 May 2023)
◆カレン民族同盟（KNU）は、軍事政権軍による絶え間ない砲撃により、仏教寺院の建物や民間インフラを含む地域に重大な破壊を引き起こし、民間人1名が死亡、2名が負傷したと発表．
◆カレン独立軍KNUの発表によれば、KNU第3旅団支配地域のバゴー地域ニャウンレービン県ムー郡の村を軍が19日、重火器で攻撃。14歳の少年が死亡。住民2人が負傷。この重火器攻撃により9村の住民計13991人が自宅を離れて村から避難した。 20日午前中にはチュンドー村で軍とKNU間で戦闘が発生。
◆軍事政権の軽歩兵大隊第368部隊とピュ・ソー・ティー部隊の約100人がザガイン地方域で1か月間軍事作戦を実施し、男性3名と女性1名を殺害した。20日、彼らはKanbalu郡区の村を襲撃し、数十軒の家が全焼した。 この軍事作戦は、この地域でIDPの大規模な移動を引き起こした。
◆ザガイン地域ザガイン郡パドゥーヤー村を22日、軍が軍用ヘリMi35から射撃した後、戦闘機で空爆。同日夕方、軍第33旅団の100人程の部隊が村に侵入して放火。前日に同村付近で地元PDFと軍との間で戦闘になり軍側に死傷者が出ていた。
◆ザガイン地域アヤードー郡タウンフモワー村を軍が23日から24日にかけて襲撃。少なくとも住民男性3人、女性2人が射殺または焼殺された。70代の高齢者も含まれていた。人質として連行された後、路上で殺害された住民も。分かっているだけで行方不明者が3人いる。軍はさらに村全体を焼き払ったという。
◆23日朝、軍事評議会の武装集団は森で落花生を植えていた人々を人質にして、ザガイン地方域Ayadaw郡区のタウンムーサ村を襲撃し、住宅に放火。高齢者を含む民間人5人が逃げ遅れて死亡した。
◆ザガイン地域アヤードー郡区マジーサウッ村に25日午前９時頃軍が侵入し占拠。住民女性１人を射殺し、住宅を焼き払った。住宅総数600棟のうち約500棟が焼失。一部の住民が行方不明となっている。今回の焼き討ちは、2月27日に続き2度目。
国際関係
◆タイとミャンマーの国境で武器や関連品をタイ警察が押収したあとで、国境やメーソートにて逮捕、取り調べが厳しくなる
◆G7に合わせてミャンマーの人が広島に集結しました。なかなか議題に上がらないミャンマー情勢ですが、G7で実効性のある声明が出ること願っています。
◆英国外務省(FCDO)は、サイクロン「モカ」で被災した17万5,000人を支援するために200万ポンド(248万米ドル)を提供すると発表。
◆米加英欧、制裁の調整会議開催。
◆国連WFP、資金不足のため、ロヒンギャ難民への食糧援助を再削減。２月までの食事券12USD⇒３月１日10USD⇒6月1日８USD。食糧削減は児童婚を促進し、求職者たちの搾取と虐待を増加させると懸念。
◆Justice For Myanmarによると、ASEAN-Japan Centerは、テロ活動を展開するミャンマー軍事政権の貿易・観光計画を支援し、改革に関する能力構築プログラムに助成金を提供した。
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21-27/MAY/2023 #WhatsHappeningInMyanmar