26/OCT-1/NOV/2023 #WhatsHappeningInMyanmar

2023年10月26日から11月1日までの1週間にミャンマーで起きたことです。

▼10月24日にNUG大統領代行が民族同盟の間の軍事的・政治的協力関係強化・拡大を訴えた3日後、そして2011年クーデターから千日になる前日の27日に、中国国境地帯のシャン州北部でMNDAA、TNLAAAからなる同胞同盟(北部同盟)が「作戦1027」の開始を発表。31日までにシャン州にある軍事政権軍の拠点基地約80ヶ所及びチンシュエホー、パンサイ、テインニー市を制圧した。

KIAもザガイン地方域、カチン州で軍の重要前線基地への攻勢を強め、KNLAも27日にカレン州でも軍への攻撃を開始した。

軍事政権軍はこの作戦の情報を事前に得ていたが、十分な準備をしておらず、この地域の兵士が不足して増軍もできなかったようだ。作戦が始まってからは空爆で対抗しているが、31日には第143大隊全体が降伏し、大量の武器と弾薬が捕獲された

NUGや反軍抵抗勢力は「作戦1027」支持を表明した。

中国は軍事評議会と北部3つの武装勢力との間の軍事紛争の解決策を見つけるための即時停戦と協議を呼び掛け、中国公安相がミャンマー軍事政権と共有国境沿いの和平確立について協議した。

MNDAAは作戦の重要な目的の1つとして「詐欺シンジケートの排除」を強調している。中国はミャンマー国境地帯での詐欺シンジケートによる犯罪が中国の利益を著しく損なっているとして、軍事政権に取締まるよう圧力を強めてきた。

▼24日に刑務所収監者と家族の面会が認められ、ウィンミン大統領は2011年に投獄後はじめて親族の一人と面会した。一方、アウンサンスーチー最高国家顧問への面会は認められておらず、弁護団が軍事政権内務省に面会を求める書簡を送った。

テインセイン政権での情報大臣だったYe Htut氏が、軍に対する扇動の罪で軍事政権に逮捕された。

▼UNHCRによると、国内避難民は160万人超。人権団体によると、クーデター以降、4100人以上が殺され、計2万5000人以上が拘束された。

米国はミャンマー石油・ガス企業に、軍事政権の主な海外収入源である企業を直接標的とした初めての制裁を課した。

目   次

国内情勢

◆カチン独立機構(KIO)議長は25日のカチン武装組織創設63周年に際し、軍事政権下の人民民兵軍(People’s Militia Forces;PMF)に参加したり支援しないよう国民に呼び掛けた。軍事政権は民族武装グループを攻撃するために、長い間PMFを利用してきた。

◆28日、残忍な軍事政権クーデターから千日が経過した。

◆27日、NUG国防省は、MNTJP/MNDAA、PSLF/TNLA、ULA/AAからなる北部同胞同盟が発表した「作戦1027」を歓迎し、協力することを誓うとの声明を発表。

◆NUG国防省高官によると、「1027作戦開始前に軍事評議会は、以下の手紙を見れば分かるように、このことをある程度知っていた。実際に戦闘が行われてみると、彼らに十分な準備ができていなかったことに驚いた。下にいる部隊は事前に何も知らなかっただろう」

◆報告によると、戦闘が激しかった28日、ミンアウンフライン軍はコーカン南部戦場を強化するためにラオカイにいる78連隊の武装兵30名と民兵20名の計50名強しか動員できなかった。 コーカン地域では深刻な兵士不足で、援軍がマンダレー方面から支援に急行している。

◆イーモンNUG国防大臣は、10月20日にカチン州のMyitkyina-Bhamo道路にあるLai Lwan Awn Ja軍事基地を制圧したことは、ライザのカチン独立軍(KIA/KIO)本部に対する攻勢を続ける軍にとって大きな敗北であると述べた。

◆ミャンマー民族民主同盟軍(MNDAA)はChinshwehawへの国境ゲートに旗を掲げる。 ミンアウンフラインの「麻薬軍団」が支配する犯罪都市を乗っ取る彼らの戦いが始まった。 MNDAAの発表では、詐欺シンジケートを排除することが重要な目的の1つであると強調されている。(ビデオ有)

◆軍事政権はオンライン詐欺行為で中国人を含む95人をヤンゴンで逮捕した。中国は今年、サイバー詐欺が「中国の利益を著しく損なっている」として軍事政権に摘発するよう圧力をかけた。

◆テインセイン政権での情報大臣だったYe Htut氏が、軍に対する扇動の罪で軍事政権に逮捕されたと伝えられている。

◆軍事政権は、総選挙へ布石として国勢調査の試験プロジェクトを実施。民主派監視が強まる。

◆軍事政権Myanmar News Agencyによると、軍(Tatmadaw)は、2023年2月からCNF、CDFに占拠されたタントラン郡区で8月から対テロ作戦を開始し、10月29日に同郡区を奪還した。 10月27日、KIA、MNDAA、TNLAの連合はシャン州北部および北東部の軍事基地や治安前哨基地を攻撃し、30日まで武力交戦が続いている。

◆チン民族戦線(CNF)は、ミャンマー軍がタントランの支配権を取り戻したとする政権メディアの30日の報道を否定した。

◆ドゥワルシーラ大統領代行は第34回閣議で、「1027作戦」を実施している同胞同盟の3軍を含むすべての同盟軍と国全体が団結しており、NUGも団結している、と発言した。

◆ヤンゴン空港は、マンダレーに向かうすべての乗客が11月1日から出発カードと到着カードに記入する必要があると発表した。この指令は軍事政権の民間航空局が出したものである。

人道問題

◆国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、国内避難民は160万人超。人権団体によると、クーデター以降、4100人以上が殺され、計2万5000人以上が拘束された。

◆30日、Ta’ang Women’s Organizationによると、シャン州北部での戦闘により6,000人以上が避難しており、食料や必需品を必要としている。

軍事政権による恣意的な逮捕、殺害、暴力

◆投獄されているウィンミン大統領は28日、タウングー刑務所で親族の一人と面会した。「彼らは当局者がいるなかで面会し、面会の様子は録音されていた」と刑務所に近い匿名の関係者は語った。

◆アウンサンスーチー氏の弁護団が31日付で、軍評議会指揮下のネーピードー刑務所局及び内務省に面会を求める書簡を贈った。今年1月以降も繰り返し同様の申し入れをしていた。コロナの流行を理由に禁じられていた家族と収監者との面会が10/24に認められるようになってからは初めての申し入れとなった。

軍事政権による国民・財産への攻撃

◆8月中旬以来、ザガイン地方域にある英国植民地時代の鉄道(マンダレー-ミッチーナー間550km)の一部を修復するために、軍事政権軍は周辺の掃討作戦を実施し、2つの郡区で約800軒の家を焼き、約1万人が安全を求めて避難を強いられている。

◆カレンニー民族防衛隊KNDFの発表によれば、カヤー州ロイコー郡ロイリンレー市に拠点を置く軍第530歩兵大隊が10/29-10/30にかけて撃ち込んだ重砲が、周辺の村に着弾。これにより3歳の子供1人と10歳前後の子ども2人、10代の女性1人、高齢男性1人が負傷。戦闘は起きていなかった。

平和的抗議・CDM

◆ヤンゴンの人々が MNDAA、TNLA、AA によって実行された#1027operationに連帯していることを示す写真。これらは、祖国コーカンへの自由な旅を望むコーカン族の願いを表現した今日の大衆闘争運動の写真です。

武装抵抗・PDF・戦闘

◆27日、ミャンマー民族民主同盟軍(MNDAA)、アラカン軍(AA)、タアウン民族解放軍(TNLA)から成る北部同盟軍がシャン州北部の5つの異なる郡区にある軍事政権の前哨基地に対して一連の攻撃を行い、漢民族が集住するコーカン自治区のChin Shwe Hao町を含むいくつかの戦略的な前哨基地を占領した。

◆北部同盟軍(MNDAA/AA/TNLA)は27日、中国の一帯一路の一環である数十億ドル規模の鉄道建設が計画されている北部シャン州全域で軍への組織的攻撃を開始した。MNDAAは、攻撃に先立ち、貿易拠点のラショーから中国国境のチンシュエホーとミューズに至る道路を封鎖したと発表した。

◆27日、ビルマ人民解放軍(BPLA)は、ソーシャルメディアチャンネルを通じて、軍評議会に対するシャン州北部での「第1027作戦」に参加したと発表した。

◆カレン民族解放軍(KNLA)率いる部隊は27日、コーカレイで攻撃を開始した。KNLAは軍の検問所と基地を標的にした。カレン情報センター(KIC)の報告によると、警察署と軍情報局が放火された。

◆タアウン民族解放軍(TNLA)は28日、他の2つの民族武装集団と開始した「作戦1027」の一環として、シャン州北部ナムカム郡区にある2つの軍事前哨基地を占領し、多くの政権軍を殺害したと発表した。 (ビデオ: TNLA)

◆ミャンマー民族民主同盟軍(MNDAA)は28日、シャン州北部の中国国境にあるChinshwehaw町で軍事政権の装甲車両2台を破壊したと発表した。 (映像あり)

◆28日、MNDAAはナムチャンにあるミンアウンフライン軍の拠点を占領、破壊した。(ビデオあり)

◆「1027作戦」の3日目(10月29日)、MNDAAはラシオ東の軍事評議会キャンプを占領した。(ビデオあり)

◆29日朝、合同軍はシャン州Nawnghkioの西、幹線道路上のKyauk KyanにあるSACの前哨基地と料金所を占領。 もし合同軍がこれを保持すれば、軍事政権はマンダレーからシャン州北部までの幹線道路へのアクセスを失うことになる。 空爆と重砲の増加に直面してこれらの地域を維持できるかは、数日内に分かるだろう。

◆29日午前11時現在、ミャンマー民族民主同盟軍(MNDAA)は継続的な作戦によりコーカン、モング、ラシオ、ムバン、南ジャラにあるミンアウンフライン軍が占領していた11拠点を制圧し、10人を拘束した。本稿執筆時点で、合計約 57 拠点が攻略された。

◆MNDAAは、ミャンマー‐中国との国境Chinshwehawにある国境検問所の制圧に成功。(ビデオあり)

◆北シャン州で「1027作戦」が始まって4日。住民の避難が続いている。Muse、Theinni、Lashio、Kokang、Kutkai、Nawnghkioで新たに報告された。教会や修道院に逃げたり、空爆からジャングルに隠れたりしていて、電力と食料の不足に直面してる避難民もいる。国連やINGOの支援の兆候はまだ見られない。

◆30日、軍事評議会軍はヘリコプターで北シャン州の中国国境沿いにあるMonekoe市、မန်ယန်、パンサン(၊ပန်ဆိုင်း )を爆撃した。

◆30日、シャン州ラシオの南東、Nampawngという大きな町で大規模な衝突が今も続いており、同胞同盟軍は軍事政権軍の主要基地の制圧を狙っている。 基地への攻撃が続く中、警察署が標的に。 軍事政権軍は大規模な空爆で応戦。

◆同胞同盟(北部同盟)は31日、シャン州北部全域で27日に軍事攻撃を開始して以来、同地域で軍事政権軍の前哨基地70カ所以上を占領した、と発表した。

◆31日、北部同盟を構成するタアン民族解放軍TNLA、ミャンマー民族民主同盟軍MNDAA、アラカン軍AAが、27日に開始した1027作戦により軍の拠点約80ヶ所及びチンシュエホー、パンサイ、テインニー市を制圧したと発表。身の安全を保障するとの約束の下、軍の兵員に対し軍抵抗勢力への投降を呼びかけた。

◆31日、ミャンマー民族同盟(Myanmar Ethnic Alliance)、「1027作戦」がザガインにも波及したと発表。

◆10月27日にMNDAA、TNLAが開始した協調攻撃「1027作戦」から4日目の30日、同胞同盟は初めて同盟の一員であるAA軍がカチン独立軍やPDFを含むザガイン地方域Tigyaing郡区の他の反軍政グループと共闘していると発表した。戦闘は熾烈を極め、毎日空爆が行われている。

◆10月31日朝、KIAとAAは、中国国境に近いKIAライザ本部から25km離れたミッチーナー-バモ道路沿いにある軍事政権のガンダウヤン前哨基地(中国への貿易ルート)を2時間の戦闘の後に制圧。軍事政権は午後、KIA本部近くのアロー・バム丘を空爆した。

◆軍事政権のMyanmar News Agencyは、10月31日朝、KIAと合同軍がKantawyan治安署を攻撃し、ミッチーナー・バモ道路を制圧しようとしたため、KIAの武器生産施設、弾薬および地雷生産施設、貯蔵施設を攻撃したと報道。

◆31日午後2時30分頃、カチン州ライザ地区のKIA本部付近を軍が空爆。

◆10月31日、シャン州クンロン郡区、カーメン地区の軍事評議会第143大隊全体が降伏し、大量の武器と弾薬が捕獲された。兵士41人には150万チャットの報奨金が支払われた。(ビデオあり)

国際関係

◆中国、詐欺容疑者に懸賞金。ミャンマーの国境地帯に犯行拠点急増。

◆26日、ベトナム外務省報道官は、ミャンマーの違法カジノで強制労働のベトナム人61人を救出したと発表。

◆カレンニ民族防衛軍(KNDF)のマウイ副司令官は国際社会に対し、ミャンマーの危機を無視せず、カレンニ民族に人道支援を提供するよう求めた。

◆国連人権理事会でミャンマーの人権状況を担当するアンドリュース特別報告者は、ミャンマー国軍は村落や病院・学校・国内避難民キャンプへの爆撃、大量虐殺や拷問・性的暴行・強制労働するなど自国民への攻撃、人命救助支援物資輸送の意図的妨害を続け、人権侵害や人道危機が深刻化していると非難。国軍の資金調達に関与している金融機関への制裁や航空燃料禁輸、人道支援などで国連加盟国が協調行動を取ることが、軍事政権を弱体化させるための効果的な手段だと強調した。

◆27日、中国外務省報道官は、軍事評議会と北部3つの武装勢力との間の軍事紛争の解決策を見つけるための即時停戦と協議を呼び掛けた。

◆東ティモール国会議長のヴェネランダ・レモス氏は「東ティモールはミャンマーの民主主義原則を守り続ける。ミャンマーの人々は基本的権利のために戦い、抵抗している。 IPUはミャンマーに関する決議を採択すべきである」と演説。(ビデオあり)

◆シャン州北部での民族武装集団と軍事政権軍との戦闘を受け、中国公安相がミャンマー軍事政権と共有国境沿いの和平確立について協議した、と国営メディアが31日に報じた。

◆米国は31日、ミャンマー石油・ガス企業(Myanma Oil and Gas Enterprise;Moge)に制裁を課した。これはミャンマー軍事政権の主な海外収入源である企業を直接標的とした初めての制裁である。

◆ミャンマー軍に対する武器供給国世界第3位のシンガポール(クー後138社が総額2.54億ドルを軍に売却)に対し、ミャンマー国民3万人と430の内外の団体が合同でシンガポール首相に宛てた公開書簡を30日、在タイ・シンガポール大使館に提出。軍への武器、軍事技術の輸出、送金を禁じる措置を求める内容。

その他

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