12-21/FEB/2024 #WhatsHappeningInMyanmar

2024年2月12日から2月21日までの10日週間にミャンマーで起きたことです。

軍事政権が徴兵制実施を発表
*主な対象は18歳〜35歳の男性と18歳〜27歳の女性で1300万人程度
*海外での留学生・働いている人たちはミャンマーに戻って兵役
*長期的に、毎月5千人、年間6万人の徴兵を計画
*徴兵のための中央組織が会議開催。州/地域レベルに組織設置、郡区・村・地区レベルに設置を準備
*ヤンゴンなど各地で若者を徴兵のために連行
*ラカイン州北部で軍がロヒンギャに対し兵役に就くよう圧力。ラカイン族との分断を図る狙いも
*マンダレー旅券事務所に申請者が殺到、混雑で女性2人が圧死。タイ大使館はビザ申請を制限。
*NUG、徴兵制は人権と国際法の蹂躙であり、同盟組織とともに国民を守るためにあらゆる努力を惜しまないと声明。
▼軍事政権は予備役法を発動し、退役軍人を前線に戻す
▼軍トップは、駐緬中国大使らにオンライン詐欺撲滅を表明。NUG外相は、中国政府はミャンマーの戦いの双方と関与していると発言。
▼シャン州進歩党(SSPP)が初めてNUGに公式メッセージ
▼国連OCHA、ミャンマー 避難民が270万人以上と発表
▼NUGらが管理・行政を開始したザガイン地方域コーリン市を、軍が奪回。
▼カチン州の町をKIAが占領。ラカイン州でAAが、カヤー州でKA‐KNDF統合軍が軍前哨基地を占領。
 ……

詳しい日誌、出典は、下記をご覧ください
 #WhatsHappeningInMyanmar

目   次

国内情勢

◆10日、軍評議会はカチン、カヤー、カレン、モン、ラカイン、シャン州及びヤンゴン、マンダレー、ザガイン、マグェー、タニンダリー、バゴー、エーヤーワディー地域政府の社会福祉大臣10人と道路交通大臣13人を交代。23人を一気に交代させた理由は明らかにされていない。

NUGは、ザガイン地方域Yin Mar Bin郡区の国民防衛隊(PDF)第1大隊に軍事装備と武器を供与した。マグウェおよびザガイン地方域のPDFの多くは手作りの武器に依存し、適切な武器が足らず、最も脆弱な集団となっている。Yin Mar BinのPDFが受け取った装備と武器は、軍事政権軍と戦う際の士気を高める。

◆シャン州進歩党(SSPP)、チン国民戦線(CNF)、カチン独立機構(KIO)は、12日の連邦記念日にあたりNUGに対して共同声明を発表した。SSPPがNUGに公式メッセージを送るのは、これが初めてである。

◆13日、NUGが国民兵役法施行に対して声明:強制徴兵を義務付ける2010年国民兵役法施行しようとする軍事政権の取り組みは、人権と国際法の蹂躙だ。これは彼らの絶望と、ミャンマー国民の福祉と自由に対する完全な無視である。 NUGは同盟組織とともに軍事政権の行為に激しく反対し、この凶悪な蹂躙から国民を守るためにあらゆる努力を惜しまない。

◆14日、総司令官、在外大使らに徴兵制など説明。

◆軍事政権が18歳〜35歳の男性と18歳〜27歳の女性に対する兵役法の施行を発表したことを受け、ヤンゴンのタイ大使館には今日、ミャンマーから出国しようとする人々の長蛇の列ができている。

◆14日、軍が10日に徴兵制の開始を発表したことからタイのビザ申請者が急増したため、ヤンゴン市内のタイ大使館がビザ申請の受理を1日400人に制限すると発表。整理券の配布は業務開始前の8時半から開始される。

◆軍事評議会は、海外に留学している人や働いている人たちはミャンマーに戻って兵役に就かなければならないと述べた。

◆15日、軍評議会報道官は、10日に開始した徴兵制に関し、短期間の措置ではなく次期民主政権下においても実施される長期計画であると放送局を通じて発表。毎月5千人、年間6万人の徴兵が計画されている。14日、州/地域レベルに徴兵のための中央組織が設置され、郡、村、地区レベルでの設置の準備も進んでいる。

◆15日、軍報道官は、兵役に服する国民に対し給料や食料を支給する必要があるため年間5万人の徴兵が限度であること、第一期目は女性の割合が少なくなること、2019年中間人口調査に基づく対象者の数は1300万人程度であることを明かした。ヤンゴン地域タンリン郡の若者25人が12日、徴兵のために連行された。

◆軍事政権は予備役法を発動し、退役軍人を前線に戻すことを認めた。これは独裁者タンシュエ率いる政権によって2010年に公布されたが、一度も使用されなかった。ミャンマー戦争退役軍人組織は2021年9月時点で全国に9万1,677人の会員と16万1,372人の補助会員がおり、全国330郡区中308に退役軍人組織がある。

◆16日、軍事政権は徴兵制の中央組織、第1回会議を実施。同会議では徴兵対象者のリストを正確に管理し、国民から信頼される透明かつ公正な兵役制度にするための兵役管理システムを開発すべきだなどという議論が行われた。

◆ミャンマー軍は、前線の兵士が6か月間軍と連絡をとらなかった場合、残った家族を軍宿舎から追い出し、すべての給与と手当を打ち切るという規則を出した。

◆「若者を人質にするのか」劣勢のミャンマー国軍がなりふり構わず徴兵制を発表、希望を失う若者たち。「国外への避難民が増える。広域的な人道危機ととらえるべきだ」。 「各国政府は口先の非難だけでなく、徴兵制を止めるように直接働きかけてほしい」。

◆情報筋によれば、少数民族武装組織が一斉攻撃でシャン州北部コーカン特別自治区ラオカイ地域を掌握した際に投降したラオカイ軍司令部の准将3人に対し、軍特別裁判所が死刑判決を言い渡した。3人は北部軍管区司令部に拘束されていたが、インセイン刑務所に移送されたという。

◆軍が徴兵制の実施を発表したことで内務省旅券事務所に申請が殺到。これを受けマンダレー市内所在の旅券事務所が1日の申請受理件数を400人に制限することを発表すると、19日(月)午前0時頃から発給申請希望者の列ができ始めた。午前2時25分頃には数万人に上る市民が押し寄せて混乱状態になり女性2人が圧死

◆20日、軍トップと軍評議会外相らは中国雲南省党副書記長、省長、駐緬大使らとネーピードーで会談国境地域及び国内和平協議の進捗、中国の支援の可能性、オンラインカジノの撲滅、国境貿易促進について協議。軍トップは19日にもヤンゴン市の春節の式典に出席。オンライン詐欺撲滅を表明した。

◆ラカイン州北部で軍がロヒンギャや戦災避難民に対し兵役に服するよう圧力を強めている。アラカン軍AAとの戦闘が激化するブーディーダウン郡にはロヒンギャが20万人居住しており特に強い圧力がかかる。AAとの戦闘で形勢不利に立たされてコミュニティ間の軋轢を利用した戦略ではとロヒンギャ関係者。

◆20 日10時、NUGの2024年第7回閣議開催。 徴兵法阻止は将来の国づくりに直結する。この国の若者のための良い環境を作り出す革命的な取組みと協力する必要がある。革命の観点と政治的観点のバランスを取るよう努め、あらゆる革命的手段を用いる時が来た。

経済ビジネス

◆北シャン州ナムトゥー郡区にあるBaw Dwin鉱山は、かつては世界最大の鉛と銀の供給源であり、亜鉛と銅の供給源でもあったが、タアン民族解放軍 (TNLA) が12月28日にナムトゥーを占領して以来、その管理下にある。

人道問題

◆「ミャンマー 避難民270万人以上に」国連発表。

軍事政権による恣意的な逮捕、殺害、暴力

◆12日夕方、ヤンゴンのタウンダゴン郡区で、工業団地の寮に住む18歳の労働者17人は、警察と行政からなる合同チームから徴兵法に基づいて兵役を命じられ、軍用車両で連行された。

◆ミャンマー国軍:ラカイン州北部に所在するロヒンギャの村々に戦闘のための人員を供出するように命令。支配地拡大を続けるアラカン軍にぶつけるつもりなのは明白。正式な軍籍はおそらく与えられない。仏教徒のラカイン人たちからは国軍の手先と見なされてまた迫害される。地元のロヒンギャによると、「軍はロヒンギャに市民権を保証していないが、兵役に就けばチャウピューへの自由移動を認めると言う」、「この徴兵は、ロヒンギャとラカイン族(ラカイン州の圧倒的な少数民族)との間に亀裂を生じさせるだろう」。

軍事政権による国民・財産への攻撃

◆パオ民族解放軍PNLAによれば軍は14日午前10時頃、シャン州南部スィーサイン郡とホーポン郡の郡境に位置する村を空爆。被害の程は不明。戦闘は起きていなかった。 1月21日にホーポン郡で軍とPNLA間の戦闘が発生。翌22日には軍がスィーサイン市の一部を空爆、PNLA側も軍基地を占領するなど応酬が継続。

◆14日午前5時ごろ、ミャンマー軍襲撃、住民2万人以上避難、ザガイン管区チパ村。

武装抵抗・PDF・戦闘

軍が10日にザガイン地域コーリン市を奪還したと発表。国民統一政府NUGは誇張だとこれに反論。市内の一部を国民防衛隊PDFが抑えており市街戦が続いている由。昨年11月6日にカチン独立軍KIAとPDFの合同部隊が同市を奪還。これまでにシャン、カヤー、カチン、ラカイン、チン州の40の市を抵抗勢力が奪還した。

◆11日、KIAが、カチン州バモーとミッチーナーの間のエーヤワディー川(イラワジ川)沿いのシンボの町を占領した。 これは抵抗勢力の支配下にある 50 番目の町であり、過去 4 か月で 41 町が占領された。

◆12日、軍事政権軍はザガイン地方域カウリン町をNUGから奪還した。軍は3日、近隣の3つの郡区から5つの縦隊でカウリンへの攻撃を開始。8日には町に入り、PDF、KIAとの戦闘を続け、砲兵部隊と空爆の支援を受けた激戦の末、奪還した。カウリンは2023年11月6日にPDFとKIAによって解放された。

◆AAによると、18日午後5時30分頃、Myebonの丘の上にある2つの前哨基地(402と408)の軍事政権軍が基地内の武器、弾薬、大砲を破壊した。「軍事政権軍は防衛していても確実に負けるので、我々が占領しようとしている郡区の軍事前哨基地や丘の上(基地)を焼き払って撤退している」とAAは声明で述べた。

カヤー州Shadawの町のミャンマー軍前哨基地がカレンニー軍とカレンニー民族防衛隊の統合軍によって制圧された後、数十人の軍事政権軍兵士がカレンニー族武装グループに降伏しているビデオ。

国際関係

◆2月15日、軍と反政府勢力の間での紛争から避難するためにバングラデシュとの国境を越えたミャンマー国民と国境警備警察(BGP)職員が、コックスバザールで、自国へと船で護送される。

◆中国の輸出戦闘機がミャンマーで何度も撃墜された、敵が中国製の対空ミサイルを使用したとの噂

◆NUG外相ジンマーアウン氏は、「中国政府はミャンマーの戦いの双方と関与しているだけでなく、地域の安定を取り戻すよう圧力をかけている」と発言。

◆「不法入国のミャンマー人は処罰する」タイ首相。

◆21日、米当局は、ミャンマーからの兵器級の核物質と致死性麻薬を違法な武器取引の資金源として売却しようとした容疑で、世界中で活動する日本のヤクザ犯罪シンジケートのリーダーTakeshi Ebisawaと共犯者を起訴したと発表。武器取引の一部には地対空ミサイルも含まれていた。

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