2-11/NOV/2023 #WhatsHappeningInMyanmar

2023年11月2日から11月11日までの10日間にミャンマーで起きたことです。

▼三同胞同盟が展開した「1027作戦」は、軍事政権の前哨基地を攻略し、北シャン州の中国国境沿い、主要道路の都市・重要拠点し、さらに進撃を続けている。中国との国境ゲートを管理し、国際詐欺グループに捕えられていた多数の中国人を送還した。政権軍はの旅団長が死亡し、降伏したり戦線から離脱したりする兵士が出ている。

▼軍事政権は北シャン州で3都市が失われたことを公式に認め、軍トップはMNDAA、TNLA、カチン州でのKIAの攻勢に、反撃を宣言した。政権臨時大統領は、シャン州北部の戦闘で国家が分断される懸念を表明した。

▼軍事政権は、1027作戦の軍事攻撃に対抗するヤダヤ(占星術師の占いに従った厄払い)として仏像に3種類の菓子を寄付するよう、旧ツイッターを通じて軍事部隊に「緊急優先命令」を送った。

▼NUGは「1027作戦」の支持を表明した。NUG国防省は、傘下のPDFもこの作戦に参加し、国内各地での軍事作戦は相互に連携していると強調した。また、軍事政権による攻撃から革命本部を守るよう呼びかけた。MNDAAは作戦目標は軍事独裁政権を排除し、新たな真の連邦国家を建設することだと述べた。

ザガイン地方域では、革命軍は側政権軍の空爆・砲撃を含めた激戦の末、カウリン県の県都を占領し、政治囚が解放された。

ザガイン地方域では、軍事政権の空爆・砲撃で地元住民が死傷した。また、侵攻した軍部隊が住民19人を拘束し、うち60歳の男性を含む少なくとも5人は頭・手が切り落とされ、胴体を胸から恥骨まで切断されて殺害された。

ママグウェ地方域では、「1027作戦」を支援するためにABSDF、PDF部隊が複数の警察署を一斉に攻撃。政権軍には、警察署を放棄して拠点へ撤退する動きもみられた。

カヤー州では、カレンニー抵抗勢力が1027作戦を支援する「1107作戦」の一環として政権軍の拠点7カ所を占領し、戦闘機を撃墜した。

▼国境沿いの都市における国際詐欺グループの犯罪取締りを強く要求していた中国は、「1027作戦」が始まると停戦を呼びかけた。さらに、中国領土に政権軍の砲弾が着弾して中国人が死傷したことに強く抗議し、即時停戦を要求した。

▼国連機関によれば、10月27日以降、北シャン州で約5万人が、さらに11月初旬以降ザガイン地方域とカチン州でさらに4万人が避難民となり、食料や水、生活必需品の不足に苦しんでいる。また、多くの国内避難民サイトでは、家族から引き離された子どもたち、トラウマの兆候が見られる子どもたちが報告されている。

●「1027作戦」で同胞同盟が占拠した町や都市の地図
●ミャンマー全土で軍事政権が支配できている地域は英国政府のtravel advice map (Updated:
10 November 2023)
が参考になる。
●同胞同盟の説明は「「同胞同盟」についてのメモ」を御覧ください。
●「1027作戦」に対する専門家の見方、NUGの発表については、本欄下にある「1027作戦について」を御覧ください。

目   次

国内情勢

◆クーデター後、ミャンマー人仏教徒にとって重要な宗教行事であるダディンジュ満月(雨安居明け)の灯明祭り期間中(今年は10月28~30日)の街の賑わいが形を潜めた。治安と経済の悪化によるもの。異例の雨の影響もあり軍評議会がヤンゴン市内の人民公園で開催した祭りに来場する市民の数は少なかった。

◆2日の軍事評議会でミンアウンフラインは、「少数民族を信頼して和平交渉を行った。10月27日からシャン州北部でMNDAAとTNLAの合同部隊がコーカン地方の治安拠点を襲撃、警告したにもかかわらずKIAも警備拠点を攻撃し、政権を掌握して以来最大規模の軍に対する協調攻撃で都市を占領し、中国との通商路を遮断した。今回の攻撃を受けて、今後も反撃を続ける」と宣言した。

◆2日、軍事政権スポークスマンのゾーミントゥンは、シャン州北部の3か所が失われたことを公式に認めた

◆3日ネピドーで、中国外交部部長助理・ミャンマー外務省国際組織・経済発展局長が共同議長、カンボジア、ラオス、タイ、ベトナムの高官が出席して瀾滄江―メコン川協力高官会議を開催。

◆シャン州コーカンの情報筋によると、ラオカイ市内に閉じ込められている富裕層は1人当たり約70万元(290万ミャンマーチャット)を支払って、軍事評議会がヘリコプターで搬送している。

◆ヤンゴン・ニュータイムズ・メディアによると、ネピドーの軍関係者は、シャン州北部の町や要塞が失われ続ける中、クーデター軍事政権指導者ミンアウンフラインが軍隊に非常事態を宣言し、兵站を要請したと述べた。 政府機関、補助部隊のメンバーは全員前線に出なければならない。

◆2日、ミャンマー最大の少数民族武装勢力(ワ州連合軍(UWSA) など)が「中立」を発表、北東部シャン州での戦闘巡り、国軍をけん制か。 TNLAは民主派の武装組織PDFと連携し、国軍の士官学校や技術学校などがある中部マンダレー地方域のピンウールウィンに迫っている。

◆ミャンマー軍との3日間にわたる戦闘の末、カウリンの政治犯が今日、同町の警察本部を占領したPDFたちによって釈放された! これはクーデター以来、この種の重要な出来事としては初めてとなる。

◆10月24日に刑務所への面会が再開されたにもかかわらず、アウンサンスーチー氏への面会は引き続き拒否されている。ネピドー刑務所に近い関係者は、「追放された最高指導者を含む国家レベルの高官は依然として面会を許可されていない」と語った。

◆8日、CRPH《2020年総選挙3周年にあたっての声明》発表。 私たちは、「1027作戦」を含む革命的政治勢力、そしてあらゆる民族の、国家(nation)のための偉大な貢献に感謝します。 私たちは、そのような団結によって私たちの目標が間もなく達成されることを確信しています。

◆8日に開かれた国防治安評議会会合でミンスエ臨時大統領がシャン州北部の戦闘で国家が分断される懸念を表明。シャン州北部では北部同盟(MNDAA, TNLA, AA)が1027作戦の下、街や軍基地を攻略。同時にカチン州やザガイン地域でもカチン独立軍KIA、アラカン軍AA、市民防衛隊が街や基地を攻略している。

◆9日付国営紙: 国防安全保障委員会。大統領代行、副大統領も参加させ形を整えた感じ。MNDAAの意図の説明。麻薬撲滅、警察の強化の必要性を主張。 麻薬撲滅に力を入れなかったのは2008年以降、タンシュエ、テインセイン、スーチー政権。ナルギス復興~経済発展に注力しすぎた結果。

MNDAA報道官は「我々は国の分裂を考えていない。我々の作戦目標は軍事独裁政権を排除し、新たな真の連邦国家を建設することだ」と述べた。

NUG国防大臣、「国内各地での軍事作戦は相互に連携していることに言及すべきだ」。

◆シャン州第1特別行政区人民政府からワ州人民政府への感謝状:「10.27軍事作戦」以来、コーカン地区の人々がワ州に避難した。ワ州人民政府が避難民の再定住地や医療を提供し、救助資金、水と電気を確保し、治安を維持するなど日々のニーズを満たす活動を行い、彼らが適切に収容されていることを感謝する。

◆NUG発行の「テロ軍団を根絶するための国債」は、今日の春の革命勝利の大きな力となった。購入者に敬意を表する。2023年12月1日に2年満期を迎える国債を購入したが引き換えの予定がない場合は、さらに国債を購入するか、NUGが売却している土地の購入・アパートや株式への転換を選択できる。

◆軍評議会はX(旧ツイッター)で、1027作戦の軍事攻撃に対抗する方法として、仏像にメドゥワダ、Mont lone yay baw、寒天菓子を寄付するよう軍事部隊に「緊急優先命令」を送った。 これは占星術師の占いに従ったヤダヤ(厄払い)による。軍事攻撃が彼らにどれほど心理的な影響を与えたかを示している。

経済ビジネス

◆ラカイン州北部で10月30日より軍が軍備増強を開始。シャン州北部でアラカン軍AAを含む北部同盟-軍間で戦闘が激化しており、ラカイン州でもAA-軍間の戦闘が開始する可能性は濃厚。サイクロンの被害を受けて間もない農民からは、戦闘の影響で稲の収穫ができなくなれば生活が立ち行かなくなると不安の声。

人道問題

◆シャン州北部で起きている大規模な戦闘により、ラショー、テインニー、クッカイ、ナムカン、チャウメー、ナウンチョー郡の住民約2万人が森や宗教施設、中国側への避難を余儀なくされている。避難民は食料や医薬品不足に苦しんでいるという。

◆NUGはシャン北部で3万2,000人以上の新規国内避難民を報告。

◆NUGによると、10月27日からのシャン州北部での空爆と砲撃により、子どもを含む民間人18人が死亡、44人が負傷した。

中国国境に一時的に避難している約5,000人の北チン州Chinshwehaw(ချင်းရွှေဟော်)出身の国内避難民は、水やその他の必需品の不足に直面している。 中国当局が、次のように扱っているからだ。・寄付と炊き出しの禁止、・食料、飲料水、携帯電話の没収。

ワ州連合軍UWSAが、北部3組織と軍との戦闘によりコーカン地域チンシュエホー市から中国メインテイン市に避難した住民約5千人の受け入れを開始。住民は中国政府からの携帯電話チェックや水・食料不足に苦しみ、UWSA実効支配地域のナムティッ市に移動し始めたが未だに2千人が中国側に取り残されている。

◆同胞同盟軍と軍事評議会軍が激戦を繰り広げている北シャン州のラオカイとChinshwehawの間にあるパ・シンチョー村近くで、ラオカイから避難してきた民間人約800人が閉じ込められている。(ビデオ有)

◆国連UNOCHAによれば、11月9日時点で北シャン州では約5万人が避難を強いられた。軍事政権軍の北東部司令部があるラシオ郡区外ではインターネットと電話が遮断され、人道的対応が妨げられた。また、11月初旬以降、隣接するザガイン地方域とカチン州で起きた衝突により、さらに4万人が避難民となった。

◆シャン州北部では避難者が急増して5万人を超えており、子どもたちは深刻な課題に直面している。多くの国内避難民サイトでは、避難の混乱の中で家族から引き離され、同伴者のいない子どもたちが報告されているが、他の多くのサイトではトラウマの兆候が見られる。

軍事政権による恣意的な逮捕、殺害、暴力

◆ラカイン州シットウェ市警察署は10月29日、タディンギュット祭りの写真を撮っていたDevelopment Media Group(DMG)の記者を逮捕し、31日、電気通信法第65条に基づき起訴した。

◆2日、軍事政権海軍は、タイとマレーシアに向かうラカイン州出身のロヒンギャ167人(女性87人、男性80人)を乗せたボート2隻を、エーヤワディ地方域沖で逮捕。6日当局は、バングラデシュの難民キャンプからマレーシアに向かうロヒンギャ男女21人を、ラカイン州Rathedaungで拘束。

◆3年間でNLD党員1290人逮捕、101人殺害される。

軍事政権による国民・財産への攻撃

◆10月18~30日にかけて、ザガイン地域ディペーイン郡を軍戦闘部隊が侵攻。移動ルート上の村の住民を恣意的に拘束、殺害。これまでに8人の住民が射殺や斬首などの形で殺害されおり、19人が拘束されている。60歳の男性を含む少なくとも5人は頭、足、手が切り落とされ、胴体を胸から恥骨まで切断されていた。

◆1日夜間、ザガイン地域イェーウー郡の伝統医療病院を占拠し拠点を構える軍部隊がディペーイン郡レッイェッコン村を重火器で攻撃。少なくとも19発の重砲が撃ち込まれ、うち2発が爆発。これにより住民2人が死亡。5歳の子供1人、10代の少年2人が負傷した。

◆3日、ザガイン地域コーリン郡で軍と地元住民による防衛隊との間で激しい戦闘が起き、軍が戦闘機で空爆を行ったことで少なくとも住民5人が死亡。電話や電気が遮断されているため正確な死傷者数は分かっていない。約1万人の住民が村に封じ込められたが防衛隊が救出。未だ1500人程度が取り残されている。

◆タニンダリー地域タニンダリー郡ボーディカン橋の軍検問所でベイッ市から米を運んで来た車両2台が軍により拘束。いずれも路線バスで1台につき米20袋が積載されていた。運転手は翌日解放かれたが米は没収された。軍は抵抗勢力への支援との主張の下、同郡内で9月より米の没収や金銭の要求を行っている。

平和的抗議・CDM

ヤンゴンの高速道路で抗議活動を行う人々。

全ビルマ学生連合(ABFDU)の学生らがヤンゴンのタケタ郡区で「ファシスト軍を殲滅せよ」と書かれた横断幕を掲げ、軍事独裁政権に対する抗議活動を行った。

◆林業省職員としてバゴー山脈で木材の運搬作業を行う象使いがCDMに参加するケースが増加。報復措置として軍は象のベースキャンプの放火や象の捕獲、象使いの拘束等を行っている。ナッタリン郡では象14頭と共に象使い50人超がCDMに参加し逮捕を免れるために山中に避難した。

武装抵抗・PDF・戦闘

◆31日、北部同盟を構成するタアン民族解放軍TNLA、ミャンマー民族民主同盟軍MNDAA、アラカン軍AAが「10月27日に開始した1027作戦により軍の拠点約80ヶ所及びチンシュエホー、パンサイ、テインニー市を制圧した」と発表。身の安全を保障するとの約束の下、軍の兵員に対し軍抵抗勢力への投降を呼びかけた。

◆1日、軍評議会が「北部兄弟同盟が展開する1027作戦により、シャン州北部のチンシュエホー、パウサイン、パンサイン(チューゴウッ)市が完全に制圧され統治不能となった」と発表。北部兄弟同盟を構成するミャンマー民族民主同盟軍MNDAAの報道官によれば、当該地域の統治体制の確立を急いでいるという。

◆1日、同胞同盟軍は北シャン州クンロン町で掃討作戦を実施し、2日には、サルウィン川に架かる中国の援助で造られたクンロン大橋の東岸を占領した。

◆1日、MNDAAは、中国との国境ゲートを実効支配し、詐欺グループに捕らえられていた中国人被害者を中国に送還した。

シャン州北東部ラウカイの町では、200人近くのタイ人を含む約500人の外国人が政権軍に拘束されており、軍事政権と民族同盟との間の戦闘が激化している。捕虜には189人のタイ人のほか、ネパール、エチオピア、ラオスなどの国民が含まれている。

全ビルマ学生民主戦線(ABSDF)の部隊は11月3日、1027作戦を支援するため、マグウェ地域ガンゴー周辺の3カ所の警察署を一斉に攻撃。6人を殺害し、11人を拘束した。また、ABSDFと連携する民主派の武装組織「国民防衛隊(PDF)」も同じタイミングで、隣接する地域の警察署を襲撃した。

ザガイン地方域Kyun Hla郡区で地元PDFは軍事政権の警察とピューソーティー基地を攻撃し、3日早朝に少なくとも10人の治安要員を殺害した直後、軍事政権Kanbalut榴弾砲基地から120mm砲弾13発以上発射、Mi-35攻撃ヘリコプターによる空爆、激しい衝突中に軍事政権の狙撃兵の攻撃によりPDFの8名が死亡。

Civilians Defense Security Organization Myaung PDFは、3日にザガイン地方域ミャウン郡区の警察署と管理事務所を襲撃、警察官19名・兵士2名が死亡と発表。襲撃はミャウン、ミンム、ミンジャン郡区に拠点を置くPDFが実行。 襲撃中にPDFメンバー数名が負傷。

◆4日、北シャン州コーカン自治区におけるMNDAAの戦いのニュース。 彼らはတုန်းရှမ်း (Tonshan)地区にある軍事評議会のさらに3つの基地を占領し、合計106の軍事政権前哨基地を占領した。

◆4日、反軍事政権武装組織​​ABSDFの攻撃を受け、約70人の軍事政権軍と警察がマグウェ地方域ガンゴー郡区の警察署から撤退した。 彼らは撤退後、ザガイン地方域カレーミョにある軍の地域作戦司令部に向かって移動しているようだ。

◆5日、PSLF/TNLA(ターアン民族解放軍)がシャン州北部ナムカム郡区のナムカム警察署と行政事務所を掌握した。ナムカムは戦略的に重要な町であり、中国と国境を接している。

◆ザガイン地域内の複数の軍事基地や警察署を市民側抵抗勢力が3日より同時に攻撃。3日間に及んだ攻撃の中でコーリン郡警察署を占拠し勾留されていた政治囚や一般市民を救出した。コーリン市内では今(5日)も銃撃戦が続いており路上には複数の遺体が確認されているという。多くの住民が市内に取り残されたまま。

◆カウリン郡区に誇らしげに翻る人民革命旗。PDFは6日、PDFと同盟軍がミャンマー軍から奪還したザガイン地方域の最初の県都であるカウリン町に初めて旗を掲げた。

◆6日、ザガイン地方域カウリン県の県都カウリン町は、PDFと第1軍区カウリン県司令部下の連合軍に占領された。史上初の県レベルの都市の占領である。 カウリン県警察署、総務局事務所、基礎教育高等学校、土地記帳農業局事務所、ミャンマー経済銀行等の主要目標は確保され、軍事政権の管理機構は停止した。

◆MNDAAによると、軍事政権は6日、北シャン州コーカン地区のMoneko郡区で夜間に激戦が行われている間、自軍の戦略的前哨基地に対する空爆が基地内の武器保管施設を直撃し、爆発により旅団長の大佐が死亡した。

◆激しい戦闘が続くシャン州北部の前線で兵員が不足しているため補充要員として召集されたバゴー地域パダウン郡に拠点を置く軍評議会の第92歩兵大隊の隊員のうち少なくとも少佐3人及び兵員2人が脱走した。各地で戦場に送られることを恐れて兵士が離脱するケースが相次いでいる。(ビデオあり)

◆「1027作戦」12日目の11月7日、MNDAAは北シャン州でコーカン戦線、Monekoe戦線、クッカイ戦線にあるミンアウンフライン軍の複数の軍事拠点を占領し、Monekoe‐中国・芒海国境ゲートの制圧権を取り戻した。

◆7日、カレンニー抵抗勢力が東部カヤー州メーサイ郡パンデイン村の軍及びその指揮下にある国境警備隊BGFの基地計3カ所を攻撃し攻略。カレンニー民族防衛隊KNDFによればシャン州北部で北部兄弟同盟が展開する1027作戦を応援するために開始した1107作戦の一環として実行されたもの。

◆反軍事政権軍がザガイン地方域カウリンの町を制圧した2日後の11月8日、約80マイル西のTigyaing全域でAA、PDF、地元の抵抗勢力と軍事政権軍とが衝突し、軍は5機のヘリコプターで空爆。町に残っていた軍部隊は警察署まで撤退し、警察署にコンクリートの要塞を設置した。

◆8日、シャン州ラシオ前線要塞に駐留していたミンアウンフライン軍第10野戦旅団第362機動大隊の兵士が軍から逃走し、武器を持ってTNLA軍に降伏した。

◆11日午前4時、カレンニー連合軍はカヤー州の州都ロイコー郡区でミンアウンフラインの軍隊に対する攻撃を開始した。地元住民によると、今朝早くロイコー町郊外にあるミンアウンフライン軍の複数の拠点から銃声が聞こえたという。

◆11日ミャンマー空軍の戦闘機がカレンニー州Hpruso郡区で墜落、軍事政権がパイロット2名を捜索している。

◆11日、カレンニー(KA)、カレンニー民族防衛隊(KNDF)、カレンニー民族人民解放戦線(KNPLF)、カヤー州デモソ、ロイコ等のPDF、南シャン州PDFとゲリラが共同で複数の都市への攻撃を開始した。 ミンアウンフライン軍の拠点7か所を占領し、戦闘機を撃墜、大量の軍事物資を押収することに成功した。

国際関係

◆2日、インドのマニプール州モーレー市でミャンマー人避難民10人が逮捕されインファー刑務所に収監された。1日に41人が逮捕されたばかり。ヘリポート建設予定地を視察中の警察高官が銃撃を受けて死亡した事件で使用された銃弾が中国製でミャンマーから持ち込まれた可能性が高いというのが避難民逮捕の口実。

◆「米シェブロン、ミャンマー撤退難航 保有資産の売却進まず」。 2022年1月に撤退を発表し、今年2月、カナダのMTIエナジーとヤダナ・ガス田権益41.1%売却合意を発表したが、いまだ履行されていない。

◆タイ警察、シャン州で足止めのタイ人162人を救出へ。

◆4日、カチン独立機構KIOの本拠地ライザーに軍が撃ち込んだ重砲15発のうち1発が中国側へ着弾。カチン独立軍KIAに近い情報筋によれば、これにより中国人女性1人が死亡、3人が負傷した。軍による重火器攻撃は現在も続いているという。

◆ロシアの対潜艦2隻とロシア太平洋艦隊の海軍兵員数百人が、初のロシア・ミャンマー合同海軍演習のためミャンマーに到着している。

◆日、中国政府は7ミャンマー軍事政権と交戦する民族武装集団が中国との国境に沿った同国北部の軍事政権前哨基地を制圧したあと、中国人の死傷者が出たことを確認した。

◆ミャンマーの北部集団と軍事評議会は、中国の要請に応じられるのか?  中国は、ミャンマー北部の戦争による中国人への被害を強く批判・反対し、戦争の即時停止を求める。

◆9日、中国外交部は在ミャンマー中国国籍者に対し、北部同盟3組織の展開する1027作戦の影響で戦闘が激化しているためシャン州北部地域に立ち入らないよう呼びかけた。この戦闘において、軍の放った重砲が中国領土内に着弾し、中国人1人が死亡する事件が起きている。

◆クーデター後、タイ・メーソットに避難した芸能人を含むミャンマー人が正規の在留資格ないため職に就くことができず、長期に渡り苦しい生活を強いられていることで精神的に追い詰められ自殺未遂をするケースが増加。民間団体Joy Houseでは心の傷を癒すためのアートセラピーセッションを実施している。

◆ミャンマー反政府武装勢力が「一帯一路」ルート上で国軍と衝突、中国に打撃。(ビデオあり)

◆英国政府が発行したミャンマーの渡航危険情報マップは、ビルマ軍が直面している危機について多くを語っている。 英国政府の「あらゆる旅行を控える勧告」地域と、日本外務省の注意喚起地域の違いは、進行している戦闘に対する認識の違いを反映しているのだろうか?

ベトナムのファム・トゥ・ハン外相は、ミャンマーとイスラエルに滞在するベトナム国民に対し、即時退去するよう呼び掛けた。

◆シャン州北部で起きている戦闘の影響で、コーカン自治区ラオカイ地区に取り残されたベトナム人労働者100人超が救助を求めてデモ行進を行った。オンライン詐欺関連の労働に強制的に従事させられていたが戦闘が始まると雇用主は逃走。残された労働者らは住居を失い食料も枯渇。困難に陥っているという。

1027作戦について

同胞同盟が発動した「1027作戦」に関連して、政治・軍事問題専門家Than Soe Naing氏の見解、NUG挙国一致政府第35回閣議でのドゥワルシーラ大統領代行発言を紹介します。
なお、NUG国防省は2023年8月、「すべての道はネピドーへ通じる」という軍事目標を持っていることが報道されています(「◆NUG国防省を含む軍事評議会を攻撃している勢力は、「すべての道はネピドーに通ず」という軍事目標を掲げて攻撃していると言われている。」)。

政治・軍事問題専門家Than Soe Naing氏への、People’s Spring のインタビュー(2023.11.8)

氏の主要なメッセージは:
「ザガインとマグウェの両方の地域の人々が武装して蜂起した場合、同時にKNUやKNPPのような南部からの軍隊もネピドーを包囲する可能性がある。
事態が達成されれば、軍事評議会の任期は終了し、ネピドーはNUGの指導の下で民族軍とPDFと統合され、春の革命の最終目標は達成されると信じている。」

以下、インタビューの要点を紹介します:
★北方三同胞グループが発動した「1027作戦」は北シャンで始まり、北シャンだけで起こったのではなく、春の革命(Spring Revolution)の象徴として、全国の他の場所に広がり、 都市占領戦が次々と起こった。
★10日間で4つの郡区と120以上の軍事基地を占領したが、重要なのは中国とミャンマーの2つの主要な貿易ルートだ。
★三同胞グループが正しく理解しているのは、彼らがこ「1027作戦」を継続する一方で、NUG主導の春の作戦との統合を決定したということだ。
★MNDAAは人民春報とのインタビューで、春の革命の勝利まで共に戦うと述べた。本当にザガインとマグウェを決起させることができれば、春の革命の勝利はほぼ確実となる。ヌンチョの戦いでは、マンダレーPDFが戦闘に参加しているので、ヌンチョからマンダレーに入るのが目前である。 だからこそマンダレーには脅威的な状況が存在している。 そうなると南部のKNU KNPP軍がネピドーを包囲して封鎖できる位置に達することになる。
★軍はNUGと三つ子が合体するのを阻止しようとしている感があるが、NUGと三同胞が団結して共闘できる状況になれば、春の革命は勝利する可能性があると私は見ている。
★中国が関与すると、状況は非常に複雑になる。 現在、米国と中国という二大国が覇権を争っていて、中国が参入すれば、米国や西欧軍がNUG側に加わる可能性がある。 そのような状況を避けるためにも、中国は世界の平和の構築者であるため、世界が認めていないビルマのような戦争に参加することを決断するつもりはない、これが中国の世界政策の根幹だと思う。

NUG挙国一致政府第35回閣議」でのドゥワルシーラ大統領代行発言(2023.11.7)

以下、発言の要点を紹介します・
★北部同盟による北シャン州での1027作戦はほぼ成功を収めている。
★1027作戦の前、我々はKIAと協力してカチン州のAungja基地で戦い勝利した。
★1027作戦は、マンダレーPDFの全面的な協力を得て遂行している。
★我々は共同作戦の利点をはっきりと認識した。
★第1軍区の指揮のもと、上ザガイン地方域のカウリン攻略戦を成功裡に遂行できた。
★我々が遅滞なく最大規模の都市占領作戦を開始できたのは、連合軍の指導力と革命軍の一致した参加によるものだ。
★特別な注意を払うことは、軍事評議会が傷つけば傷つくほど彼らが革命組織の本部を標的にして大規模な攻撃を開始することだ。

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