25/JUN-1/JUL/2023 #WhatsHappeningInMyanmar

2023年6月25日から7月1日までの1週間にミャンマーで起きたことです。

▼ヤンゴン国際空港で停電
▼NUG副人権大臣にロヒンギャ活動家
▼軍事評議会のプロパガンダ
▼高齢年金受給者への支給額が半分に
▼空爆・砲撃から守る避難壕
▼ザガイン地方域での軍の攻撃がつづく
▼タイ国境の国境警備隊が軍に反旗
▼軍の攻撃用ヘリコプターが撃墜される
▼インド首相と米大統領が情勢悪化に憂慮と声明
▼7月6日に日ASEAN特別法務大臣会合開催
▼東ティモールの新内閣就任式にNUG外相が出席
 ……

目   次

国内情勢

◆ミャンマー軍政、違法薬物の生産・密売急増認める。国際麻薬乱用・不正取引防止デー(International Day Against Drug Abuse and Illicit Trafficking)に合わせ、毎年恒例の押収違法薬物の焼却処分を行った。

◆在外公館でのミャンマー旅券の更新手続きに約半年を要する事態が起きている。昨年上旬までは2週間程で更新できていた。ただし手続き代行ブローカーに依頼すれば数日で更新できるという。マレーシアでは代行手数料として1500-2100リンギット(≒5〜6万円)が要求されるという。

◆29日午前4:30頃、モン州タトン郡とビーリン郡境に位置するヤンゴンーミャワディ道路上に架かるチョンエイッ橋が何者かにより爆破された。車両3台が巻き込まれたが怪我人は出ていない。軍の侵攻、食料や兵員輸送の主要ルート上に位置する橋だという。

◆29日、ザガイン地域キンウー郡タイェッコン村のモスクでイスラム教徒住民により、イードアルアドハー(犠牲祭)の礼拝と寄付が行われた。このモスクは2022年に軍による焼き討ちで破壊された後、修復が進んでいなかった。さらに今年5月、サイクロン・モカに見舞われ、屋根が剥がれた状態のままだという。

NUG第21回閣議開催。ドゥワラシラ大統領代行は、連邦民主連合の基礎を築くために、抵抗勢力は民族との信頼を築かなければならない、と述べた。

◆ヤンゴン市内で電力事情が再び悪化。雨期に入り比較的輪番停電が安定していたが、6月になって停電が増加。7月1日、飛行機の離発着のある夜の時間帯にヤンゴン国際空港で停電が発生。入国審査等の手続きが携帯電話のライトを頼りに行われる事態に。タケタ郡区では午後6時〜午前0時まで停電することも。

◆NUGは、ロヒンギャ活動家のアウンチョーモー氏を副人権大臣に任命した。 同氏はフェイスブックに「国と国民のためにさらに働く機会を得たことを誇りに思う」と投稿した。

◆Generation Waveの5月の報告書によると、軍事評議会は軍隊から脱走する兵士の数を減らすことを目的としたプロパガンダを組織的に実施している。 また、軍事評議会とその支持者が5月にFB上で行ったプロパガンダの42%は人々の逮捕を扇動するものだった。

◆北部3同盟は共同声明を発表し、戦争犯罪を行っている軍事評議会を攻撃する革命グループに積極的に協力するよう国民全体に呼びかけた。

経済ビジネス

◆米国の経済封鎖による金価格とドル価格の上昇について語るトレーダーや軍評議員。ブローカーや起業家が脅迫され逮捕され、多くが逃亡している。

◆軍事政権は、高齢年金受給者への支払いを大幅に削減。 2022-2023会計年度まで年間12万チャットが支払われたが、7月から以前の半分に大幅に減額される。この動きは、政権が年金受給者支払いシステムの資金を、抵抗勢力に対する戦争に流用することを目的としている。https://qr.paps.jp/AmPf

◆農村等で小規模ローンの提供を行うPact Global Microfinance Fund (PGMF)は、6月30日までに軍評議会傘下の小規模工業局への登録のし直しと5年分の税金の支払いを行うよう求められたが軍の指揮下で活動を継続することを拒否。4千件超の案件の停止と撤退を決定。利用者に対し元本と利息の返済は求めない。

◆軍事クーデターはミャンマー経済に深刻なダメージを与えており、世界銀行は少なくとも2027年までは経済は回復しないだろうとしている。

◆ミャンマーでは、仏像の装飾や美容、伝統薬に使用される金箔は、伝統的な製法により工房で作られているが、近年、中国から安価な機械製造の金箔が大量輸入されるようになり、国内伝統金箔製造業を圧迫。生産量が半減したという。(動画あり)

人道問題

◆25日、カヤー州南部のパサウン地区で、複数の戦闘機が複数回飛来し、避難中の民間人4人が死亡した。カヤー州南部では現在、過去5日間に6,000人以上が連日の襲撃から身を隠している。襲撃が起きたとき、私たちのFBRチームは村の近くでGood Life Club(GLC)を行っていた。私たちの戦闘員は、助けに応え、祈り、状況を報告するために行動した。[動画あり。後半の閲覧注意] (Free Burma Rangers, 2023年6月27日 9:37)

◆7月1日、ミャンマー各地でテロ軍が連日空爆を行っている。公立学校や諸学校がある地域で、空爆や重火器による砲撃の危険を防ぐために、「CDMの志をもって、銃弾に囲まれた子供たちを助ける(CDM များ စေတနာအားနဲ့အတူ၊ ဗုံးကျည်ဆံကြားက ကလေးငယ်များကို ဝိုင်းလို့ကူ)」プログラムで資金が集められ、避難壕が掘られている。現状では民間人が居住する地域はいつでも空爆される可能性があり、民間人(特に戦争から逃れてきた人々)のための一時的な避難場所になっている。6月中に、ザガイン地方域では836、マグウェ地方域とタニンダーリ地方域で339、合計1,175の避難壕が掘られた。(National Unity Government of Myanmar, 2023年7月2日 0:58)

軍事政権による恣意的な逮捕、殺害、暴力

◆1976年6月26日、軍事独裁者によってインセイン刑務所で絞首刑に処せられたヤンゴン大学学生サライティンマウンウー (Salai Tin Maung Oo; 1959年生れ) の最後の言葉は “I will never kneel down to your military boots!.” (Tayzar San, 2023年6月26日 20:12)

◆クーデター発生当日に拘束され、オーボー刑務所に収監されていたウートービタ僧正が刑期満了を迎えた20日になっても解放されず、消息を絶っている。同僧正は、法の支配の実現や国民の権利の保護を目指す活動家。クーデター後、電子通信法第66条(d)や刑法第505条(a)違反で有罪判決を受けていた。

◆28日、ダゴン大学学生組合幹部のMa Wut Yee Aung氏は、2022年3月に扇動容疑で言い渡された懲役3年に加えて、さらに懲役4年の判決を受けた。彼女は刑務所内で健康状態が悪いと言っている。

軍事政権による国民・財産への攻撃

◆25日、ザガイン地域ザガイン郡の5村に、マンダレー地域ンガーズン郡方面からエーヤーワディ川を船舶で航行して来た軍部隊が侵入。小銃火器で5村を同時に攻撃。これにより村の住民18人が死亡。レーペードー村の住宅100棟超が放火され全焼。

◆27日、ザガイン地域ウェッレッ郡ンガーパンチャウン村に兵員70人程度で構成される軍部隊が侵入し、焼き討ちを行い、住宅100棟超が全焼。同村付近で軍と国民防衛隊PDFとの間で戦闘が起きた後、ダラン(密告者)が同村内にPDF隊員が潜伏していると軍に情報提供したことで今回の襲撃が行われたという。

◆27日、ザガイン地域パレー郡ニャウンゴン村とバダウッコン村を軍が空爆。これにより僧侶1人を含む住民12人が死亡。6人が重傷。ニャウンゴン村の僧院に500ポンドの爆弾3発が落下し、僧院に加え周辺の住宅13棟も破壊されたという。戦闘は起きていなかった。 空爆に使用されたのはロシア製航空機Yak-130。

◆28日午前8:15頃、ザガイン地域カンバルー郡ピンター村を、チュンフラ市から移動して来た兵員150人程度の軍部隊が襲撃。5回目の焼き討ちを行った。同村は住宅総数は635棟の比較的規模の大きな村で、4回目までの焼き討ちで150棟が全焼していた。

◆29日、軍事政権はヤンゴン地方域Thingangyun郡区のイスラム教徒区でイード・アル=アドハー(犠牲祭)の祝典を襲撃し、牛22頭とヤギ100頭を没収した。信者たちは逮捕を避けるために解散した。NUGドゥワラシラ大統領代行は同日、犠牲祭の健康、喜び、安全を願う声明を発表した。

◆6/26〜7/1にかけて、南東部タニンダリー地域タニンダリー郡パワ村落区とターヤポン村落区に、軍の第306大砲部隊と第556歩兵大隊が銃砲を撃ち込んだ。これにより、住民約1000人が村外に避難。30日にはバンラムッ村付近で軍とPDFとの間で戦闘が発生し、軍が村の住宅2軒を焼き払った。

◆カレー郡において、6月中に重火器で6人が死亡、内3人は10歳未満。山岳地帯のチン州とマグウェ管区への移動交通の拠点であるカレー郡は、軍事クーデター後最も早く武力抵抗を始めた郡で、防衛隊が強い統治力を持っている地域である。

◆7月1日、ザガイン地域インドー郡ナバー村に、侵攻のために移動中の200人程の軍部隊が侵入。市民的不服従運動(CDM)に参加せず職務を継続していたナバー村高等学校学校長とナーヤカウン村の住民3人を荷物運搬のために徴用するべく拘束。学校長は軍統制下の教育局の保証で解放されたが3人は拘束されたまま。

平和的抗議・CDM

◆6月19日、軍評議会の軍隊は目にした全ての、花を買う人や花を髪に挿している人、花束を持っている人たちを捜査、逮捕し、全国で150人以上が逮捕された。 フラワーストライキに参加した疑いでコーカレイの住民15名ほどが逮捕・拘束。

◆エーヤーワディー地域ヒンダダ郡でCDMに参加していた学校教員1人及びNLD党員1人を含む市民計9人が20日〜21日にかけて軍と警察により拘束された。19日のアウンサンスーチー氏の誕生日を記念して行われたフラワーストライキへの参加をSNS上で呼びかける活動を行った男性も拘束され殴打された。

◆25日、ヤンゴンで全ビルマ学生連盟は、”We have nothing to lose but our chains.”というスローガンの下、軍事独裁への反対運動を行った。(All Burma Federation of Student Unions, 2023年6月25日 21:28)

武装抵抗・PDF・戦闘

◆25日早朝ザガイン地方域でザガイン郡区にあるKintaw村近くのPDFベースキャンプが数十人の重武装した軍事政権軍によって襲撃・攻撃され同志12名が死亡、すべての武器を押収され、基地を失った。 軍はPDF基地の正確な位置を知っていた。https://qr.paps.jp/NcOTJ

◆タイ国境のカヤー(カレンニー)州メーセの基地に拠点を置く兵員100人程度で構成される第430軽歩兵大隊の隊員全員がカレンニー抵抗勢力に対し完全降伏。大隊長の中佐及び副大隊長の少佐も含まれるという。公式発表はなされていない。降伏した兵員らの衣食住は当面抵抗勢力が世話をするという。

◆カレンニ民族人民解放戦線は今週初め、カレンニ州の抵抗勢力に寝返った。 2021年のクーデター以来、国境警備隊が政権を放棄するのは初めてのケースとなる。

◆30日、政権メディアは、軍がカヤー州Mese郡区で失った2つの国境前哨基地 (17日にPantainの前哨基地、27日にSukpaingの前哨基地) を奪還した、と報じた。また、ビルマ軍は戦闘中に非公開の死傷者を出し、Mese郡区に拠点を置く国境警備隊カレンニ民族人民解放戦線 (KNPLF) が抵抗に参加したことを認めた。

◆30日、カヤー州ボーラケー県ユワティッ市のBGF第1006大隊基地付近で、カレンニー民族合同国民解放戦線KNPLFが軍の飛行機を地上から撃墜。KNPLFによれば地対空ミサイルは装備しておらず低空飛行のタイミングで地対地兵器を使用。同組織はNUGとの協調路線を公言している元BGF。

国際関係

◆モディ印首相と米大統領が25日にホワイトハウスで会談。ミャンマー情勢に関する共同声明を発表。情勢悪化を憂慮と表明。違法に拘束されている市民の即時解放を求め,全ての当事者が参加する連邦制への転換を促した。軍評議会はこれに対し違法な拘束はないと反発。開かれた選挙実施の計画をアピール。

◆タイ・バンコク市のクロントーイ市場でミャンマー人労働者が軍への抵抗資金を調達するための募金活動を行っている。(動画あり) この市場は24時間営業の生鮮食品を扱う巨大市場で店舗経営者も利用客にもミャンマー人が多いという。

◆「ASEAN友好50年で多国間会議 日本政府は軍政下のミャンマー「閣僚」も招待するの?」法務省担当者によると、7月6日に東京都内で開かれる「日ASEAN特別法務大臣会合」へ、ASEAN 10カ国中7カ国については閣僚級の参加が確定。ミャンマーを含む3カ国は「調整中」という。

◆7月1日、ASEANの11カ国目の加盟国の東ティモールの新内閣就任式にミャンマー代表として(NUGのズィンマーアウン外相が出席。式中の宣誓の際、ラモス・ホルタ大統領は、来賓としてNUG外相の名を読み上げ、謝辞を述べた。

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