2-8/JUL/2023 #WhatsHappeningInMyanmar

2023年7月2日から7月8日までの1週間にミャンマーで起きたことです。

▼東京で開催された日・ASEANおよびASEAN-G7法務大臣会議に軍事政権代表は出席できなかった
▼「兄弟同盟」を結ぶ3つの少数民族武装組織が中国投資パイプラインの保護を宣言
▼兵力補充に悩む軍はSNSに嘘の広告を出して若者を徴兵
▼カレン民族同盟(KNU)議長があらゆる民族・組織とともに軍に立ち向かうと宣言
▼軍は情報漏洩の疑いでミャンマー石油ガス公社 (MOGE) を捜索し、幹部職員らを逮捕
▼軍は不正操作を行い金や米ドルを高騰させた容疑で、商人、ブローカー、経営者ら約100人を逮捕
▼最高裁判所はアウンサンスーチー氏ー氏の容疑に関して審問予定
▼軍はカヤー州、ザガイン地方域、バゴー地方域の各地で空爆や重砲での攻撃、村民の暴行・殺害、放火、略奪を行い、多数が避難
▼ヤンゴンで都市ゲリラが軍基地・政府機関6カ所を同時爆弾攻撃
▼ザガイン地方域での戦闘で市民勢力側が軍をドローン攻撃

目   次

国内情勢

◆1日、「兄弟同盟」を結ぶアラカン軍(AA)、ミャンマー民族民主同盟軍(MNDAA)、タアン民族解放軍(TNLA)の3勢力は、中国投資パイプラインの保護を宣言した。

◆4日NUGは、4月13日にチン州でミャンマー軍の装甲車両2台を破壊したChin National Army (チン民族軍) とChinland Defense Forces (チンランド防衛部隊) の隊員に4億チャット (13万米ドル) を授与した。

◆ヤンゴンやマンダレーでの仕事がある、月給20万チャットといった好条件のフェイスブック求人広告に応募したところ、軍隊に強制的に入れられるという事例が報告されている。軍はあらゆる種類の嘘の方法を使って新兵を募集している。

◆5日に開かれたカレン民族解放軍KNLA創設74周年記念式典でソー・クェトゥーウィン・カレン民族同盟KNU議長が、国民を敵とみなし、村に重砲を撃ち込み、病院、学校、教会を空爆する軍に抵抗するあらゆる民族、組織と手を携えて軍に立ち向かうと宣言し、カレン民族抵抗勢力の立場をあらためて明確にした。

◆モン州モーラミャイン市内に刑務所の新規建設が進められている。 モン州内にはすでに刑務所が2ヶ所、拘置所が1ヶ所、労働キャンプが7ヶ所あり、新規建設は市民の軍への抵抗に対する威嚇だと抵抗勢力は見ている。

◆軍当局は6日朝、ミャンマー石油ガス公社 (MOGE) を強制捜査し、企画部および財務部の副部長ら十数名の職員を逮捕した。数日前にMyanmar Nowは、「ミャンマー中央銀行に対して新しい外貨口座を登録するよう求める軍事政権の要請文書」を、リークした。この要請は、2月にEUがMOGEに発動した制裁を回避する目的だった。

◆7日は、独裁者ネウィンの兵士たちがヤンゴン大学キャンパスに侵入し、大学生にマシンガンを使用した1962年7月7日から61周年の記念日。(Tayzar San, 2023年7月7日 13:09)

経済ビジネス

◆金の価格や米ドル為替相場の高騰を受け、軍は、不正操作を行ったとして商人、ブローカー、経営者ら約100人を逮捕。実際には軍統制下にあるMFTB等の銀行に対するアメリカによる制裁が直接のきっかけであるが、民間業者に責任があるなどとして軍は訴追の構えを見せているという。

◆米や欧州各国によるミャンマー軍に対する制裁措置の発動を受けシンガポールUOB銀行がミャンマー航空MAIの銀行口座を8月15日に閉鎖する旨を各関連企業に通知した。閉鎖しないよう求めるMAIの嘆願も却下された。MAIはシンガポールDBS、タイKasikorn、ドバイEmirates NDB銀行に新規口座開設を試みている。

人道問題

◆4日午前2時から4時にかけてカヤー州ディモーソーの戦災避難民キャンプの学校を、軍が戦闘機を使用して3度にわたり空爆。500ポンド爆弾2発、100ポンド爆弾2発を投下。 これにより2歳10カ月の子どもとその両親が負傷した。

◆バングラデシュにあるコックスバザールのロヒンギャキャンプはデング熱患者のホットスポットとなっている。ロヒンギャたちは飲料水の供給源が限られているため密集して居住し、トイレは汚れ、また水を集めておく開いた容器は、蚊の格好の繁殖地になっている。

◆サイクロン被害のミャンマー、被災地支援が難航 国連が国軍非難。

軍事政権による恣意的な逮捕、殺害、暴力

◆匿名の情報筋によると、最高裁判所は5日、アウンサンスーチー氏ー氏に対する選挙不正および公務秘密法違反容疑に関する審問を行う。12日に汚職容疑、18日に残りの容疑に関する審問が行われる予定である。

◆政治囚支援者の情報によれば、バゴー地域ダイウー刑務所に収監されていたバゴー県学生連盟副議長ら政治囚6人が別の刑務所に移送するとして護送車で移動途中に路上で射殺された。7日家族の元に刑務所から車両が横転した際に脱走を防ぐために威嚇射撃したが過失により死亡させたと釈明する文書が届いた。

軍事政権による国民・財産への攻撃

◆カレン民族同盟KNUの発表によれば、KNU第3旅団の影響下にあるバゴー地域ニャウンレービン県チャウッチー郡のイェードゥインゴンジー村等の農村に対し、1日〜5日までの間に軍が行った重火器攻撃により住民2人が死亡、6人が負傷、5千人超が避難。また48人が軍により拘束された。

◆4日と5日に、ザガイン地域カンバルー郡インマ村、ミターリンゴン村に軍戦闘部隊が侵入。同村に避難していた避難民60人を拘束。うち女性7人は解放された。拘束されたままの男性のうち5人が暴力を伴う尋問を受け、うち1人が死亡したとの情報もある。仮設小屋付近で農作業をしていて拘束された避難民も。

◆カヤー州フルーソー郡西部の村を軍が航空機で爆撃。住宅1棟が全焼。周辺で戦闘は起きていなかった。負傷者の有無は不明。

◆7日、ザガイン地域キンウー郡ミャカン村で軍が住民2人を拘束。うち1人が焼死体で発見。同村は軍側民兵ピューソーティーが拠点を構えるユワティッコン村南東部に位置し、7日朝ピューソーティーに住宅2棟が焼かれている。 同郡内では連日戦闘や軍による重火器攻撃が続いている。

◆ザガイン地方域Khin-U (キンウー) 郡区の村々では、何千人もの住民が軍事政権軍とピューソーティーによる暴力から避難を強いられている。Khin-Uメディアは、7日朝、軍隊が20軒以上の家を放火し、食料を略奪したと報じた。

◆7日、ザガイン地域ミンムー郡ゴンフニンセイッ村に軍部隊が侵入し焼き討ち。僧院や学校に加え、住宅180棟超が全焼した。

平和的抗議・CDM

◆ザガイン地方域モンユワの目抜き通りを、女性のデモ隊列がファシスト軍事革命に抗議して行進した。

武装抵抗・PDF・戦闘

◆4日夜ヤンゴンで、軍事政権の基地と政権支配下の政府機関6カ所を狙った同時爆発が発生し、Freeland Attack Force他の4つの抵抗グループが作戦の実行を認めた。同グループによれば、4つの郡区にある、警察署、軍事政権が運営する裁判所、事務所、軍事検問所を含む6つの政権目標を12発の爆弾で攻撃した。

◆ザガイン地域ミンムー郡ナベーチュー村に侵入して荒らした後、マジーカン村に移動した軍部隊と地元市民勢力Federal Wingsとの間で6日、戦闘が発生。市民勢力側がドローンを使用して4kgドローン爆弾を投下。これにより軍兵士3人が死亡。同軍部隊は5日ザガイン郡内の農村で市民戦闘員3人を殺害している。

◆動画:Armed Revolutionary Force (ARF) と別の抵抗勢力が5日、ザガイン地方域Kantbalu郡区Zee Gone町の警察署を奇襲攻撃したと発表した。警察官1名が死亡した。

◆軍事政権は、カチン州 Myitkyina市と、カチン独立機構/軍 (KIO/A) 本部があるLaiza市との間に相当数の軍隊を集結させていると伝えられている。Laiza市はMyitkyina市から約100km離れた、中国との国境地域にある。この地域の軍備増強はKIOの本拠地に対する攻撃の準備であると考えられている。(Chindwin News Agency, 2023年7月6日 22:18)

◆NUG傘下の国民防衛隊のドローン部隊であるFederal Wingsは最近、新しいタイプの先進的ドローンを発表した。(Chindwin News Agency, 2023年7月7日 22:27)

国際関係

◆法務省発表によると、6日開催「日ASEAN特別法務大臣会合」の参加国は、ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム、ASEAN事務局で、懸念されたミャンマー軍事政権は不在。(https://moj.go.jp/kokusai/kokusai08_00032.html…)

◆ミャンマー軍事グループの代表は、7日に閉幕した2日間の日・ASEAN法務大臣特別会議(AJSMJ)およびASEAN-G7法務大臣会議に正式に出席することを許可されなかったと報じられている。会合初日を終えて、ミャンマー軍事組織の代表が座るはずだった場所には誰もいなかった。 日本の新聞は、テーブルの上にミャンマー国旗がなかったと報じた。(Khit Thit Media, 2023年7月8日 12:32)

◆タイ南部のパンガー県カオラックビーチ近くに教育開発基金FEDが開設したミャンマー人移動労働者の子女を対象とする学校に通う生徒の数が、クーデター前の2倍にあたる650人に増加。教員の確保やスクールバスの運行に工夫を要する状況に。

◆7日早朝バングラディシュのUkhiyaキャンプで、アラカン・ロヒンギャ救世軍 (ARSA) とロヒンギャ連帯組織 (RSO) との間に激しい銃撃戦が勃発し、ARSAの5人が死亡。キャンプの支配権を巡り衝突が起きたと見られている。 事件後、キャンプ周辺では緊迫した状況が広がっている。

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