9-15/JUL/2023 #WhatsHappeningInMyanmar

2023年7月9日から7月15日までの1週間にミャンマーで起きたことです。

▼ASEAN外相会議が開かれ、ミャンマー問題での成果はありませんでした。しかし、タイ外相が会議前にミンアウンフラインと会談し、さらにアウンサンスーチー氏と刑務所内で面会したというニュースをめぐって、さまざまな憶測、見解が出されています。

▼クーデター後に拘束された政治囚のうち1,284人が勾留中・刑務所収監中に絶命したと報告されています。最近も、別の刑務所に移送中の政治囚37人が消息を断ち、うち数名が射殺されたことが明らかになりました。

ザガイン地方域、マグウェ地方域の村々へ軍事政権軍部隊が侵入し、住民殺害、放火、略奪を続けています。

▼軍最高司令官は、抵抗勢力によって大きな損害を喫したザガイン地方域、チン州、カヤー州で、これら勢力の拠点に対する強力な攻撃計画を発表しました。

▼軍事政権軍は、中国との国境に近いカチン州ライザにあるKIO本部付近で砲撃や空爆を行い、付近では激しい戦闘が起きています。

▼KNUの下で戦う抵抗勢力連合が、カレン州ミャワディ郡区にある軍事政権基地を制圧しました。

▼PDF部隊による軍事政権軍へのドローン攻撃が成果をあげています。

▼米国、EUの新たな制裁の効果が、ミャンマー経済に影響を及ぼしています。ミャンマー国際航空のシンガポール銀行口座が閉鎖されようとしており、為替取引業者10社のライセンスが取り消されています。

目   次

国内情勢

◆13日、ミンアウンフラインは、ザガイン地方域、チン州、カレンニー州(カヤー州)の抵抗勢力拠点に対するより強力な攻撃計画を発表。 軍事政権軍は、カレンニー州ではタイと国境を接するメセ郡の前哨基地の放棄を余儀なくされ、ザガイン地方域とチン州でも大きな損失を被った。

経済ビジネス

◆輸出代金の銀行への入金を、7日以内から15日以内に延長。

◆シンガポールの金融大手ユナイテッド・オーバーシーズ銀行(UOB)は、ミャンマー国際航空(MAI)に属する口座を8月中旬までに閉鎖する手続きを進めていることが、航空会社から流出した文書で明らかになった。

◆(画像) ミャンマーの伝統的な金箔産業は中国からの輸入によって脅かされている。金箔は、彫像、塔、神聖な衣服に施すために使用される。

◆ミャンマーの軍事政権は最近、国営メディアを通じて、10件の外国為替業者のライセンスを取り消したと発表した。https://twitter.com/TheChindwin/status/1679815538560868352?s=20

◆複合施設ゴールデンシティーを運営するエマージング・タウンズ&シティーズ・シンガポール社は、同施設の開発企業の親会社である全額出資の子会社DAS株を売却すると発表した。人権団体は、DAS株を購入する企業は、同施設の用地を保有する国軍に関与することになると警告している。

◆ヤンゴン電力供給公社(YESC)は、ヤンゴン市で8月末までに滞納電気料金を完済しない顧客は9月に電力供給を停止すると顧客に警告した。雇用の不足と経済的・政治的危機が続く中、何百、何千もの家庭が電気代の支払いに苦労している。

人道問題

◆戦闘が激化しているカヤー州ボーラケー郡の市民約2千人が新たにメーセ郡チャウッス村付近の森の中に避難し木の下等で寝泊まりしている。マラリアの流行地域であるため蚊帳や蚊取線香が緊急に必要とされている。雨期であるため雨よけシートも必要だが、この地域には寄付者がおらず物資の調達が困難。

◆(動画)カチン州ワインモー郡のカチン独立軍KIA司令本部近くのナムサンヤン村付近で軍とKIAとの間で戦闘が激化。住民1千人余りが避難。残された高齢者は、周囲に誰もいなくなり食料が不足すると語る。「暮らしがめちゃくちゃになった。一刻も早く和解して欲しい」と心情を吐露する女性も。

軍事政権による恣意的な逮捕、殺害、暴力

◆7月1日付政治囚支援協会AAPPの発表によれば、クーデター後に拘束された政治囚のうち1284人が勾留中・刑務所収監中に絶命。6月27日にはバゴー地域ダイウーの刑務所から別の刑務所へ移送途中の政治囚37人が消息を断ち、うち数名が射殺されたことが明らかに。PDFとの繋がりを疑われたケースが多いという。

◆ミャンマー政治犯ネットワークによると、バゴー地方域Daik-U郡区にあるKyaiksakaw刑務所から別の刑務所へ移送された後、7人の政治犯が死亡したと報じられている。

◆マンダレーMyingyan刑務所の職員8人がここ数日、政治囚が携帯電話で外部と連絡することを許可した容疑で拘留され、バゴー Daik-U刑務所職員が尋問中に死亡した(情報筋)。

◆有名なボクサーToo Tooはマグウェ地方域Minbu県で4月11日に軍事政権に逮捕された後、残忍な拷問を受け、4月26日に殺害された。 2か月後の7月11日、警察が、息子の死を知っていたと認める紙に署名するよう父親に強制した。 2番目に強いボクサーが殺害されたのは、軍事政権の側に立たなかったからだ。

◆4月11日の空爆と機銃掃射で170人が亡くなったパジジー村の人たちを哀悼する投稿をSNSで行い、逮捕されたジャーナリスト、ウー・チョーミンスウェが釈放される。

軍事政権による国民・財産への攻撃

◆11日午前6時頃、ザガイン地域アヤードー郡マレーター村、カンイン村、ニャウンビン村に軍戦闘部隊が侵入して焼き討ち。この部隊はウェッレッ郡タマヨー村付近でも市場商人7人を殺害していた。

◆12日、マグェー地域パランオーサンビャ村に軍部隊が侵入。略奪と焼き討ちを行い、住宅約30棟が全焼した。

◆14日、マグェー地域ソー郡インゲー村を軍部隊が重火器や焼夷弾で攻撃。これにより12歳の少年が死亡。また軍による焼き討ちで住宅300棟超が全焼。同日午前11時頃、地元防衛隊がチン州カンペレッ郡へと食糧を輸送していた同軍部隊の車列を同村付近で待ち伏せ攻撃。これに対する報復として行われたもの。

◆15日午前0時15分頃、ザガイン地域ウェッレッ郡シェインマカー村に軍と警察の合同部隊が機関銃を放ちながら侵入。村内の市場と住宅に火をつけたことで、店舗と住宅計20棟が焼失。村を襲撃した兵士と警察官約30人は、シェインマカー警察署に駐留しているという。

武装抵抗・PDF・戦闘

◆北部カチン州ワインモー郡ナムサンヤン村付近で軍とカチン独立軍KIAとの間での戦闘が激化している。8日午後8時頃には同村近くを軍がヘリコプターで空爆。また、同村から6マイルの距離に位置するKIAの本拠地のあるライザーに向けて重砲を撃ち込んでいるという。KIA側も軍基地を制圧する等攻撃している。

◆9日、軍事政権軍はカチン州LaizaにあるKIO/KIA本部付近で砲弾を発射した。戦いは先週始まった。 空爆が報告されている。 9日、Tanai郡区の少なくとも5人の住民が、KIAに情報を提供した容疑で軍に拘束された。8日には、Tanai郡区付近で親軍民兵指導者の弟が殺害された。

◆民族武装組織関係者によると、カレン民族同盟(KNU)の下で戦う抵抗勢力連合が9日夜、カレン州ミャワディ郡区にある軍事政権基地を制圧した。軍事基地はMitta Lin Myaingの西、軍事政権同盟の国境警備隊が支配する地域のミャワディ町とレイケイコー町の間に位置している。

◆最近、Loikaw-PDFとその部隊Falcon Wingsはカヤー州にある軍事政権の軍事前哨基地に対して、60mm手榴弾を投下する最先端のドローンを使って攻撃し、軍事政権兵士数名を死亡させ、キャンプ内にある弾薬庫を破壊した。 この攻撃は、PDFの新しい技術と武器の大幅な発展を示している。(Video有/Loikaw-PDF)

◆カレンニ―武装グループは、軍事政権治安部隊との激しい戦闘の末、カヤー州Loikaw-Hsihseng道路沿いにある軍事政権警察の前哨基地を制圧した。 第一報によると、この攻撃には、KNDF、Loikaw-PDF、カレンニ―軍などが関与している。 現時点でカレンニ―武装グループは死傷者や武器の数を公表していない。

◆バゴー地域ピュー郡シッタウン川にかかるオウッピャッ橋上の軍検問所をカレン民族解放軍KNLAが10日、スナイパーで襲撃し軍兵士2人が死亡。更にドローンで60mm爆弾を投下したことで軍兵士2人が死亡。KNLAとヨーマ第2部隊の合同部隊は8日にもオウッピャッ警察署をドローン爆弾で攻撃。軍兵士6人が死亡。

◆カレン民族同盟KNUの7つの旅団の影響下にある東部カレン州を中心とする地域一帯で、クーデター後にKNLA-KNDOの合同部隊と軍との間に起きた戦闘の数は、2500回を超えており、避難民の60万人にのぼる。2022年12月の時点では36万人だったが、連日戦闘が起きており増加の一途を辿っている。

国際関係

◆7日、ASEAN外相会議に出席すると発表したブリンケン米国務長官は、ミャンマーがジャカルタで話し合う「重要な議題の一つ」になるとし、ミャンマーにおける暴力を止め、民主主義を復活させるためにASEAN諸国が軍事政権に対して引き続き圧力を強めることを望むと説明。

◆ロシアは、ミャンマー軍が自国内の戦闘に使用するための最新のジェット戦闘機を供給し、パイロットを訓練している。

◆9日午前中にタイ・ポラマットウィナイ外相が特別機でネーピードーを訪問。ミンアウンフライン軍司令、軍評議会外相をはじめ関係者と秘密裏に面談し、午後1:30に帰路に向かった。公式発表はなし。タイは間もなく新政権が発足するため同外相が外相として訪緬するのはこれが最後になる見通し。

◆10日、国民統一政府NUGは東ティモールとの間で政治的合意の形成に成功したと発表。詳細は明かしていない。1日、NUG外相ジンマーアウン氏が東ティモールのホルタ大統領からの招待で新内閣就任式に出席した際に協議が行われた。軍は5日、この東ティモールの行為を非難。在緬大使館の臨時責任者をネーピードに呼び出し警告。

◆ドーン・タイ外相が、9日にネーピードーを非公式訪問した際に、アウンサンスーチー氏と面談したことを11日にインドネシアで開幕したASEAN外相会議で公表。12日の会議でアウンサンスーチー氏から託されたメッセージを読み上げる可能性があるものと見られている。

◆タイ外相は、情勢打開に向け「前提条件のない対話を支持する」とのASEANへのスーチー氏のメッセージも伝達。

◆NUGのスポークスマンとして外務副大臣は、報道されているタイ外相とアウンサンスーチー氏とのの会談を軍事政権の「策略」として一蹴し、タイの外相がスーチー氏から受け取ったとされるいかなるメッセージも「大きな疑いを持って」見るべきだと述べた。

◆ネピドーの軍関係者は、タイ外相とアウンサンスーチー氏の会談に関する情報は確認できなかったと述べた。

◆Khaldon Azhari氏と彼が設立した「Pan Orient News」は、タイ相がアウンサンスーチー氏と面会したという速報を流した。自称ジャーナリストの彼のコンテンツの信頼性には十分な注意を払うべきで、それをシェアしたりリツイートしたりするべきではない。

◆軍事政権報道官は、9日にタイ外相がネピドーを訪問し、獄中のアウンサンスーチー氏と1時間以上会談したことを認めた。 NUG広報担当者は、タイF外相はASEANを代表してネピドーに派遣されていないし、スーチー氏から招待されていないことから、タイ外相の発言の真実性に疑問を表明した。

◆残忍な軍事政権によってお膳立てされた、退任するタイ外務大臣ドンの最近のミャンマー訪問は、深刻な懸念を引き起こし、ミャンマーに関するASEAN五項目と駐ミャンマーASEAN特使の役割を損なうものである。 この訪問は、ミャンマーで進行中の危機に対して重大なマイナスの影響を及ぼす。

◆米国とオーストラリアは難民の再定住を受け入れているが、タイ政府が出国許可を発行していないため、逮捕または国外追放の危険にさらされながら国境の町メーソットに足止めされたままである。

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