30/APR-6/MAY/2023 #WhatsHappeningInMyanmar

2023年4月30日から5月6日までの1週間にミャンマーで起きたことです。

国際的な動きが目立ちました。先週ミャンマーを訪問してミンアウンフラインとも面談した潘基文・元国連事務総長は、ミャンマーを離れたあと4月27日、NUG副外相と会談しました。秦剛・中国新外交部長は5月1日にノエリーン・ヘイザー国連特使と面談したあと、2日にネーピードー入りして、ミンアウンフライン、タンシュエ元上級大将と面会しました。また同日、ミンアウンフラインの招待で、ロシア政府の代表団がネーピードー入りしました。9日からASEAN首脳会議が始まります。

▼こうした一連の動きとどう関係しているのかは分かりませんが、軍は3日、カソン月の満月の「恩赦」で政治囚2,153人を解放したと発表しました。また、ミンアウンフラインの要請により、独裁者のタンシュエ元軍指導者(90歳)がミャンマー政治に復帰する見通しとの報道があります。

NUGは2日の閣僚会議でドゥワラシラ大統領代行が、国際社会に対し、ミャンマー国民の声を外交上の議論に取り入れ、その感情や痛みを無視しないよう強く求めました。

▼国際的な軍に対する経済制裁の強まりで、ノルウェーの政府系基金が、ミャンマー国軍への資金源になっているガス田開発事業に参画しているインドガス公社および韓国ガス公社への出資引き上げを発表しました。

▼軍事政権軍の攻撃が本格化してから2年がたち、クーデター以後、避難民が300万人を超え、少なくとも100万人が国外へ逃れました。山中に避難している住民は、毒蛇に噛まれ死亡したり、飲料水や食料がなく、命の危機にさらされています。

▼地上での戦闘に成果を出せない軍事政権軍は、PDFや民族武装勢力の戦闘員ではない民間人への攻撃をもエスカレートし、住民への恐怖を植え付けるために、その残虐さはよりひどくなっています。ザガイン地方域では村に侵入した軍が去ったあと、腹部が切り開かれたPDFの一員の遺体が発見され、その頭部は3km離れたところで見つかりました

▼軍の空爆、焼き討ちはつづいており、チン州、ザガイン地方域、バゴー地方域で報告されています。

目   次

国内情勢

◆潘基文元国連事務総長は27日、国民統一政府NUG副外相と会談。国際元老グループThe Eldersの副代表としてミャンマー軍トップと会談した件を中心に意見交換。潘基文氏が会談の目的は暴力の停止と問題解決の模索だと述べたのに対し、NUG副外相は、軍側は自己の利益のために会談を利用するだろうと指摘。

◆ミャンマーの「民主派政府」が、168人死亡の空爆巡り、国軍に情報提供した4人を拘束、起訴。

◆マンダレー地域ヤメーティン刑務所から刑法505条a項違反(扇動罪等)で有罪判決を受け収監されていた政治囚73人のうち64人が解放された。 軍は3日、カソン月の満月の「恩赦」で政治囚2153人を解放したと発表した。このなかには、5 人のジャーナリストが含まれていた。

◆2日のNUG閣僚会議でドゥワラシラ大統領代行は、国際社会に対し、ミャンマー国民の声を外交上の議論に取り入れ、その感情や痛みを無視しないよう強く求めた。国民のほとんどは、一日たりとも軍の支配下で生活したいとは思っていない。

◆泰剛・中国外交部長が2日、タンシュエ元上級大将と面談したと中国国営放送局CRIが報じた。この面談でタンシュエ氏は、古くからの友好関係を土台にさらなる協力関係を強化したいと述べた。これに対し泰外交部長は、中国は隣人としてミャンマーの良き友であり続けると述べた。 同日軍トップとも面談。

◆テロリストのミンアウンフラインの招待で、ロシア政府の代表団は2日午前1時にネピドーに到着した。

◆2日の第17回KNU議会で、P’doh Saw Kwe Htoo Win氏がKaren National Union (KNU) の第10代議長に選出された。中央委員会の30人の委員も選出された。 市民社会団体が「人権侵害」と「違法行為」に加担していると主張する中国の新都市計画に関与したとして告発されたPado Saw Roja Khinは再選されなかった

◆ミンアウンフラインの要請により、独裁者のタンシュエ元軍指導者(90歳)がミャンマー政治に復帰する見通しとの報道。

経済ビジネス

◆最低賃金を1万チャットまで引き上げるよう労働組合が要求。現在の労働者が得ている日給は4,800チャット。労働者賃金法によれば、最低賃金を2年に1回改正しなくてはならないが、2018年3月から改正されないままだ。

◆27日、北欧政府系基金、印韓2社から撤退。インドガス公社と韓国ガス公社は、国軍の統制下にあるミャンマー石油ガス公社(MOGE)が西部ラカイン州沖で主導するシュエ・ガス田の開発事業に参画している。

◆NUGのマンウィンカインタン首相は閣議で、NUG 管理地域で税制が施行されたと発言。 彼は、管理区域において徴収された税金は、復興、人道的活動、および地域の防衛活動のために配分されると述べた。

人道問題

◆国内の武力紛争により避難民が300万人超え。クーデター後、ザガイン管区の避難民は1,374,083人。続いてマグェ管区、カヤー州。……現在、カレンニー、カレン、カチン、マグェ、バゴー、タニンダーリ、ザガイン、エーヤワディー、ネーピードーで戦闘が激化。

◆2021年2月のクーデター以降、軍の攻撃により村外に退避し山中に避難するザガイン地域カンバルー郡の住民のうち61人が毒蛇に噛まれ、6人が死亡。今年4月だけで4人が噛まれ、うち2人が死亡。 避難民の暮らす地域では、血清が不足しており価格も高騰している。

◆カレン民族同盟KNUの旅団7個の実効支配地域内での戦闘により発生した避難民の数が現時点で50万人に達したとKNU外交局長が発表。4/5の会見でKNUは、2021年クーデター発生後、2022年12月までに発生した避難民の数を36万人と発表していたが、第5旅団支配地域のムトロー県で戦闘が激化しておりその後急増。

◆ミャンマー戦略政策研究所 (ISP-Myanmar) は、4 月 20 日の時点で、IDPが 2023 年に683,244人増加したと発表。ミャンマーでは、300 万人以上が家を追われ、少なくとも 100 万人の難民が国外に逃れたと主張した。

◆ビルマ女性連合によると、クーデター以降、軍事政権によって513人以上の女性が殺害され、3,390人が拘束された。 4 月中に少なくとも55人の女性が殺害され、43人が拘留された。

◆一週間の内にキンウーで約500戸が放火された。戦禍から逃れた人たちは飲料水と食料を緊急に必要としており、水牛や牛でさえ食料が尽きて命を落としている。

軍事政権による恣意的な逮捕、殺害、暴力

◆軍事政権軍は、4月30日、5月1日にザガイン地方域ザガイン郡区の少なくとも6つの村を襲撃した際、抵抗勢力員の首をはねた。1人の遺体は1日、Ta Ein Te村で腹部が切り開かれた状態で発見され、頭部は約3km離れていた。

◆軍事政権海軍は、ボートでマレーシアに向かっていた70人のロヒンギャ(5人は十代)を、エーヤワディ地方域のGaw Yin Gyi島周辺で逮捕した。全員、ラカイン州のIDPキャンプ出身。

◆ダゴン大学学生組合(DUSU)の7人が、3日にInsein, Thayat, Tharyarwaddy刑務所から釈放された。逮捕以来健康上の問題に直面しているWutt Yee Aungを含む、釈放されなかった指導者について、DUSUは懸念を表明した。この日、ラカイン州、チン州、ネピドー連邦直轄領では、政治囚は釈放されなかった。

軍事政権による国民・財産への攻撃

◆今年1月から3月までの3ヶ月間で、カレン民族同盟KNU実効支配地域での軍による航空機による攻撃の回数は116回に上り、民間人15人が死亡、20人が死亡。重火器は438回発砲され、住民25人が死亡、122人が負傷したと1日、KNUが発表。この攻撃により民家548棟、学校、病院、宗教施設が損壊した。

◆27日、チン州Thantlang郡区の Tianglo 村の中心部が空爆され、民間人2人が死亡、10人が負傷し、30の家屋と 3 つの教会が破壊された。Tianglo 村は、チン民族軍 (CNA)本部から 16 km の場所にある。

◆5月1日午後1時ごろ、軍事政権が火曜日のチン州Hakha郡区のVantlang村で空爆を開始した。村では少なくとも3つの家屋が破壊され、死傷者は不明。 軍事政権軍は4月中旬からマグウェイ地方域Gangawの町からチン州の州都に進軍する途中だが、激戦が続き、今日の時点で30人を超える兵士が排除された。 さらに激しい戦闘がより予想される(Chindwin News Agency, 2023年5月2日 18:59)。

◆ザガイン地域カンバルー郡で軍が4/29から5/1にかけて5村を焼き討ち。住宅80棟超、避難民の暮らす小屋15棟、学校の校舎4棟が焼失。実行部隊は、軍第361歩兵大隊。

◆バゴー地域タンタビン郡ボンマティー村を軍が2日、戦闘機2機で7回に渡り空爆。少なくとも住民10人が負傷。 近辺では、カレン民族解放軍KNLAと国民防衛隊の合同部隊と軍との間で戦闘が起こっていた。

武装抵抗・PDF・戦闘

◆マンダレー地域アマラプラ警察署が5月1日、爆弾による攻撃を2回受け、負傷者が出た模様。同日、同地域ピージーダゴン郡でも、市民防衛組織の一つであるマンダレー都市ゲリラ部隊が軍製民兵ピューソーティーのメンバーらが活動拠点とするバスターミナルに報復として爆弾を投げ込み、3人が負傷したと公表。

国際関係

◆28日に4日間の日本訪問を終えた後、バングラデシュのシェイク・ハシナ首相は、日本はロヒンギャを故郷に戻すためにミャンマーとの仲介を助けることができると述べた。

◆秦剛・中国新外交部長が訪緬。5月2日にネーピードー入り、3日にバガンに移動、4日インドに向かう予定。軍は警備を強化。秦剛・外交部長は5月1日にノエリーン・ヘイザー国連特使と面談。各国はミャンマーの主権を尊重すべき、全ての当事者の参加する政治対話を経て体制移行を実現すべきだと述べた。

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