28/APR-04/MAY/2024 #WhatsHappeningInMyanmar

2024年4月28日から5月4日までの1週間にミャンマーで起きたことです。

▼軍事政権は5月1日より男性の海外での就労を禁じる措置を実施。
▼NUGによると、PDFを含む抵抗勢力が国土の60%以上と国境の5つの町を制圧し、統治下42郡区からの2023年の税収は2298万米ドルだった。
▼北部同盟内の、北シャン州におけるカチン独立軍(KIA/KIO) と、MNDAA、TNLAとの領土紛争は平和的に話し合いで解決した。
シャン州進歩党(SSPP)は、真の連邦制民主主義を実現するために、軍事政権と戦うことを決定した。
▼チン同胞団(Chin Brotherhood)は、チンランド評議会に対し、軍事政権から解放したチン州の領土を侵略しないよう警告した。
カレン州ミワディ町攻略戦で実際に勝利し恩恵を受けたのは軍配下の国境警備隊BGFだった。この勝利により、賭博と売春ビジネスの違法犯罪組織BGFの支配領域が拡大することになる。
▼バングラデシュから数千人の仏教徒アラカン人をチン州パレッワ郡区へ定住させようとしているAAは、地元ロヒンギャに建物を準備させ、ポーターを強制し、AAへの入隊を強制しているため、数百人がインドに避難した。
▼国連によると、クーデター後にミャンマー国内避難民は300万人に 急増し、人道支援が必要な市民は1860万人(総人口の3分の1)に上るが、支援金は1年間の活動に必要な分の5%未満しか集まっていない。AAPPによると、民間人934人が所有する住宅、学校、宗教施設、事業所など、合計1159の民間財産が軍事政権に押収された。NUGによると、2月末からの2か月間に、ミャンマー軍はシャン州、ラカイン州、モン州、チン州、マグウェ地方域で少なくとも35以上の病院や診療所を破壊した。2023年4月から2024年2月にかけて、北アフリカとペルシャ湾で外国人家事手伝いとして正式な職を求めた16万人のミャンマー人女性が、労働者の権利侵害、人身売買組織の被害に直面している。
▼ミャンマーは軍が支配する運命にあるという宿命論的な見方に対し、政策議論の指針となりうる9つの重要な観察結果を提示。
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#WhatsHappeningInMyanmar
詳しい日誌、出典は、下記をご覧ください。↓

目   次

国内情勢

◆軍は4月14・15日に国境なき医師団のオフィスや住居200戸以上に対し、彼らが訓練し武装させたロヒンギャらとに放火させ損壊したと地元住民が語った。NUGは、ラカインで軍側の集団が紛争を起こそうとしているということを理解し、耐えて、乗り越えるよう呼びかけた。

◆NUGのジンマーアウン外相は中国に対し、ミャンマー国民を殺害している軍事評議会への軍事兵器の提供をやめるよう要請した。

◆NUGの防衛大臣がマンダレーPDFとともに最前線に立つ。メイミョーから数マイルのところ。 NUGは亡命政府ではない。違法で非合法な軍事政権の正当性に異議を唱える合法的な並行政府だ。

◆29日、マグウェ地方域のチャウ町で、56年前に観測を開始して以来最高の記録的な気温48.2℃が観測され、熱中症による死亡者数が前月比急増。28日マンダレー地方域ニャウンウー46℃、ザガイン地方域サガイン町45.5℃に達し、 29日マンダレーとヤンゴンで45℃、40℃を記録、学校数千校が対面授業を中断した。電力が不足し、生活が深刻。

◆30日午後2時過ぎ、 ミャンマー全土で停電 システム障害。

◆30日、NUGは創立3周年を記念する声明を発表し、PDFを含む抵抗勢力が国土の60%以上と国境の5つの町を制圧したと述べた。「管理区域(Controlled area)では軍隊が存在せず行政と一部のサービスを運営し、 解放区(Liberated area)では我々が必要なすべて提供し軍は奪還できない」。

◆軍評議会は5月1日より男性の海外での就労を禁じる措置を実施。軍評議会の労働省事務次官が2日、Myanmar Nowに対しこれを認めた。いつ再び許可されるかは分からない。海外就労許可を得た1000人以上と海外就労を計画している若者数万人が閉じ込められる。

◆3同胞同盟(TNLA、MNDAA、AA)とともに北部同盟を構成しているカチン独立軍(KIA/KIO) は、北シャン州においてMNDAAおよびTNLAとの領土紛争を軽減するための措置を講じたと語り、TNLAも、平和的に話し合い互いを尊重することで合意し、KIAとの紛争は解決したと述べた。

◆軍は「技術戦」を展開するとしてドローン部隊を新規に設置。ヤンゴン地域パウンジー郡第5航空防衛隊基地でロシアの専門家らが研修を実施している。中国人技術者による指導も。軍評議会顧問モーアウン大将は、4月高官級安全保障会議への出席のために訪露した際ドローンについて見聞を深めたという。

◆カレン州ミワディ町攻略戦で実際に勝利し恩恵を受けたのは軍配下の国境警備隊BGFのリーダーだった。BGFが双方に味方し、最終的には軍が第275軍団と軍事政権に旗を掲げるのを支援した。この勝利により、賭博と売春ビジネスの犯罪の中心地として、BGFによる違法犯罪組織の支配領域が拡大することになる。

◆ミャンマー国軍の兵力については様々な推測がされているが、ISP Myanmarによると、 ・国軍は国民の10人に1人にあたる、50万人規模への増強をめざしてきた ・しかし実際には20万人がピーク ・クーデター前に16万人まで減少 ・クーデター後は10万人以下にまで減った可能性がある。

◆シャン州進歩党(SSPP)は、真の連邦制民主主義を実現するために円卓会議で解決策を見出す方法はないと主張し、軍事評議会を攻撃することを決定した。 シャン州軍SSPP/SSA副司令官Su Khun Sai 中将が正式に発表した。国民に対し、軍事独裁政権と戦うため、SSPP/SSAの指導の下で断固として戦うよう訴えた。

◆アラカン軍(AA)は、バングラデシュから数千人のアラカン人をチン州パレッワ郡区へ定住させようとしており、ミザ村民は竹を伐採し、建物を準備させられた。 AAがパレッワ郡区の人々にポーターを強制し、AAへの入隊を強制しているため、数百人の住民が恐怖のあまりインドのミゾラム州に大挙して避難した。

◆住民によると、軍と少数民族反乱軍の激しい戦闘が続くミャンマー西部ラカイン州の深海港プロジェクトに中国が300人以上の技術者と労働者を派遣した。

◆反体制団体チン同胞団(Chin Brotherhood)は、チンランド評議会に対し、軍事政権から解放したチン州の領土を侵略しないよう警告した。 4月28日にチン州Kanpetlet郡区Kyin Dwe 町を占領したチン同胞団は、チン民族戦線(CNF)が軍事政権との戦闘中に解放された土地を占領しようとしていると非難した。1988年に設立されたCNFも含め100人以上のメンバーで12月に結成されたチンランド評議会(Chinland Council)は、チン州議員やその他の反体制組織や行政組織を追放した。チン同胞団には、Zomi Federal Union、Chin National Organization、Mindat Chin National Council、Maraland Defense Force (MDF)、 Kampelet Chin Defense Force、Matupi CDF Brigade 1が含まれる。

経済ビジネス

◆国民統一政府NUGが3年目を機に開いた記者会見で連邦首相府報道官がNUG統治下の42郡からの2023年の税収の総額が2298万米ドルであったことを明かした。8割が石炭や燃料の輸送に係る罰金。国民への負担の少ない形での徴税を模索中である由。登録なしに徴税しているとされるPDFの状況につき調査を予定。

人道問題

◆北西部のチン州、マグウェ地方域、サガイン地方域では避難民が約150万人と最も多く、南東部のカヤー州、バゴー地方域、カレン州、南シャン州、モン州、タニンダーリ地方域では90万人以上が避難している。

◆ミャンマー国内避難民、300万人に クーデター後に急増、人道支援が必要な市民は、ミャンマー総人口の3分の1にあたる1860万人に上る。支援金は1年間の活動に必要な分の5%未満しか集まっておらず、国連は緊急支援を訴えている。

◆2023年4月から2024年2月にかけて、北アフリカとペルシャ湾で外国人家事手伝いとして正式な職を求めた16万人のミャンマー人女性が、アラブ首長国連邦、オマーン、サウジアラビア、エジプトでは労働者の権利侵害、人身売買組織の被害に直面しており、法的手段がないとDVBに語った。

軍事政権による国民・財産への攻撃

◆シャン州Hsihseng郡区にある Naungyintung村は、軍事政権およびPaO民兵組織(PaO民族機構PNOとして知られる)と、カレンニー軍の支援を受たPaO民族解放軍(PNLA)との間の数カ月にわたる激しい戦闘の後、廃墟となった。村だけで民間人66人が殺害され、周辺地域では7万人以上が避難を余儀なくされている。

◆国民統一政府(NUG)によると、2月末からの2か月間に、ミャンマー軍はシャン州、ラカイン州、モン州、チン州、マグウェ地方域で少なくとも35以上の病院や診療所を破壊した。平均すると2日に1軒の割合だ。

◆軍事クーデターにより民間人の財産が不当に没収される。AAPPは、民間人934人が所有する住宅、学校、宗教施設、事業所など、合計1159の民間財産が押収されたことを記録している。国連を含む国際社会に対し、効果的な措置を講じる仕組みを導入するよう求める。

◆戦闘の激化、病院の閉鎖、ロヒンギャへの迫害──国境なき医師団スタッフが目撃した過酷な実態。

武装抵抗・PDF・戦闘

◆28日、マンダレーPDFは、マンダレー地方域Singu郡区のWahuchat軍事基地での戦闘中に軍事基地司令官を含む兵士11人を殺害、15人の生きていた兵士全員は投降し、基地を完全に制圧した。軍事政権の武器が押収された。

◆29日、チン抵抗勢力、PDFはAAと共同でラカイン州とマグウェ地方域に挟まれたチン州カンペレット郡区の中心に位置する町Kyindweを制圧した。抵抗軍が12月24日に町を占領する攻撃を開始して以来、300回の空爆が行われた。

分析

◆紛争の複雑さから、多くの人がミャンマーは和解不可能なほど利害対立が多く、軍が支配する運命にあるという宿命論的な見方に戻っている。筆者は過去3年間にわたり抵抗運動と武力紛争を綿密に観察し、分析した結果、政策議論の指針となりうる9つの重要な観察結果にたどり着いた。

◆ミャンマー現地報告 内戦の行方:国民統一政府と少数民族勢力の連帯は? 戦況は? 避難民や国軍から奪還した地域の状況は? 国軍を文民統制できたときの体制は? 様々な疑問を携えて、今年4月タイ北部からミャンマー状勢を探った。

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