ミャンマーの戦いは、どこに向かっているのか?

ロシアがウクライナに侵攻し、首都キエフをはじめ各都市をミサイル、重火砲や戦車などで攻撃し、アパートや病院、家屋が被弾して火につつまれ、死傷者が増大し、多くの人々家を離れて逃げています。こうしたロシアの侵略は、理由はどうあれ、とうてい許されるものではありません。

おなじ時、ミャンマーでも軍事政権は、民族州の村々を空爆や重火砲で襲撃し、地元民を拉致・殺害し、家々に火をつけ、多くの村民は避難を余儀なくされています。大局的に、

  • いまミャンマーはどうなっているのでしょうか?
  • 民主勢力は、どのような展望をもって戦っているのでしょうか?
  • 国際社会に対して、何を求めているのでしょうか?

こんな疑問を考えるうえで参考になりそうなTin Win氏の投稿がフェイスブックにあったので、紹介いたします。
日本政府、日本人へ向けての、大事なメッセージでもあると思います。

ミャンマーの戦いは、どこに向かっているのか?
――大局的な動向、国際社会へのメッセージ

クーデターに反対して戦っている人々の全体的な動向と要求を、ミャンマー国民だけでなく国際社会にも知ってもらう必要があります。

1) 国民統一諮問評議会 (National Consultative Council;NUCC)

国民統一政府 (NUG)、民族革命組織 (EAOs)、国民防衛隊 (PDF)、公務員CDM運動組織、人権団体などミャンマーの主要な民主主義勢力の大多数によって形成された国民統一諮問評議会 (National Consultative Council;NUCC) は、将来の連邦民主主義の基本的な規定の概略を描き、暫定政府を形成するために努力しています。
それに対して国民とすべての民主主義勢力は十分協力しなければなりません。さらに、国際社会からも支持をもらえるように頑張りましょう。

2) 最初の歴史的な国民代表大会

1月27日から29日まで開催された国民統一諮問評議会 (NUCC) の最初の歴史的な国民代表大会に、民主主義勢力の代表者388名が参加しました。
終了後に発表された声明によると、ミャンマーにおける連邦民主連合設立に関する議論は、ミャンマーの歴史において前例のないもので、非常に期待できる状況を作りだしていることを示しています。
そのことを国民全体だけでなく、国際社会にも知らせましょう。

3) 国軍と権力を共有する政府形態?

《2008年憲法に基づく国軍と権力を共有する政府形態》に戻ることは、クーデターに反対して戦っている人々と国民が受け入れることははまったくありません。
このことを国際社会に知らせましょう。

4) クーデター軍と停戦交渉?

クーデター軍と停戦交渉を行うことは、クーデターに反対して戦っている人々はまったく受け入れません。
そのことを国民全体にも限らず国際社会にも知らせましょう。

5) 自治州政府が出現

民族の州では自治州政府が出現してきました。
ラカイン州で、主要なRakhine政党の助けを借りてアラカン軍 (the Arakan Army;AA) は自己決定と統治を確立しています。

チン州で、チン国軍 (Chin National Army ; CNA)、チン州防衛隊 (Chin State Defense Force;CNDF) とチンコミュニティベースの組織 (Chin Community Based Organization) は同盟を結んで、チン州が自治州になるために政府を形成するプロセスを始めました。

そのような努力がカチン州、カレン州、 カヤー (カレンニー) 州、 モン州、 シャン州でも始まっています。米国主導の国際社会は、それらの努力に対して適切な支援を提供する必要があります。
ミャンマー国民もそれらの努力を暖かく迎えなければなりません。
民族のその努力は、国軍の政治的略取からの完全な脱却で、国民全体が望んでいる真の連邦民主的連合を構築するための必須の道筋であることに注意する必要があります。

「真の連邦主義と民族自決を認めれば連邦が崩壊する」とのプロパガンダが74年間つづけられました。このプロパガンダから抜け出す必要があります。
すべての国民は民族自決の努力を真剣に認める必要があり、疑いなく彼らを支援しなければなりません。 「連邦の非崩壊」というプロパガンダが軍事独裁政権支配の源であることを、すべての国民に理解してもらう必要があります。

6) NUCCをサポート

すべての国民は、各地域で真の民主的政府の設立のために努力しているNUCCを認め、必要なサポートを提供する必要があります。

7) 的を絞った厳しい制裁の導入

同時に、アメリカ、EUと日本が主導する国際社会もより強く、より広く、そして積極的に関与すること、国民への損害は最小限にした、上級士官の利益に対する的を絞った厳しい制裁の導入を要請しましょう。

8) 人道支援や援助の主な対象

テロ軍事評議会は、PDFへの国民のサポートを少なくさせるため、「大量虐殺」と「人道に対する罪」につながる戦争犯罪を犯してきました。 これらの行為は歴史的に民族グループに対して感じさせてきた恐怖を煽りながら、村全体を包み込みました。民間人を残酷に殺害するといった行為を再び行いました。

数千人が殺されて何十万人の人々が自分の家をから避難しています。それらの人々への食糧の支援やサポートは、輸送を支援するための繰り返しの混乱など、さまざまな障害があります。
特に、民族武装集団を含む地元PDFがコントロールする地域の避難民に提供される人道支援や援助が主な対象であることは明白です。 つまり、PDFと関連している避難民が対象です。
ですから、避難民への国際人道支援を提供する際には、国民防衛隊 (PDF)、CDMや民主部隊を通じて、支援を実施する民族武装集団 (EAO) へ行うことを要請しましょう。

(翻訳:yu & chichi)

Original: https://www.facebook.com/100077317836762/posts/129634602957134/
見出しは、サイト側でつけました。

Tin Win氏からのメッセージ

(Tin Win氏は、Senior Researcher at the Center for Promoting Human Rights, Democracy, and Pluralism in Burma(Myanmar) です。このサイトのために、メッセージを送ってくださいました)

下記のことを、皆様にお伝えください。

第一に、各少数民族武装勢力 (Ethnic Armed Organizations;EAOs) の支援がなければ、安定して機能する民主主義と連邦国家を確立することはできません。

歴史的に、私たちの国軍支配に反対する政治運動は、より古い世代に触発された大学生によって主導されてきました。彼らの民主主義への信念は弱く、単に軍事的支配を終わらせるための道具として使用されてきました。ビルマ・ナショナリズム [ビルマ民族とその文化が中心]、またはむしろビルマの仏教ナショナリズムにどっぷりと浸かったものでした。

1990年代半ば以降2010年代初頭にかけて生まれた、「Generation Z (Z世代)」としてよく知られている若い世代のおかげで、わが国ではこれまでにない新しい政治精神が生まれました。

私は、わが国の新しい政治が私たちの政治情勢を変えただけでなく、私たちの政治精神を根本的に変えたと信じています。

このZ世代は、軍事政権反対、中国の影響力排除、権威主義反対、人種差別主義反対、性差別主義反対という価値観に基づく民主的な革命運動を形作りました。

これらの変化は “a revolution in character” だと思います。

皆様にこうしたことを知っていただき、これらの英雄たちをサポートする方法を見つけていただくことを願っています。

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