2022年8月21日から8月27日までの1週間にミャンマーで起きたことです。
#WhatsHappeningInMyanmar
▼チャット安、金価格高騰、ガソリンや食用油、米をはじめ生活用品の価格が急騰して、国民の生活はますます苦しくなっています。ヤンゴンでは市中心部だけでなく周辺でも、集団で物乞いする人の姿が見かけられました。
▼ヤンゴンのインセイン刑務所周辺、郡区裁判所、ネーピドーの県裁判所、中国との国境に近いシャン州の町など、各所で爆弾の爆発が報じられています。
▼ザガイン地方域、マグウェー地方域、さらにチン州、カチン州、シャン州でも軍が空爆を含め激しく村々を攻撃し、地元住民の殺傷、家屋焼き討ち、財産強奪などによって、避難民が生まれています。軍が生きたまま焼かれた男女の老人を含め約40人を殺害したり、少女ら2人をレイプし殺害、全裸のまま崖に放置するといった残虐行為もつづいています。
▼軍が占拠した村から移動するさい地雷を仕掛け、その地雷の爆発で亡くなったり足を失ったりする地元住民が増えているようです。
▼軍事政権に抵抗している側が、軍への協力者と誤って市民を殺害する事件が2件、明らかになりました。いずれも、謝罪声明がでています。
▼元駐ミャンマー英国大使が、入管法違反容疑で夫とともに逮捕・勾留されました。英国が追加のミャンマー制裁を行うことへの報復であるとも報じられています。
目 次
国内情勢
◆土曜日 (20日) 午後5時ごろ、ヤンゴンのチミンダイン郡区の建物で爆発があり、16 歳から 17 歳の高校生6人が死亡した。彼らが UG (地下組織メンバー) であったかどうか、彼らが地雷を設置していたかどうかを確認できていない。
◆長距離バスの切符購入時に、国民登録証と電話番号の提示に加え、現住所及び宿泊先の正確な住所の申告が必要になった。また、休憩に一旦下車し、車上に戻る際に毎回国民登録証の提示を求められるようになったという。
◆21日午後6時半にヤンゴン市イースト・ダゴン郡区裁判所、午後9時38分に電力公社郡支所で爆発事件が起こった。
◆21日、ミャンマー北部の中国とミャンマーの国境の町、シャン州Muse の Mingalar Muse 前の幹線道路で、同時に 2 つの爆弾が爆発。
◆24日ヤンゴン市内フラインターヤー郡区検問所付近、サウスダゴン郡区第19地区役所、ノースダゴン、チーミンダイン郡区で爆発事件、ノースダゴン郡区電力公社事務所付近で発砲事件発生。
◆24日午後8時、ネーピードー、ザブーティリ郡デイッキナ県裁判所で、 仕掛けられていた爆弾4発中、3発が爆発。 これにより警備にあたっていた警官1人が負傷した。
◆軍事政権は、少数民族武装グループの指導者数名をいわゆる「和平交渉」第 2 回会合に招待。8 月 22 日から 26 日にかけて、参加者は 2008 年憲法の第 1 章と第 2 章等について議論。
経済ビジネス
◆経済状況悪化で路上生活者も増えているが、音楽を奏でて街をまわっている人もよく見かけるようになった。夜、近所で遭遇したのは、ラインターヤーから来たという老夫婦。親父さんのメダリン(ミャンマーマンドリン)上手いし、声もいい。
◆米ドル、金の価格がクーデター前の倍以上に高騰。燃料油の価格も、地方ではそれを上回る上昇。 ミャンマー・チャットの通貨価値が100%以上下落。主食米の価格も4割上昇、生活を直撃。ガソリン価格は2,400チャット超で、8月5割上昇。
◆軍と韓国POSCOの共同出資でヤンゴン市インヤー湖畔に建設されたLotteホテルのミャンマー人従業員約800人に対する給料の支払いが、現在の実勢レート1ドル約3,000チャットに対し1,000チャットという格安のレートでなされていることがわかった。雇用者側は不服があるなら辞めよと言う姿勢だという。
人道問題
◆ヤカイン州シットェー市内で戦災避難民を支援するボランティア団体ミッターヤウンチーの若者20人余りが警察から募金活動をやめるよう警告され、誓約書に署名させられた。
◆国軍が東部カヤ州で一時占拠の村に地雷を敷設、「100人近くが足を切断」と看護師が証言。
◆最近、地雷を踏んで亡くなる民間人が増えている。 軍事政権と AA の間で頻繁に衝突が勃発したチン州Paletwa郡区のAbaungTharで、21日に村の近くへ竹の子を切りに行ったまま家に帰ってこない夫を探していた43歳の妻が 24 日朝、地雷を踏んで死亡した。
◆23 日午後 7 時 30 分、YDF BN 3 の同志 Phyo Gyi は、橋を通過したい難民のために、マグウェー地方域Gangaw郡区Kyun Khon Thar村の近くの川の橋に設置された軍事政権軍を標的とする地雷を除去しているときに、偶発的な爆発が起きて亡くなった。
軍事政権による恣意的な逮捕、殺害、暴力
◆8月16日、27人の軍事政権兵士とPyu Saw Htee(ピュー・ソー・ティ)の凶悪犯がマンダレー地方域 Thabeikkyin郡区で CDM 教師の Ko Moe Aung Chit (25歳) 、Ko Kaung Myat Htun (23歳) を逮捕した。彼らは4日間連絡が取れていない。
◆17 日、教師であり、基礎教育ゼネラル ストライク委員会中央委員でもあるDaw Thet Su Hlaingは扇動罪で 懲役5 年に処された。 2021 年 10 月からマンダレーのオボ刑務所に拘留されており、扇動罪に問われていた。
◆情報筋によると、反軍事評議会運動に関連してダウェイに拘留された 60 人以上の女性が、治療を受けることができない。
◆23日、軍事政権はヤンゴンのマヤンゴーン郡区にある、無料葬儀協会の創設者であり会長であるベテラン俳優の U Kyaw Thu の自宅を封鎖した。政権は昨年3月、彼と彼の妻を扇動罪で逮捕状を発行した。
◆元駐緬英国大使ボウマンさんが24日ヤンゴン市の自宅でミャンマー人画家で民主化活動家の夫と共に拘束され、インセイン刑務所に移送された。 軍は登録住所でなくシャン州カローに滞在していたことが入管法違反にあたるため起訴したと発表。夫はほう助。「軍司令官の娘の経営する会社を英政府が制裁対象としたことへの報復として人質にとったのでは?」との見解も。
◆高官の護衛に従事していた警察官が、市民的不服従運動(CDM)に参加した罪で懲役 26 年の刑を言い渡された。昨年3月にCDMに参加し、昨年 5 月末頃逮捕・起訴されていた。
◆24日、クーデター前に「The Irrawaddy (イラワジ)」で働いていた元フォトジャーナリストのKo Zaw ZawはマンダレーにあるObo法廷で、彼が Facebook アカウントを使用して国家の平和と安定を混乱させたとして、懲役 3 年の有罪判決を受けた。
◆8月8日の民主化運動記念日に、ヤンゴン中心部で「8」を描いた傘をさして抗議活動を行った、SMVTI職業訓練学校の学生とフリーランスの写真家の2名が逮捕されたことが、25日確認された。
軍事政権による国民・財産への攻撃
◆9日、カチン州Phakan翡翠鉱山の近くの地域で、数百軒の家屋が燃やされた。 民間人への銃撃は軍とShanni Nationalities Army (SNA)の仕業であり、殺された民間人は、生きたまま焼かれた男女の老人を含め約40人。 SNA は放火は KIA と PDF の仕業だと述べた。
◆軍第99師団指揮下の第113軽歩兵大隊が、ザガイン地域ディペーイン、アヤードー、イェーウー、ダゼー郡在住の17歳の女性を含む一般市民67人を荷物運搬人として強制連行。7月から掃討作戦の中で、重火器や食料の運搬等の重労働に従事させられていたが、13日に地元PDFが救助。
◆19日、マグェー地域パウッ郡北部の3村に兵力150人の軍部隊が侵入し、住民の財産をヘリコプターで運び去った。翌20日、村に再び侵入して焼き討ちを行、民家24棟が焼失。
◆22日、軍が少女ら2人をレイプし殺害、全裸のまま崖に放置したことが明らかになった。11日、ザガイン地方域インマビン郡区インバウンテン村上空に飛来した3機のヘリが村のマーケットに発砲し、16歳の少女と20歳の女性も村民とともに逃走したが、ヘリから降下した約60人の兵士に発見され、身柄を拘束された。
◆23 日、ザガイン地方域Paungbyin郡区 の Tha Ngar 村を約 80 人の軍事政権軍が襲撃した。 襲撃から逃れていた地元住民は、自宅に戻ったとき、襲撃で焼失した 105 軒の家屋と 2 人の民間人の遺体を発見した。
◆チン州北部のティディム郡の村を軍が襲撃。民家15棟が軍により焼かれ、15歳と17歳の兄弟が殺害された。ヘイザー国連特使の訪緬1日前に起こった事件。
◆23日ザガイン地域カンバルー郡とコーリン郡の境界線付近で、軍とPDFとの間で激しい戦闘が発生。その後、午後11時に軍のジェット戦闘機3機が付近の村を爆撃し、妊娠9ヶ月の女性とその夫、6歳の男児ら住民4人が死亡、1人が負傷した。
◆24日朝、シャン州北部ナウンチョー郡で、軍とマンダレー地域市民防衛隊-タアン民族解放軍(TNLA)の合同部隊間で戦闘が発生。同日午後、軍が軍用ヘリ3機で到来。機上から周辺の村を射撃。少なくとも住民100名が近隣の村に避難。残りの住民は取り残されているという。
◆ザガイン地域チュンフラ郡の5つの村を軍が戦闘ヘリで上空から銃撃。更に兵員輸送ヘリで7回に分けて兵士150人を地上に降ろしたため、村の住民全員が村外に避難した。
平和的抗議・CDM
◆ナチスとファシズムに反対するイタリアの抵抗運動の精神を引き継ぎ、ミャンマーの若者たちは軍事独裁軍に抗議して「Bella Ciao」を歌ってデモした。
◆マンダレーで逮捕があったにもかかわらず、23 日、マンダレーの幹線道路を舞台に、若者と僧侶がゲリラ的にデモ行進して軍事独裁に抗議した。
◆軍事政権の暴力と不正、刑務所での超法規的殺人に反対し、刑務所闘争への連帯を示すブラックリボンキャンペーンが、基礎教育ゼネスト委員会 (BEGSC) と提携している学校で開催された。
◆23 日に撮影された、バングラデシュとの国境近くTaung Pyo Let Yarで 9 体の負傷者/死体を収容している軍事政権軍。進行中のアラカン軍との戦闘による死傷者。砲撃が続き、近い将来、ロヒンギャの本国送還は安全ではなくなる。
◆都市ゲリラ・グループは、銃撃事故の犠牲となったKo Soru Koと彼の妻Ma Roo Wai Hlaingの家族および国民に対して謝罪した。 将来においてもそれを罪とみなすことをはっきりと表明した。
◆25日、ザガイン地方域のチンドウィン川西岸で抗議者たちは「宗教や民族を差別しないミャンマー市民」と書いた横断幕を掲げ、軍事政権に反対する連日のデモを行った。
武装抵抗・PDF・戦闘
◆22日朝、特殊作戦部隊は、インセイン刑務所の外側にある将校宿舎に2発の爆弾、軍事評議会兵士約20人が駐留していた門衛詰所に4発の爆弾を発射し、13人が死亡または重傷。
◆ミャンマー軍事政権は先週、軍司令官を再編成した。司令官は現在、戦闘機とヘリコプターを動員する権限を持ち、より暴力的な手段を取ることができる。各地の戦闘支援部隊を使った共同作戦、より致命的な武器使用の可能性もある。
◆ザガイン地域チャウンウー郡とモンユワを結ぶ幹線道沿いの4村をモンユワ市及びチャウンウー市を拠点とする軍部隊が占拠。この軍部隊の軍事行動を封じるべく、チャウンウー国民防衛隊 (CHUPDF)が道路の2区間を閉鎖。
◆22日、ザガイン地方域Katha郡区で人民防衛隊(PDF)とカチン独立軍(KIA)の戦闘員との戦闘で、約30人の軍事政権兵士が死亡した。
◆タニンダーリー地域ベイッ県タニンダーリー郡の村で19日、軍と地元住民らにより結成された防衛隊の合同部隊との間で戦闘が発生。22日時点で継続中。村民が軍に拘束され、人間の盾として使われているという。
◆23日、カレン州のMyawati-Walley道路で、 500 ポンドのクラスター爆弾の空爆で1人のCobra戦士が死亡
◆ヤンゴンのゲリラBurmese Rangers Army-LDF UGが滞在していた宿が襲撃され、隊員6人逮捕。うち2人はその場で殺害され、4人は尋問中に死亡。Glock19 Gen.5拳銃、爆弾、現金、弾丸が押収された。
◆カレン州ミャワディー郡トンダックエ(武器の補給に適した軍事要衝)で、軍と市民防衛隊「コブラ縦隊」との戦闘が始まって1ヶ月超。軍側は、軽歩兵大隊6隊を投入し、YAK-130を含む戦闘機計13機を使用して空爆も行っているが、終息の兆しは見えない。
◆これまで国民防衛隊(PDF)はその作戦を防衛作戦に限定し、襲撃しようとする軍を待ち伏せて攻撃していた。しかし最近では、PDF と民族武装組織(EAO)は武力革命を強化し、軍事政権が管理する全国の政府機関、警察署、軍事基地へ空爆、砲撃、奇襲攻撃を行っている。
◆22日夜にマグウェー地方域Saw郡区Zeyar区でYaw Defense Force (YDF) が一家6 人を殺害し、現金、車 2 台、その他の貴重品が盗まれた件について、NUG国防省は、すでに初期調査を開始していると述べている。
国際関係
◆800の団体が合同で、ヘイザー国連事務総長特使を罷免し事務総長が直接ミャンマー問題を扱うべきだと国連に申し入れた。
◆NUG、国際社会に向けて「国の将来は主に国内で何が起こるかによって決まるが、国際的な反応は重要であり、軍事政権がその統治を正当化することを望んでいる来年の不正選挙への準備段階では特に重要になる可能性がある」と訴える。
21-27/Aug/2022 #WhatsHappeningInMyanmar