第38週目 (10月18日~10月24日) 日誌

国軍による大規模な「クリアランス作戦」が、チン州、ザガイン地方域でつづき、地元の防衛部隊が激しく抵抗し激戦が行われています。先週、ASEANが10月26-28日に開催するASEAN首脳会議の出席者からミャンマー国軍のトップ、ミンアウンフライン総司令官を除外することで合意」 したことに対し、国軍は2つの反応をしました。ひとつは、18日朝、各地刑務所に収容していた5,634人の被拘禁者の釈放を発表し、同日、実施しました。各地刑務所前には、かけつけた家族らが出迎え、抱き合って喜んでいました。とはいえ、これは、国軍が心を入れ替えたからではなく、国際的な圧力のために行ったものです。実際、同じ日に、釈放した政治犯のうち110人を新たな容疑で再逮捕し、また、街頭行動を行った20人を新たに逮捕しています。もうひとつの反応は、ASEAN首脳会議からの除外は受け入れられないとの声明を出したことです。

10月18日

18日、国軍側、チン州Matupiの電話回線を切断、これが3回目。

18日、国軍側ミャンマー中銀、平均為替レート1,820チャットで、過去最高の5,000万ドルを売却。これは、軍事クーデター以来発行された最高価格と最高額のドルになる。

18日、ミャンマー国家行政評議会 (SAC)、5,634人の被拘禁者を釈放。そのうち1,316人は投獄され、4,320人は起訴されていた。同時に、SACはマンダレーの抗議行動で、新たに20人を逮捕

18日、ミャンマーの人権状況に関する国連特別報告者のトム・アンドリュース氏、政権が「心の変化のためではなく、圧力のために」何千人もの政治犯を釈放したとツイート。

10月19日

19日、中部マンダレー地方などで18日に釈放された政治犯のうち、42人が出所後に再逮捕された。当初の扇動容疑は恩赦で取り下げたが、新たに違法組織と接触した容疑などを適用した。ザガイン管区の刑務所で21人の政治犯が釈放されたが、このうち1名の学生が同日中に再逮捕された。マンダレー地域のメイティーラ刑務所から18日に釈放された38人のうち11人が警察によって刑務所の門で再逮捕され、同日、テロ対策法に基づいて起訴された。

19日、チン州では7日間で20人の国軍兵士が殺害され、16台の軍用トラックが抵抗軍によって破壊された。チン国民戦線(Chin National Front;CNF)、チンランド国防軍(Chinland Defense Force;CDF)、チン国防軍(Chin ;National Defense ForceCNDF)、People Defense Forces(PDFs)の合同部隊は、10月13日から16日にかけてFalamからHakhaの町に移動した国軍に協調攻撃を開始。国軍はFalamの町の近くで立ち往生し、CNF本部に向かって移動することができなかった。攻撃されている間、国軍は近くの村を襲撃し、20軒の家に火を放ち、貴重品を略奪した。

19日、Myanmar Nowは、国軍が10月8日以降、シャン州の中国国境にあるMongkoe地域でのミャンマー民族民主同盟軍(Myanmar National Democratic Alliance Army;MNDAA)との戦闘中に、さまざまな種類の2,000発以上の重砲弾を使用し、10月16日だけで800発以上の砲弾を使用したと報告。

19日、国軍に批判的な報道を続けてきた主要メディア「フロンティア・ミャンマー」、雑誌の発行とインターネット上でのニュース発信を停止すると発表。報道規制を強める国軍の圧力で、報道の継続が困難と判断した。

19日、国軍兵士Ko Htike氏、MNDAA軍に亡命。Ko Htike氏は2013年に陸軍に入隊し軽歩兵545大隊所属の狙撃兵を務め、2017年からKokang地域に駐屯していたが、春の革命抗議で弟が殺害されたため、脱走を決意した。

10月20日

20日、国軍側、薬の輸送を制限。ヤンゴン都内にあるアウン・ミン・ガ・ラー高速バスターミナル、ダ・ゴン・エー・ヤー高速バスターミナルなどから全国各地へ荷物を送る際、開梱して検査している。

20日、チン州の州都Hakhaで、国軍側トラック50台、装甲戦車2台、ブルドーザー1台、多くの兵士が住宅地に入るのが見られた。

20日、MNDAA、国軍がクリアランス作戦を実施したシャン州東北部の地域で18人の兵士死体を発見、武器を捕獲。

20日、カレン州ではKNLA(カレン民族解放軍)とLID(Light Infantry Division;軽歩兵師団)第283隊との間で衝突が発生し、国軍兵士5人を殺害、武器5丁を捕獲。

20日、マグウェ地方域Gan Gaw地域での戦闘は、多くの負傷者を出した13人の国軍兵士の死で終わったと、PRA(People Revolution Army)が主張。

20日、ザガイン地方域Kantbalu郡区のKan Gyi村に住む父と息子が拘留された。5人の警官からCDMに参加したいからバイクを持ってきてほしいと助けを求められて二人はChat Thin警察署に行ったが、要求はトリックだった。父と息子はその後、10月21日に射殺された。

20日、カレン民族同盟(KNU)、民主カレン仏教軍(DKBA)、国境警備隊(BGF)、KNU / KNLA平和など、カレン州の4つの民族武装組織が協力して医科大学設立を計画

20日、エーヤワディ地方域の2か所で国軍への情報提供者が殺害された。

20日、マグウェ地方域のYaw地域では、250人を超える区の管理者が辞任したため管理システムがほぼ崩壊した。

20日、シャン州東北部で国軍第545大隊指揮官のボディーガード兼狙撃兵が、2発の手投げ爆弾とともに密かに抜け出し、MNDAA (Myanmar National Democratic Alliance Army;ミャンマー民族民主同盟軍) に亡命

20日、「ダディンジュ満月」連休の中日となり、古都バガンには5,000人の参拝客が訪れ賑わった。ヤンゴンのシュエダゴンパゴダにも多くの巡礼者が訪れた。

10月21日

21日、国軍系投資企業管理局(DICA)のデータによると、1,000社を超える企業が、年次報告書を期限内に提出できなかったため、過去3か月以内に登録を抹消された。

21日、チン州のHakhaで、約50人の国軍部隊がThantlangの町へ移動するとき、近くの自動車修理工場から合計10人の民間人と大工を人間の盾として拉致。途中、被拘禁者は国軍兵士に殴打されながら、雨の中を3マイル歩かされた後、釈放された。

21日、チン州Matupiに本拠を置く国軍の約200人の兵士を乗せた83台の軍用トラック隊が、MindatからMatupiへ向かう途中にいて、モンスーンの雨によって損傷を受けた道路の修復を支援するために大砲を砲撃している。

21日、AAPP、暴力的なファシスト軍が政治犯を10月18日に釈放するも、確認できただけでも再び拘束された人が110人にのぼり、こうした行動は軍事フンタによって実施された心理的な拷問戦術にすぎないと発表。再拘束された人の数はより多い可能性があり、逃亡し身を隠している人々もいる。

21日、NUG計画・財務・投資省、10億USD相当の国債発行を公表。

21日午前2時頃、タニンダーリ地方域で、NLDのDawei郡区事務所がある建物全体が爆発して倒壊。

21日、ヤンゴン地方域North Dagon郡区およびThingangyun郡区で国軍への情報提供者が射殺され、マグウェ地方域郡区で2か所のMytel通信塔が破壊される。

21日、チンランド国防軍 (Chinland Defence Forces)、亡命した軍曹のビデオインタビューをリリース。

10月22日

22日、国軍による大規模な「クリアランス作戦」が、チン州、ザガイン地方域ではじまる

22日、ネピドー麻薬取締警察に所属し、2月9日に最初のCDMを開始した警察警部Khun Aung Ko Koの妻と娘が、軍事フンタによって逮捕された。

22日朝、国軍兵士とPyu Saw Hteeが、タニンダーリ地方域Lounglon郡区にあるPandalal村の喫茶店に入って発砲し、2人を殺害、他の3人の地元住民も銃弾で負傷し、深刻な状態にある。

22日、モン州Than Pyu Zayat郡区で、10月20日のカレン民族解放軍(KNLA)と軍事フンタ軍との衝突中に死亡した、大隊司令官Than Win Tun少佐の遺体を含む7人の政権兵士の死体が適切な火葬または埋葬なしに墓地に残された。

22日、ヤンゴン地方域の5郡区の電力供給所の近くで5回の爆発が起き、また、別の郡区では6人の銃撃者がKBZ銀行に押し入り、3億チャット(約16万USD)を奪った。

22日、ASEAN緊急外相会議開催、10月26-28日に開催する首脳会議の出席者からミャンマー国軍のトップであるミンアウンフライン総司令官を除外することで合意

22日、国軍側外務省、ミャンマー政府はASEAN憲章により首脳会議に参加する資格があり、憲章に反するミャンマー代表除外という決定は受け入れられないと声明。

10月23日

23日、88世代学生グループの主要メンバーであるKyaw Min Yu (別名Jimmy;コ・ジミー)、逮捕され、頭に重傷を負い、軍病院で危篤状態にある。

23日、国軍、ザガイン地方域Tanze郡区のKar Paung Kya村へ8月26日以来9回目の襲撃を行い、10軒の住居を全焼させる。Khin-U郡区のYwarThit村でも放火攻撃を行う。

23日、モン州では、3か所の郡区にあるNLD事務所が爆破される。

23日、クーデターから9か月間電気料金を支払っていないバゴー地方域Thayarwaddy県MoeNyo郡区NyaungWine地区NgaPyawHtone村全域で、電気料金の未払いのために電気が遮断された。

23日、ヤンゴン地方域では繁華街の交番で国軍兵士が射殺され、郊外2カ所でも銃撃と爆発。

23日、ビルマ国防機構 (Burmese National Defence Organisation)、Facebookページで、ヤンゴン-マンダレー高速道路(ヤンゴン、バゴー、ピュー、タルジ間)の乗客と車に、通常の民間人が負傷する可能性を避けるために旅行中に白旗を掲げるよう警告。

23日、第52陸軍士官学校のAung Myo Htet大尉は軍事評議会を去り、人々の側に立った

10月24日

24日、国軍側、アウンサンスーチー氏の弁護士の1人であるU KyiWinに弁護士にも、地元および国際的な組織や報道機関と話すことを禁じる通達。

24日夜、ヤンゴンの真ん中で「軍事評議会のすべての柱を破壊する」というスローガンの下、軍事独裁政権に抗議して若い活動家のグループが松明を掲げて行進した。

24日、Bago地方域Paungde郡区では44カ村10人の地方管理官が10月15日以降辞任した。最近、地方管理官に対する動きが活発になっており、10月18・21日には Ze Pin Hla村、Pyin Pone村村長がそれぞれ殺害されている。

第38週末

国軍の弾圧による犠牲者は1023日まで1,196

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