05-11/FEB/2023 #WhatsHappeningInMyanmar

2023年2月5日から11日までの1週間にミャンマーで起きたことです。

▼軍事政権は抵抗勢力の力が強く、領土支配を確立できないチン州、マグウェイ地方域、ザガイン地方域、カヤー州、カレン州に戒厳令を布告するなどして、攻勢を強めています。この地域にはキリスト教徒が多く居住する郡があり、こうした村への軍の襲撃が懸念されています。

▼また軍事政権は、実質的に軍系の民間人が拳銃を保有できるように法律を制定し、彼らの武装化が懸念されます。

▼軍事政権の政治的な動きも見られます。カレン民族同盟(KNU)に文書を送り、傘下の武装組織の分断を図ろうとしました。他方、NUGは兄弟同盟の3つの民族武装組織に対し、連邦制民主国家の実現に向け連携を呼びかけました。

▼各地で軍事政権は大規模な空爆を含む掃討作戦をつづけています。カヤー州では避難民キャンプを軍部隊が重火器及び空爆により攻撃しました。住民はこうした攻撃から逃れ、ザガイン地方域での戦災避難民は70万人にのぼり、ミャンマー南東部のカレン州、カヤー州、シャン州南部、モン州、タニンダーリー地域、バゴー地域東部で森の中に避難する住民は368,400人にのぼっています。

目   次

国内情勢

◆ミャンマー政権は認可された民間人に武器を発行する計画。軍系民間人を武装化させる意図だとの見方も。

◆カチン独立軍KIOのエンバンラ議長は5日に開かれた第62回革命記念日の式典で、軍の進める和平プロセスを信用していないと述べた。少数民族を国境警備隊へと組み込み武装解除し抑圧するためのものだと批判。多数派のビルマ人がビルマ人中心主義的思想から脱却しない限り、革命達成には時間がかかるとも。

◆ヤンゴン地域チャウッタン郡内の軍が拠点を構えるシュエフモーウォン・ホールで午後9時15分に爆発が発生。軍は爆発物が仕掛けられたことを否定。空き巣が入ったことによる電気ショートだと説明。バゴー市内でも同日8時頃、爆発が連続で発生。市内を巡回していた軍兵士が車上から銃を乱射する事態に。

◆5日のNUG会合でドゥワーラシーラ臨時大統領は、シャン州進歩党SSPP及び新モン州党NMSPに対しフェデラル連邦制民主国家の実現に向け連携を呼びかけた。臨時大統領は声明等を通して両組織が方向性を同じくしていることを確認。軍に打ち勝つためには結束を固める必要がある。民族同士連帯しようと発言。

◆キリスト教徒は、非常事態宣言延長後に37郡で発令された戒厳令の影響でキリスト教徒居住地域に対する軍による攻撃が増えることを懸念している。37郡のうちチン州7郡、カヤー州4郡にはキリスト教徒が多く居住し、独自の武装組織を持つ。戒厳令の内容は、6:00pm-6:00amまで外出禁止、5人以上の集会禁止。

◆軍は6日カレン民族同盟KNUムートゥーセーポー議長と司令官に「KNUは全土停戦協定に署名済み。傘下組織のKNDO、KNLA、PDFによる軍や警察、村の住民への攻撃は容認できない。厳しく管理統制されたい」とする文書を送った。ソオターニーKNU報道官は「結束を乱す接近。打倒軍事独裁のために戦う」と反論。

経済ビジネス

◆ラカイン州チャウッピュー郡マデー島とヤンビェー島では中国資本による深海港建設計画が進行する。地元漁民は「この水域は言わば育ての親。漁業でせめて子供には良い教育を受けさせたい」と漁業への影響を懸念。事業計画では大型海洋船が停泊できる港10港が建設予定。まずは2島を繋ぐ橋の建設から。

人道問題

◆カヤー州ロイコー郡東部のワーリーコークー村と約千人が暮らす避難民キャンプをロイコー市内の軍部隊が4日、重火器及び空爆により攻撃。重火器の砲弾が当たり女性が1人負傷。学校が燃え、教会、診療所が一部損壊。民家10棟が破壊された。
軍側は、カレンニー民族防衛隊第10大隊の拠点を狙ったと発表。

◆現在一部の郡で戒厳令が発令されているザガイン地域内の全ての郡において連日戦闘が起きており、戦災避難民の数は70万人にのぼる。写真は、地元の市民団体による避難民に対する医薬品や食料支援の様子。

◆9日付の国連人道問題調整事務所UNOCHAの発表によれば、軍の空爆や重火器攻撃から逃れて森の中に避難するミャンマー南東部のカレン州、カヤー州、シャン州南部、モン州、タニンダーリー地域、バゴー地域東部の住民の数は、368,400人にのぼる。

軍事政権による国民・財産への攻撃

◆昨年11月にヤンゴン地域ミンガラードン郡ピンマビン村落区の5村を軍が軍用地だとしてブルドーザーで取り壊したことで住居を失った住民300人程が5日、取り壊し跡地前の路上に集結し、土地の返還を求めた。軍人と警官が住民男性を連行。住民女性に立退きを命じたが応じていないという。

◆ザガイン地域チュンフラ郡、カンバルー郡で、4日から5日にかけて軍第368歩兵大隊と軍製民兵組織ピューソーティーの合同部隊が掃討作戦を展開。カンバルー郡では5村に侵入して焼き討ち。住民2千人が避難。軍がポンナージー村に重火器を撃ち込んだ際、60代の住民男性が負傷。

◆カレン民族同盟KNU第3旅団支配地域のバゴー地域チャウッチー郡オンビンズ村に重火器が落下し、市民2人が死亡。4人が負傷。KNU/KNLAと地元防衛隊の合同部隊と軍との間で7日に戦闘が発生した後、軍が重火器を乱射し、周辺の村に落下。オンビンズ村やズィーゴン村等の村の民家が損壊した。

◆ザガイン地域カンバルー郡コーダウンボ市場を軍が8日、重火器で攻撃。市場全体が破壊された。地元住民の結成する防衛隊と軍との間で銃撃戦が起こった後の出来事。

◆シャン州南部ペーコン郡西カヤン村落区周辺に10日午後11:20頃、ネーピードー空軍基地の軍部隊が戦闘機で重量200kg超の爆弾を投下。建物や貯水槽3つが破壊された。 また、9日午後8:10頃、カレン民族同盟KNU第6旅団支配地域のティーカパレー村を軍が空爆。バプテスト教会と民家が破壊された。

◆ザガイン地域キンウー郡ユワティッコン村に駐留していた軍部隊と軍製民兵組織ピューソーティーの合同部隊が、郡内の村を侵攻。地元住民による防衛隊PDFが時限爆弾で阻止を試みたが、タイェッピンズ村、ミンダウン村等の住民計1万人は危険を察知して退避。

武装抵抗・PDF・戦闘

◆Chin National Army と Chinland Defense Force の合同部隊は、チン州西部に位置する無人のThantlangの町にある軍事政権の警察署を占領した。町の丘の上にある軍の前哨基地を除いて、チンの武装グループが町の 95% を支配している。Chinland Defense ForceメンバーのThantlangの同志が、政権治安部隊との戦闘中に荒廃した空っぽの町の写真を撮影した。この戦闘で4人の軍事政権兵士が殺害され、6人が生きたまま逮捕され、大量の武器が押収された。(Chindwin News Agency, 2023年2月11日 13:38)

国際関係

◆ロシア国営原子力公社ロスアトムのリハチョフ社長が自家用ジェット機でヤンゴン入り。6日に開催予定のヤンゴン大学フライン・キャンパスに開所される原子力技術情報センターの開所式に軍司令官と共に出席することが目的。昨年11月に軍評議会とロスアトム社との間で交わされた覚書に基づき実施されるもの。

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