ミャンマーの大学CDMを支える会

ミャンマー国軍の支配に反対し民主主義を取り戻す「市民的不服従運動」参加者を支援します。

24/SEP-02/OCT/2023 #WhatsHappeningInMyanmar

作者: myanmar投稿日: カテゴリー: いま起きていること(日誌)

2023年9月24日から10月2日までの9日間にミャンマーで起きたことです。

▼軍事政権はいま、空軍と地上軍を総動員してカチン州北部山岳地帯ライザにあるカチン族反政府勢力KIAの本拠地を壊滅させ、隣接するザガイン地方域の反体制民兵PDFへの支援の命綱を絶とうとしている。

▼海外で働くミャンマー人に税率10％の所得税を課す連邦租税法の改正(悪)が施行。海外就労者は二重課税を受けることになる。国内でも、食用ココナッツ油の価格が高騰し市民の生活を圧迫している。

▼ザガイン地方域で軍事政権の軍隊は修道院の小学校を標的にLIB 120迫撃砲から3発の砲弾を発射し、勉強していた6歳から10歳の児童・教師18人が負傷、6人が重傷を負った。

▼クーデター以後今年の7月までに、軍および傘下による殺害3,857人、逮捕者2万4,123人、拘束中1万9,733人、暴力からの避難者160万人、焼き討ち・砲撃など推定破壊建物7万8,874戸、食料不足者30％。

▼SNS上で軍を批判する投稿を行ったことで、6地方20人の市民が逮捕された。また、ヤンゴンではPDFの軍事訓練を修了した容疑、NUGフェイスブックページ管理容疑で、3人が逮捕された。

▼インセイン刑務所に収監されていた22歳の政治囚コーミンヘインカンが、適切な医療を受けられず心臓疾患により死亡。

▼ザガイン地方域では各地で軍事政権軍が村を襲撃し、住民が死亡、負傷し、多数が山中などに逃げている。

▼ミャンマー国軍に融和的な元NLD議員とラカイン人政党AFPの議長が来日し、日本の国会議員らにロビー活動。

目　　　次

国内情勢

◆バゴー地域を震源とする地震が複数回起きており、23日午後8:55に起きたM5.1の地震では、ティンガンジュン郡区サンビャ3番通りの6階建アパートが傾く等の被害が出た。

◆ヤンゴンの私立学校は、生徒に、NUGとPDFはテロリストだと教えるよう命じられた。

◆ミャンマー民族民主同盟MNDAA（いわゆるコーカン軍）のLi Tianfu報道官は、兵員28人が武器と共に軍に帰順したとの29日付の軍の発表について、軍の政治パフォーマンスにすぎず、誤った情報であると真っ向から否定するコメントをThe Kokang メディアを通じて出した。これに対する軍側の反応はない。

◆軍トップが30日にネーピードーで全土停戦協定NCAに署名したカレン民族同盟KNU元議長ムトゥセーポー氏と和平問題について協議したと軍が発表。 KNU報道官は組織の意向とは異なる。クーデターを受け入れておらず軍評議会の正当性を認めていないと否定。KNUは今年 8月、軍が違反したとしてNCAの無効を宣言した。

◆ダウェイ刑務所では看守２人が殺害され、屋外で強制労働させられた受刑者５人が逃走した。

◆ラカイン州の住民は、ARSA武装勢力の増大が地域でのさらなる暴力につながることを懸念している。 ARSA過激派は2017年に30の警察署を襲撃し、イスラム教徒少数民族ロヒンギャに対する徹底的な軍事弾圧を引き起こした。

◆ミンアウンフラインは内務副大臣に対し、警察官を監視し、同省の情報を漏洩した者に対して措置を講じるよう命じた。90人以上の警察官が政権によって監視されている。

経済ビジネス

◆連邦租税法の改正が10月1日に施行される。同改正により海外で働くミャンマー人に税率10％の所得税が課されることになる。外貨で収入を得る海外就労者を免税とする旧租税法31条a項4号（2012年施行）が撤廃された形。これにより海外就労者は二重課税を受けることになる。

◆タイ国営石油会社PTTEPがミャンマーで実施する天然ガス採掘事業のうち２つの鉱区において事業継続のために軍との契約が更新される見通し。国民統一政府NUG及びミャンマー問題に取り組む活動家らが事業の中止を求めていたが、両国のエネルギーの安定供給の取り組みにすぎないとPTTEPのCEOが弁明。

◆食用ココナッツ油の価格が高騰し市民の生活を圧迫している。政府の規定する価格は4375チャット／ℓだが、ほとんどの小売店でその2倍にあたる9000チャットで販売されている。食堂を経営する零細事業者は公定価格で販売する店を探し求めて長時間並んで購入することを余儀なくされている。（動画あり）

人道問題

◆27日、ザガイン地方域Wun Tho郡区で軍事政権の軍隊は修道院の小学校を標的にLIB 120迫撃砲から3発の砲弾を発射し、勉強していた6歳から10歳の児童・教師18人が負傷、6人が重傷を負った。NUG国防省は、軍の蛮行を非難する声明を発表。

◆国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)がミャンマー人権状況に関する最近の報告書を発表。クーデター以後今年の7月までに、軍および傘下による殺害3,857人、逮捕者2万4,123人、拘束中1万9,733人、暴力からの避難者160万人、焼き討ち・砲撃など推定破壊建物7万8,874戸、食料不足者30％。

軍事政権による恣意的な逮捕、殺害、暴力

◆軍評議会の発表によれば、16〜22日までの間に、SNS上で軍を批判する投稿を行ったことで20人の市民を逮捕。「国の安定を乱す発信をした」というのが軍側の説明。逮捕された20人はヤンゴン、マンダレー、バゴー地域、モン、ヤカイン、シャン州在住者で、男性16人、女性4人。

◆ヤンゴン市インセイン刑務所に収監されていた22歳の政治囚コーミンヘインカンが24日、心臓疾患により死亡。適切な医療が受けられなかったことが原因。ボーダタウン郡区44番通りのアパートの上階から若者5人が軍の逮捕から逃れるために飛び降りた事件に関連して逮捕され27年の禁錮刑に処せられていた。

◆10月1日、軍事政権治安部隊はヤンゴンで、PDFの軍事訓練を修了した容疑、NUGフェイスブックページ管理容疑で、3人を逮捕した。 被害者らは軍事政権の厳しい処罰に直面しているとみられ、軍事法廷で長期の懲役刑を宣告される可能性がある。

軍事政権による国民・財産への攻撃

◆タニンダリー地域イェービュー郡西部の村を軍が襲撃。カマウンチャウン村で生活していた避難民10人が22日、拘束された。うち３が女性。軍の襲撃を察知して山中に逃げ込もうと移動していた時に捕まり、現在消息を絶っている。

◆23日午後9時頃、ザガイン地域イェーウー郡ムーターゴン村に、イェーウー市内の伝統医療病院に拠点を構える軍部隊が60mmや120mmといった銃砲を撃ち込んだ。これにより、同村に住む10代の子供が死亡した。

◆30日午後5:50頃、ザガイン地域ディぺーイン郡ピャンチャ村を軍がヘリコプターから機上掃射。被害の程は分かっていない。さらにフマンター村の住民男性1人を軍部隊が殺害。2人を人間の盾として拘束。これにより周辺13村の住民約1万人が避難。降雨もあり厳しい環境に置かれている。食料も不足。

◆村を焼いたミャンマー国軍、支援するのは中国系企業だった。人権団体などの調査で判明：中国の鉱業会社「万宝鉱産」の現地子会社「ミャンマー万宝銅業」と「ミャンマー楊子銅業」。

◆ザガイン地域ディぺーイン市内を10月2日、軍戦闘部隊が侵攻。これにより同市周辺の８村の住民約5千人が退避。

武装抵抗・PDF・戦闘

◆24日午前7時30分、KIAとKPDF特殊作戦部隊はカチン州ミッチーナ市郊外のミッチーナ空軍基地（地元名：Nam Phong空軍基地）を107mm衝撃ミサイル4発で攻撃し、給油中だった中国のF-7戦闘機２機が破壊された。

◆PDF-South Monywaによると、30日、ザガイン地方域MonywaとSalingyi郡区の間のチンドウィン川で、軍護衛船やはしけからなる軍事政権小隊が抵抗勢力に機雷で攻撃され、兵士5名が死亡した。

◆軍事政権はいま、空軍と地上軍を総動員してカチン州北部山岳地帯ライザにあるカチン族反政府勢力KIAの本拠地を壊滅させ、隣接するザガイン地方域の反体制民兵PDFへの支援の命綱を絶とうとしている。10月2日、KIA軍によって50～100人の兵士が2カ月以上閉じ込められているMomauk郡区Lai Lum Awng Jar基地周辺で激しい戦闘が発生。軍事政権は3回の空爆を行い、救出を試みた一部の軍隊はルート上でKIAに迎撃された。同日、Tanai郡区でKIAの前哨基地が親軍民兵によって占拠された。軍事政権軍は軍隊を増強し、カチン州のパカント、バモ、ミッチーナーの主要都市を制圧しようとしたため、ミッチーナー－バモ道路沿いでも３カ月にわたり激しい戦闘が続き、そのため隣接するザガイン地方域では軍事政権の軍隊の戦力が減少し、そこでの戦闘が減少した。

国際関係

◆ミャンマー国軍に融和的な元NLD議員Sandar Minとラカイン人政党AFPの議長Aye Maungが来日し、日本の国会議員らにロビー活動。クーデターに抗議する民主派勢力に混乱の責任をかぶせ、今の軍政下で総選挙をすべきとアピール。漂う軍の影と自己保身。

◆タイ・ミャンマー国境で銃撃戦、覚醒剤225キロ押収。24日早朝、タイ北部チェンライ県メーサイ郡のミャンマー国境近くで、タイ軍のパトロール隊が麻薬密輸業者とみられる10人ほどの武装グループと銃撃戦になった。武装グループは5分ほどでミャンマー領内に逃走。

◆軍事政権の国営英字日刊新聞”Global New Light Of Myanmar”(10月2日付)によれば、Maung Maung Aye総参謀長（陸・海・空）将軍はロシアのウラジオストクに到着し、26日にASEANプラス対テロ対策専門家タスクフォースの実地訓練に出席した。実地訓練は29日までウラジオストク沿海地方で実施さ​​れた。

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