17-23/SEP/2023 #WhatsHappeningInMyanmar

2023年9月17日から9月23日までの1週間にミャンマーで起きたことです。

シャン州北部、中国との国境ゲートが再開されたムセ町では、強盗と強姦事件が劇的に増加している。周辺では、TNLAあるいはKIAが軍事政権軍と重軽銃撃を伴う激戦。

カチン州では、KIAらが軍事政権軍前哨基地を攻撃・占領し、軍は奪還作戦を展開。

チン州では、州憲法の起草及び立法、行政、司法機関の設置に向けた準備が始まった。

▼反軍勢力が、首都ネピドーのA Lar軍用空軍基地を攻撃。軍事政権は、ネピドーと隣接するバゴー地方域で、軍系民兵ピュー・ソー・ティーの武装化を開始。

▼抵抗勢力支援のFB投稿等が見つかった容疑で、軍事法廷で軍医に死刑宣告

ザガイン地方域で、3つのPDFグループの計26人が軍事政権軍の攻撃で殺害された。

▼軍事政権の経済政策:宝石小売業者に対する年間ライセンス料の大幅値上げ計画、ヤンゴンのバーに軍所有アルコールブランド販売再開強要、違反を理由に123の外国為替取引業者のライセンス取消し。

▼第78回国連総会開催、Kyaw Moe Tun氏はミャンマー国連大使の職に留まる。NYでNUG外相ら代表団は、東ティモール大統領、米国外務省当局者らとそれぞれ会談。

日本ミャンマー協会渡邉祐介氏はネピドーで軍事政権商務大臣と会談し、経済協力について話し合った。

▼ASEANの軍隊はインドネシアで初の共同演習を開始し、ミャンマー軍事政権代表も出席

●詳しい日誌、出典は、下記をご覧ください。↓ #WhatsHappeningInMyanmar

目   次

国内情勢

◆シャン州北部の町ムセと中国・瑞麗市を結ぶ国境ゲートは、2020年にコロナ発生以来閉鎖されていたが4日に再開。全国の何千人もの求職者が中国に入国するために集まっている。軍事政権は来週出国予定の約3,500人の電子識別データを分析中で、CDMを含む「ブラックリストに載った人々や逃亡者」の出国を阻止しようとしている。

◆ムセ国境ゲートには連日、臨時越境許可証(TBP)で就労のために中国側に渡ろうとするミャンマー人数千人が押し寄せている。TBP取得に係る詐欺も横行。TBPの有効期間の7日以内に就労先が見つからず残留し、中国当局に収容されるケースも。マグェー、ザガイン、マンダレー、北シャン出身者が多いという。(ビデオ)

◆19日、サガイン地方域北部のチンドウィン川で、物資や民間人を満載し、タグボートで曳航されていた軍事政権の補給船が川の岩に衝突して沈没し、モンユワの学校に向かう大学生や教師を含む約90人が行方不明となった。船には軍事政権兵士らも乗船していた。

◆軍事政権は19・20日、首都ネピドーと隣接するバゴー西部のピイと東部タウングーの軍系民兵ピュー・ソー・ティー 集団に武器、軍事装備、食料を供給し、武装を開始した。軍はバゴー地方域の軍隊の大部分をカレン州とカレンニ州の前線に移送することを余儀なくされている。

◆軍事政権のAung Naing Oo商務大臣がネピドーで日本ミャンマー協会Secretary Generalの渡邉祐介氏と20日に会談し、経済協力について話し合った、と軍事政権の新聞が伝えた。

◆軍事政権ナンバー6の地位にあったSoe Thut内務大臣の解任には、中国の圧力が関与していた。中国は、国境賭博地域でのネット詐欺への強力な措置を要請していたが、彼らのせいで効果的に鎮圧されなかった。Soe Thutは、インセイン刑務所で88世代の指導者U・ジミーら4人の絞首刑を執行した主要な責任者だった。

◆シャン州北部、中国国境に位置するMuse町で軍事政権警察が自動車強盗らを追跡したところ銃撃戦となり、2人が死亡、2人が重傷を負い、警察官も同僚の警察官に撃たれて負傷した。Museでは強盗と強姦事件が劇的に増加している。

◆チン民族戦線CNF、チン民族議員、地元団体のメンバーら計108人による事前会合が印国境沿いの某所で7日〜9日にかけて開催され、チン州評議会会議運営委員会WCCCCが設立された。同委員会は、チン州憲法の起草及び立法、行政、司法機関の設置に向けたチン州評議会会議の招集のための準備を行っている。

経済ビジネス

◆軍事政権は15日、宝石小売業者に対し、10年間据置きだった年間ライセンス料を調整すると通告した。2024年初めに6倍に引上げる可能性がある。すでに7月、宝飾品ビジネス関係者に対し、必要なライセンスを取得せずに営業した場合は罰金と最高3年の懲役を科すと警告した。

◆軍事政権当局者はヤンゴンの19番街にあるバーのオーナーに対し、9月第2週中に軍所有のアルコールブランドの販売を再開するよう促した。

◆19日、軍事政権のミャンマー中央銀行(CBM)は、違反を理由に123の外国為替取引業者のライセンスを取り消した。

◆軍事政権ホテル観光省は、今年1~7月に60万9,690人の観光客が入国し、昨年の10万4,337人に比べて50万人以上増加と発表。少なくとも40万人が陸路、158,663人が空港経由、360人が港経由で入国、大半は中国とタイから来た。 コロナ前の観光入国者数は450万人だった。

◆深刻なインフレ、それに対する国軍の策は「身柄拘束」で、ますますミャンマー国民の生活困窮。

人道問題

◆16日、コックスバザールのキャンプに住む多数のロヒンギャが有刺鉄線の柵を越え車を使って逃亡。警察は各地に検問所を設置し、ウキヤ大学前で29人を逮捕した。ロヒンギャは、逮捕や屈辱の危険を冒して、生計を求めてキャンプの外に出なければ生きていけない。

◆空襲から逃れようと必死に走る子供たち。その時、彼らは空が落ちていくのを感じ、もうABCDを思い出せなくなりました。彼らの学校の土がまだ濡れているのがわかりますが、今私たちの目も濡れています。(ビデオ

◆Myanmar Witnessの報告書によると、軍事政権は、2019年作成”公立病院や診療所マップ”を用いて、医療施設や医療従事者を意図的に空爆、兵士による襲撃、建物の放火の標的にしている。

軍事政権による恣意的な逮捕、殺害、暴力

◆5月にFB投稿閲覧者の通報でYe Yint Swe大尉(32歳;国防医療アカデミー修士課程在籍)を逮捕した軍事政権は、彼のFBや携帯電話を調べたところ抵抗勢力を支援している証拠を発見し、8月に軍事法廷で死刑を宣告した。この動きは、軍関係者に恐怖を植え付け、さらなる亡命を阻止する目的とみられる。

◆ザガイン管区域ザガイン市ターズィー地区の民間学校イントゥエーヤダナー高校の学校長ターターウー氏(女性)が21日夜間、軍により自宅で家族と共に拘束された。NUGのオンラインスクールで授業を担当したとの嫌疑。家族は解放されたが校長は警察署に勾留されたまま。学校は施錠され差し押さえられた。

軍事政権による国民・財産への攻撃

◆ザガイン地域カター郡トウッチー村に川沿いを船で移動して来た軍部隊が17日に侵入。村の住民6人を殺害し、村全体に火を放ち焼き討ちを行った。これにより住宅37棟が全焼。さらに住民5人が拘束されたまま消息を絶っている。住民の証言によれば、軍の船が重火器攻撃を受けたことへの報復だという。

武装抵抗・PDF・戦闘

◆反軍事政権軍であるIron Tiger Battalionは15日、政権の行政首都ネピドーにあるA Lar軍用空軍基地を攻撃した。 ここは軍の最高責任者にとって最も安全な場所とみなされている。(ビデオ)

◆シャン州北部で紛争が激化、民間人が避難。16・17日、Hseni郡区でカチン独立軍(KIA)と軍事政権軍とが、重軽銃撃を伴う激しい戦闘。18日、中国国境沿いのMuse郡区では、タアン民族解放軍(TNLA)と軍事政権兵士の間で激しい戦闘が続いている。

◆マンダレー市チャンエーターザン地区の軍営ミャワディ銀行で16日、爆発事件が発生し軍兵士1人が死亡、2人が負傷。2万チャット新札の発行に対する抗議行動として都市ゲリラ組織が実行。 同日午後10時頃にはマンダレー大学構内で爆発物が見つかり校門で教員や学生への軍による厳しい検査が行われた。

◆KIAは16日午前8時ごろ、カチン州ライザのKIA本部近くのNam San Yang村からライザ川を渡ったところにある軍事政権軍の前哨基地を占領した。軍事政権軍は基地を奪還するために、KIAに対して大規模な作戦を開始し、18日現在、空爆を続けている。

◆凄腕の狙撃兵であるとみられる軍事政権兵士が20日、338スナイパーライフルと弾丸 50 発を携え、ミャンマー軍事政権Light Infantry Battalion-09から亡命し、KNLAの特殊部隊Cobra Columnに加わり、カレン州PDFに合流した。

◆20日、KIAとKPDFはカチン州でSumprabum南方にある軍事政権軍30名以上が駐屯する「Drukha(ဒရူခ)」基地を攻撃・占領し、軍兵士10人を殺害、迫撃砲弾などの弾薬12箱を含む大量の武器弾薬を押収した。 戦闘は夜明け前から正午まで続き、KIA軍らは占領後、撤退した。戦闘機が飛来したが雨天で爆撃はなかった

◆Urban Special Operation (USO) は22日午後7時33分、ヤンゴンのSouth Okkalapa郡区にある軍の武器ブローカーAung Moe Myintの事務所を、警告として40ミリ手榴弾2発で攻撃した。彼は、軍に武器や装備を販売し、海外からのジェット燃料の輸入に携わっている。攻撃には軍内部の協力者の助けがあった。

◆ヤンゴン市内の4つの郡区(南オウカラパ、ターケータ、北ダゴン、マヤンゴン)で22日夜間、爆発音が響いた。爆発の場所は特定されいてないが、いずれも大音量だったという。

◆ザガイン地方域ミンムー(မြင်းမူ)郡区で22日、軍事政権軍がGwai Pin村に入ったとき、Khor Min村のPDFがSotaw村に移動するときに殺害され、21日から22日朝にかけて3つのPDFグループの計26人が殺害された。逃走しようとして西側から撃たれた遺体や、下水道で殺された遺体もあった。地元のPDFの位置が特定され、攻撃中に両側から軍事政権軍によって挟み込まれたことから、この地域の地元PDF部隊を弱体化させることを目的とした標的を絞った作戦であったことが示唆される。

◆シャン州北部でTa’ang National Liberation Army(TNLA)は23日、Muse郡区にある軍事政権とその関連組織Lungthang’s People Militiaから複数の武器を押収した。 TNLAはシャン北部の領土内において、最近の3回の戦闘で、軍事政権軍に多大な死傷者を出す損害を与えている。

国際関係

◆ASEANの軍隊は19日、インドネシアで初の共同演習を開始した。ASEANはミンアウンフラインの首脳会議参加を禁止しているにもかかわらず、演習にはミャンマー軍事政権代表も出席した。

◆米国は21日、ビルマ、バングラデシュ、およびその地域の人々を支援する追加の人道支援1億1,600万ドルを発表した。ロヒンギャ難民とその受入れコミュニティを支援するための7,400万ドル以上、安全な飲料水、医療、保護、教育、避難所、心理社会的サポートが含まれる。

◆5日から開催の第78回国連総会で、Kyaw Moe Tun氏は引き続きNUG政府推薦のミャンマー国連大使の職に留まる。信任状委員会は中国、ロシア、米国、アンドラ、グレナダ、ナイジェリア、ソロモン諸島、スリナム、トーゴが任命されたが開催されず、以前有効だった資格情報が残る。

◆21日、NUG外相Zin Ma Aung、ミャンマー代表国連大使Kyaw Moe Tunらは、NYで東ティモールのホセ・ラモス・ホルタ大統領と会談し、ミャンマーの「春の革命」に関連する問題について話し合った。NUG代表団は20日、米国外務省当局者らと会談し、協力問題について話し合った。

◆NY国連本部で開催中の国連総会に出席中のセター・タウィーシン・タイ首相兼財務大臣は、グテーレス事務総長との会談後、記者団に対し、タイは人権の重要性を認識しておりタイ側にいる難民支援に全力を尽くしていると述べた。また事務総長からの懸念についても真摯に受け止め難民支援を行っていくとも。

その他

◆昨日、ミャンマー人実習生の母国にいる弟が撃たれて死んだと衝撃的なニュースが入ってきた。場所はタニンダーリのベイ近くの村。 話は6年前に遡るが受け入れ企業の面倒見の良い社長と一緒に実習生の家庭訪問をするため、飛行機でベイまで飛び、そこから車で実習生の実家まではるばると出かけた。 その田舎の村の家で家族全員で撮った写真 の中にその弟は写っていた。当時はまだ12歳。あどけない少年の顔をした彼の姿が。 時を経て、18歳になった実習生の弟。その村には頻繁に軍が入ってきて、反軍運動をする若者を狙っていた。その弟は実際には何も反軍活動はしていなかったが、若いというだけで、誰かの密告から民主派と勘違いされて、撃たれたという。 なんともいたたまれない衝撃的な話だった。 この兄弟は5人兄弟で、一番上の兄が日本で働く実習生、撃たれた弟は末っ子。真ん中の三男はまさに本日、兄と同じ会社で働くために実習生として先ほど旅立った。 弟の無念が残るも、ミャンマーには残らず彼の分まで頑張って日本で働きますと。

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