30/JUL-5/AUG/2023 #WhatsHappeningInMyanmar

2023年7月30日から8月5日までの1週間にミャンマーで起きたことです。

▼軍事政権、非常事態宣言をさらに6ヶ月延長することを決定。

▼NUCCとNUGは、進行中の政治的変化に関して特別会議を開催。

▼軍事政権、刑務所収監者7749人を「恩赦」アウンサンスーチー氏、ウィンミン氏は数年の減刑のみで解放せず。

▼軍トップが権威誇示のために総工費4000万ドルをかけてネーピードーに建立した、大理石製の巨大仏像マーラウィザヤの完成式典

▼軍事政権、人事を一部刷新。国防相や内相も交代

▼軍事政権、タニンダリー地域沿岸地域軍管区副司令官・軍評議会の治安国境担当大臣・師団長を、タイ国境貿易で不正行為があったとして拘束

中国の特使がネピドーでミンアウンフラインと会談。その後ダッカを訪問してバングラディシュ外相と、バングラデシュ、ミャンマー、中国の三国主導によるロヒンギャの本国送還開始について話し合う。

▼7月下旬からチンドウィン川を軍艦が遊弋しながら沿岸の村々を砲撃、人々が避難。

ザガイン地方域で、軍事政権軍が引き続き村々を攻撃。

▼ワ州連合軍の統治する地域でスズの生産が止まっており、ロンドン市場で2倍に高騰、中国鉱物市場にも影響。

進行中の政治的変化をどう見たらいいかについて、
民衆の(非武装の)闘争や市民抵抗運動がなぜ必要なのでしょうか?」もご覧ください。

目   次

国内情勢

26日、軍評議会のネーピードー特別部隊がタニンダリー地域沿岸地域軍管区副司令官・軍評議会の治安国境担当大臣・師団長を拘束。副司令官と大臣は資産を差押さえられた。タイ国境貿易から莫大な利益を得ているとの密告が軍に対してあったこと及び同地域内のPDFの活動を制御できていないことが理由。

◆29日付軍営紙によれば、中国外務省の鄧錫軍・アジア事務特使が28日、ネーピードーで軍トップと会談。和平問題、国境地域の安定、ロヒンギャ帰還難民受け入れ問題、オンラインギャンブル・詐欺の撲滅等について協議。中緬国境周辺では、カチン独立軍と軍との間で1ヶ月に渡り激しい戦闘が続いている。

◆国民民主連盟NLD中央執行委員会は29日に開かれた会合後に発表した声明で、政治問題を解決するにはアウンサンスーチー氏の参加が必要不可欠だと訴え、同氏及び全ての政治囚の即時解放を求めた。連邦制の樹立に向けて少数民族との信頼関係の構築が重要であるとし少数民族問題委員会の拡充を図るとも。

31日午後4時45分、軍は、軍の指揮下に置かれている国営放送局MRTVを通じて、国防治安評議会で非常事態宣言を6ヶ月延長することを決定したと発表した。ミンアウンフライン軍司令官は、延長の理由として暴力を伴う殺戮の拡大を示した。

31日、進行中の政治的変化に関してNUCCとNUGが特別会議開催。 「アウンサンスーチー氏は国民の意志を強調していた。我々は変わらない。2008年憲法が存在する限り、連邦制民主同盟を設立することは不可能だ。」「我々は専制政治の根絶と連邦制連合国家の設立、つまり我々の重要な政治的道筋に焦点を当て、連邦民主憲章を追求する。いかなる困難があっても、我々はテロを拒否し、団結しなければならない。」

8月1日、軍評議会はワーゾー満月に合わせ、アウンサンスーチー国家顧問に対し科された禁固刑のうち5つの罪について「恩赦」を与えると発表。ウィンミン大統領に科された禁固刑のうち2件についても同様の措置が取られた。

8月1日、軍は刑務所収監者7749人に「恩赦」を与えた。少数民族武装組織の関連で起訴されていた市民72人、刑が確定していた少数民族武装組織メンバー22人、外国人125人も含まれていた。また、死刑判決を受けていた若干名の収監者に対し終身刑へと減刑する措置も取られた。

2日、軍トップが権威誇示のために総工費4000万ドルをかけてネーピードーに建立した大理石製の巨大仏像マーラウィザヤの完成式典が開かれた。軍を支持するティータグー僧正ら僧侶や業務命令で参加した公務員が参列した。(動画あり)

2日夜、ミャンマー軍事政権が人事の一部刷新を発表。最高裁長官、会計検査院長官、汚職撲滅委員会委員長、国家人権委員会委員長、宗教文化省大臣、電力省大臣ら6名が健康上の理由から退任。新任については未発表。

3日付人事「2021年2月のクーデター直後の「組閣」以降、国防相や内相の交代は初めて」 ミャンマー軍政、国防・治安の閣僚交代 武装勢力を掃討 – 日本経済新聞

◆ヤンゴン市内で8月1日より若者をターゲットとする軍の検問が強化されている。以前は各所に設けられた検問所で行われていたが、今月に入ってからは、走行中の車両を軍用車両で追跡し停止を命じたり、路線バスYBSに乗り込んで来た兵士らが乗客の検問を行うケースが相次いでいる。

経済ビジネス

◆ワ州連合軍の統治する地域で錫の生産がストップ。これにより中国の鉱物市場に影響が出ていることを国際錫生産業者協会ITAが8月3日に公表した。現在ワ州自治政府が2千tの錫石を保有した状態で8月から生産を停止していることでロンドン市場の錫の価格が200%上昇。ワ自治管区の錫産出量は世界3位。

◆軍事評議会傘下のミャンマー国営航空(MNA)は、空軍用のジェット燃料のために、名目上民間機用のジェット燃料を輸入し、また、国内線で軍用の武器も輸送している、とネピドーの関係者は述べた。

人道問題

◆ミャンマー戦略政策研究所ISPの調査によれば、クーデター発生から2年余りの間に106の郡において住宅約8万棟が軍の焼き討ちにより焼失した。(動画あり)

◆カヤー州の戦災避難民に対するASEAN人道支援センターAHA Centreからの支援物資が、停戦合意済組織・パオ民族解放機構PNLOを通じて届けられた。物資は400世帯に対し米袋400袋。1450人分の日用品。5月にAHAの使節団がシャン州で何者かに攻撃されて以来、2度目の支援になる。

◆マグェー地域ガンゴー郡で大雨の影響で水害が発生。同地に避難する戦災避難民は二重に被災している状態。(動画あり)

◆バングラデシュの難民キャンプをボートで脱出し、マレーシアに向かう途中だったロヒンギャ72人が4日、エーヤーワディ地域ラプッタ郡付近の海上で漂流中に軍により拘束された。エンジンが故障して5日目だった。

軍事政権による国民・財産への攻撃

28日、軍がザガイン地域サーリンジー郡で、チンドウィン川上の軍用船から河岸の村に向けて重火器による攻撃を開始。シュエゴン村の住民2人と国民防衛隊PDFのメンバー3人が負傷。河岸に位置する11村の住民計約8千人が避難した。

29日、軍戦闘部隊がザガイン地域モンユワ郡マウー村に60mm迫撃砲を撃ち込み、民家に着弾。15歳の少女1人が死亡。住民女性3人が負傷。周辺で武力衝突は起きていなかった。住民の証言によれば30人程度の同部隊は周辺の村や農地に向けて無差別に重火器を発砲したり住民への尋問や女性の強姦等を行っている。

2日、マグェー地域マグェー郡ナンカッ村落区の住宅6軒を、軍と警察が県評議会議長の命令により住民への事前通知なく重機で強制的に解体。

◆ザガイン地域ザガイン郡チョーゼーヤー村を7月31日、兵力100人程度の軍部隊がドローンで爆撃後、村内に侵入。住宅6棟を焼き、住民の家財を持ち去った。 4日には、マグェー地域セービンズ村に軍部隊と軍製民兵組織ピューソーティーの合同部隊が侵入。住民の所有物を略奪した。

◆ザガイン地域タムー郡カンパッ市第1地区の住宅14棟を軍部隊が焼き払った。軍の侵攻を受け7月23日より住民約1万人が順次インド国境方面に避難。地元防衛隊軍との間で衝突が起きた7月26日に焼き討ちがあった。カンパッキリスト教協会KCCの牧師の仲介により軍-防衛隊間で8月2日に一応の停戦合意がなされたばかり。

◆ザガイン地方域でチンドウィン川沿いの村々が軍艦の集団から砲撃を受け、人々が避難している。

武装抵抗・PDF・戦闘

4日、カレンニー軍KAと軍部隊との間で戦闘が発生。軍側がタイ国境から5kmの距離にある基地に兵力を補充したことがきっかけ。戦闘において軍は迫撃砲やドローンを使用した攻撃や、機上掃射を行ったという。この戦闘によりタイ・メーホンソーン県に避難した住民9033人は、臨時避難所に保護されている。

国際関係

8月1日、リンダ・トマス=グリーンフィールド米国連大使は安全保障理事会議長国として行った記者会見で、ロヒンギャ問題に強い関心を持って取り組んでおり、バングラデシュのロヒンギャ難民キャンプを訪問をする意向があることを明らかにした。

◆中国の鄧錫軍特使はミャンマー訪問後、7月30日から3日間ダッカを訪問し、バングラデシュ外務大臣と会談。ロヒンギャ帰還構想、特にバングラデシュ、ミャンマー、中国の三国主導によるロヒンギャの本国送還開始について話し合ったという。

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