第37週目 (10月11日~10月17日) 日誌

国軍による大規模な「クリアランス作戦」が、チン州、ザガイン地方域ではじまり、激戦がつづき、民間人への被害が出ています。地元からの情報では、国軍側に損害が出ており、報復に民間人への銃撃や拘束を行っています。国軍に拘束されているウィンミン大統領が裁判で、2月1日に国軍高官によって辞任を強要されたが拒否したと明らかにしました。これに対し国軍は、アウンサンスーチー氏とウィンミン氏の代理人である弁護士がメディアや国際NGO、外国政府等と接触することを禁じました。ASEAN特使が11-14日にミャンマーを訪問してアウンサンスーチー氏との面会を要求しましたが、国軍がこれを拒否したので、特使訪問は中止となりました。10月15日、ASEANはオンラインの緊急外相会議を開き、「10月26-28日に開催する首脳会議の出席者からミャンマー国軍のトップ、ミンアウンフライン総司令官を除外することで合意」 しました。「内政不干渉」 を原則としてきたASEANにとっては異例の決定です。

10月11日

11日、国軍系外務省、NUG事務所の開設を許可している国に対して「破壊活動に加担している」と非難。

11日、国軍広報官ゾーミントゥン、NUGおよびPDF を支援し承認している人・組織・機関・会に死刑を宣告すると発言。

11日、国軍側メディア、9月27日までの約8カ月に国軍への密告者として406人が殺害されたと報道。

11日、国営新聞Myanma Alinn、国軍広報官ゾーミントゥン少将による「北西軍管区の副司令官の側近と運転手がCDMに参加したという情報を国外のメディアが伝えているが事実無根の誤報。側近も運転手もそれぞれに職務を行っている。ただ、1か月前に情報部隊の1人がCDMに参加したのは事実だ」とのコメントを報道。

11日、Progressive Karenni People’s Force (PKPF)、国軍はカヤー州での253日間で合計122人が死亡したと発表。

11日、サガイン地方域Pearl郡区で国軍とPearl-PDF軍との間で戦闘が3回起き、参謀を含む30人以上の国軍兵士が死亡。

11日、ザガイン地方域革命軍 (PRA)、国軍に対して地雷500個で攻撃する作戦を実行すると発表。

11日、アウンサンスーチー氏が訴追された収賄容疑に関する証拠品は発見されていないと、チーウイン弁護士が明らかにした。

11日、英国のたばこ大手ブリティッシュ・アメリカン・タバコ (BAT)、ミャンマー事業を停止していたことが分かった。

10月12日

12日、最近、チン州の町の軍隊と警察の大隊に、軍の増援が増えている。

12日午後2時50分頃、21台の軍用トラック(3台は食料、残りは兵士を満載)と1台の装甲戦車がチン州のFalam(Kaleから左)に到着し、Van KaOの丘に向かって移動していった。 さらに、約50台のトラックが、Lom BanからFalamに向かった。

12日、ネピドーで予定されていた、アセアン特使イリバン・ユスフといくつかの政党との会談が中止になった。

12日、ウィンミン大統領、裁判で、「2月1日の朝、2人の国軍高官が辞任を要求したが、自分は死んでも軍の要請には応じないと返事した」と証言。国軍による政権奪取が「クーデター」であることが、裁判で明らかになった。

10月13日

13日、国軍、少数民族武装勢力のチン民族戦線(CNF)本部を壊滅するため全面戦争の態勢に入った。軍事政権は、チン州に対する攻撃を「クリアランス作戦」と呼んでいる。

13日午前7時頃、マグウェ地方域のKyauk Toからチン州のMindatまで90台以上の軍用車両が移動した。人権団体は、チン州での大規模な攻撃をここ数日間、警告している。

13日、国軍とチン国民軍(CNA)との激しい戦闘が、Hakha-Falam道路を横切って起きている。

13日、シャン州北部で戦闘が激化している。Kokang自治区Mong Ko郡区で激しい戦闘。

13日、戦闘がつづいているザガイン地方域で、国軍と反クーデター人民防衛隊(PDF)の民兵とが衝突し、少なくとも30人の国軍兵士が死亡。報復に、国軍兵士が民間人を攻撃している。

13日、国軍、ザガイン地方域Minkin郡区のLong Pyae村を襲撃し、恐怖から村の外へ走って逃げた5人の地元住民を射殺。

13日、国軍、カヤー(旧カレンニー)州Hprusoでの砲撃により、5つのキリスト教教会が大被害を受けた。

13日、国軍兵士、モン州Mudon郡区に住む16歳と17歳の少年を自宅で逮捕。

13日午前9時14分頃から午後5時頃まで、ヤンゴンを含む全土で停電 (システム故障による)。

10月14日

14日、国軍はチン州で、13軒の家と教会があるRialti村全体を燃やした。CDF (チンランド防衛隊) / CAN (チン国民軍) との戦いが激化するにつれて、Falam-Hakha道路にあるThlanrawn村で少なくとも10軒の家を燃やした。

14日、チンランド防衛隊 (CDF;4月に地元住民が結成)、国軍の砲兵隊が配備されている、 軍事的緊張を避けてこの場を離れるよう人々に促した。チン州 Mindat郡区では、国軍側が2両の戦車を伴った歩兵部隊を配備した。

14日、CNA(チン国民軍)/ CDF(チンランド防衛隊)、チン州に接続するほとんどの道路と主要補給ルートを制御または破壊して、国軍の援軍と補給品輸送を妨害した。

14日、国軍兵士と民兵約300人、カチン州Putaoから軍用機によって、国軍とPDFとの戦いが行われているザガイン地方域に輸送された。この民兵は2007年のサフラン革命でも軍隊を助けた。

14日、ザガイン地方域で、反クーデター運動に対抗するために軍の支援を受けて結成されたPyu Saw Htee民兵のメンバー30人が、25丁のtumiライフルを持ってHtee Lin YDFレジスタンスグループに降伏

14日、国軍側、アウンサンスーチー氏とウィンミン氏の代理人である弁護士が、メディア、外部組織、国際NGO、および外国政府当局者と直接的または間接的に関与することを禁じ、裁判の内容、拘束されている指導者の発言や健康状態等が外部に伝えられないようにした。

14日、NUG、「一部の外国の非国家武装集団(NSAG:インドのメイテイ族の反乱軍兵士?)が、軍事フンタの助けを借りてミャンマーの領土内に定住している。近隣諸国が国家安全保障への脅威と見なしている事業体がミャンマーの領土内に定住することを許可しない」と宣言。

14日、ヤンゴン地方域Khayan郡区で、Khayan人民行政グループ (CDMスタッフ、活動家、および国民防衛隊が形成) が一時的に形成された。 PDF Khayanが10月3日に国軍側が任命した区管理者に辞任するよう警告した後、65人がすでに職を辞し、Khayan郡区の管理は完全に停止した。

14日、在ミャンマー米国大使館、米国市民にタニンダーリ地方域Dawei、 Laung Lone、Thayet Chaung郡区を直ちに出発するよう指示。

14日、ASEAN外相はミャンマー問題を議論するための緊急会議を開催する、また、シンガポール、米国の高官がワシントンでミャンマー問題について話し合うとの報道。

10月15日

15日午前4時頃、ザガイン地方域Khin-U郡区に到着した国軍兵士約200人、ShweboとKhin-Uのゲリラ軍によって地雷で攻撃され、国軍側の武装民間人Pyu Saw Hteeメンバーと合わせて、少なくとも60人が死亡。攻撃中にゲリラ側は被害を受けなかったが、国軍兵士は事件後、21人の非武装の民間人を連行。

15日、国軍側、エーヤワディ地方域Maubin郡区およびIngapu郡区で、この1週間で60人以上の民間人を逮捕。

15日、在ミャンマー英国大使館、「英国は、チンとザガインでのミャンマー軍による軍隊の増強と攻撃の報告を注意深く監視している。我々は民間コミュニティへのリスクを懸念している。軍は直ちに暴力をやめ、国際法を尊重しなければならない」 との声明を発表。

15日、国軍側、ASEAN特使エルワン第2外相(ブルネイ)が求めた今月11日から14日までのミャンマー訪問を拒否したと発表

15日、ASEAN、ミャンマー情勢を巡り、15日にオンライン形式で緊急外相会議開催

10月16日

16日、国軍、チン州Matupi郡区でインターネットを遮断して攻撃、非武装の民間人を殺害し、宗教建築物も破壊している。午後、Matupi郡区で、国軍が発射した砲弾の爆発によって小屋にいた6歳の少女が死亡。また、農場にでかけた地元民が、国軍によって設置された地雷を踏んで亡くなった

16日、ザガイン地方域Ayadaw郡区の2名の警官、CDMに加わる

16日、2015年のテインセイン大統領政権下での全国停戦協定(NCA)署名から6周年。NCA署名者の1人として、カレン民族同盟 (KNU) は、軍事政権が政治への参加をやめ、活発な軍事作戦に終止符を打ち、拘束された指導者を釈放することを求める声明を発表。

16日、ASEAN議長国ブルネイ、15日に開催したオンライン形式緊急外相会議の決定に関する声明を発表、「10月26-28日に開催する首脳会議の出席者からミャンマー国軍のトップ、ミンアウンフライン総司令官を除外することで合意した。ASEANは、ミャンマー国民からの絶え間ない圧力により効果的な進展がない限り、ミンアウンフラインを招待しないことを決定した。ミャンマー代表として代わりに非政治的な代表を招待する可能性がある」。

16日、ミャンマーの有名な歌手キャーポッウ、ドゥードゥルアート (doodle art) で描いた「ウクレレ」をオンライン・オークションに出品。落札価格は27,500USドル (6,000万チャット) に達し、「世界でいちばん高いウクレレ」 になった。キャーポッウは全額を「春の革命」支援のために寄付する。

10月17日

17日午前6時頃、シャン州北部Mong Ko郡区にある国軍側戦略的軍事基地とHpawng Seng村の周辺で、Kokang-MNDAAと国軍との激しい武力衝突が発生。 両陣営は重火器と軽火器を使用している。

17日、モン州選出の国会議員14人 (NLDの3人、MUP(Mon Unity Party)の11人) が、NUG / CRPHを拒否する誓約書に署名。2020年11月総選挙でモン州から選出された合計45人の議員(NLDの34人、MUPの11人)の多くは軍事評議会と協力している。

第37週末

国軍の弾圧による犠牲者は1016日まで1,178

1016日の時点で、合計7,355 人が拘留されている。355人は直接刑を宣告され、そのうち26人は死刑を宣告された(2人の子供を含む)。1,989人は逮捕状を発付されている。118人が欠席判決を受け、そのうち39人が欠席裁判で死刑判決を受けた。合計65人が死刑を宣告されました。

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