独自の電子暗号通貨 (MYD)

ミャンマーチャット (MMK) は国民支配の道具

2月1日のクーデター以降、国軍は銀行の現金引き出しを制限したり、国民の銀行口座を支配してCDM 活動家を追跡したり、活動家等の銀行口座を閉鎖したりしました。さらに、軍はミャンマーチャット (MMK) を無制限に発行してインフレを促し、国の経済体制を破壊しています。

国軍支配を脱するミャンマードル (MYD)

これに対してITに詳しい民主派の人たちは、軍の支配から脱しようと考え、軍が管理する通貨MMKを使用しない独自の電子暗号通貨「ミャンマードル (Myanmar Dollar;MYD)」を発明しました。

「Myanmar Dollar (MYD)」は、高速で、環境に優しい、安全で、民主的なデジタル通貨です。第3世代の暗号通貨であるNanoに基づいており、ミャンマー国内でのみ供給されます。(⇒ MYDサイト 参照)

MYD通貨を使用すれば、使用を制限されたり、お金の引き出しを制限されたりすることなく、全ての取引は完全に自分で管理できます。

MYDの供給に関しては、上限1,000億MYDを発行して、その内50%を登録した全ての国民に、25%を国民統一政府(NUG)に、20%を慈善団体(そのうち5%をユーザーの招待やコンテスト等、このプロジェクトの成功を支持する人々)に、分配する予定です。

MYDの可能性

MYDの使用が広がると、MYDは世界通貨取引所に登録され、MYDを別の通貨に交換することができるようになります。軍支配のチャット経済を失敗させて独裁軍事政権を根絶するうえで、MYDは民主派の一つの強力な武器になりえます。しかし、MYDが信用性を得て安定している通貨として普及するには、国民一人一人の協力がまだまだ必要となっています。

課題も多いMYD

現在MYDチームはNUGに連絡していますが、まだ連絡が取れていません。国際的には米国を含む他の諸国が電子暗号通貨を合法化していますが、ミャンマーではNLD政府が、お金を失うリスクが大きいので承認しないと発表したこともあります。

暗号通貨は可能性があると思いますが、まだ理解できないことがあります。「上限1,000億MYDを発行」というそのMYDは、まったくの仮想のお金のようで、何かに裏付けられているのでしょうか。お金は、だれもが価値があると認め合い、了解しあえれば、それはお金として流通すると考える人もいます。

とはいえ、このような実験的な取り組みによってクーデター軍に反対し、民主主義国家ミャンマーを創ろうとしている若者がいることに、ミャンマーの可能性を感じます。

プロジェクトは終了した

MYDは2021年12月18日にTelegramでプロジェクト終了のお知らせを発表して運用を停止し、そのWebサイトは閉鎖されました。NUGからの承認が得られず、NUGがUSDTの使用12月11日に発表したからだと見られます。

Follow me!

独自の電子暗号通貨 (MYD)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


トップへ戻る
Translate »
PAGE TOP